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休井美郷「子宮頸がん」半年遅ければ危険な状態に。初期症状ゼロの闇(2/2ページ)

 公開日:2024/09/13
休井美郷「子宮頸がん」半年遅ければ危険な状態に。初期症状ゼロの闇

休井美郷がんと闘い、知らずに後悔したHPVワクチンのこと

休井美郷がんと闘い、知らずに後悔したHPVワクチンのこと

稲葉 可奈子先生稲葉先生

当時、治療は何を選択されましたか?

休井美郷さん休井さん

私はレーザーで焼く治療方法を選びました。

稲葉 可奈子先生稲葉先生

高度異形成と上皮内がんの治療はレーザーで焼くか、円錐切除術という病変のところだけを切除する方法があります。円錐切除術が一番推奨される方法ではありますが、その後の妊娠に少し影響するリスクがあります。レーザーで焼けば、その後の妊娠にはほぼ影響を与えませんが、焼くだけなので病変が本当に上皮内でとどまっているかどうかの評価ができません。また、レーザーの方が切除するよりも再発するリスクが少しだけ上がります。

休井美郷さん休井さん

最初は円錐切除術で切ろうと思い先生に伝えたんです。そうしたら、もし子どもを授かるなら、年齢的にそれほど遠い未来ではないだろうから、出産のリスクを考えたら一旦レーザーでもいいんじゃないかと先生が提案してくださって。それでレーザー治療に変えました。

稲葉 可奈子先生稲葉先生

同年代で妊娠を考えている方も、より安心できる方を希望して円錐切除術をされる方もいらっしゃいます。メリットデメリットを知ったうえで、それぞれの考えやライフスタイルに合わせて治療を選びます。治療ではなく予防の話になりますが、休井さんはHPVワクチンを打ったことはありますか?

休井美郷さん休井さん

打っていません。学生の頃にHPVワクチンの接種が始まりましたが、一度(積極的勧奨が)中止になった時期で副反応の記事などネガティブな情報をたくさん目にして、調べれば調べるほど不安になってしまい、結局打っていませんでした。

稲葉 可奈子先生稲葉先生

ネットで調べるとどうしてもネガティブな情報が目立ちますし、過去の報道の影響もあり、休井さんと同じように心配に思っている方がまだまだ多いです。HPVワクチンの安全性は世界各国で研究が行われ、報道されていたような痺れや痙攣といった症状は、HPVワクチンを接種していない人たちにも同頻度でみられる、つまりHPVワクチンが原因とはいえない、ということが確認されているのです。なので、今は国も積極的にお勧めすることを再開しています。ただ、そのことが大きく報道されないので、まだ不安に思っている方が多いのです。

休井美郷さん休井さん

私は子宮頸がんやHPVワクチンについてのお仕事をする機会が多いですが「この期間からこの期間までは接種が無料ですよ」と話して「ワクチンを打ちましょうね」で締めくくることが多く、副反応などワクチンの詳細説明は聞いたことがありませんでした。正しい情報を知って伝えることは本当に大事ですね。

稲葉 可奈子先生稲葉先生

私も実際に患者さんに正しい情報を説明すると、ワクチン接種に対して前向きに考えてくださる方が多いですね。

休井美郷さん休井さん

私も先生のお話しを聞いて、HPVワクチンを接種したい気持ちになりました!

稲葉 可奈子先生稲葉先生

HPVワクチンのキャッチアップ接種期間が今年度までで、来年になると高校2年生以上はもう無料では接種できません。ですので、今年の高校1年生~27歳になる女性(生年月日が1997年4月2日~2009年4月1日の方)は2025年3月まで無料で打つことができます。全部で3回打つのに半年かかるので、9月中に1回目を接種していただければ間に合います。お友達とご一緒に打ちにいらしても大丈夫です。

休井美郷さん休井さん

友達と一緒に接種しに行けるのは、気持ちのハードルが下がっていいですね!検診もそのくらい気軽に行けたらいいですが痛そうなど不安もあるかと思います。

稲葉 可奈子先生稲葉先生

異常がなければ子宮頸がん検診は1~2分で終わる簡単なものです。元気なら安心というわけではないので検診は受けていただきたいですね。

休井美郷さん休井さん

今までたくさん子宮頸がんについてお仕事をしてきて、病気のことは知っているつもりでしたが、ワクチンの正しい情報は今回初めてちゃんと知り、無知って怖いなと改めて感じました。どんなきっかけでもいいから、たくさんの人にちゃんと知って欲しいなと思います。自分の夢を叶えていくためにも体のことに気を使って、幸せになるために検診を受けて欲しいです。

編集部まとめ

まったく自覚のないまま、子宮頸がんの一歩手前の状態になってしまっていた休井さん。先生と話すなかで、検診の大切さを改めて感じるとともに、正しい情報を知ることによってワクチンのことも前向きに捉えられるようになったようです。ネットなどに出回る噂はネガティブなものが目立つので、正しい情報にたどり着けていない人が多いのは残念です。メディカルドックでも、もっと多くの人に必要な情報を間違いなく届けられるよう、正確な記事を発信していかなくてはと改めて感じました。

この記事の監修医師