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【闘病】20代で14回移植「こんなに不妊治療が長引くとは…」しかし得たものも多かった4年間(2/2ページ)

 更新日:2025/08/12
20代で14回の移植。「これほど不妊治療が長引くとは思わなかった」得るものも多かった4年間の不妊治療(仮)

不妊治療を開始したら、1日でも早くまずは採卵を

不妊治療を開始したら、1日でも早くまずは採卵を

編集部編集部

現在は第二子の出産を控えて、ご主人とはどんなことを話しているのですか?

今井さん今井さん

まずは、無事に出産できるまで気が抜けないということ。それから、第一子と年が近いこともあって、育児や金銭面での不安もあります。双子を妊娠したのはクリニックで2個の受精卵を子宮に移植したので。正直なところ、私がそのことをお願いしたとき、医師はあまりいい顔をしなかったのですが、保険適用回数の上限が迫っていたこともあって、どうしても妊娠したかったので2つの受精卵を移植してもらいました。まさか卵が2つとも育つとは思わなかったので驚きですが、今はとにかく無事に生まれてほしいと思っています。

編集部編集部

振り返って不妊治療の期間は思ったより長かったですか? それともあっという間でしたか?

今井さん今井さん

思ったよりも長かったです。まだ20代ということもあり、不妊治療を始める前は1、2回移植すれば妊娠できるだろうと思っていました。

編集部編集部

不妊治療を終えた今、思うことはなんですか?

今井さん今井さん

とにかく思うのは、「最初の6回の移植が無駄だったかもしれない」ということです。当時はまだあまり体外受精について知識がなく、素直に医師の指示に従っていました。でも結局1年近く無駄にしてしまったので、不妊治療は自分から情報を取りにいくことが大事なんだと学びました。それからは不妊治療のことばかり考えて、夢の中でも治療について考えていたくらいです(笑)。

編集部編集部

治療の前後で夫婦関係に変化はありましたか?

今井さん今井さん

とくに変化はありませんが、旦那なりに不妊治療について色々と勉強してくれて、私の辛さなども理解してくれました。テレビなどのニュースで不妊治療の話題が出たときは2人で話し合うことも多く、お互いに対する理解も深まったように思います。

編集部編集部

不妊治療を経験して、政府や医療機関に望むことはありますか?

今井さん今井さん

現在の制度では、女性が40歳未満の場合は子ども1人に対して最大6回まで保険診療で胚移植がおこなえます。しかし、若くして不妊に悩んでいる人にとって、6回という制限は非常に厳しい。なぜなら、私のように原因不明の不妊で悩み、何度も移植を繰り返さざるを得ない人が多いからです。個人的には少子化対策のためにも、この制限については考え直してほしいと思います。

編集部編集部

高齢の女性に制限回数が設けられるのとは、意味が違うのですね。

今井さん今井さん

そう思います。それから、私が都心に住んでいないから余計に感じるのかもしれないですが、不妊治療中、都心と地方の医療機関では治療内容の格差が非常に大きいということを実感しました。とくに保険適用になるものは、金額は一緒でも治療内容がまったく違います。都心のクリニックの方が競合との競争が激しく、より高度な医療を提供することに熱心なのかもしれませんが、「こういう不平等が少しでも是正されたらな」と思います。

編集部編集部

最後に、これから不妊治療を始める人、もしくは治療中の人へメッセージをお願いします。

今井さん今井さん

これから不妊治療を始めるなら、1日でも早く採卵だけでもおこなってほしいと思います。卵の質は年齢が上がるにつれて、どんどん劣化してしまいます。私も第一子のときより第二子の方が、AMHの数値がすごく下がってしまいました。「2年くらいしか経っていないのに、こんなに下がってしまうのか」とビックリしました。だから、これから不妊治療をする人は、すぐに体外受精をしなくても、まずは採卵を先にしてほしい。そしてタイミング法や人工授精など、自分の希望する治療をおこなった後、「やっぱり体外受精にしよう」と思ったときにその卵を使ってほしいと思います。

編集部まとめ

原因不明の不妊に悩まされ、20代から不妊治療に踏み切った今井さん。不妊治療に関して一生懸命勉強し、「医師任せ」ではなく、あくまでも自分が希望する治療を「自分主導」で進めたことで、望む結果が得られたように思います。改めて、不妊治療は主体性が必要だということを実感しました。

この記事の監修医師