FOLLOW US

目次 -INDEX-

  1. Medical DOCTOP
  2. 医科TOP
  3. コラム(医科)
  4. 「頭がぼーっとする…」「鼻炎がつらい…」“鼻づまり”の対処法や上手に付き合うコツを医師が解説!

「頭がぼーっとする…」「鼻炎がつらい…」“鼻づまり”の対処法や上手に付き合うコツを医師が解説!

 公開日:2024/08/15

「頭がぼーっとして集中できない」「アレルギーや鼻炎症状がつらい」といった悩みを抱えている人にとって、日常生活に支障をきたす鼻づまりの症状を少しでも楽にする方法があれば知りたいものです。また、医療機関での治療も含め、上手に付き合うコツも気になります。今回は、鼻炎症状に対する治療や上手く付き合う方法などについて、「なのはな耳鼻咽喉科」の境先生に解説していただきました。

境 修平

監修医師
境 修平(なのはな耳鼻咽喉科)

プロフィールをもっと見る
筑波大学卒業。その後、筑波大学附属病院、茨城県立中央病院耳鼻咽喉科、国立病院機構水戸医療センター耳鼻咽喉科などで経験を積む。2019年、茨城県水戸市に「なのはな耳鼻咽喉科」を開院。日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会専門医・指導医。

鼻炎・副鼻腔炎とは

鼻炎・副鼻腔炎とは

編集部編集部

まず、鼻炎について教えてください。

境 修平先生境先生

文字通り、鼻腔の粘膜に炎症を起こった状態を鼻炎と言います。炎症が起こる原因は様々ですが、なんらかのアレルギーによって炎症が起こる「アレルギー性鼻炎」であることが多いですね。アレルギーにもいくつかの種類があり、アレルギー性鼻炎は鼻粘膜で起こるI型アレルギーに分類されます。

編集部編集部

なぜ、炎症が起こるのでしょうか?

境 修平先生境先生

アレルギー性鼻炎の場合、大きく「通年性アレルギー性鼻炎」と「季節性アレルギー性鼻炎」に分けられます。通年性アレルギー性鼻炎は、ハウスダストやダニが原因となって起こることが多い一方、季節性アレルギー性鼻炎はスギやブタクサなどの花粉での発症がほとんどです。いわゆる「花粉症」ですね。

編集部編集部

副鼻腔炎とは違うのですか?

境 修平先生境先生

副鼻腔炎は、鼻腔のさらに奥にある「副鼻腔」に炎症が起こる疾患なので、炎症の起こる場所が違います。副鼻腔にウイルスや細菌が感染することで起こり、3カ月以上も続くような慢性の副鼻腔炎は「蓄膿症」とも呼ばれます。

鼻炎で起こり得る症状とその治療法

鼻炎で起こり得る症状とその治療法

編集部編集部

アレルギー性鼻炎の症状を教えてください。

境 修平先生境先生

くしゃみや鼻水、目のかゆみなどの症状が代表的です。くしゃみは何度も何度も出る反復性のもので、鼻水は粘りが少なくサラサラとしています。

編集部編集部

鼻炎には、どのような治療法があるのですか?

境 修平先生境先生

アレルギー症状を抑える飲み薬や点鼻薬、目薬などで症状の改善を目指します。近年は眠気が出にくい飲み薬も増えてきたので、強い眠気を感じずに治療をすることが可能になりました。また、アレルギーの原因がはっきりしている場合は、可能な限り抗原(アレルゲン)を避けるようにしていただきます。

編集部編集部

副鼻腔炎の症状についても教えてください。

境 修平先生境先生

炎症によって咳や痰、副鼻腔に膿が溜まって粘り気の強い鼻水が出ます。ときには、頭痛や鼻水が喉奥に垂れてくる「後鼻漏」などもみられます。

編集部編集部

副鼻腔炎に対しては、どのような治療をするのですか?

境 修平先生境先生

溜まっている膿を取り除いたり、抗生物質や炎症を抑える薬を服用したりすることで治療を進めていきます。そのほか、痛みがある場合には痛み止めを、鼻水の粘りが強いときには粘り気を調整する薬なども使用します。さらに、飲み薬で治らない場合には、内視鏡手術が検討されます。

鼻の症状を楽にする方法や上手く付き合うコツ

鼻の症状を楽にする方法や上手く付き合うコツ

編集部編集部

花粉症や蓄膿症などの鼻の症状に悩む人は多いですよね。

境 修平先生境先生

そうですね。花粉を完全に避けて生活するのは難しいですし、蓄膿症は治療に根気がいります。何カ月もかけて治療を続けることも少なくありません。

編集部編集部

それらの症状を楽にする方法や上手く付き合うコツがあれば教えてください。

境 修平先生境先生

抗原回避という点では、ドラッグストアなどで売っている鼻を洗う器具と専用の水で「鼻うがい」をするのが効果的です。また、近年では「腸内細菌とアレルギー疾患の関連」についても言及されています。ひと昔前に「ヨーグルトを食べていたら花粉症が治った」というニュースもありましたが、将来的にはそうした事象が科学的に証明されるかもしれませんね。

編集部編集部

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

境 修平先生境先生

セルフメディケーションで問題なければいいのですが、症状のコントロールが悪い場合はぜひ耳鼻科を受診してください。「薬=飲み薬」というイメージを持つ日本人は非常に多いのですが、アレルギー性鼻炎については外用薬(点鼻ステロイド)が有効です。いわゆる市販の点鼻薬は症状を抑えるものですが、点鼻ステロイドは粘膜の炎症そのものを鎮める治療薬です。継続して使用することにより、非常に高い治療効果を得ることができます。「点鼻薬は症状がつらいときだけ使う」というイメージが定着していますが、点鼻ステロイドの場合は継続使用がおすすめなので覚えてほしいと思います。

編集部まとめ

鼻炎の症状を楽にする方法や上手に薬と付き合うコツについて解説していただきました。鼻炎による頭のぼーっとした感覚は日常生活にも大きな影響を及ぼしますが、適切な対策と治療によって管理することが可能です。あまり馴染みのない点鼻薬も、継続使用によって高い効果が期待できるとのことだったので、継続的なケアと自己管理を心がけ、鼻の症状と上手に付き合っていきましょう。

医院情報

なのはな耳鼻咽喉科

なのはな耳鼻咽喉科
所在地 〒310-0846 茨城県水戸市東野町693-9
アクセス JR「水戸駅」 バスで20分
診療科目 耳鼻咽喉科

この記事の監修医師