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睡眠改善薬って色々あって選べない! 自分にあった薬の選び方を教えて!

 更新日:2023/03/27
睡眠改善薬って色々あって選べない! 自分にあった薬の選び方を教えて!

テレビCMでも耳にすることがある睡眠改善薬。実は種類がたくさんあり、いざ使ってみようとドラッグストアに行っても、「どれがいいのか」「種類によって何が違うのか」と悩んでしまう方も多いと思います。そんな睡眠改善薬について、薬剤師の竹内さんに伺いました。

竹内 優人さん

監修
竹内 優人(薬剤師)

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大学卒業後、中規模の総合病院に勤務。緩和ケアに興味を持ち、終末期ケア専門士の資格を取得。現在はフリーランスの薬剤師として薬局やメディカルライティングを中心に活動。今後は学生に向けて薬剤師について発信していきたいと活動中。

睡眠改善薬と睡眠薬

睡眠改善薬と睡眠薬

編集部編集部

睡眠改善薬と睡眠薬は、名称が違うだけで内容は同じものなのですか?

竹内 優人さん竹内さん

いえ、同じではありません。似たような意味で混同しがちですが、睡眠改善薬は一時的な不眠に対して、睡眠薬は日常的な不眠に対して使用します。不眠には入眠障害、中途覚醒、早朝覚醒、熟眠障害があります。睡眠改善薬は、「寝付けない」などの入眠障害が対象になります。

編集部編集部

普段ドラッグストアなどで見かけるのはどちらに分類されるのでしょうか?

竹内 優人さん竹内さん

ドラッグストアなどで販売されている薬は、睡眠改善薬になります。ドラッグストアで販売されている薬を一般用医薬品といい、医師の処方箋がなければ使用できない薬を処方箋医薬品といいます。睡眠改善薬は一般用医薬品、睡眠薬は処方箋医薬品になります。

編集部編集部

睡眠改善薬と睡眠薬の成分の違いについて教えてください。

竹内 優人さん竹内さん

睡眠改善薬はヒスタミンという覚醒に関与する物質の働きを阻害することによって眠たくなる作用を発揮します。最近は眠くなりにくいアレルギー薬が出ていますが、以前はアレルギー薬の副作用で眠気がありました。その副作用を利用したのが睡眠改善薬になります。他方、病院で処方される睡眠薬の多くは、脳内の神経物質に作用します。作用時間が超短時間から長時間まであり、入眠後途中で目覚めてしまう中途覚醒、早朝覚醒にも効果があります。

睡眠改善薬に期待できること

睡眠改善薬に期待できること

編集部編集部

睡眠改善薬を服用するとどのような効果が得られるのでしょう?

竹内 優人さん竹内さん

睡眠改善薬は覚醒に関与するヒスタミンの働きを抑えることにより自然な眠気を誘発します。そのため、なかなか寝付けないといった症状や睡眠が浅いというような症状の改善が期待できます。

編集部編集部

睡眠改善薬を選ぶ時のポイントはありますか?

竹内 優人さん竹内さん

睡眠改善薬は大きく分けて、漢方薬ジフェンヒドラミン塩酸塩の2種類があります。ジフェンヒドラミン塩酸塩を含む製品は、どの製品も含有しているジフェンヒドラミン塩酸塩の量は変わりません。そのため、1回1錠の製品が良いと思います。用法・用量を確認してみて下さい。1回1錠の製品と1回2錠の製品があります。どちらも1回に摂取する有効成分の量は変わらないので、同じ量の有効成分なら1回1錠の方が楽だと思います。また、液体タイプの製品もあるため錠剤が飲みにくい方は液体タイプがおすすめです。漢方薬は、心身のストレスなどが原因の不眠に対して効果を発揮します。緊張・不安などの症状を和らげてくれるため、このような症状がある人は漢方薬を選ぶと良いと思います。

編集部編集部

不眠の原因から選ぶということですね?

竹内 優人さん竹内さん

その通りです。まずは何が原因で寝付けないのかを考えてみるといいと思います。生活リズムの乱れによるものであればジフェンヒドラミン塩酸塩を含む睡眠改善薬、ストレス・不安・緊張などの心身の疲れからくる不眠は漢方薬という選択になります。

睡眠改善薬服用の注意点

睡眠改善薬服用の注意点

編集部編集部

「睡眠薬を多量に服用すると依存症になる」という話しを聞いたことがあるのですが、睡眠改善薬でもそのようなことは起きるのでしょうか?

竹内 優人さん竹内さん

睡眠薬にはベンゾジアゼピン系などの成分を使用しているため、長期服用により依存性を高める可能性はありますが、睡眠改善薬にはそのような作用はありません。依存性はありませんが、睡眠改善薬は、一時的な不眠を対象としているため、長期的に使用することは好ましくありません。

編集部編集部

睡眠改善薬を服用して症状が改善しない場合は、ほかの睡眠改善薬を併用してもいいのでしょうか?

竹内 優人さん竹内さん

生活リズムの乱れなどによって不眠症状を呈することがあります。そのため、規則正しい食事を心がけ、生活習慣を見直して下さい。その上で症状が改善しない場合には睡眠改善薬を使用して様子をみて下さい。症状が改善しなければ、ほかの睡眠改善薬を試してみるのは良いと思いますが、併用するのはおすすめできません。

編集部編集部

それでも不眠が続いたらどうすればいいでしょうか?

竹内 優人さん竹内さん

全く症状が改善しなければ、不安症や睡眠時無呼吸症候群などの病気に由来する不眠の可能性もあるため、医療機関を受診するのが望ましいと思います。

編集部まとめ

睡眠改善薬は、眠気を誘発するタイプと漢方による心身ストレスを軽減することで眠れるようにする2種類があり、症状に合わせて選ぶことができます。ジフェンヒドラミン塩酸塩を主成分とする睡眠改善薬は、含有量が変わらないため1回量や剤形、価格などから好みの製品を選ぶのが良いでしょう。

この記事の監修薬剤師