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【闘病】風邪と診断された不調は「全身性エリテマトーデス」だった(2/2ページ)

 更新日:2025/07/16
【闘病】風邪と診断された不調は「全身性エリテマトーデス」だった

少しずつでも自分の病気を知り、自分に合った生活スタイルで過ごすことが大切

少しずつでも自分の病気を知り、自分に合った生活スタイルで過ごすことが大切

編集部編集部

現在の体調や生活について教えてください。

MARIKOさんMARIKOさん

定期的な検査結果はあまり良くはないのですが、今のところ症状は頭痛と倦怠感くらいなので比較的落ち着いている状態です。頭痛が激しい時は身体からのSOSだと考えて、ゆっくり休むことにしています。また、大きなストレスを受けると心因性の失声症になることがあるのですが、最近は落ち着いています。生活でも専業主婦で体調に合わせて生活することができています。動けるときにはハンドメイドや読書、ゲームなどを楽しんでいます。最近は料理も上達したいと頑張っています。

編集部編集部

現在の生活で大事にしていることはどのようなことですか?

MARIKOさんMARIKOさん

ストレスが身体に影響しやすいので、ストレスフリーな生活を心掛けています。私にとって大事なことは、「美味しいものを食べて、たくさん笑うこと」です。そして家族と過ごす時間も何よりも大事です。母は私のことを子どもの頃から支えてくれて、主人は大人になってからの私の変化を知って支えてくれています。2人とも私にとっていつも隣にいてくれる心強い存在です。もし昔の自分に声を掛けるとしたら、辛いことも沢山待っているけど、自分らしく進めば素敵な未来が待っていると伝えたいです。

編集部編集部

医療や治療に関して医療従事者に伝えたいことはありますか?

MARIKOさんMARIKOさん

治療を続けていると、主治医によって治療方針がバラバラなことが少し気掛かりです。私はこれまでステロイドを慎重に減量する医師、ステロイドは身体に悪いからと新薬を使用する医師など、色々な医師に出会いました。医師によって説明内容も変わります。SLEは症状が多岐にわたるから仕方がないと思う反面、統一できる部分は統一してほしいと思います。

編集部編集部

同じ病で闘う方に伝えたいことを教えてください。

MARIKOさんMARIKOさん

難病や膠原病と聞くと、やはり不安が大きいのではないかと思います。ステロイドへの恐怖から薬を飲むのが嫌になったり、副作用でムーンフェイスや脱毛などが起こったり、見た目が変わってしまったりすることも大きな悩みの種です。現代医療は私が治療を始めた頃に比べると、ステロイドの減量もかなり早くなっています。ステロイドさえ減量できれば、副作用は次第に落ち着いてくるはずです。あまり怖がらず、悲観せず、少しずつ自分の病気を知り、身体と向き合い、自分に合った生活スタイルで過ごしてほしいと伝えたいです。

編集部編集部

最後に読者へのメッセージもお願いします。

MARIKOさんMARIKOさん

難病、膠原病、闘病中などの言葉は、ともするとマイナスイメージがあるかもしれません。実際に私も、可哀想だと言われたこともありますし、嫌なことも沢山ありました。それでも、ひとつずつ壁を乗り越えて、強くなっていけば、経験値が上がっていきます。いつか、「そんなこともあったね」と笑って言えるようになっている自分がいるはずです。今大変な思いをされている方も、いつか笑って話せる日が来ることを願っています。

編集部まとめ

全身性エリテマトーデスは日本だけでも6万人を超える患者がおり、患者の約9割は女性です。多くの方はMARIKOさんと同じように、風邪のような初期症状から始まり、関節痛、皮膚症状へと広がっていきます。悪化すると全身の臓器にも炎症を引き起こし、耐え難い苦痛に襲われます。最近は新型コロナウイルスの問題もあって、発熱などの症状には過敏になっていることと思います。初期は識別が難しい症状ですが、特徴的な症状は関節痛や蝶型紅斑などです。普通の風邪とは違うと感じたら、膠原病などの専門医を受診しましょう。自分だけではなく身近な人にも疑われる症状が見られた時は、受診を勧めるとともに辛い気持ちに寄り添ってあげてください。

この記事の監修医師