【闘病】「あのとき乳がんから目を背けなければ…」検診とセカンドオピニオンの大切さ(2/2ページ)

検診は「違ったらラッキー。早く見つけられてもラッキー」

編集部
現在の体調や生活などの様子について教えてください。
さほさん
現在はひと通りの治療が終わり、ホルモン療法中ですが、10年続けるらしいので後8年くらいかかります。長いですね。今、30代ですが、職場の50代の方たちと更年期の話題で一緒に盛り上がっています。体調は万全とはいきませんが、こんなもんかなと納得しています。更年期の症状はいろいろありますが、髪の毛が薄くなったのが一番つらいところ。だけど普通の毎日が過ごせています。
編集部
現在、お仕事はされていますか?
さほさん
仕事はフルタイムから週4のパートに変わりました。かなり体が楽です。収入は減ってしまったので、少し副業をしています。20代後半から誕生日がくるのがイヤだなと思っていましたが、今は誕生日を迎えられるのがありがたいです。そして、パートになったことをきっかけに、犬を飼い始めました。癒ししかないですね。
編集部
もし昔の自分に声をかけられたら、どんな助言をしますか?
さほさん
私が唯一後悔しているのは、最初の近所の乳腺科で陰性だと言われたあとの自分の行動です。「じゃあ、このしこりは何だ?」と思ったのに、セカンドオピニオンに行かなかったこと、経過観察中に「もし、しこりが大きくなるなら早めに来て」と言われていたのに、すぐ行かなかったことが悔やまれます。忙しさで不安を隠して後回しにしていたけど、「自分の健康より大切なことはないから早く病院行け」と声をかけますね。
編集部
抗がん剤の治療後に遺伝子検査も行ったと聞きました。
さほさん
はい。「遺伝性乳がん・卵巣がん症候群」(HBOC)を調べる検査をおこないました。保険が適用になったことと、自分が通っている医院でできるようになったからです。結果は陰性でした。娘のためには陰性でよかったけど、自分のためには予防切除したかったですね。
編集部
医療従事者に望むことはありますか?
さほさん
私の治療に携わってくださった先生、看護師さんはみなさんとても親切で優しい方ばかりでした。いつもありがとうございます。
編集部
乳がんを意識していない人に一言お願いします。
さほさん
乳がんは自分で気付くことができる、数少ないがんの1つだし、早く見つかれば治る可能性が高いです。病気が見つかるのが怖くて検診に行かないという人もいるそうですが、知らずに進行してしまうことのほうがもっと怖いです。検診を受けましょう。なにか気になることがあればすぐ病院へ。違ったらラッキー。見つかったら早く見つけられてラッキーです。
編集部まとめ
さほさんが明るく闘病時から現在までのことを話せたり、治療を頑張ることができたのも、ご両親や旦那さん、お子さんの存在が大きかったはずなので、家族とのつながりの大切さをあらためて感じさせられます。SNSとの付き合い方、活用法も、私たちが知らない経験者ならではのアドバイスでした。





