人気の「切らずに二重」には向き・不向きアリ 美容外科医が教えます
二重手術にはさまざまな種類があり、特に人気の高いのが、切らずに二重にする手術。ダウンタイムが少なく、費用も手軽ということで、若い人を中心に二重手術を受ける人が増えています。しかし、切らずに二重にする手術には向き、不向きがあることをご存知ですか? 一体、どんな目が向いているのか、もとび美容外科クリニックの西尾謙三郎先生に教えてもらいました。
監修医師:
西尾 謙三郎(もとび美容外科クリニック 院長)
2002年札幌医科大学医学部医学科卒業。都立墨東病院などを経て有名美容外科で医長や技術指導医などを歴任。埼玉医科大学形成外科・美容外科非常勤医師を務める。2014年もとび美容外科クリニック院長就任。目や鼻、小顔など、細かな調整が必要になる顔のプチ整形や手術を得意とする。患者と医師の信頼関係を何よりも大切に考えており、徹底した「美」「安心・安全」「皆様との信頼関係」への高い意識が患者から高く評価されている。
切らずに二重にする手術とは?
編集部
切らずに二重にすることができる、と聞きました。一体、どんな治療ですか?
西尾先生
二重を作る手術は、大きく分けて二つに分類されます。一つがメスを使って行う「切る手術」、もう一つがメスを使わない「切らない手術」。「切らない手術」ではメスの代わりに糸と針を使って、まぶたを縫合(ほうごう)することで二重のラインを作ります。
編集部
もう少し、「切らない手術」について教えてください。
西尾先生
正式名称を「埋没法」といって、文字通り、まぶたを埋没させて二重のラインを作る治療法です。医療用の特別な針と糸を使い、まぶたの裏側から糸を通して、表と裏を連結させて二重を作ります。
編集部
「切る手術」に比べてどのようなメリットがあるのですか?
西尾先生
なんといっても、ダウンタイムが少ないということ。「切る手術」はメスを使うため、手術の後に腫れやむくみが目立つケースが多いのですが、「切らない手術」ではメスを使わないので、そうした腫れを抑えることができます。また、メスを使うことに対して恐怖や不安を感じる人でも、安心して受けていただけます。
編集部
ダウンタイムが短いというのは、うれしいですね。
西尾先生
そのほか、糸で縫うことにより二重を作る治療法のため、あとで修正するのが容易であるというのもメリットです。「切る手術」だと元に戻すことはほとんど不可能ですが、切らない手術は糸をはずせばやり直すことができます。また、二重の幅を思い切り大きくするなど、「切る手術」に比べて自由度が高いことも、「切らない手術」の特徴です。
編集部
「切る手術」も「切らない手術」も、一度治療を行ったらずっと効果が続くのでしょうか?
西尾先生
一般に、「切る手術」の方が皮膚を切開して二重のラインを作ることができるため、長く効果を持続できます。一方の「切らない手術」は糸でまぶたの表裏を縫い合わせるだけなので、時間の経過とともに組織が伸びて緩み、元に戻ってしまうことがあります。
編集部
なるほど、効果の持続性は、「切る手術」に軍配が上がりそうですね。
西尾先生
そうですね。それから、「切る手術」の場合、皮膚を切除してたるみを除去したり、眼瞼下垂を治しながら二重を作ったり、いろいろな治療を一度に行えるのも利点です。
埋没法に向いているのはどんな目?
編集部
なるほど、「切らない手術」も「切る手術」も、どちらもメリットがあるのですね。
西尾先生
そうです。なによりも大事なのは、手術前のカウンセリングです。その人の目が、「切らない手術」に適しているのか、あるいは、「切る手術」に適しているのか、しっかり見極めることが大切です。「切らない手術に向いている目」「向いていない目」がありますから、その観点から検討することが必要なのです。
編集部
「切らない手術」に適している目というのは、どのようなものですか?
西尾先生
たとえば、まぶたの厚みがそれほどなく、術前にシミュレーションをしてある程度二重を保つことができる人は、「切らない手術」に向いています。しかし、まぶたが薄くても眼瞼下垂だったり、目がくぼんでいたりすると、「切らない手術」よりも「切る手術」の方が適しているかもしれません。
編集部
ほかに、「切らない手術」に適しているケースはありますか?
西尾先生
現在二重まぶただけど、もう少し二重のラインを広くしたい、という人にも向いています。実際、当院で二重の手術を受けられる人は、このケースが多いですね。
編集部
「切らない手術」に適していない目には、どのようなものがありますか?
西尾先生
たるみがある、目がくぼんでいる、まぶたが厚ぼったい、という場合は「切らない手術」で二重にするのは難しいことも多いですね。
「切らない手術」が難しい場合はどうする?
編集部
「切らない手術」が難しい場合は、「切る手術」で二重にすることができるのでしょうか?
西尾先生
ケースにもよりますが、たいていは「切る手術」で二重にすることが可能です。特に、まぶたの厚みがある人は「切る手術」が適しています。「切る手術」は皮膚を切開して、余分な組織をある程度取りのぞき、まぶたを縫い合わせて癒着させる方法になります。目元がすっきりとして安定した二重を作ることが可能です。
編集部
ほかにも、「切る手術」が向いているケースには、どのようなものがありますか?
西尾先生
眼瞼下垂がある人、まぶたがたるんでいてアイラインが引きにくいという人、目がくぼんでいる人は「切る手術」の方が向いています。また、これまで「切らない手術」を試したことがあるけれど、すぐに戻ってしまったという人も、「切る手術」が向いているかもしれません。
編集部
大事なのは、どちらの治療を選ぶかということなのですね。
西尾先生
そうです。患者さんの希望、目の形やまぶたの状態、年齢などによってどちらの治療を行うべきか変わってきます。詳しくは治療前のカウンセリングで医師に相談すると良いでしょう。
編集部
最後に、読者へのメッセージがあれば。
西尾先生
毎日、アイプチなどを使って二重まぶたを作っている人も多いと思います。しかしアイプチを毎日使い続けると、目元がたるみ、老化の原因になることもあります。ひどい場合はまぶたが重く垂れ下がり、眼瞼下垂になってしまうことも。ときどき使用する程度なら良いですが、毎日使用するのは避けた方が良いでしょう。もし二重にしたい場合は、「切らない手術」を検討してみてはいかがでしょう。「切らない手術」は「切る手術」に比べて非常に手軽で、手術時間も早ければ10分程度、長くても30分程度で終わります。しかし、人によっては「切らない手術」だと難しいこともあるので、医師に相談することをお勧めします。
編集部まとめ
目は人の印象を作る上で重要なパーツ。二重の手術で後悔することがないよう、必ず事前に医師のカウンセリングを受け、「手術後にはこのような目になりますよ」ということを、シミュレーションしてもらい、イメージをつかんでおきましょう。
医院情報
所在地 | 〒160-0023 東京都新宿区西新宿1-13-8 朝日新宿ビル10階 |
アクセス | JR新宿駅「西口」から徒歩4分 |
診療科目 | 美容外科・美容皮フ科 |