年を重ねるごとに増えるシミ…増えないようにすることってできますか？

大西先生

はい。主なもので、①老人性色素斑、②肝斑、③そばかす（雀卵斑）、④炎症後色素沈着の4種類があります。この他、遅発性太田母斑（ちえんせいおおたぼはん）などが、シミと呼ばれることがあります。一般的には、①の老人性色素斑のことをシミと言うことが多いですね。

大西先生

これは主に「長年の紫外線ダメージ」です。若いうちはまだ蓄積量が少ないので、シミができにくいのですが、それが年々蓄積することにより後になってシミという形になって現れるというわけです。肌老化の原因の9割ほどはこの紫外線ダメージだと言われています。その他の原因としては「誤ったスキンケア」があります。なので、若いうちからの紫外線対策と正しいスキンケアをおこなうことが、シミを予防する上で重要です。

大西先生

「紫外線を極力避けること」が大切です。帽子やアームカバー、日傘など服装でケアするようにしてください。それに加え、日焼け止めクリームやUVケア効果のある化粧品を使うことで、紫外線ダメージの蓄積を防ぐことができます。日焼け止めについては最近では「飲む日焼け止め」もありますね。

大西先生

①洗顔・クレンジングのときにこすらない、②化粧をしたまま寝ない、③保湿を心がけ美白化粧品を使う、の3点でしょうか。多くの方が知っている情報かと思いますが、この3点をしっかりと守ることが重要です。

大西先生

まず、タイプが2つに分かれます。「今あるシミを薄くするもの」と「これからできるシミを予防するもの」の2種類です。シミを薄くするものは、トレチノイン、ハイドロキノン、コウジ酸、ビタミンC誘導体といった成分が有名です。こういった成分が含まれたスキンケア製品を使用するのがオススメです。

大西先生

アルブチン、トラネキサム酸、ビタミンC誘導体のような成分を含むものです。成分については「今あるシミを薄くする」ものと「予防する」ものは、一部重なります。

大西先生

はい。シミの予防にある程度つながる施術としては、①水光注射、②ピーリング、③イオン導入などがあります。

大西先生

特殊な機械を使って、有効成分を皮膚の浅い層に注射する施術です。まぶたの上や細かい鼻周りにも注入することもできます。ヒアルロン酸を注入すれば皮膚に潤いが出て、美白成分を注入すればシミの予防や改善につながります。

大西先生

薬剤を用いて、皮膚の表層を軽く剥離させるような施術です。よく用いるものにグリコール酸やサリチル酸などの薬剤があります。表層を軽く剥がして、ターンオーバーを活発にすることで、シミを薄くする・予防するという効果が期待できます。

大西先生

美容成分をイオン化させて、大量に肌の奥まで浸透させる施術です。通常の単純塗布するだけに比べ約40倍の浸透力があります。シミ予防では、「ビタミンC誘導体」や「トラネキサム酸」などの成分を用います。肌に成分を直接浸透させるという点は、水光注射と同じですが、水光注射は針を使い、イオン導入は針を使わないという違いがあります。

大西先生

主に①レーザー治療、②光治療（IPL・フォトフェイシャル）、③トレチノイン治療の3つがあります。

大西先生

レーザーというのは特定の波長をも持った光のことで、シミだけに反応する波長の光を当てることにより、シミのメラニン色素を破壊します。そうすると、1週間くらいでシミがめくれ上がってきれいな皮膚になります。

大西先生

こちらも原理は同じで、シミに反応する光を当てます。違いは、光治療の光は「シミだけに反応するわけではない」ということですね。赤ら顔の原因になるヘモグロビンなど、別の色素にも反応しますので、シミ以外のお悩みにも効果があります。反応するターゲットが「浅く広く」なるイメージですね。このような光を、顔全体に当てます。大体1カ月おきくらいに何回か照射し、シミを少しずつ薄くしていきます。

大西先生

まず、トレチノインという成分が、シミを浮き上がらせます。これによって、今あるシミが外に出ていきます。そして、その後に新しいシミが再びつくられることがないよう、ハイドロキノンを用います。この2つの成分を併用することで、シミの治療と予防を同時におこなえます。

大西先生

シミにはさまざまな種類があります。一度シミができてしまった場合、そのシミの種類によって適した治療は異なります。シミの種類は自己診断が難しいため、まずは一度、お気軽に皮膚科を受診していただけたらと思います。