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【医師解説】繰り返す足のタコ、ウオノメは病院で治療できる!? 再発予防法も聞く

 公開日:2024/01/26

足の裏にある厚く硬くなったタコやウオノメ。「どうにかしたいけど、何からしたらいいか分からない」という方も多いのではないでしょうか? 実は、タコやウオノメは医療機関で治療・ケアをすることができます。そこで今回は内科医で日本フットケア・足病医学会認定師の井倉和紀先生(西早稲田ライフケアクリニック 院長)にタコ・ウオノメのケア方法についてお聞きしました。

井倉 和紀

監修医師
井倉 和紀(西早稲田ライフケアクリニック)

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2006年聖マリアンナ医科大学医学部卒業後、東京女子医科大学糖尿病・代謝内科で糖尿病とフットケアを専門とした診療経験を積む。2023年9月、東京都西早稲田駅に「西早稲田ライフケアクリニック」を開院、院長となる。医学博士、日本内科学会総合内科専門医、日本糖尿病学会研修指導医、日本糖尿病学会糖尿病専門医、日本フットケア・足病医学会認定師。

足のタコやウオノメにはどんなケアがあるの?

足のタコやウオノメにはどんなケアがあるの?

編集部編集部

足のタコやウオノメは、なぜできるのですか?

井倉 和紀先生井倉先生

タコやウオノメは、圧迫や摩擦などの刺激を皮膚が繰り返し受けることにより形成されます。ペンを使い続けることで指に「ペンダコ」ができるように、足だけでなくほかの部分にもできますが、やはり足部にできるのが圧倒的に多いですね。

編集部編集部

タコとウオノメは違うのですか?

井倉 和紀先生井倉先生

タコとウオノメの違いは中心に芯があるかどうかです。できるメカニズムはどちらも同じく圧迫や摩擦などの刺激が原因で、放置せずに適切なケアを行う必要があります。

編集部編集部

タコ・ウオノメを放置するとどうなりますか?

井倉 和紀先生井倉先生

厚く硬くなったタコやウオノメを放置すると、さらに圧力がかかり痛みの原因や潰瘍を発症することがあります。もともと圧迫や摩擦などの刺激を受けやすいところにタコやウオノメができるので、自然に良くなることはほとんどありません。そのため、削る・切除するなどのケアが必要になります。

編集部編集部

一度削ったり切除したりすると、再発はしませんか?

井倉 和紀先生井倉先生

似たような姿勢や歩き方、動作を繰り返す限り、残念ながら再発する可能性は高くなります。再発しないようにするためには、姿勢や動作、歩き方、靴などの履物、生活習慣そのものを見直す必要があります。

繰り返すタコ・ウオノメはどうしたら良い?

繰り返すタコ・ウオノメはどうしたら良い?

編集部編集部

では、具体的にどのような見直しが必要でしょうか?

井倉 和紀先生井倉先生

例えば「正座ダコ」と呼ばれる足首の前面にできるタコは、適切なケアに加えて正座の習慣をやめることで再発の可能性を大幅に減らすことができます。しかし、姿勢や動作については、本人の意識だけで変えるのは難しいかもしれません。

編集部編集部

姿勢や動作が原因によるタコ・ウオノメはどうしたら良いのでしょうか?

井倉 和紀先生井倉先生

まずは削る・切除するなどのケアを行います。きちんとケアしても再発を繰り返す場合には、歩く時の体重のかかり方や足の変形、可動域を評価します。ほかにも運動やストレッチの指導や、適切な靴・中敷きの作成を検討する必要もあります。

編集部編集部

靴や中敷きでタコ、ウオノメを予防することができるのですか?

井倉 和紀先生井倉先生

はい。私たちの足は構造上、体重のかかりやすい部分とそうでない部分があります。靴や中敷きを工夫することで、ひとつの部分に集中的に体重がかかるのを防ぐことができるため、タコ、ウオノメ予防に繋がるのです。また「タコ、ウオノメMAP」というものがあるのですが、ウオノメの出来やすい部分から原因となる足の変形を予想することができます。

タコ、ウオノメMAP

西早稲田ライフケアクリニック HPより

編集部編集部

靴や中敷きは、それぞれ新たに作成しないといけませんか?

井倉 和紀先生井倉先生

先ほど「足の構造上」と言いましたが、体重のかかりやすい部分とそうでない部分は人によっても異なります。先ほどのタコ、ウオノメMAPのような、比較的よくみられる場所であれば、変形に合わせた市販のもので十分かと思います。ですが、変形の強い場合などは靴や中敷きもオーダーメイドで作成することをおすすめします。

医療機関での「フットケア」はどのようなことをするの?

医療機関での「フットケア」はどのようなことをするの?

編集部編集部

では、靴や中敷きはどこで作成してもらえますか?

井倉 和紀先生井倉先生

例えば一般的な靴屋などで「シューフィッター」と呼ばれる方がいれば、そちらで作成してもらえるかもしれませんが、できればフットケアを専門にしている医療機関で診てもらったほうが良いでしょう。インターネットで「フットケア外来」といったキーワードで検索すると見つけられます。

編集部編集部

「フットケア外来」とはなんですか?

井倉 和紀先生井倉先生

足のさまざまなトラブルに、医療的な視点で対応する診療科です。タコ・ウオノメだけではなく、巻き爪や足水虫・爪水虫など、さまざまな足の悩みに対応することが可能です。アメリカなどでは「足病学」や「足病治療」などはメジャーな分野として確立されています。とくに糖尿病のある方は、血流障害や神経障害などの合併症が影響してさまざまなトラブルを引き起こすので、出来るだけ長く自分の足で歩き続けるためにもぜひ積極的に利用していただきたいです。

編集部編集部

なるほど。そういったところで中敷きや靴を作成すると安心ですね。

井倉 和紀先生井倉先生

そう思います。さらに、外反母趾、扁平足、足底筋膜炎などの病名がつくと、靴や中敷(足底板、インソール)を作成する際に、保険が適用されます。

編集部編集部

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

井倉 和紀先生井倉先生

タコやウオノメに悩んでいる方はとても多いのですが、「何科にいけばいいか分からない」「そもそも医療機関で診てもらえることを知らなかった」という言葉をよく聞きます。フットケア外来では、専門家が処置から再発予防まで幅広く対応できるので、ぜひ一度相談へ行くことをおすすめします。

編集部まとめ

タコ、ウオノメができるメカニズムや、再発予防についてお話を伺いました。
「フットケア外来」というものがあり、靴や中敷きを作成する際には保険が適用されることもあるのですね。ケアだけでなく再発予防の相談もできるということなので、繰り返すタコ、ウオノメに悩んでいる方は、お近くのフットケア外来に相談してみてはいかがでしょうか?

医院情報

西早稲田ライフケアクリニック

西早稲田ライフケアクリニック
所在地 〒169-0075 東京都新宿区高田馬場1-1-1 メトロシティ西早稲田3F
アクセス 東京メトロ副都心線「西早稲田駅」 2番出口 徒歩1分
診療科目 糖尿病内科、一般内科

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