【闘病】遠位型ミオパチーで自分では何も出来なくなるも「むしろ楽になった」と語るワケ(2/2ページ)

病気に良い悪いはなく、気付きを得られる大切な経験

編集部
今の川添さんが昔の自分に声を掛けるなら、どんな言葉を掛けたいですか?
川添さん
一番は自分をもっと大切にするように言ってあげたいです。自分自身の微かな異変にいち早く気付くことで、早期発見にも繋がったのかなと思います。縁取り空胞を伴う遠位型ミオパチーは、治療法のない遺伝性疾患ではありますが、早い段階でそれから先のイメージを持ち、準備や心構えがあるともっと余裕が持てただろうと思います。
編集部
現在の体調や仕事の様子も教えてもらえますか?
川添さん
現在は、日中のほとんどをベッド上で過ごす寝たきりの状態です。自力では全身を動かせないので、身の回りのことはすべて家族やヘルパーさんに頼る生活です。あとは週に1度訪問リハビリを受けながら、仕事もしています。今は辛うじて動く指先でパソコンを操作して、アート制作に励んでいます。
編集部
お仕事は具体的にどんなことをされているのですか?
川添さん
私はPhotoshopというソフトを使用して、画像を組み合わせたデジタルアートを制作しています。作品は自分のInstagram(プロフィール欄参照)に投稿したり、ギャラリーへ出展したり、ポストカードやコースターなどの商品にしたりして販売しています。よろしければ、日々の活動を見に来てくれると嬉しいです。
編集部
遠位型ミオパチーについて知らない方に向けて伝えたいことをお願いできますか?
川添さん
自分の難病のように、いつ発症するかわからない病気がほかにもあります。自分の場合は進行性の筋疾患ですが、まずそういった病気があるということだけでも知ってもらえたらありがたいです。そして明らかに「おかしい」と感じる異変があれば医師や専門家に相談してほしいです。発症の時期や進行速度はストレスに関りがあるとも言われているので、できるだけ過度なストレスを避けて自分自身を大切にしてもらえたらと思います。
編集部
最後に読者の方に向けて、川添さんからのメッセージをお願いします。
川添さん
比較的重い障害、難病を抱えている自分が今思うことは、病気とは生きとし生けるものに表れる必要な現象だということを感じます。そして広い目で見ると、病気には良いも悪いもなく、沢山の気づきや経験が得られるありがたいものだと思っています。悩み苦しんでいる方も多いと思いますが、抗わずに受け入れることで少しでも楽に生きられる方が増えることを願います。自分ももうしばらくこの病気に付き合ってもらいながら、人生をより深めていけたらと思っています。
編集部まとめ
遠位型ミオパチーは国内でも400人ほどの患者さんがいるとされ、日本では指定難病にもなっています。遺伝性の疾患とされ、20~30代で発症、その後は徐々に進行していく非常に厄介な病気です。患者数の少なさから周囲の人からも症状が理解されにくく、闘病中の患者さんは辛い思いをすることも多いです。身近な人で筋力が弱い、または運動が苦手な人がいたとしても、もしかすると病気が原因という可能性もあります。外見ではわかりにくい病気ではありますが、本人の気持ちと立場に立って接していく心掛けが大事です。周囲の人はもちろん、街中でも車椅子の人が困っていたら、自分に何かできないか声を掛けていく、そんな優しさを持って接してみてください。







