目次 -INDEX-

  1. Medical DOCTOP
  2. 医科TOP
  3. コラム(医科)
  4. 【闘病】「自分は大丈夫と思わないで」 発熱で発覚した難病《高安動脈炎》

【闘病】「自分は大丈夫と思わないで」 発熱で発覚した難病《高安動脈炎》(1/2ページ)

 更新日:2025/07/22
【体験談】インフルかと思ったら「大動脈炎症候群」だった 2カ月続いた40度近い熱

発症者のほとんどが20歳前後の若年層女性である「高安動脈炎」。なーちゃんさん(仮称)が発症したのも高校1年生のときでした。突然の高熱に見舞われ、さまざまな検査を受けるものの原因がわからず、診断がつくまで2カ月を要しました。高安動脈炎とは、大動脈やそこから枝分かれしている太い血管に炎症が生じ、発熱や倦怠感、体重低下などの症状が表れる原因不明の難病です。今回は、治療しながら高校生活を過ごしたなーちゃんさんに、当時の話を聞きました。

※本記事は、個人の感想・体験に基づいた内容となっています。2022年4月取材。

なーちゃんさん

体験者プロフィール
なーちゃんさん(仮称)

プロフィールをもっと見る

1993年生まれ、埼玉県在住。夫と2人暮らし。高校1年生の冬に高安動脈炎を発症。現在は、投薬と自己注射をしながら正社員で事務の仕事をしている。

副島 裕太郎

記事監修医師
副島 裕太郎(横浜市立大学医学部血液・免疫・感染症内科)
※先生は記事を監修した医師であり、闘病者の担当医ではありません。

さまざまな検査を経て、診断がつくまでに2カ月を要した

さまざまな検査を経て、診断がつくまでに2カ月を要した

編集部編集部

病気が判明した経緯について教えてください。

なーちゃんさんなーちゃんさん

高校1年生のときに40度近くの熱が出て、夜中に尋常じゃないほどの寝汗をかくようになりました。冬だったので、インフルエンザを疑い病院に行ったところ、薬を処方され、3日間点滴にも通いました。それでも熱は下がらず、寝汗も止まらなくて大学病院を受診しました。血液検査、MRIやCT、心電図やエコーなどの検査を受け、2カ月後にようやく高安動脈炎と診断されました。「これでやっと熱や寝汗から解放される」とホッとしました。

編集部編集部

どのように治療を進めていくと医師から説明がありましたか?

なーちゃんさんなーちゃんさん

ステロイドの投薬をして様子を見ていくこと、一生付き合っていく可能性があることの説明を受けました。

家族と友達の存在に支えられて乗り越えることができた闘病生活

家族と友達の存在に支えられて乗り越えることができた闘病生活

編集部編集部

治療中は、生活にどのような変化がありましたか?

なーちゃんさんなーちゃんさん

ステロイドを投薬してすぐの変化はありませんでしたが、数カ月してからムーンフェイスで顔が丸くなりました。高校1年生の2〜3月までの2カ月間の入院生活で筋肉が落ちて体重も減り、体はガリガリなのに顔だけ丸いというのが本当に嫌でした。また、薬の副作用でアザができやすくなり、体力も落ちていたので体育の授業はみんなと同じようにはできませんでした。

編集部編集部

病気と向き合う上で心の支えになっているものを教えてください。

なーちゃんさんなーちゃんさん

当時は本当に友達と家族に支えられました。高校2年生の最初1カ月は、退院後で免疫力が低下しているため休むよう言われ、高校へ行くことができませんでした。これは後から知った話ですが、母は勉強が遅れたり友達の輪に入れなくなったりすることを心配して、先生に1番仲が良い友達と同じクラスにしてもらえないかお願いしに行ってくれていたそうです。友達はいつもノートを写してくれて、今日一日の出来事をメールで教えてくれました。辛い入院生活でも、「早く学校に行きたいな」と思わせてくれた友達には本当に感謝しています。

編集部編集部

もし昔の自分に声をかけられたら、どんな助言をしますか?

なーちゃんさんなーちゃんさん

薬の量は時間がかかっても必ず減っていくし、顔も丸くなくなるから心配しないで生活してね」と言ってあげたいです。

編集部編集部

現在の体調や生活などの様子について教えてください。

なーちゃんさんなーちゃんさん

現在は、プレドニン2mg(朝食後)、オメプラゾール錠10mg(朝食後)、タクロリムス錠3mg(夕食後)、L-アスパラギン酸Ca錠200mg(朝食後・夕食後2錠)、アクテムラ皮下注射(週1回)を服用・使用しています。体調は落ち着いているので、普通に生活をしています。ただ、ストレスを溜め込むことや疲労困憊になることはよくないと医師から言われているので、体のことを第一に生活を送っています。

ストレスは大敵、無理をせず過ごしてほしい

この記事の監修医師