丸岡いずみ、まさか私が「うつ病」に。元気な自分を見失ったあの頃(2/3ページ)
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丸岡いずみ、薬を拒み続け精神科入院。うつ病のどん底から帰還
吉岡先生
入院生活はどうでしたか?
丸岡さん
入院して大正解でした。看護師さんが見ているので、薬も観念して飲み始めたのですが、私にはすぐに効果がありました。「うわぁ! 眠れる!」「今まで何を悶え苦しんでいたんだろう」と衝撃を受けました。こんなにすぐに楽になるのであれば、最初からきちんと服用すればよかった! と後悔したくらいです。
吉岡先生
よかったですね。
丸岡さん
薬を拒んでいた時は「自分は認知行動療法で治すんだ」と思っていましたが、今思えば、脳がショートして病気になったのに、認知行動療法を自分に行うなんて、余計に脳を疲労させることをしようとしていたな、そりゃ悪循環だよな、と思いました。
吉岡先生
そうですね。軽症のうつであれば、まずは休息し、食事や十分な睡眠、認知行動療法などで良くなることもありますが、基本的にはうつ病治療は薬物療法が選択されます。睡眠が取れない、体の緊張状態が取れないという人には睡眠導入剤や抗不安薬が、それでも状態が変わらない場合には抗うつ剤が選択されます。さらには磁気や電気刺激を与える治療法もあります。
丸岡さん
その人の症状にあった治療法を選ぶことが大切ですね。
吉岡先生
治療の効果がなく病気が長引く時には「本当にうつ病なのか」をもう一度考え直します。先ほど双極性障害の話しをしましたが、うつ病の治療をしているけど一向に良くならないと思ったら、実は2型双極性障害だった、ということもよくあります。
休職中、ご家族の反応はいかがでしたか?
丸岡さん
知識もあり、理解のある両親でずっと支えてくれました。
とくに父は、産業カウンセラーの資格を取ろうとしていたくらい知識もあって、当初「早く復職しよう!」と頑張っていた私に「休むことも生きることだよ」と教えてくれました。その言葉は本当に大きかったですね。それまでは「休んでいる自分」を受け入れられなかったのですが、トータルで人生を考えた時に、走っている自分と休んでいる自分、どちらの時期もあっていいじゃないかと教えてくれました。確かに、休んでいる時期があったからこそ現在の自分がいるので、今になってさらに納得しています。
「休むことも生きること」は、今でも大切な言葉です。
吉岡先生
本のタイトルにもなっていますよね。いい言葉ですね。
丸岡さんのように、頑張ることが苦ではない人は休むことに意識が向きにくいので、お父様の言葉が休むきっかけになったのであれば本当によかったです。