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【闘病】「不妊治療を辛いだけの思い出にしないでほしい」夫婦ともに不妊の原因発覚~出産までの軌跡(1/2ページ)

 更新日:2025/07/14
24歳で「今すぐ子どもがほしい」とART専門クリニックへ。夫婦ともに原因がある中、協力して不妊治療を開始

ブライダルチェックで夫婦ともに不妊の原因が見つかり、すぐに不妊治療を開始。2回の採卵、2回目の移植で顕微授精にて2022年4月妊娠を叶えたというぷっぷさん(仮称)。一見順調に聞こえますが、その裏には大きな苦労があったようです。今回は、不妊治療を夫婦でどのようにして乗り越えたのかをお聞きしました。

※本記事は、個人の感想・体験に基づいた内容となっています。2023年5月取材。

ぷっぷさん

体験者プロフィール
ぷっぷさん

プロフィールをもっと見る

1996年生まれ。専業主婦。13歳の時に悪性卵巣腫瘍を発症、手術と化学療法にて寛解。結婚後のブライダルチェックで子宮内膜症とチョコレート嚢胞と診断される。その後、すぐに体外受精を開始して、無事に妊娠・出産。

ぷっぷ夫さん

体験者プロフィール
ぷっぷ夫さん

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1996年生まれ。会社員。子どもが好きで結婚前から今すぐにでもほしいと思っていた。しかし、なかなか子どもを授からず、結婚後のブライダルチェックで精子の数が少ないことが発覚。その後、ARTクリニックを受診し、現在は一児の父に。

鈴木 幸雄

記事監修医師
鈴木 幸雄(産婦人科専門医・婦人科腫瘍専門医)
※先生は記事を監修した医師であり、闘病者の担当医ではありません。

24歳でも自然妊娠せず、不安でブライダルチェックに行った結果……

24歳でも自然妊娠せず、不安でブライダルチェックに行った結果……

編集部編集部

まず、不妊発覚の経緯について教えてください。

ぷっぷさんぷっぷさん

結婚を前提に同棲を開始したのが2020年12月。それ以降、子どもを授かりたかったので避妊をほとんどしていなかったのですが、全然妊娠できなかったんです。翌年5月に籍を入れて、すぐにでも子どもがほしかったので6月に婦人科でブライダルチェックを夫婦で受けました。その結果、どちらにも不妊の原因が見つかりました。

編集部編集部

具体的には、どのようなことがわかったのですか?

ぷっぷさんぷっぷさん

私には子宮内膜症とチョコレート嚢胞が見つかり、夫は「精子の数が少ない」と指摘されました。

編集部編集部

旦那さんにお聞きします。そのときの心境はいかがでしたか?

ぷっぷ夫さんぷっぷ夫さん

自分にも不妊の原因があるとわかってショックでした。でも、先生に「人工授精などで妊娠できる可能性はありますよ」と言われ、完全に子どもができないわけじゃないとわかってほっとしました。

編集部編集部

その後、どうされたのですか?

ぷっぷさんぷっぷさん

すぐに不妊治療専門の医療機関を探して治療を開始しようかと思ったのですが、「もう一度だけトライしてみよう」と排卵検査薬を使ってタイミング法を試したところ、結局ダメでした。そこで偶然、10年間不妊治療に取り組まれた職場の先輩がいたので色々と相談して、8月からART(Assisted Reproductive Technology:生殖補助医療)専門クリニックへ通うことを決めました。

編集部編集部

どのような基準でクリニックを探しましたか?

ぷっぷさんぷっぷさん

通院のしやすさや不妊治療の実績、口コミなどをチェックして総合的に決めました。

ホルモン療法でメンタルをやられる日々

ホルモン療法でメンタルをやられる日々

編集部編集部

不妊治療はどのような方法で進めましたか?

