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【闘病】更年期症状と思ったら「関節リウマチ・シェーグレン症候群」だった(2/2ページ)

 更新日:2025/06/16
【闘病】更年期症状と思ったら「関節リウマチ・シェーグレン症候群」だった。

「怠けているわけではない」ことを知ってほしい

「怠けているわけではない」ことを知ってほしい

編集部編集部

現在の体調や生活などの様子について教えてください。

まひろさんまひろさん

シェーグレンの代表的な症状はもちろんのこと、耳下腺部分の痛みやしこりなどの症状も出現しています。発症当初からだいぶ薬の量が増え、免疫抑制剤に加えステロイドの少量内服と神経痛・神経障害を軽減する内服薬も服用しています。また、仕事の関係で眼科へ頻繁に通院できないため、点眼薬は最初から通っている個人クリニックで処方していただいています。ドライマウスについては薬治療もできますが、私は水分補給をこまめにして様子をみています。そして、定期的な採血で炎症の有無や合併症が出てないか、肝機能や甲状腺ホルモンの数値なども留意しています。

編集部編集部

婦人科へも通われているそうですね。

まひろさんまひろさん

少しでも症状改善や体調管理につながるならと、発症後から更年期障害についても婦人科クリニックでHRT(ホルモン補充療法)通院をしています。ステロイドと更年期で骨粗しょう症リスクが上がっているため、骨粗しょう症内服治療もしています。ここ2年ほど、手首の痛みや腫れ、股関節痛が頻回に出て数日でピークは過ぎますがADL(日常生活動作)は辛いです。手首痛は仕事や家事に影響を及ぼし、階段昇り降りや座る動作、車の運転など支障があります。最近MRI検査やレントゲン検査を受けましたが明らかな異常はなく、様子を見るしかありません。シェーグレンの患者さんは、関節痛が突然いろんな所で起こり、数日で軽快することが多いそうです。関節の炎症所見がなければ様子見ですが、ほかにも悪性リンパ腫や末梢神経障害などの腺外病変を発症する可能性もあり、定期通院・検査は必須です。

編集部編集部

まひろさんの病気を意識していない人に一言お願いします。

まひろさんまひろさん

わかりにくい症状で元気そうに見えるかもしれませんが、関節痛、ドライアイ、しびれなど地味に辛い毎日です。ドライマウスでむし歯になるリスクもありますし、食事も時間がかかるし飲み物もかかせません。外出時、水筒やペットボトルは必ず持参しなければならず、QOLが下がります。シェーグレン症候群の人は特に得体の知れない倦怠感が強い人も多いそうです。さぼっている、怠けていると思わないでほしいと思います。

編集部編集部

医療従事者に望むことはありますか?

まひろさんまひろさん

自分自身が医療従事者なので、今回患者さん目線を知ることができました。やっぱり、個人によってさまざまな症状がありますし、共感と理解が大切だと感じました。また、「身体表現性障害」や「不定愁訴」ではなく、具体的な病名や原因を追究できれば患者さんも安心できるということを改めて知りました。そして、患者さんの悩みなどは聞いてあげるのも治療のモチベーションにつながることを学びました。

編集部編集部

最後に、読者に向けてのメッセージをお願いします。

まひろさんまひろさん

40~50代の女性でシェーグレン症候群を発症することが多いといわれています。疲れやすさや頭痛、むくみなどの症状から更年期障害を疑い、婦人科や整形外科的なアプローチから内科、心療内科まで受診して、最終的に確定診断されるまで遠回りしてしまう方もいるかもしれません。ぜひ、この病気に理解がある方が増えると嬉しいです。自分ももしかしたら?と思うなら、まずはリウマチ膠原病内科などでの血液検査をお勧めします。膠原病は指定難病手続きができることが多いので主治医と相談して治療費に心配がないようにしてください。

編集部まとめ

まひろさんは、関節痛やドライアイ、ドライマウス、倦怠感、四肢のしびれなどさまざまな症状に悩まされ、看護師として働くことに支障を来たすようになったそうです。症状が更年期障害と重なる部分もあり、心身とも大変辛かったとのことです。もし似たような症状が現れた場合は、早めに医療機関を受診しましょう。

なお、Medical DOCでは病気の認知拡大や定期検診の重要性を伝えるため、闘病者の方の声を募集しております。皆さまからのご応募お待ちしております。

この記事の監修医師