【管理栄養士解説】寒いシーズンの辛い冷え性を和らげるための食事は? エネルギー不足が冷え性の原因?
本格的に寒いシーズンになると出てくる悩みのひとつが冷え性。冷え性は特に女性に多く、ひどい場合は日常生活に悪影響を及ぼすこともあります。また、「食事で冷え性改善」と聞いたことはありつつ、具体的に何を食べたらいいか分からず、実践できていない人もいるかと思います。そこで今回は、管理栄養士の藤井さんに食事による冷え性の改善法を教えてもらいました。ぜひ、今日から取り入れてみてくださいね。
監修管理栄養士:
藤井佑里子(管理栄養士)
冷え性の原因は? なんで冷え性になるの?
編集部
冷え性にはどのような原因があるのでしょうか?
藤井さん
冷え性の原因は多岐にわたりますが、例えば、血行不良や筋肉量の不足などが考えられます。また、強いストレスで自律神経が乱れ、血行が悪くなった結果として冷えが生じる可能性もあります。
編集部
冷え性に悩んでいる方は女性に多いですよね。なぜ男性より女性の方が冷え性になりやすいのでしょうか?
藤井さん
女性は男性よりも筋肉量が少ないことが影響しています。筋肉はエネルギーを消費して熱を産生するため、筋肉量が少ない人は寒さを感じやすくなります。また、痩せている女性は体温を保つ脂肪が少ないため、冷えを感じやすくなります。
編集部
冷え性を治すためのポイントはありますか?
藤井さん
体質や生活環境によっても異なりますが、冷え性の改善には、適度な運動や栄養バランスの良い食事、体温を保つ工夫が重要です。
冷え性を改善する! おすすめや避けるべき食べ物は?
編集部
冷え性を改善するための食事のポイントはなんでしょうか?
藤井さん
特定の食べ物を摂るというよりは、そもそも食事が少なくエネルギーが不足していると体が冷えやすくなるので、十分量のエネルギーを確保することが重要です。特にダイエットで主食であるご飯など炭水化物を極端に減らすと、エネルギー不足になりがちなので注意が必要です。
編集部
では、具体的に冷え性改善のための食事を教えてください。
藤井さん
これも基本的なことになりますが、三大栄養素のバランスが取れた食事を心掛け、必要なエネルギーを確保しましょう。エネルギーを十分に確保したうえで、体を温めるしょうがやにんにく、唐辛子などの香辛料、または肉・魚・卵などの、たんぱく質を多く含む食材を取り入れてみて下さい。
編集部
冷え性を悪化させる食材はありますか?
藤井さん
カフェインは血管収縮作用によって指先など末端への血流を悪化させると言われているので、濃いお茶やコーヒーは飲み過ぎないようにしましょう。また甘いものの取りすぎも、血糖値が乱高下して体温調節機能を疎かにする可能性があります。そして何より、冷えたドリンクや食事ばかりを摂ることも、冷え性改善を妨げる原因になります。なるべく温かいメニューを取り入れるようにしましょう。
冷え性を食事で改善! おすすめのメニューは?
編集部
冷え性改善のためのおすすめのメニューを教えていただけますか?
藤井さん
しょうがを使ったメニューがおすすめです。しょうがには「ジンゲロール」という体を温める成分が含まれています。加熱することで身体を温める作用を持つ「ショウガオール」に変換されるので、しょうが焼きや、しょうがの入ったスープ、ジンジャーティーなどがおすすめです。
編集部
ほかにもおすすめのメニューはありますか?
藤井さん
食事をしっかり摂ると、消化・吸収でかなりエネルギーが産生されます。そしてこの効果は、たんぱく質に顕著なので、たんぱく質が豊富な鶏肉を使ったメニューがおすすめです。コンビニでもサラダチキンなどが手軽に買えますので取り入れてみて下さい。
編集部
たんぱく質は冷え性を改善する栄養素なのですね。魚メニューも冷え性改善に役立ちますか?
藤井さん
はい。魚には、たんぱく質だけでなく血流を良くするオメガ3脂肪酸も冷え性改善効果が期待できます。オメガ3脂肪酸が豊富なサバ、さんま、イワシを使ったメニューがおすすめです。
編集部
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
藤井さん
冷え性は本当に辛いですよね。ですが、食事を中心とした生活習慣の改善で、冷え性は軽減できます。まずはエネルギーを十分に摂って、適度な運動と食事のバランスを改善していきましょう。この記事が冷え性改善の手助けになれば嬉しいです。
編集部まとめ
寒いシーズンがやってくるたびに悩まされる冷え性。いくら厚着をしても指先だけ冷えるという方や、外に出るのも辛いほど冷え性がひどい方は、ぜひ食事内容を見直して、冷え性の改善を目指してみてはいかがでしょうか。