【闘病】1歳で脳性麻痺 病気の理解得られず失声を経験も「すべてが私の人生の糧」(2/2ページ)

子どものころからの夢である芸能界の道を志す

編集部
赤津さんご自身も新たな夢を見つけたそうですね。
赤津さん
はい。2022年の1月から障がい者専門の芸能養成スクールに通って、夢を追いかけて日々頑張っているところです。幼少のころから憧れの芸能人がたくさんいて、芸能界にはとても興味がありましたが、「この身体では無理だろう……」と諦めざるを得ない生活を送っていたときに縁あって、そのような場所ができたことを知りました。
編集部
現在体調は落ち着いているのでしょうか?
赤津さん
現在は、乗馬にもリハビリにも通っていませんが、週に1度、訪問リハビリの方にお世話になっています。趣味もあり、充実した私ならではの人生、「今」を思いっきり楽しむことができています。また、色々な経験をしてきた私だからこそ発信できる障がいについてのことや、日常生活での努力、車椅子でのディズニーの楽しみ方についてなど、Instagramで発信していくのも生活の一部になっています。
編集部
あなたの病気を意識していない人にメッセージをお願いします。
赤津さん
私の場合は、「車椅子を使っている」ということくらいしか見た目ではわかりません。日常生活は基本的にすべて1人でこなせるものの、お手洗いや靴を履く作業、着替えなど、ほかの人より多くの時間をかけて生活しています。なかなか難しいかもしれませんが、「こんな子もいるんだよ」ということを幅広い年代の方に知ってもらえると嬉しいです。
編集部
医療従事者に望むことはありますか?
赤津さん
脳性麻痺は人それぞれ程度が違う病気でもあり、完治を目指せる治療法もありませんが、それぞれの患者さんに適したリハビリなどをこれからもやっていただけたら嬉しいです。脳性麻痺と診断されてから約20年間、私に携わってくれたすべての医療従事者の方に感謝を伝えたいです。
編集部
最後に、読者に向けてのメッセージをお願いします。
赤津さん
人それぞれ誰にでも、目に見えなくとも苦しみやつらい経験はあるはずです。私はこの障がいのある身体だからこそ経験したこともたくさんありましたが、今では辛かったことも嬉しかったこともすべてが私の人生の糧になっていると思っています。障がいを抱えていることを悔やんではいませんし、むしろ色々経験できるきっかけになったことには感謝しています。そして、家族や親戚が私を受け入れてくれ、全力でサポートしてくれたこと、また、今まで関わってくれたすべての方へ「ありがとうの気持ち」でいっぱいです。この記事を読んでくださっているすべての方が、脳性麻痺について少しでも知ってくださるきっかけになっていれば幸いです。障がいがあると大変なことがたくさんあるのは事実だけれども、決して不幸ではないということ、人生には人それぞれの楽しみ方があるということについても感じてもらえたら嬉しいです。
編集部まとめ
幼いころから病気と向き合っている赤津さんのお話を聞いて、病気のことを周囲が理解する大切さに気づかされました。また、時間をかけながらも着実に自分の人生を切り開こうとしている前向きな強さを感じました。芸能人の言葉や歌に勇気をもらったように、今度は自分がそういった存在になりたいという大きな夢を見つけた赤津さん、これからさらに輝いた人生を送っていくのだろうと思いました。





