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「性病」はサウナ・公衆トイレでもうつる? 性病リスクが高まる“意外な行動”を医師が解説

 公開日:2024/11/01
「性病」はサウナ・公衆トイレでもうつる? 性病リスクが高まる“意外な行動”を医師が解説

「性行為をしなければ性病にはならない」と思っていませんか? じつは日常生活にも、性病の感染リスクが潜んでいるのです。一体、どのような行動が危険なのか、「性感染症内科ペアライフクリニック横浜院」の永井先生に解説していただきました。

永井 良

監修医師
永井 良(性感染症内科ペアライフクリニック横浜院)

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帝京大学医学部卒業。2024年、神奈川県横浜市に「性感染症内科ペアライフクリニック横浜院」を開院。日本内科学会総合内科専門医、日本腎臓学会専門医。日本性感染症学会、日本感染症学会の各会員。

性病はどのようにして感染する?

性病はどのようにして感染する?

編集部編集部

性病は、どのようにして感染するのですか?

永井 良先生永井先生

「性行為をしなければうつらない」と考えている人も少なくありません。たしかに、性病に感染するルートは性行為が一般的です。しかし、じつは性行為以外にも性病に感染することがあります。

編集部編集部

例えば、どのようなことで感染するのですか?

永井 良先生永井先生

オーラルセックスやキスのような「性行為に近い行為」によって、感染する場合もあります。もちろん、本番行為のない性風俗でも、性感染症はうつるリスクがあります。

編集部編集部

そのほかには、どのような感染経路が考えられますか?

永井 良先生永井先生

血液や体液による感染経路もあります。例えばHIVの場合、感染すると血液、精子、膣分泌液、母乳などにもHIVが含まれるようになります。そのため、こうした体液を介して他者にうつすことがあります。また、血管に達するほど深い傷がある部位に感染者の体液が接触することでも、感染する場合があります。

編集部編集部

HIVは汗や唾液でもうつるのですか?

永井 良先生永井先生

いいえ。HIVが活動できるのは体液や血液のなかだけであり、汗や涙、唾液、尿などから感染するリスクは非常に少ないとされています。これは、そもそもそれらに含まれるウイルス量が極めて微量であるためです。

日常に潜む様々な感染リスク

日常に潜む様々な感染リスク

編集部編集部

そのほかにも、性病の感染ルートにはどのようなものがありますか?

永井 良先生永井先生

女性が気をつけたいものに、細菌やウイルスなどが母体から胎児へ感染する「母子感染」があります。母子感染によってうつる性病にはHIV、梅毒、B型肝炎、C型肝炎、クラミジア、淋病(淋菌)などがあります。

編集部編集部

母子感染の場合、女性は妊娠する前から感染しているのですか? それとも妊娠後でしょうか?

永井 良先生永井先生

妊娠前からもともと細菌やウイルスを持っている場合もありますし、妊娠中に感染する場合もあります。それらの細菌やウイルスがお腹の中で感染したり(胎内感染)、赤ちゃんが産道を通るときに感染したり(産道感染)、母乳から感染したり(母乳感染)します。

編集部編集部

母子感染を防ぐには、どうしたらいいのでしょうか?

永井 良先生永井先生

妊娠中は母体の免疫機能が低下しています。そのため、もともと細菌やウイルスに感染しやすいという特徴があります。治療しないまま放置すると、症状が進行したり、早産や流産のリスクが高まったりします。妊娠中に性病検査を受け、万が一陽性と診断された場合には母体への治療をおこなうとともに、胎児への感染予防に努める必要があります。

編集部編集部

性病検査を受けることが必要なのですね。

永井 良先生永井先生

もちろん女性だけでなく、パートナーも受けるべきです。無自覚で相手にうつしたり、うつされたりしていることもあるため、必ずパートナーと一緒に性病検査を受けましょう。

銭湯や公衆トイレにも要注意

銭湯や公衆トイレにも要注意

編集部編集部

性病の感染経路として、意外なものはありますか?

永井 良先生永井先生

場合によっては銭湯やサウナ、公衆トイレなどでも感染することがあります。基本的に、これらで感染することはほとんどありません。しかし、銭湯やサウナなどの衛生管理が極めて悪かったり、自分の性器に傷がついており、性病のある人もその銭湯やサウナなどを使っていたりする場合には、感染することも考えられます。

編集部編集部

銭湯やサウナをよく利用する人は、どうやって感染を予防したらいいのでしょうか?

永井 良先生永井先生

例えば、入浴後などにシャワーで性器を洗うようにすると、感染予防に役立ちます。また、女性の場合は、床や椅子などに性器が直接触れないようにするといいでしょう。そのほか、性病に感染している人とタオルや服を共有すると感染リスクが高まりますので気をつけましょう。

編集部編集部

性行為がなくても、体調次第で発症することがあるのですか?

永井 良先生永井先生

はい。そのようなときに性行為をおこなうと、パートナーにうつすリスクがあります。そのため、かゆみや炎症、おりもの増加、膣の周りが赤くなるなどの異常がみられたら早めに医療機関を受診し、治療を受けることが必要です。

編集部編集部

ほかに、性病に感染しないために日頃からできることはありますか?

永井 良先生永井先生

「性行為以外でも性病に感染する」ということを覚えておいてください。例えば、オーラルセックスの際にもコンドームを使用して、性病から身を守るようにしましょう。

編集部編集部

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

永井 良先生永井先生

性感染症は必ずしも症状を伴わず、無症状の場合も少なくないため、自覚症状の有無に関わらず定期検診を受けましょう。その際には、性感染症の専門クリニックで受けるのがおすすめです。性病の菌やウイルスは性器の周辺だけでなく、喉などのほかの部位に見つかることがあるので、満遍なく検査してくれるところを受診しましょう。特に風俗店で勤務しているなど、リスクが高い人は月1回受診することをおすすめします。

編集部まとめ

近年、若い人を中心に性病の感染者数が増えています。「自分が性病にかかるわけがない」という油断は禁物です。性行為をするときには必ずコンドームを使用するとともに、ちょっとした違和感が見られたら、早めに診察を受けてください。また、定期的に検診を受けることも忘れないようにしましょう。

医院情報

性感染症内科ペアライフクリニック横浜院

性感染症内科ペアライフクリニック横浜院
所在地 〒220-0005 神奈川県横浜市西区南幸2-8-9ブライト横浜4階
アクセス JR「横浜駅」 徒歩5分
相鉄本線「平沼橋駅」 徒歩8分
診療科目 性感染症内科

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