その痛み、もやもや血管が原因かも……!?症状や痛みが出る原因・治療方法を解説
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指や肘・膝などに痛みがあるけれども、何が原因かわからずお困りの方はいませんか?指や肘・膝は、生活のなかで頻繁に曲げ伸ばしをするため、痛みが出ると日常生活に支障をきたすことも多いでしょう。
今回の記事では、痛みを引き起こす原因の一つであるもやもや血管(異常な新生血管)について、病気の概要や症状・治療方法などを詳しく解説します。
![宇南山 賢二](https://media.medicaldoc.jp/wp-content/uploads/2023/10/7a8a39ba037b111bc22cc8aeb9ef2238-300x300.jpg)
監修医師:
宇南山 賢二(うなやま整形外科)
目次 -INDEX-
もやもや血管(異常な新生血管)とは?
「もやもや血管」とは、異常に増えた新生血管が集まった状態を指します。
新生血管とは、筋肉や関節が何らかの原因で損傷を繰り返したときに、修復に必要な栄養を患部に運ぼうとして発生する血管です。
画像で見ると、正常な血管がはっきりと見えるのに対して、密集した新生血管はとても細いためモヤのように見えます。
新生血管は健康な血管に比べるととても脆く、炎症を引き起こしやすいのが特徴です。そのため、異常な新生血管が増えるにつれて痛みや腫れといった症状が現れることがあります。
もやもや血管の主な原因は、下記が挙げられます。
- 運動により繰り返す負荷
- 習慣的な姿勢の崩れ
- 加齢
- 関節や靱帯などの炎症を伴う疾患
もやもや血管は、特に運動や日常生活の動作によって負荷がかかる部位で発症しやすいとされています。適度な運動習慣は健康維持のために必要ですが、過剰な負荷を繰り返すことで組織に炎症が起こり新生血管が生まれやすくなるでしょう。
また、同じ姿勢を長時間続けたり習慣的に不自然な姿勢を取ったりすることも、もやもや血管の発生リスクを高める可能性があります。その他、年齢を重ねると負荷や炎症の積み重ねや、組織そのものの衰えによりもやもや血管が増加することもあるでしょう。
なお、もやもや血管は下記のような病気の患者さんにもみられることが多いとされています。
-
[指関節の疾患]
- ヘバーデン結節
- ブシャール結節
- CM関節症
- ばね指
-
[上肢の疾患]
- ドゥケルバン症
- テニス肘
- ゴルフ肘
-
[下肢の疾患]
- 有痛性外脛骨
- アキレス腱炎
- 足底腱膜炎
- モートン病
- 外反母趾
以上のように、もやもや血管は特定の部位や疾患と関連して見られることが多く、日常生活や運動習慣がその発生に影響を与える可能性があります。そのため、定期的な身体の状態チェックや専門家への相談を心がけることが重要です。
もやもや血管の症状
上記のような原因で発生するもやもや血管ですが、具体的にはどのような症状が現れるのでしょうか。どのような場面で症状が現れやすいのかも、併せてみていきましょう。
押すと痛いところがある
もやもや血管の周辺では炎症が起こりやすく、触れると痛みを感じることがあります。これは、異常血管から炎症性物質が分泌され、周囲の組織に刺激を与えるためです。
日常的な活動で触れるだけで痛みを感じることもあり、特に運動後や負荷がかかった後は痛みを感じやすいでしょう。
激しく動かした後に痛みが増す
もやもや血管による痛みは、激しい運動や作業の後に強まる傾向があります。これは、新生血管の周囲にある神経が刺激されたり、新生血管の血流量が変化しやすくなるためです。
特に関節や筋肉を酷使した後に強い痛みを感じることが多く、症状は運動直後から数時間持続することがあります。定期的に運動をする方に頻繁に見られる症状です。
朝の動かし始めに痛みが出る
痛みを感じるタイミングは、上記のような運動後のほか起床後が挙げられます。このような動き始めの痛みは、身体活動量の変化による神経への刺激や血行の変化が原因です。
特に、冷える季節や冷房が利いた室内などでは、症状が強くなる傾向があります。
寝返りなどで痛みがある
