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【漫画付き】動脈硬化ってどうやったら予防できるの?

 更新日:2023/03/27
【漫画付き】動脈硬化ってどうやったら予防できるの?

大きな病気の原因になると言われている動脈硬化。実際に生活していても、血管が痛くなるわけではないので、自分自身、動脈硬化が進んでいるかどうかはわかりづらいですよね。でも実際、どのような血管状態だと危険なの? 普段から気をつけていれば大丈夫なの? 尾山台ゆあさ内科クリニックの湯浅先生、教えてください!

湯浅 幸子

監修医師
湯浅 幸子(尾山台ゆあさ内科クリニック 院長)

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東海大学医学部卒業後、慶應義塾大学医学部腎臓・内分泌・代謝内科助手、東京都立大塚病院内科、 東京都済生会中央病院総合健診センターなどを経て、尾山台ゆあさ内科クリニックを開設。糖尿病外来などで培ってきた経験を生かし、患者さんの生活に寄り添った医療を提供している。医学博士、日本糖尿病学会糖尿病専門医、日本内科学会認定総合内科専門医、日本糖尿病協会療養指導医などの資格を有する。

動脈硬化は心筋梗塞や脳梗塞の原因に

動脈硬化は心筋梗塞や脳梗塞の原因に

編集部編集部

はじめに動脈硬化とはどのようなものか教えてください。

湯浅先生湯浅先生

血管は元々、柔軟性があり伸び縮みします。そのため心臓などに、スムーズに血液を送ることができるのですが、血管の内壁にコレステロールなどの老廃物が溜まると、血液の通る道が狭くなり、血液の流れが悪くなります。そうすると血管の細胞が硬くなり、血管は柔軟性を失われ、血流に耐えきれず血管が急に切れたり、つまったりするのです。このように血管の硬化が進むことを、動脈硬化と呼びます。

編集部編集部

動脈硬化が起こる原因はなんですか?

湯浅先生湯浅先生

脂質異常症により血中コレステロールや中性脂肪が増えることが大きな要因ですね。そのほかにも加齢や喫煙、高血圧、ストレス、糖尿病、遺伝など、様々な要因が悪化に繋がります。

編集部編集部

動脈硬化によって引き起こされる病気には、どのようなものがありますか?

湯浅先生湯浅先生

血管が硬くなると、血管が切れたりつまったりして、心筋梗塞や脳梗塞の原因になります。つまり動脈硬化を進行させないことが、これらの予防につながるのです。

予防には青魚がおすすめ

予防には青魚がおすすめ

編集部編集部

ではどのように予防したらよいのでしょうか?

湯浅先生湯浅先生

まず重要なのは、体重管理です。太ることでコレステロールが増えるのはもちろん、心臓に血液を送るのに負担がかかります。太らないように油の摂り方を意識するようにしましょう。ベーコン、マーガリン、鶏の皮など、飽和脂肪酸が多く含まれる食品は悪影響です。

編集部編集部

動脈硬化を予防するおすすめの食べ物はありますか?

湯浅先生湯浅先生

青魚を積極的に摂るのがおすすめですね。青魚には不飽和脂肪酸が多く含まれており、動脈硬化や血栓を防ぐ効果があります。油を使用する際は、オリーブオイルを使うとよいでしょう。また、水を多く飲むことで、血液がドロドロになるのを防ぐことができます。ただし、ジュースなど清涼飲料水は糖尿病のリスクがあるので、飲みすぎないようにしましょう。

編集部編集部

食べ物以外はどうでしょうか?

湯浅先生湯浅先生

バランスのよい、ストレスのない生活を送るのは効果的です。適度な運動を定期的にすることも大切ですよ。しかし、動脈硬化が進んでいる人は、いきなり運動するのは控えた方がいいですね。

編集部編集部

どういうことですか?

湯浅先生湯浅先生

動脈硬化の進んでいる人が急に運動をすると、心臓や血管に大きな負担がかかります。運動前に病院で検査を受け、医師に運動して大丈夫か確認するようにしてください。

編集部編集部

たばこは血管に悪いイメージがありますが、どうでしょう?

湯浅先生湯浅先生

その通りです。喫煙はコレステロールが血管の内壁にとり込まれるのを助長させます。動脈硬化の予防や改善には、できるだけ禁煙を心がけましょう。

血管年齢が実年齢より10歳高いと要注意

血管年齢が実年齢より10歳高いと要注意

編集部編集部

自分の動脈硬化が進んでいるかは、どうやったらわかるのですか?

湯浅先生湯浅先生

血圧測定や頸動脈検査などで調べることができます。動脈硬化が進むと血流の流れが悪くなるので、狭くなった血管の先は血圧が低くなります。つまり、健康な方は、足首の血圧は上腕の血圧に比べて高いのですが、動脈硬化が進むと、上腕の血圧より低くなるのです。上腕と足首の血圧を測定することにより、血管のつまり具合がわかります。

編集部編集部

どのような状態だと危険ですか?

湯浅先生湯浅先生

血管年齢が実年齢を10歳以上超えた場合、生活習慣病が始まっている可能性があります。また、20歳以上超えた場合は、すでに動脈硬化が進行していると言われています。すぐに受診するようにしましょう。

編集部編集部

最後に読者の方へメッセージをお願いします。

湯浅先生湯浅先生

高血圧、脂質異常症、糖尿病、肥満、足のしびれなどはある人は要注意です。若い人でも中性脂肪が高い人は危険です。塩辛いものや油っぽいものをよく食べる人は、気をつけてください。

編集部まとめ

脳梗塞や心筋梗塞など、大きな病気の原因となる動脈硬化。予防のためにふだんから食生活に気をつけ、運動をきちんとすることが重要です。「肥満などによりコレステロールが多くなると、動脈硬化が進む原因に! 心当たりのある人は大きな病気になる前に、きちんと食生活などを見直してみてください」と湯浅先生が仰っていました。

医院情報

尾山台ゆあさ内科クリニック

尾山台ゆあさ内科クリニック
所在地 〒158-0082 東京都世田谷区等々力5-5-12 尾山台萬八ビル2階
アクセス 東急大井町線「尾山台駅」より徒歩2分
診療科目 内科・糖尿病内科・循環器内科

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