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【雑誌「Hanako」コラボ #2】不妊治療に朗報。ついに保険診療が開始!《産婦人科》

 更新日:2023/10/04
【雑誌「Hanako」コラボ #2】不妊治療に朗報。ついに保険診療が開始!《産婦人科》

人気雑誌『Hanako』とコラボし、副編集長の佐藤あやが、体に関するさまざまな情報を専門医に聞く対談連載の第2弾。今回のテーマは「不妊治療」。この4月から保険診療の対象になるとのニュースも含め、医師の菊地盤先生が解説してくれました。

※2022年3月28日発売の「Hanako」に掲載された記事をMedical DOC用に再編集しています。

菊地 盤先生

監修医師
菊地 盤(メディカルパーク横浜 院長)

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順天堂大学医学部附属病院の産婦人科での勤務を経て、2019年から現職。これまで多くの婦人科腹腔鏡手術を経験し、婦人科内視鏡手術のガイドライン策定にも携わっている。

CLINIC DATA
クリニックの名に「婦人科」「不妊治療」を掲げず、通いやすい。広い待合室と大きな窓のある開放的な空間でリラックス。神奈川県横浜市中区桜木町1-1-8 日石横浜ビル4F 045-232-4741 9:00(外来は10:00)~13:00、15:00~19:00(受付~18:30) 木・日休み(臨時休診あり)

佐藤あやさん

佐藤あや(「Medical DOC」副編集長)

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モデル、ハナコラボ パートナー。最新医療に関心が高く、2021年8月から「Medical DOC」副編集長に。YouTubeチャンネル『教えてドクター・Medical DOC』などで活動。一児の母としての目線も。

早くから向き合いたい。不妊治療のサポートが強化

早くから向き合いたい。不妊治療のサポートが強化

編集部佐藤あや

いま、私は32歳。同世代のHanako読者も気になる話題の一つが「不妊」だと思います。とはいえ、まだ知らないことばかり。まずは基礎知識から教えてください!

菊地 盤先生菊地先生

不妊の定義は1年間頑張っても妊娠しないということ。ある論文では、佐藤あやさんと同じ32歳頃から妊娠確率が落ちてくると発表されています。体外受精も、35歳くらいまでにスタートさせた方がいいというデータがあります。不妊の原因は年齢以外にもあるかもしれないので、早く考えるに越したことはないですね。

編集部佐藤あや

不妊は女性だけの問題ではない、とも聞きます。

菊地 盤先生菊地先生

その通り。双方に原因がある場合も数えると、男性に問題があるケースは約半数。なるべく早く、男性もチェックしておきましょう。最近は、積極的に受診に来る男性が増えました。

編集部佐藤あや

治療の前段階として、タイミング法があるんですよね。

菊地 盤先生菊地先生

本来なら、男性の精子と女性の子宮・卵管に異常がなく、排卵も正常であれば妊娠できるはず。当然ですが、性交渉の頻度が高いほど妊娠率は上がります。ただ不妊で悩む方の中にはセックスレスを抱える人も少なくなく、問題の根は深いのです。タイミング法がうまくいかなければ、人工授精や体外受精などの治療に入ります。人工授精を4回ほどやっても効果がない場合、もしくは卵管が詰まっている場合は体外受精を受けます。人工授精よりも確率は上がりますが、体外受精は最終手段です。先ほどの論文では、体外受精も9割以上の妊娠率を考えるなら35歳までに始めるべきだ、とあります。

一般的な不妊治療の流れ

編集部佐藤あや

これまで、不妊治療は費用の面でも不安な人が多かったと思うので、4月から保険が適用されるというのは大ニュース。

菊地 盤先生菊地先生

若いほど妊娠しやすいのに、若いほど治療費を払えない人が多い。20代、30代のうちに費用の関係で治療を受けられず、結局40歳になって卵子提供を受けることになってしまった人もいました。保険が適用になれば、そんな人たちを救えると思います。早く、躊躇せずに治療に進めますから。

不妊治療の費用

編集部佐藤あや

保険診療なら、ひと月あたりの料金はどれくらいですか?

菊地 盤先生菊地先生

高額療養費制度利用の場合、年収にもよりますが8万円強になると思います。二人目の妊娠にも適用され採卵は何度でも可能です。

編集部佐藤あや

私は子供が一人いますが、“二人目不妊”というワードに敏感になっていました。保険が適用されると知って安心です。

菊地 盤先生菊地先生

二人目不妊というのは、単純に一人目を妊娠した時よりも年齢が上がっていることが大きいですね。初産の年齢も上がってきていますし。帝王切開の傷が不妊を招いてしまうこともありますが、この治療も保険適用になります。

編集部佐藤あや

卵子凍結についても気になります。たとえば独身の女性でも受けられるのでしょうか。

菊地 盤先生菊地先生

未婚の方の卵子凍結は保険適用外です。また、受精させて凍結したほうが将来の妊娠率が予想しやすいとされており、卵子のみの凍結の場合は相手の精子の状態にもよるため、あまり高い妊娠率は見込めない場合もあります。がんなどの病気で凍結保存する場合は、自費診療ではありますが助成金が出るようになりました。体外受精で凍結した場合の保管料も4月以降は3年まで保険適用です。

編集部佐藤あや

なるほど。なかなかここまで深く話すことはないので、発見ばかりです。

不妊治療の保険適用

菊地 盤先生菊地先生

不妊治療が保険適用になるという話題を機に、もう少しざっくばらんに話せるような世の中になればいいなと思います。

編集部佐藤あや

「メディカルパーク横浜」は明るい雰囲気で素敵。クリニックを選ぶポイントはありますか?

菊地 盤先生菊地先生

一つは体外受精がきちんとできる設備が整っていること。人工授精がうまくいかなかった時、次にスムーズに進めます。不妊治療のスペシャリストである生殖医療専門医がいることも大事。また、通いやすいのが一番かもしれません。当院は仕事帰りに来てもらえるよう19時まで開けています。

編集部佐藤あや

それはありがたい!

菊地 盤先生菊地先生

不妊治療は月経周期に合わせて行うので、仕事やプライベートの都合では動けない。生活圏内にあるクリニックがいいですね。

photo : Miyu Yasuda
hair & make : Kenya Tadatomo (P-cott)
text : Kahoko Nishimura

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