性病検査はいつするの?検査を受けた方がいいケースや検査方法を解説
性病検査はいつ受ければよいのかご存じでしょうか。性病によって検査を受けた方がいいタイミングは異なるため、もし何らかの性病が疑われる場合は、疑われる性病のタイミングを知ることが重要です。
本記事では性病検査をいつすればいいのかについて以下の点を中心にご紹介します。
・性病検査を受けるべきタイミング
・性病検査を受けた方がよいケース
・性病検査が受けられる場所
性病検査をいつすればいいのかを理解するためにもご参考いただけますと幸いです。ぜひ最後までお読みください。
監修医師:
村上 知彦(薬院ひ尿器科医院)
目次 -INDEX-
性病検査はいつ受けたらいい?
性病検査はいつ受けるべきかは、まずウィンドウ・ピリオドと潜伏期間の理解が重要です。
ウィンドウ・ピリオドとは、感染後すぐには病原体が検出できない期間を指し、この時期に検査しても正確な結果が出ないことがあります。
例えば、梅毒やHIVは感染から約3週間後、B型肝炎は約2ヵ月後、C型肝炎は約3ヵ月後に検出が可能になるとされています。
一方、潜伏期間とは、感染してから症状が現れるまでの期間を指し、性病によって異なります。
例えば、淋病は約2〜7日、クラミジアは約7〜21日、HIVは約14日、B型肝炎は約1〜6ヵ月といった具合です。
ウィンドウ・ピリオドと潜伏期間を理解し、症状が出始めたタイミングやリスクのある行為から一定期間経過した後に検査を受けることが推奨されます。
全身に発熱や咳、喉の痛み、発疹などの症状が現れた場合や、男性器に排尿時の痛み、かゆみ、尿道からの膿、性器の異変などがある場合は、性病検査を考慮するべきです。
これらの症状は性病の初期兆候であり、性病は早期発見と早期治療が大切なためです。
また、症状がない場合でも定期的な検査を行い、感染リスクを低減させることが重要です。
性病の症状や検査のタイミングを理解し、適切な対応を心がけましょう。
無症状でも性病検査が必要な理由
無症状でも性病検査を受けることはとても重要です。
性病は自覚症状がなくても感染している場合が多く、そのまま放置すると重篤な健康被害を引き起こす可能性があります。
例えば、クラミジアや梅毒は、放置すると不妊症や皮膚炎、腸炎などの合併症を引き起こすことがあります。
また、ヒトパピローマウイルス(HPV)は、放置すると子宮頸がんのリスクが高まります。
無症状であるがゆえに、感染に気付かずパートナーに感染させてしまうリスクも高まります。
前述しましたが、性病は早期発見と治療が肝要です。
早期に治療を始めることで、症状の進行を防ぎ、重篤な健康被害や感染拡大を防げます。
さらに、パートナーとの検査と治療も欠かせません。
片方が未治療の場合、再感染する可能性があり、ピンポン感染と呼ばれる状態に陥ることがあるためです。
潜伏期間が長い性病もあり、症状が出るまでに時間がかかる場合があります。
性病の感染期間や自覚症状の強さは個人差があり、特に女性は男性より自覚症状が少ないことがあります。
そのため、異変を感じなくても定期的な検査を受けることが重要です。
自身とパートナーの健康を守るためにも、信頼できる人以外との性行為は避けることが推奨されます。
性病は一度治っても免疫ができない場合が多く、再感染のリスクがあります。
症状がなくても定期的に性病検査を受けることで、感染の早期発見と早期治療が可能になり、自身の健康とパートナーの健康を守れます。
検査を受けた方がいいケース
性病のリスクを軽減するため、以下のケースの場合は早急に検査を受けることが推奨されます。
身体に気になる症状が現れた
性的行為後に体に違和感を感じたら、性病検査を受けることが重要です。
性病の症状は股間や喉などさまざまな部位に現れます。
具体的な症状は、排尿時の痛み、膣や陰茎のかゆみ、異常な出血、デリケートゾーンの赤みや腫れなどがあります。
喉の違和感も、口内性交時に性病が感染した可能性があるため注意が必要です。
性器や口の周り、のど、皮膚に異常を感じた場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
パートナーが感染していた
パートナーが性病に感染しているかもしれないと感じた場合は、性病検査を受けるべきです。
たとえ自身に症状がなくても、性病は無症状の段階があるため、感染の可能性は否定できません。
パートナーと一緒に検査を受けることで、早期発見と治療につながります。
もし自身が感染している場合、パートナーに再感染させるリスクもあるため、早めに検査を受けましょう。
不特定多数のパートナーがいる
コンドームを使用せずに性交渉を行う場合や、不特定多数の相手と関係を持つ場合は、感染リスクが高まるため、このようなリスクがある場合は、速やかに性病検査を受けることが重要です。
自己判断せず、医師に相談しましょう。
また、多数のパートナーがいる場合は、1ヵ月に1回程度の定期的な検査を受けることを推奨します。
男女別の性病検査方法
性病検査方法は、男女によって異なる点があります。
以下に具体的な方法を説明します。
男性の場合
男性が性病検査を受ける際は、尿検査が一般的です。
尿道に存在する細菌を調べるため、初尿(最初に出る尿)を採取します。
正確な結果を得るためには、検査の1時間前から排尿を控えることも必要です。
尿検査により、クラミジア性尿道炎、淋菌性尿道炎、マイコプラズマ、ウレアプラズマ、トリコモナス、亀頭包皮炎などを診断できます。
