【妊娠初期】つわり悪化回避のためには○○が有効! ~専門医が教える初めての妊娠ガイド~
副編集長の佐藤あやが、20~30代女性の気になる医療情報を専門医に聞く対談企画。産婦人科専門医・陣内理子先生に妊娠初期のつわりや葉酸の効果について徹底解説してもらいました。
監修医師:
陣内 理子(はぐくみ母子クリニック 医師)
久留米大学医学部、順天堂大学大学院修了。大学病院及び関連施設に勤務。2016年より2年間ヨーテボリ大学留学。2020年よりはぐくみ母子クリニック勤務。日本産科婦人科学会産婦人科専門医、医学博士。
佐藤あや(「Medical DOC」副編集長)
モデル。最新医療に関心が高く、2021年8月から「Medical DOC」副編集長に。YouTubeチャンネル『教えてドクター・Medical DOC』でMCとして活動。一児の母としての目線にも注目。
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つわりが辛い人の傾向
佐藤あや
妊娠のつわりは、人によって辛い人とそうでもない人がいますが、何が違うのでしょうか?
陣内先生
つわりの症状はかなり個人差があり、一人ひとり違います。妊娠の初期から12~16週くらいまで続き、軽いと吐き気くらいで済みますが、ひどいと嘔吐してしまったり、水もとれなかったりします。傾向として、前回の妊娠のときにつわりがひどかった人は、2回目以降の妊娠でもつわりがひどくなりやすくなっています。また、双子の妊娠の時はより強くつわりが出やすいと一般的に言われていますね。
佐藤あや
食べつわりとか吐きつわりとか、いろいろありますよね?
陣内先生
空腹時にひどく出やすいので食べつわりという言い方をします。空腹時に出るケトンというものが溜まると、つわりの症状が出やすくなるので ジュースや飴を持っているといいと指導しています。症状はみんなあると思ってください。絶対よくなるので悪化させないためというか、なるべく回避するためには、こまめに水分をとるといいと思います。
佐藤あや
つわりがひどい人は入院も必要になる場合があると、聞いたことがありますが対処法はあるのでしょうか?
陣内先生
食事を頑張りすぎず、少量を頻回に摂っていただき、脱水予防のために水分摂取は頑張ってほしいです。それでも難しいときは、飲み薬で吐き気止めなど赤ちゃんに影響がない薬もあるので、それをお出しすることもできます。脱水の予防のために点滴も外来で加療できます。
佐藤あや
つわりが落ち着くと安定期に入ると思いますが、安定期とはいつの時期を言いますか?
陣内先生
まず安定期とは医学用語ではありませんし、医師は安定期という表現はしません。俗に言われる安定期とは、つわりが落ち着いた時期、不正出血が落ち着いてくる時期で妊娠16週以降を表しています。
葉酸の効果
佐藤あや
妊婦さんって葉酸をオススメされることが多いと思いますが、妊婦さんには葉酸がいいのですか?
陣内先生
そうですね。妊婦さんもですし、妊娠前から摂るよう勧めています。葉酸はDNAの合成や細胞分裂に大事なビタミンです。それを十分に摂取することによって、二分脊椎や神経管閉鎖不全症といった赤ちゃんの先天異常の予防ができるのです。背骨は左右がくっついて発生していくのですけど、二分脊椎や神経管閉鎖不全症は左右の骨がうまくくっつかない病気になります。そうすると何が起こるかというと、中に入っている神経の場所が移動し、運動麻痺や感覚の異常、おしっこが出にくいいった症状が徐々に現れてくるので、葉酸を摂るとリスクが7割くらい減らせます。妊娠を考えている方や妊活されている方は日頃から摂取してほしいと思います。
佐藤あや
葉酸の摂取方法は、サプリメントになりますか?
陣内先生
妊婦さん用のサプリメントが日本ではいいと言われています。
佐藤あや
葉酸は食事では補えないですか?
陣内先生
緑黄色野菜や柑橘系、レバーにも含まれています。ただ、アボカドに例えると2個分くらいの摂取が必要になります。毎日は無理ですよね。調理法でも影響を受けてしまうので、やはりサプリメントが効率よく摂取できます。厚生労働省もサプリメントでの摂取を妊婦さんには勧めています。
妊娠中のお薬事情と分娩施設選びについて
佐藤あや
妊娠に気づかず風邪薬 頭痛薬を飲んでしまったという話をよく聞きます。身体に問題はありますか?
陣内先生
少数のお薬を除いてほとんど問題はありません。ただ種類によって、妊娠中は避けてほしいお薬もあります。特に持病があって日頃からお薬を飲んでいる方は、妊娠を考えていることを主治医と相談した上でお薬の種類や量を調整してほしいですね。
佐藤あや
本当にしんどかったらお薬に頼っても大丈夫ですか…?
陣内先生
そうですね。そういった場合は相談してほしいです。
佐藤あや
都内では妊娠が分かった時点で、分娩する施設を探さないといけないという噂は本当ですか?
陣内先生
それぞれの施設でキャパシティがあるので、分娩制限はどこのクリニックでも設けられていると思います。諸外国だと巨大なバースセンターがあって、そこの地域に住んでいる人はそこ一択と決まっているのですが、日本は選択肢が多い分、数が制限されているので、自分の産みたいスタイルに合ったところか安全性とか、アクセスの良さも大事なので事前にいくつか候補あった方がいいかなと思います。