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【体験談】「スキップが変」なのは個性ではなく「難病」だった《縁取り空胞型遠位型ミオパチー》(2/2ページ)

 更新日:2025/06/13
【闘病】将来寝たきりになる難病になっても結婚・出産し「有難い人生」

有難い人生

有難い人生

編集部編集部

現在の体調や生活はどうですか?

やすこさんやすこさん

現在は、電動車椅子に乗っているか、ベッドで横になっているかという生活です。自分の事は何も自分でできません。家族や友人、ヘルパーさんなどたくさんの方々に支えてもらいながら生活しています。寝たきりになるまではまだ時間がありそうなので、ある大学の学生ボランティアサークルのメンバーや地域の方、福祉関係者らと活動団体をつくってさまざまな活動をしたり、講演会に立たせてもらったりしています。

編集部編集部

病気になってからご家庭ができたそうですね。

やすこさんやすこさん

はい。夫と、5歳の息子がいます。「将来寝たきりになる」と言われていたので恋愛は諦めていましたが、「最後の恋愛」と思ってお付き合いを始めたのが今の夫です。その後も、「恋愛は良いけど結婚はダメ」や「結婚はしたけど妊娠はダメ」と思ってしまう自分がいましたが、そのたびにたくさん話し合い、家族や友人にも背中を押してもらいながら今の形になりました。

編集部編集部

自然分娩で出産されたと伺いました。

やすこさんやすこさん

はい。神経内科の先生からは「いきむ力が弱いだろうから」と帝王切開を提案されたのですが、産科の先生に「普段、便はどうしてるの?」と聞かれ、「踏ん張ってます」と答えたら、「じゃあ、自然分娩チャレンジしてみようか。もし無理やったら帝王切開に切り替えよう」と言ってもらい、自然分娩に挑戦することにしました。「うんこと赤ちゃん一緒なんかい」と思いましたけど(笑)。

編集部編集部

その後、仕事もはじめられたそうですね。

やすこさんやすこさん

はい。子どもが保育所に行くようになり、仕事を探し始めました。障害者就労支援の制度(就労継続支援B型)を利用して、重度障害者の私でもデータ入力の仕事に就くことができ、数年お世話になりました。

編集部編集部

今まで辛かったことはなんですか?

やすこさんやすこさん

病気が分かったものの、まだ障害者手帳を取得していなかった頃に、なかなか仕事が見つからず不採用の連続だったことが辛かったです。今しかできないからこそ働きたかった接客業では、その想いを受け入れてもらえず、採用されなかったのはしんどかったです。「自分は社会に必要のない人間」なのかと思えてしまって。

編集部編集部

それは悲しいですね。どのように乗り越えたのですか?

やすこさんやすこさん

メンタルがやられたときは、いっぱい泣きます。枕に顔をつけて疲れるまで泣いて、そして食べて、寝ます。あとは1人で抱え込まず、周りに相談したり、話を聞いてもらったりします。

編集部編集部

最後に、読者に向けてのメッセージをお願いします。

やすこさんやすこさん

自分がつらいと思った時に「難が有る人生は有難い人生。難が無い人生は無難な人生」という言葉に出会いました。病気であろうとなかろうと、人生はいろいろあるものです。「人生山あり谷あり毎度あり」と思えるようになりました。いろんな人生がありますが、今あるものに目を向けて一緒に生きていきましょう。

編集部まとめ

「自分は社会に必要ない人間だ」と落ち込んだこともあったというやすこさん。彼女の生き方、考え方は、社会のたくさんの人たちの心を明るく照らしてくれると思います。やすこさん、ありがとうございました。

この記事の監修医師