マンモグラフィってどれくらい痛いの? 痛くないようにできないの?
「マンモグラフィって痛い!」という話をよく耳にしますよね。乳がん予防のために検診を受けたいと思っても、「そんなに痛くて怖いなら…」と躊躇してしまう人も多いのではないでしょうか。本当にそこまでに痛いのか、痛みを軽減することができないのか、緑が丘ウイメンズクリニックの松浦菜穂子先生に教えてもらいました。
監修医師:
松浦 菜穂子(緑が丘ウイメンズクリニック 院長)
国立群馬大学医学部卒業後、慶応大学病院産婦人科に入局。国際医療福祉大学三田病院麻酔科や順和会山王病院麻酔科を経て、現在の緑が丘ウイメンズクリニックの院長となる。日本産婦人科学会認定専門医・日本麻酔科学会認定指導医・母体保護法指定医・検診マンモグラフィ読影認定医などの資格を持つ。
乳がんの初期サインを見つけることができる
編集部
まずマンモグラフィというのは、どういう検査なのですか?
松浦先生
乳がんの可能性や触診ではわかりにくいしこりの有無などについて調べる検査です。中でも、カルシウムの小さなかたまりである石灰化を見つけるのに優れています。石灰化=乳がんではありませんが、乳がんによる副産物の場合があるため、乳がんの初期のサインになります。そのため早期の乳がんを発見するのにとても向いています。
編集部
実際にどのように検査を行うのですか?
松浦先生
上半身裸の状態で、レントゲン室にある機械に乳房をあてます。専用の装置で乳房を圧迫して、平らにしてレントゲンを撮影します。所要時間は10分ほどです。
編集部
平らにするほど圧迫するのですね。
松浦先生
そうですね。平らにして乳房を広く描出しないと、病変が発見しにくくなってしまうのです。また、マンモグラフィによる被ばく線量を低減させるメリットもありますね。
胸を圧迫して平らにするのが痛みの原因
編集部
痛みが出るのは乳房を圧迫した際の物理的な原因なのですね。
松浦先生
そうです。機械で乳房を押すため、皆さんが痛いと感じるのです。痛くないようにしたいのですが、乳房の奥まで映すためにはしっかりと挟むことが重要なのです。
編集部
痛みを軽減する方法はないのですか?
松浦先生
方法ではありませんが、胸が張っている時期の検査はおすすめしません。胸に張りが強い若い方は特に痛みを感じやすいのです。また、生理前などは避けたほうがいいと思います。
編集部
特に痛くなりやすい人などはいますか?
松浦先生
先ほど述べたように胸が張っている人、あとは胸が小さい人も痛くなりやすいかもしれません。
痛いけれど途中で検査を止めた人はいない
編集部
表現が難しいと思いますが、実際どれくらい痛いものなのですか?
松浦先生
現在では乳房を圧迫する圧迫板も年々改良され、検査も知識のある技師が行っています。そのためできるだけ痛くならないように努力をしています。実際に、私が知る限りでは痛みのため途中で検査を止めた人はいません。また痛かったからといって必要な状況で、もう一度受けたくないという人もいませんでした。
編集部
つまり我慢できない痛さではないということでしょうか?
松浦先生
そうだと思います。先入観やそういったイメージがあるというだけで、実際に検査をしてまったく痛くなかったという人もいますよ。
編集部
ただ、検査にメリットはあると考えていいのでしょうか?
松浦先生
そうですね。エコーは腫瘤を見つけることが得意なのに対し、マンモグラフィは石灰化を見つけることが得意です。どちらも初期の乳がんを別の角度から発見できるため、年齢やしこりの状況などにより、どちらの検査が最適か異なりますが、必要なときはあまり怖がらずに受診することをおすすめします。
編集部まとめ
マンモグラフィ検査で起こる痛みは、機械により胸が圧迫される物理的な痛み。見落としがないようにしっかりと圧迫するため、痛みが発生します。ただ検査を途中で止める人がいるほどのものではないようです。検査が必要な場合は、痛みが少しでも緩和される生理前など胸が張っていない時期を選びましょう。
医院情報
所在地 | 〒276-0049 千葉県八千代緑が丘2-2-10 秋葉緑が丘ビル301 |
アクセス | 東葉高速線「八千代緑が丘駅」から徒歩3分 |
診療科目 | 婦人科 |