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コロナ禍の今おすすめの「自宅でできる運動不足を解消する方法」

 更新日:2023/03/27

人は環境に左右される傾向があるため、ジムや散歩にいけば張り切って運動してしまうものです。しかし、今はコロナ禍の影響で外出する機会も減り、日常的な運動不足が深刻化しています。今回は、コロナ禍でも自宅でできる手軽な運動方法について「理学療法士」の西野さんに伺いました。

西野英行

監修
西野 英行(理学療法士)

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リハビリ専門病院と訪問看護ステーションで理学療法士として10年以上勤務。障がい者や高齢者と深く関わる中で、身体と心の健康を通してより良い生き方を追求する。リハビリだけでなく、オンラインスクール運営、セミナー講師、メディア運営、執筆、出版など多方面で活動。

自宅で簡単にできる運動のメリット

自宅で簡単にできる運動のメリット

編集部編集部

運動不足は体にどんな影響がありますか?

西野英行西野さん

運動不足によりカロリー消費量が低下して体脂肪が付きやすくなったり、血行が悪くなることで体に老廃物を溜め込みやすくなったりします。その結果、疲労やストレスを感じやすくなってしまいます。また、免疫機能の低下や精神面にも影響があり、自律神経系の働きが阻害されることで、ホルモンバランスが乱れ、気持ちが不安定になってしまうこともあります。

編集部編集部

自宅でも運動不足を解消することはできますか?

西野英行西野さん

はい、できます。運動不足の解消に最も重要なのは、「継続すること」です。自宅での運動は、移動時間がかからず、自分のタイミングで人の目を気にせず、好きな服装で行えるため、運動を始めること自体のハードルが低く、スポーツジムなどに通うより気軽にできておすすめです。

編集部編集部

器具など必要なものはありますか?

西野英行西野さん

特別な器具は必要なく、自宅にあるものを使っていただいても大丈夫です。過去に通販で健康グッズを購入したけれど、全く使っていないという方も多いのではないでしょうか。まずは運動習慣をつけることが大切ですので、自宅にあるものを使って運動を無理なく続けていくことが大切です。

編集部編集部

運動するモチベーションを維持するにはどうすればいいのでしょうか?

西野英行西野さん

まずは自分の体の現状を知ることが大切です。太ってきた、疲れやすくなった、つまずくことが増えた、肩こりや腰痛がひどくなってきたなどの悩みがある方は、今後どうありたいかを考えることで、モチベーションが保たれやすくなるのではないでしょうか。

自宅でできるおすすめの運動

自宅でできるおすすめの運動

編集部編集部

まず、どんな運動から始めたらいいのでしょうか?

西野英行西野さん

例えば、椅子やソファーに座る時間を減らすなど、できることから始めてみてください。椅子に長時間座っていると、太ももの筋肉や、第二の心臓と言われるふくらはぎの筋肉が働かないため、代謝が低下して肥満や糖尿病のリスクが高まる危険性があるほか、血流が低下し、高血圧の原因になる可能性もあります。自宅でテレビやスマホを見る時は、立ったり、壁にもたれたりして座る時間を減らしてみてはいかがでしょうか。

編集部編集部

少し痩せたいんですが、カロリー消費効果の高い運動はありますか?

西野英行西野さん

自宅でできるカロリー消費が大きい運動としては、「スクワット」がおすすめです。体の中でも特に大きい筋肉である太もも(大腿四頭筋)、太ももの裏側(ハムストリングス)、おしり(大殿筋)を鍛えることで、代謝アップが期待できます。やり方は、椅子の前に立ち、腕を楽にして、足を肩幅程度に広げて立ちます。このとき、背筋を伸ばした状態で、つま先をやや外側に向けます。そこから、膝をゆっくり曲げていきます。椅子にお尻がつく直前で今度は膝を伸ばします。膝を曲げる際は、膝がつま先より前に出ないように注意しましょう。ほんのちょっとだけ「かがむ」イメージです。背筋はまっすぐ伸びた状態を維持してください。20回5セットを目標に取り組みましょう。転倒の心配がある方は、必ずテーブルや手すりを手で支えて行ってください。

編集部編集部

上半身を鍛える運動もあれば教えて下さい。

西野英行西野さん

効率的に上半身の筋肉を鍛えたい方におすすめなのが、水の入ったペットボトルを使ったトレーニングです。
①力こぶ(上腕二頭筋)を鍛えるアームカール
まず、片手にペットボトルを持ちます。次にひじを脇腹の位置に固定して、腕を持ち上げます。そのあと、ゆっくりと腕を元の位置に戻します。この動作を左右20回3セット目標に取り組みましょう。
②二の腕(上腕三頭筋)を鍛えるフレンチプレス
まず、両手(または片手)でペットボトルを持ってバンザイし、肘を曲げて頭の後ろへ下ろします。次に肘が前後に動かないよう注意して伸ばし、腕を真上に上げましょう。この動作を10回3セット目標に取り組みましょう。

自宅で運動を行う時の注意点

自宅で運動を行う時の注意点

編集部編集部

自宅での運動中に気をつける事はありますか?

西野英行西野さん

体調が悪くなった時は、無理をしないことが大切です。また痛めている部位があれば、痛みがひどくなる可能性があるのでその部位は使わないようにしましょう。立って行う運動は転倒に十分注意して、手すりなど支えになるものを持って行ってください。また、トレーニングの前後で、水分補給をする習慣があるといいですね。喉が乾く前に意識して水分摂取をするのがポイントです。あとは、熱中症対策で部屋の温度設定に気を配ることも大切です。

編集部編集部

運動をするタイミングはいつがいいのでしょうか?

西野英行西野さん

お昼から夕方の時間帯が運動の効果が出やすいとされています。その時間帯は体温が高く、代謝や心肺機能、ホルモン分泌が活発なので運動に適しています。避けるべきタイミングは食後と極端な空腹時です。食後の運動は胃腸に血液が十分に送られなくなり、消化不良を起こしやすくなります。極端な空腹時の運動は十分なエネルギー源が確保できず、めまい等の症状を引き起こす可能性があるので注意が必要です。

編集部編集部

仕事終わりなどに軽く運動できると理想的ですね。

西野英行西野さん

日常生活の中で運動する時間を習慣化し、運動した後に気持ちいいと感じることができれば継続しやすくなるはずです。運動は辛いものと思っている人も多いと思いますが、実際は、運動によって幸せホルモンと呼ばれるセロトニンが分泌されたり、全身の血流が良くなったりするので、適度な運動はリフレッシュできてストレス発散につながります。

編集部まとめ

運動不足を解消するには、軽い運動でもいいので、継続して行うことが大切のようです。運動を習慣化するには、座る時間を減らす、家にあるものを使って運動するなど、気合いを入れすぎずに手軽にできることから始めるのがポイントです。ますは、運動後に気持ちがいいと感じる程度の運動から行ってみてください。

この記事の監修理学療法士