「片頭痛」になりやすい人の特徴はご存じですか? なりにくい人との違いや前兆も医師が解説!
片頭痛は、何年にもわたって悩まされている人もいる一方で、全く経験しない人もいます。なぜこの違いが生じるのか、気になる人も多いでしょう。今回は、片頭痛を引き起こす原因や前兆となる症状などを「北村脳神経クリニック」の北村先生に解説していただきました。
監修医師:
北村 高之(北村脳神経クリニック)
頭痛の原因
編集部
頭痛はどうして起こるのでしょうか?
北村先生
頭痛は、様々な原因で起こります。頭痛のほとんどを占める「一次性頭痛」はストレスや生活習慣、姿勢などがきっかけで起こることが多くあります。また、疲れや長時間集中していた、睡眠不足や天候といった理由からも起こり得る症状です。
編集部
一次性頭痛について、もう少し詳しく教えてください。
北村先生
一次性頭痛は、「片頭痛」「緊張性頭痛」「群発頭痛」などの種類に分けられます。片頭痛は比較的女性に多く、頭の片側が痛むことからそのように呼ばれていますが、両側に頭痛が起こることもあります。緊張性頭痛は、こめかみや後頭部などに圧迫されるような、または締めつけられるような頭痛が発生します。群発頭痛は、目の奥がえぐられるような強い痛みが起こります。年に1〜2回程度、一定期間に集中して発生することが多く、男性に多い傾向があります。
編集部
一次性頭痛のほかには、どんな頭痛があるのですか?
北村先生
「二次性頭痛」があります。くも膜下出血や脳梗塞、脳腫瘍、外傷や感染症などの病気が原因で引き起こされる頭痛のことを指します。
片頭痛ってどうして起こるの? 前兆があるってホント?
編集部
片頭痛の原因はなんですか?
北村先生
片頭痛が起こるメカニズムは、まだ完全には解明されていません。しかし、疲労やホルモンバランスの変化の影響を受けやすく、また、光や音の刺激などがきっかけとなることが多いと言われています。
編集部
もう少し詳しく教えてください。
北村先生
疲労状態やホルモンバランスが何かしらの「頭痛を引き起こしやすい状態」になっているときに、光や音の刺激などのきっかけがあると、三叉神経から炎症物質であるCGRP(痛みの直接的な原因とされるタンパク質)が放出されます。これにより、脳の表面を覆う「硬膜」という部位で炎症が起こり、誘発された血管拡張などと合わさって片頭痛が引き起こされると考えられています。
編集部
光や音の刺激がきっかけになることが多いのですね。
北村先生
はい。頭痛の前にキラキラ・ギザギザといった光が見えるなどのいわゆる前兆を訴える人も多くいらっしゃいます。前兆はほとんどの場合、1時間以内に終わり、その後に片頭痛が始まります。
片頭痛になりやすい人の特徴
編集部
片頭痛になりやすい人の特徴はあるのでしょうか?
北村先生
血のつながった家族に片頭痛持ちの人がいる場合は、片頭痛になりやすいと言われています。また、20〜40歳代の女性に多く、未成年で頭痛持ちという場合、ほとんどが片頭痛と推測されます。加えて、完全主義や神経質な性格の人、つまりストレスを溜めやすい人もなりやすいと言えるかもしれません。
編集部
では反対に、なりにくい人は?
北村先生
「なりやすい人」の逆で、家族に頭痛持ちの人がいないことは、なりにくいと言えます。また、50歳を過ぎて新たに発症した頭痛は片頭痛である可能性は低く、二次性頭痛である可能性も否定できないため、医療機関への受診をおすすめします。
編集部
片頭痛を発生しにくくするためにできることはありますか?
北村先生
片頭痛は様々な誘因が言われています。その誘因は人それぞれですが、典型的なものとしては光や音、匂い、ストレス、疲労、アルコール、睡眠の過不足、月経周期、天候の変化などが挙げられます。避けられないものもありますが、睡眠やストレスについては対処可能なので、まずは規則正しい生活を心がけること、ストレスを上手に発散することが大事です。また、「自分はこれが誘因」というのが分かれば、できるだけ避けることが発生予防につながると思います。例えば、光が誘因となる場合、ご自身のお部屋の明るさ、壁の色調を柔らかな色に変えることで片頭痛が減るとも言われています。変えることができる環境であれば是非検討してみてください。
編集部
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
北村先生
日本では頭痛のために日常生活に支障があるにもかかわらず、医療機関を受診せずに市販薬などで対応している人が多くいると言われています。頭痛は生活の質も下げてしまい、うつ病や不安症などの新たな問題も併発しやすくなると言われています。「たかが頭痛で」と思わずに適切な診断・治療を受けて、生活がより良いものとなることを願っています。
編集部まとめ
片頭痛になりやすい人やなりにくい人の違いなどについて解説していただきました。片頭痛になりやすいかどうかは、個々の体質や遺伝によるところも大きいようですが、生活習慣の見直しや適切なストレスケアをおこなうことで、片頭痛の発生を予防したり、症状を軽減したりすることが可能です。自分に合った対策を取り入れて片頭痛の発症を予防して、それでも片頭痛がつらくなったら、我慢せず医師に相談することをおすすめします。
医院情報
所在地 | 〒247-0007 神奈川県横浜市栄区小菅ヶ谷1-5-4本郷台駅前メディカルモールA1区画 |
アクセス | JR「本郷台駅」 徒歩3分 |
診療科目 | 脳神経外科 |