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胃カメラと大腸カメラ 同時に検査を受けるメリット、料金について医師が解説

公開日:2022/02/01
胃カメラと大腸カメラ 同時に検査を受けるメリット、料金について解説

スコープを口や鼻から挿入する胃内視鏡検査(胃カメラ)と、肛門から挿入する大腸内視鏡検査(大腸カメラ)。それぞれ別の検査に思えるものの、同日の実施が可能なのでしょうか。そもそも、ダブルで受ける必要性はあるのでしょうか。内視鏡検査の最前線の様子を「浦和消化器内視鏡クリニック」の勝山先生に伺ってみました。

勝山泰志先生

監修医師
勝山 泰志(浦和消化器内視鏡クリニック 院長)

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弘前大学医学部卒業。新東京病院消化器内科副部長、共済病院消化器内科部長を経た2021年、埼玉県さいたま市に「浦和消化器内視鏡クリニック」開院。内視鏡とエコー検査の専門クリニックとして、治療後のフォローまで担う地域医療に努めている。日本内科学会認定医、日本消化器病学会認定専門医。日本内科学会会員。

可能だが、実施している医療機関は限られる

可能だが、実施している医療機関は限られる

編集部編集部

胃と大腸の内視鏡検査って、同日に受けられるのでしょうか?

勝山泰志先生勝山先生

医療機関によりますが、同日に双方の検査をすること自体は可能です。受診しようとしている医院へ事前に問い合わせるか、公式サイトなどを確認すれば、同時検査の有無がわかると思います。患者さん側のメリットとしては、単純に「2回に分けずに済む」ことでしょう。

編集部編集部

むしろ胃と大腸を、それぞれ専門性の高い病院で診てもらったほうがいいのでは?

勝山泰志先生勝山先生

内視鏡検査を行っている医師ならば、胃も大腸も診ることは可能です。胃と大腸でそこまで大きく専門性は分かれない印象です。精密な検査を望むのであれば、むしろ最新の機材が使用されているかチェックをしたほうが良いと思いますよ。また、同時検査は、「不調の原因が胃なのか大腸なのかわからない場合」にも有効です。

編集部編集部

同時検査とはいえ、内視鏡を胃からそのまま大腸へは通さないですよね?

勝山泰志先生勝山先生

そんなに長い内視鏡はないので物理的に無理ですね。一般的には、胃の内視鏡検査をして、その後に大腸の内視鏡検査をします。検査時間そのものは合計で30分ほどです。ただし、大腸の内視鏡検査をする際には、腸管内をきれいにする必要があるので、下剤を飲む前処置時間を含めると5~6時間かかります。実質「1日がかり」の検査です。

胃カメラと大腸カメラ。できることと、できないこと

胃カメラと大腸カメラ。できることと、できないこと

編集部編集部

検査の手間を圧縮できる分、ポリープ切除などに時間が取れないということは?

勝山泰志先生勝山先生

検査の手間が圧縮できるわけではありません。検査・処置のクオリティは、胃と大腸の別々の内視鏡検査と相違ありません。内視鏡でできる範囲なら、ポリープ切除や組織の採取なども、責任をもって対応させていただきます。

編集部編集部

胃と大腸は調べられても、小腸が入っていないんですよね。

勝山泰志先生勝山先生

胃や大腸に比べて、小腸のポリープや癌は頻度が少ないんですよ。胃と大腸の内視鏡検査などを行った後、小腸の病変が疑わしい場合は、小腸内視鏡やカプセル内視鏡での検査が必要になる場合もあります。

編集部編集部

あらかじめ「胃が怪しい」のに、同時検査を“受けさせられて”しまうことは?

勝山泰志先生勝山先生

大腸の内視鏡検査は下剤の前処置が欠かせず、時間のかかる検査です。その手間を必要もないのに含めるということは、考えづらいですね。逆に大腸の検査が主体で、万が一を考えて胃も診ておくということは、ありえる話だと思います。胃の内視鏡検査は、比較的短時間で診られるからです。いずれにしても、患者さんの同意を得てからの話です。

料金と受診先の選び方

料金と受診先の選び方

編集部編集部

従業員向けの企業健診だと、受診先を指定されると思うのですが?

勝山泰志先生勝山先生

指定先の医療機関が、必ずしも同時健診を扱っていないということはあると思います。加えて、内視鏡検査を扱っていない場合もあるでしょう。企業が費用負担する以上、なんともいえませんが、総務の担当者などに相談してみてはいかがでしょうか。

編集部編集部

個人事業主などが利用する特定健診はどうでしょう?

勝山泰志先生勝山先生

こちらは難しいかもしれないですね。同時検査を扱っている医院が含まれていればいいものの、各市町の決まり事ですから、勝手には選べないかもしれません。「同時検査をするとしたら、全額自己負担やむなし」という場合もあると思います。今後、同時検査の利便性や恩恵が認知されていくことに期待したいですね。

編集部編集部

やはり我々としては「検査」の料金に目が向いてしまいます。

勝山泰志先生勝山先生

自覚症状がなく、「健康であることを確認するための検査」は保険診療の対象とならず、原則として自費扱いです。自費診療は各医療機関が独自に料金設定しているので、価格に差があります。必ずしも価格の高いところの方がより詳しく調べてもらえるというわけではないので医院のサイトなどを見て、内容に納得してから受診するようにしてください。

編集部編集部

最後に、読者へのメッセージがあれば。

勝山泰志先生勝山先生

最初から、胃も大腸も内視鏡の検査が必要な場合、同時検査は効率的だと思います。同時に検査すると、疲れてしまうのではと考えられる方もいらっしゃいますが、絶食など検査前の準備のことを考えると、むしろ同時に検査をしてしまった方が体への負担が少ないんです。同時に行えるかどうか、担当の先生に相談してみてください。

編集部まとめ

大腸内視鏡検査を受けるには、(1)事前の食事制限と(2)下剤での処置が必須です。胃内視鏡検査だけを受けるにしても、事前の食事制限が求められます。つまり、大腸内視鏡検査を受ける時点で、胃内視鏡検査の条件も満たしているということですね。だったら、同時検査を受けてもいいように思えます。問題は逆のパターンで、胃内視鏡検査だけのつもりで(1)の覚悟をしていたところに、あえて(2)の手間を加えるのかという判断でしょう。みなさんは、どう考えますか?

医院情報

浦和消化器内視鏡クリニック

浦和消化器内視鏡クリニック
所在地 〒330-0055 埼玉県さいたま市浦和区東高砂町9−1 Sumida One本館2階
アクセス JR浦和駅「東口」より徒歩1分
診療科目 内視鏡内科・消化器内科・胃腸内科・肛門内科