医療脱毛のベストな間隔はいつ? 始めるなら秋冬がいいの?
「脱毛の季節」と聞くと、夏をイメージする方が多いでしょう。しかし、脱毛を始めるなら秋冬がおすすめと謳っている美容クリニックをよく目にします。脱毛の「秋冬スタート説」に根拠があるとしたら、気温なのでしょうか、それとも紫外線の影響なのでしょうか。さまざまに湧く疑問を、「リゼクリニック新宿院」の大地先生に解説していただきました。
監修医師:
大地 まさ代(リゼクリニック新宿院 院長)
近畿大学医学部卒業。近畿大学病院呼吸器・アレルギー内科勤務を経た2015年、「リゼクリニック新宿院」の院長に就任。「美しさは人それぞれ、自分らしく美しくいられる」美容医療に取り組んでいる。日本美容皮膚科学会、日本レーザー医学会、日本医学脱毛学会、日本公衆衛生学会の各会員。
医療脱毛をはじめるおすすめのタイミング
編集部
脱毛にオススメの「始めどき」ってあるのでしょうか?
大地先生
一律に「この時期がいい」と決まっているわけではありませんが、「いつまでにどの程度の状態にしておきたいか」というイメージを持っておかれたほうがいいと思います。ただし、「秋から冬のスタート」が好ましい理由も、いくつかあります。
編集部
ぜひ、その理由を教えてください。
大地先生
1つは「肌が日焼けしていないこと」です。医療レーザー脱毛を前提とすると、レーザーは黒いものに反応しますので、日焼けした肌まで痛めてしまう可能性があります。もう1つは、「次の夏まで、ある程度の治療回数を重ねられること」です。ざっくりですが、①今年の秋、②今年の冬、③来年の春で3回施術できていれば、来年の夏には、かなりの成果が期待できるでしょう。
編集部
秋冬スタートだと「毛周期にあった脱毛ができる」と解説しているサイトもありました。
大地先生
「毛周期」とは、毛穴一つひとつの毛が生え変わるサイクルのことで、「成長期」、「退行期」、「休止期」に分かれます。このうち「退行期」は、毛の成長が止まり、抜け落ちるまでの状態、「休止期」は、毛が抜け落ちて、次に毛が生える準備が始まるまでの状態をいいます。
編集部
いない敵は、やっつけようがないと?
大地先生
はい。「退行期」、「休止期」にあたる毛ばかりの時に脱毛レーザーを当てても、毛はいずれ再生してしまいます。他方、毛が毛乳頭という毛を作る部分とつながっている「成長期」の毛がある時なら、毛とともに組織全体を破壊できますので、再生も抑えられます。工場の敷地ごと破壊するようなイメージですね。
編集部
その「成長期」の毛は見てわかりますか?
大地先生
生えている毛が全て「成長期」の状態ではありません。ですので、確実な見極めが難しく、ある程度の期間と目安で決めていく必要があります。
医療脱毛を受けるベストな間隔は?
編集部
医療レーザー脱毛の、実際の進め方について教えてください。
大地先生
カウンセリングの次に1回目の照射をおこなうわけですが、次回の施術まで、最低でも2カ月の間隔を空けます。このとき、毛の生え方が十分でなければ、さらに間隔を空けることも可能です。
編集部
「成長期」を見極めていくわけですね?
大地先生
そういうことです。一例ですが、①カウンセリング時、②1回目の施術時、③2回目の施術時と、見極めるタイミングが3回あれば、ある程度の傾向はつかめるはずです。それによって都度、次回の来院時期をご案内しています。
編集部
レーザーの狙い撃ちが難しい夏って、どうしているのですか?
大地先生
お肌が日焼けしていなければ、効果的に施術できます。治療期間はトータルで1年半から2年ほど、回数にして5回から7回ほど必要ですので、それまでの「夏の過ごし方」も含めて、十分に話し合っておきましょう。患者さんに求められる努力や工夫なども、当然、あると思います。
編集部
寒すぎる冬のド真ん中でも可能でしょうか? 毛穴が縮まっていそうです。
大地先生
可能ですよ。レーザーは、毛穴が縮まっていても貫通しますので、問題ありません。ただし、冬は肌が乾燥しやすい季節ですので、皮膚トラブルを回避するためにも充分な保湿を心がけてください。大切なのは、季節がどうではなく、「その時の皮膚の状態をいかに良好に保つか」だと思います。
医療脱毛開始のスケジュールの立て方
編集部
結論として、初回の受診は「時期を問わない」ということですか?
大地先生
いつでもご相談ください。治療期間は年単位に及びますので、個人に合ったスケジュールを一緒に組み立てていきましょう。また、ご自宅でのスキンケアなども、脱毛の成果を左右します。医療機関でおこなうことが全てではありませんので、さまざまなアドバイスをいたします。
編集部
そうなると、なおのことシーズンを問わないですね。
大地先生
そうなのですが、例えば結婚式などのイベントを予定している方は、逆算したスタート時期が問われます。予想外の皮膚トラブルが「絶対に起きない」とは言いきれませんから、余裕をもってスケジューリングしていきましょう。
編集部まとめ
結論からすると、季節要因は“それほど”問わないということでした。なぜなら、「毛周期」は季節と無関係だからです。毛が生えてくる「成長期」を、個人ごとに見極めた施術が、最も効率的なのですね。また、医院任せにするのではなく、自宅での肌ケアが欠かせないことも覚えておいてください。
医院情報
所在地 | 〒160-0022 東京都新宿区新宿3-17-4 新宿レミナビルB1F(受付)・B2F |
アクセス | 地下鉄「新宿三丁目駅」B5出口 徒歩1分 JR「新宿駅」東口 徒歩4分 |
診療科目 | 皮膚科、美容皮膚科 |