ぷっぷさんぷっぷさん

初診のとき、先生にブライダルチェックの結果をお見せして、「すぐに妊娠したい」と伝えました。私としては既往歴などもあって、半年間避妊しなかったのに子どもができなかったことから、「人工授精だと妊娠できないんじゃないか。体外受精の方がいいのでは?」という考えがありました。

編集部編集部

当時24歳ですよね。人工授精からステップアップするのではなく、最初から体外受精を考えられたのですか?

ぷっぷさんぷっぷさん

はい。以前、私は小児科の看護師として働いており、高齢で出産した人のご苦労をリアルに見ていました。だから、少しでも若いうちに子どもがほしいと思っていたんです。

編集部編集部

先生は治療法について、どのようにお話されましたか?

ぷっぷさんぷっぷさん

先生も「人工授精よりも体外受精をおすすめします」とおっしゃったので、その日のうちに治療法を決定しました。ほとんどお金のことも考えていなかったのですが、早く妊娠したいという一心でした。

編集部編集部

旦那さんは治療を開始するにあたって、どのような心境でしたか?

ぷっぷ夫さんぷっぷ夫さん

正直なところ、自分はあまり不妊治療の知識がなくて、人工授精と体外受精の違いもわからないくらいだったんです。でも、専門家の先生が「体外受精の方がいい」と言うなら、そうなんだろうなと思って、信頼して治療を受けることに決めました。

編集部編集部

不妊治療を開始して大変だと感じたことはなんですか?

ぷっぷさんぷっぷさん

一番辛かったのが、ホルモン療法です。私はこれまで生理不順も生理痛もありませんでしたし、生理中に情緒不安定になることもありませんでした。でも、採卵に向けて注射と飲み薬によるホルモン療法を始めてから、ときどき突然涙があふれてきて、止まらなくなることがあったんです。その当時は、まだ仕事をしていて、車を運転する機会も多かったのですが、運転中でも涙が止まらず危険な目にあうこともありました。また、転職してすぐだったので有給休暇もなく、お休みの調整が難しく治療との両立は困難で、仕事を辞めざるを得ませんでした。

編集部編集部

医師には「ホルモン剤を変えてほしい」とか、お願いしなかったのですか?

ぷっぷさんぷっぷさん

はい。私がお願いしたら薬を変えてくれたでしょうが、「最初に提案してくれた薬が一番いいんだろう、薬を変えたことで効果が少なくなったら嫌だ」と思っていました。普通、採卵まで2週間くらいかけて卵を育てていくと思うのですが、私はなかなか卵が育たなかったので、約3週間ずっとホルモン治療を続けたこともありました。その期間はずっとメンタルが不調だったので、本当に辛かったのを覚えています。

編集部編集部

そんな様子を見て、旦那さんはいかがでしたか?

ぷっぷ夫さんぷっぷ夫さん

妻にとっても厳しい時期だったと思いますが、イライラが溜まっているからか、僕の言い方が気に入らないなどの理由で、激しい口調で責められることもあり、自然と言い争いも多くなりました。あの時期は妻も大変だったと思いますが、僕も辛い気持ちになりました。

編集部編集部

治療中、支えになったことはなんですか?

ぷっぷさんぷっぷさん

身近な人に話を聞いてもらえるのが支えになっていたのだと思います。治療を始めたことは仲の良い友達とお互いの家族には伝えていて、「今はこういう治療をしていて辛い」など、ときどき状況を話していました。あとは土日にどこかへ出かけるなど、なるべく外へ出て気分転換をしていました。

編集部編集部

旦那さんが治療中、心がけていたことはなんですか?

ぷっぷ夫さんぷっぷ夫さん

「大変なのは妻なんだ」と考えて、できるだけ話を聞いてあげるよう意識しました。仕事中、妻から電話がかかってくることも多かったのですが、できるだけ電話に出て、優しい言葉をかけてあげるよう心がけました。

不妊治療を経たからこそ、我が子への愛情が一層深くなった

この記事の監修医師