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サプリメントと薬は一緒に飲んでも大丈夫? サプリメントの上手な選び方を教えて!

 更新日:2023/03/27

「サプリメントと薬は一緒に飲んでも大丈夫?」「そもそもサプリメントと薬の違いは?」。そんな疑問を抱いたことはありませんか? 見た目が医薬品と似たサプリメントもあり、その区別が曖昧になっている方も多いのではないでしょうか。今回は、サプリメントと薬の飲み合わせについて、サプリメントの上手な選び方と合わせて「薬剤師」の渡辺さんに詳しく伺いました。

渡辺 るい

監修薬剤師
渡辺 るい(薬剤師)

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慶應義塾大学薬学部卒業。埼玉県の調剤薬局で勤務の後に、薬剤師としての経験をベースにしたブログ記事の執筆やWebコンテンツ作成に従事。薬や医療について、一般の方にもわかりやすく解説することをモットーに、現在は医療分野をカバーするWebライターとして活動中。

サプリメントと薬の飲み合わせには注意が必要な場合も

サプリメントと薬の飲み合わせには注意が必要な場合も

編集部編集部

サプリメントと薬は一緒に飲んでも大丈夫でしょうか?

渡辺 るい渡辺さん

基本的には一緒に飲んでいただいて問題ありません。ただし、いくつか注意していただきたい組み合わせはあります。一つは血栓予防の薬である「ワルファリン」とケールやクロレラ、青汁成分などのビタミンKを多く含むサプリメントとの組合せです。ワルファリンの効用は体内のビタミンKの働きを弱めることで成立しているので、大量にビタミンKを摂取してしまうと、薬の効用が薄れてしまいます。また、ビタミンAやビタミンE、イチョウ葉エキスなどと合わせて摂取した際に、ワルファリンの効用が強くなりすぎてしまうという報告もあります。同時に飲むのを避けるのはもちろんのこと、これらの成分が含まれるサプリメントはワルファリンの服用中は避けてください。

編集部編集部

ほかに注意すべき組み合わせはありますか?

渡辺 るい渡辺さん

セイヨウオトギリソウ(セント・ジョーンズ・ワート)という植物の成分を含有するサプリメントにも注意が必要です。この成分は肝臓で薬を分解する代謝酵素の働きを活発にするので、結果として服用している薬の効用を弱めてしまうことがあります。影響が出る薬は抗不整脈薬、抗てんかん薬、気管支拡張薬、強心薬、免疫抑制薬、抗凝固薬など多くあるので、必ず医師や薬剤師に確認するようにしてください。

編集部編集部

これらの成分に気をつけていれば、薬とサプリメントは一緒に飲んでも大丈夫でしょうか?

渡辺 るい渡辺さん

特に注意が必要な例を紹介しましたが、この他にも相互作用の影響が出る組み合わせがいくつかあります。また、食品との飲み合わせによって起きる相互作用にも注意が必要です。服用している薬がある場合は、医師や薬剤師に確認することをおすすめします。

サプリメントはあくまでも食品

サプリメントはあくまでも食品

編集部編集部

サプリメントには決められた定義はあるのでしょうか?

渡辺 るい渡辺さん

サプリメントという言葉に法的な定義はなく、「supplement:補足」という名前からもわかるように、一般的に足りない栄養素を補うことを目的としています。錠剤やカプセル剤のような形状が多く、医薬品と見た目は似ていますが、サプリメントはあくまでも「食品」に分類されます。医薬品のように「~に効く、~を治す」といった効能や効果を表示することは法律で禁止されています。

編集部編集部

サプリメントと医薬品の違いはなんでしょうか?

渡辺 るい渡辺さん

医薬品は治験などの工程を経て、効果や安全性が科学的に認められたものです。製造過程も厳密な品質管理が義務付けられています。その一方で、サプリメントはあくまでも「食品」であるため、効果に医学的根拠は少なく、品質も商品によって異なります。

編集部編集部

サプリメントに医薬品と同じような効果は期待できないのでしょうか?

渡辺 るい渡辺さん

サプリメントの中には、医学的根拠のある成分が含まれるものもあります。例えば、皮膚科で肌荒れの症状にビタミンCの錠剤が処方されたり、内科で下痢、便秘などの症状に対して乳酸菌の薬が処方されたりすることがあります。そのような症状に対し同じ成分を含むサプリメントを摂取することで、症状の改善は期待できます。ただし、自己判断で治療や服薬をやめ、サプリメントだけにするのは、症状が悪化する可能性がありますので危険です。

自分に合ったサプリメントを選ぶために

自分に合ったサプリメントを選ぶために

編集部編集部

初めてのサプリメントは、何を基準に選べばいいでしょうか?

渡辺 るい渡辺さん

最初に選ぶサプリメントとしては、不足しがちな栄養素であるビタミンやミネラル類を含むものがおすすめです。また、サプリメントを選ぶ際には、「栄養機能食品」の表示が役に立ちます。この表示は摂取効果に科学的根拠があることを示しており、「ビタミンCは、皮膚や粘膜の健康維持を助けるとともに、抗酸化作用を持つ栄養素です」といったように、栄養成分の機能や効用がパッケージの裏面などに表示されていますので確認してみるといいでしょう。

編集部編集部

自然由来のサプリメントなら、飲み合わせを気にしなくても大丈夫でしょうか?

渡辺 るい渡辺さん

自然由来成分のサプリメントであっても、薬との飲み合わせが悪いものもあります。ケールやセイヨウオトギリソウは自然由来のものですが、飲み合わせに注意が必要な代表例です。天然の成分であっても体質に合わなかったり、アレルギーを起こしたりしてしまうことがあります。服用後に違和感があったら、すぐに使用を中止して医療機関を受診してください。

編集部編集部

サプリメントを購入する際、どんなことに注意すればいいでしょうか?

渡辺 るい渡辺さん

「天然成分だから安心」「販売実績があるから安心」といった言葉は鵜呑みにしてはいけません。体験談や感想レビューなどは、あくまで参考程度に受け止めるべきでしょう。また、店頭やオンラインで購入する際は、製造業者の名前、相談窓口の連絡先、栄養成分と原材料について、事前に確認しておくことをおすすめします。これらの情報があれば、万が一問題が生じた場合、医療機関や相談窓口で適切なサポートを受けることができます。

編集部まとめ

サプリメントは栄養素を補うには手軽に利用でき便利ですが、薬との飲み合わせには注意が必要なものがいくつかあるということがわかりました。毎日の食生活で栄養バランスを意識しながら、不足しがちなビタミンやミネラル類をサプリメントで補うのがおすすめです。日頃から服用している薬がある場合は、医師や薬剤師に相談した上で、上手にサプリメントを活用しましょう。

この記事の監修薬剤師