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【闘病】「いつもの不調」に思わぬ病気が潜んでいた《ベーチェット病・線維筋痛症・シェーグレン症候群》(2/2ページ)

 更新日:2025/02/26
【闘病】「いつもの不調」に思わぬ病気が潜んでいた《ベーチェット病・線維筋痛症・シェーグレン症候群》

患者が自分自身をマネージメントすること

患者が自分自身をマネージメントすること

編集部編集部

どのように苦しさを乗り越えていますか?

奈央さん奈央さん

情報収集するためにSNS(Instagram)を始めたのですが、そこで全国の同じ病気を抱えた様々な方と知り合うことができ、悩みを共有できたことがとても励みになりました。ネットで情報を調べるだけでは限界があり、またそれぞれ症状も違うため、個々の状態を知ることができるSNSは良いツールだと思います。同じように頑張っている人がいると思えることはとても心強いです。

編集部編集部

病気の前後で変化したことを教えてください。

奈央さん奈央さん

日々の「当たり前」に、疑問を持つことも大事だと思いました。何か不調があっても「疲れているからだろう」「単なる風邪だろう」とスルーせずに、きちんと自分で身体の声に耳を傾けようと思うようになりました。また、私のような外見的には分かりにくい病気を抱えている人がたくさんいることを知り、他人への思いやりの気持ちを持てるようになりました。

編集部編集部

今までを振り返ってみて、後悔していることなどありますか?

奈央さん奈央さん

自身の体の不調を見逃さないような健康管理をすることが大切だと思いました。「いつもこうだから」と放置してしまいがちな症状が、実はその奥に病気が潜んでいることもあるということ、特に子育てなどで自分が後回しになってしまうとそれが常態化してしまいます。いつもの自分の普通をきちんと把握して、良い意味で無理ができたり、きちんと病院受診を考えられたりするような自己管理ができないといけないと痛感しました。

編集部編集部

現在の体調や生活はどうですか?

奈央さん奈央さん

今の生活は、体調は一進一退ですが、自分の軸を大切にしながら「やれる時にやれることを頑張る」という、少し肩の力を抜いた生活にしているおかげで、調子を保てているように思います。また、少し余裕がある時には、障害年金などについても調べたり、相談先を探し始めたりしています。

編集部編集部

医療機関や医療従事者に望むことはありますか?

奈央さん奈央さん

これ以上望むことはありません。それぐらい私の関わっている医師や看護師、また医療機関の方々は親切に接してくださいます。コロナ禍でも安心して医療が受けられるように尽力してくださり、本当にありがたいです。ただ、行政に対して望むことはあります。まだ難病認定のない線維筋痛症などの難病認定や、医療費負担についてです。全国統一の難病認定の書類を医師に頼むにあたっても、文書代金が病院によって大きく異なることに疑問を感じます。

編集部編集部

もちろん金銭面も負担になりますよね。

奈央さん奈央さん

医療費の補助を受けているので、これ以上の贅沢は言えませんが、やはり負担はかなり厳しいです。せめて費用は全国統一にしてほしいです。また、難病の人が無理せずに働ける場所も作ってもらいたいです。がんに対してはがんサバイバーという言葉もいくらか浸透して、企業でも理解を深めようという姿勢があるようですが、そのほかの難病などに対してはそういう場がなかなかないと感じます。そういう難病の患者は、健常者の方々と同じように雇用され、無理をして我慢をしながら働いているのが現状です。

編集部編集部

最後に、読者に向けてのメッセージをお願いします。

奈央さん奈央さん

ヘルプマークについて知ってください。元気そうだから、若いからと、見た目では判断できなくても援助や配慮を必要としている人たちがいます。また、自身の健康はいつどうなるかわかりません。いざそうなった時にきちんと判断できる力も必要です。様々な情報に惑わされないように気をつけなければなりません。世の中には情報が溢れていますが、自分にとっては何が大切なのか、どうすべきか、しっかりとした判断をし、意志を持つことが大切だと思います。

編集部まとめ

「薬さえ飲んでいれば良い」という考え方だったところから、「自分の体の声を聞く」「自分の体をマネージメントする」という考え方にシフトしていったという奈央さん。「病気になる前よりしっかり生きようとしているかもしれません」という言葉が印象的でした。

この記事の監修医師

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