検査結果は性病の種類によって異なり、30分から1週間程度で判明します。
女性の場合
女性の性病検査は、子宮頸管や膣の分泌液を綿棒で採取して行います。
生理中は結果が不正確になることがあるため、生理終了後に検査を受けるのが理想的です。
この方法で、性器クラミジア、淋病、マイコプラズマ、ウレアプラズマ、膣トリコモナスなどが診断可能とされます。
検査結果は性病の種類によって異なり、30分から1週間程度で判明します。
抗原検査では、感染部位の分泌物や滲出液を使用します。
男女共通
男女共通の性病検査には、血液検査や分泌物の検査など、複数の方法があります。
血液検査では、細い針を使用し少量の血液を採取します。
健康診断と同様に消毒を行うため、アルコールでかぶれる場合は事前に申し出ましょう。
血液検査で診断可能な性病には、梅毒、HIV・エイズ、B型・C型肝炎、性器ヘルペスなどがあります。
また、陰部やのどの分泌物を綿棒で採取する検査もあります。
この方法では、尖圭コンジローマ、性器ヘルペス、トリコモナス、カンジダ、咽頭クラミジア、咽頭淋病などを診断できます。
のどの感染が疑われる場合は、生理食塩水でうがいをし、うがいした液体を検査に使用します。
正確な検査結果を得るためには、検査1時間前から飲食やうがい、歯磨きを控えることが推奨されます。
性病検査が受けられる場所
性病検査は保健所、医療機関、自宅での検査キットの利用などで受けられます。
保健所
性病検査を受けられる場所として、保健所があります。
保健所では、梅毒、HIV、B型肝炎、C型肝炎の検査が無料かつ匿名で行える場合がありますが、検査できる性病の種類が限られています。
また、検査日時が限られ、治療は行われないため、陽性の場合は別途医療機関を受診する必要があります。
病院・クリニック
性病検査を受けられる場所として、病院やクリニックの主に性感染症内科、泌尿器科、婦人科があります。
性感染症内科は性病全般に対応しており、男女ともに受診可能です。
泌尿器科は男性の尿路系や生殖器系を専門としており、女性は婦人科を受診します。
婦人科では、女性特有の疾患や性病の検査が行えます。
性感染症内科は性病の専門性が高く、喉や肛門の感染症も診断・治療できる場合が多いようです。
自身の症状や状況に応じて、適切な科を選ぶことが重要です。
検査キットもおすすめ
性病検査を自宅で手軽に行いたい場合、検査キットの活用がおすすめです。
検査キットはインターネット通販で購入でき、匿名で人目を気にせず検査できます。
費用は病院での検査より抑えられることもあり、採尿や採血を行い送付するだけで結果を確認できます。
ただし、検査キットでは対応できない性病もあり、治療には医療機関の受診が必要です。
また、検査キットの費用や送料がかかり、結果が出るまでに時間がかかることもあります。
自身の状況に合わせて、適切な検査方法を選びましょう。
性病検査後の流れ
性病検査後の対応は、結果によって異なります。
以下に、陰性と陽性のそれぞれの場合の具体的な流れを説明します。
陰性の場合
性病検査で陰性の結果が出た場合、一応の安心は得られますが、潜伏期間や再検査の必要性を考慮することが重要です。
性病には感染から一定期間が経たないと検査で検出されないものもあり、再検査が推奨される場合もあります。
繰り返しになりますが、ウィンドウ・ピリオドと呼ばれるこの期間に検査を受けた場合は、病原体の検出が難しいため、医師の指示にしたがって再度検査を行うことが必要です。
また、陰性であっても今後の性行為では予防を徹底し、感染リスクを低減させることが大切です。
症状がない場合でも感染の可能性があるため、定期的な検査を心がけましょう。
偽陰性や偽陽性のリスクもあるため、結果に疑問がある場合は専門の医師に相談してください。
陽性の場合
性病検査で陽性の結果が出た場合、まずは落ち着いて医師の指示に従い治療を開始しましょう。
早期発見と治療が重要なため、パートナーにも連絡し検査を受けるよう勧めることが大切です。
治療期間は性病の種類によって異なります。
例えば、クラミジアや淋病は約1〜2週間の抗生物質治療、性器ヘルペスは約5〜10日の抗ウイルス薬治療、カンジダやトリコモナスは約1〜2週間の薬物治療が一般的です。
尖圭コンジローマは治療法により異なり、梅毒は重症度に応じて約2〜12週間の抗生物質治療が必要です。
HIV感染の場合は抗HIV薬を一生服用し続ける必要があります。
治療中は医師の指示を厳守し、適切なフォローアップを受けることが重要です。
まとめ
ここまで性病検査をいつすればいいのかについてお伝えしてきました。性病検査をいつすればいいのかについての要点をまとめると以下のとおりです。
・性病検査を受けるタイミングは、性病によって異なるため、感染後すぐには病原体が検出できない期間(ウィンドウ・ピリオド)と潜伏期間の理解が重要であり、梅毒やHIVは感染から約3週間後、B型肝炎は約2ヵ月後、C型肝炎は約3ヵ月後に検出が可能になるとされている
・身体に気になる症状が現れた場合、パートナーが感染していた場合、不特定多数のパートナーがいる場合は性病検査を受けた方がよい
・性病検査は保健所、医療機関、自宅での検査キットの利用などで受けられる
性病が疑われる場合はパートナーとともに適切なタイミングで検査を受け、陽性の場合は根気よく治療を続けましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。