もやもや血管がある部分は、わずかな刺激でも神経が過敏に反応します。そのため、睡眠中でも寝返りなど体位を変える動作により痛みを感じることがあります。寝ている間は活動量が下がるため、血液の循環が滞ることも痛みの原因です。
痛みの頻度は症状の進行度によりますが「夜間頻繁に目が覚めてしまう」という方もいるでしょう。
不意な動作で痛みが出る
もやもや血管の患者さんは、下記のような不意な動作をしたタイミングで痛みが誘発される場合があります。
- 物を拾う
- 振り返る
- つまづいて体勢を立て直す
不意な動作で痛みが走るのは、突然の伸展や圧迫により、もやもや血管による炎症が神経を刺激するためです。このような場面では筋肉や関節が無意識かつ急激に動くことが多く、痛みが鋭く感じられます。
飲酒後に痛みが強くなる
飲酒後に痛みが増加するのは、アルコールによる血流の変化が原因です。アルコールが血管を一時的に拡張させるため、こうした刺激により痛みが強まると考えられます。
症状は飲酒量や頻度により異なりますが、飲酒後数時間以内に痛みの増強を自覚する患者さんが多いでしょう。
冷えると痛みが増す
寒さによる血管収縮が、もやもや血管の症状悪化に影響を与える可能性があります。冷えた環境では血流が滞りやすいため、もやもや血管の症状は冷房の利いた部屋や冬場に強く現れがちです。
ズキズキ・ジンジン・チクチクした痛みや重い感じがある
もやもや血管では、さまざまな種類の痛みが交互に現れることがあります。痛みの種類に特徴がないため、痛みの種類だけで「もやもや血管かもしれない」と思い当たる方は少ないでしょう。
しかし、これらの痛みは一日中感じることもあり、症状が慢性化すると生活の質を大きく低下させることがあります。そのため、長期にわたり気になる痛みがある場合は、医療機関を受診して原因を調べることをおすすめします。
じっとしていても痛みがある
安静時でも痛みを感じるのは、もやもや血管が炎症を引き起こし続けているためです。動作をしていなくても痛む場合、もやもや血管の進行度が高い可能性があります。
医療機関を受診する場合は、特に痛みが強い時間帯や、痛みを感じる動作を医師にしっかり伝えられるように事前にメモをしておくのもよいでしょう。
痛みを感じる部位が腫れている
もやもや血管の痛みは炎症を伴うため、炎症が強まれば熱感や腫れを感じることもあります。
腫れは、異常血管から分泌された物質が周囲に広がり、神経が刺激を受けることで生じます。こうした症状は時間とともに悪化することもあるため、腫れが頻繁に見られる場合や痛みによるストレスを感じている場合は早期の治療を検討しましょう。
もやもや血管によって痛みが出る原因
もやもや血管が痛みを引き起こすのは、主に炎症と神経の刺激が関係しています。
新生血管が増生する際には、血管と並走する神経も同時に増えていきます。そのため、もともと炎症を繰り返してきたことで新生血管ができた場所に痛みを感じる神経が増え、さらに痛みを感じやすくなるのです。
また、新生血管が炎症性物質を放出すると、周囲にある神経がこれに刺激されて痛みの刺激を脳へ伝えます。こうした刺激は活動量や温度により血行に変化があった際に強まりやすく、激しい運動や身体の冷えによる痛みにつながります。
もやもや血管の治療方法
もやもや血管の治療は、大きく分けて症状を抑える治療と原因の改善、そして再発を予防する治療の3つに分けられます。この3種類のアプロ―チには、主に下記の5つの治療方法が含まれます。
- 薬物療法
- 理学療法
- 動注治療
- 栄養療法
- 生活改善
まず、症状を抑えるための治療として挙げられるのが、薬物療法や理学療法です。
薬物療法では、痛みや炎症を抑えるために消炎鎮痛薬や抗生剤が使用されます。これらの薬剤は、もやもや血管周辺の炎症を抑え、痛みを軽減する効果があります。また、血流を改善する薬剤が併用されることもあるでしょう。
次に、理学療法では痛みを軽減し、正しく身体を使うための治療を行います。電気刺激療法や温熱療法が用いられることもあり、筋肉の緊張をほぐし血流を改善する効果が期待できます。しかし、こうした治療方法は対症療法的なもので、つらい痛みを一時的に抑えるためのものです。
また、もやもや血管の原因を改善する治療法には動注治療があります。動注治療とは、もやもや血管が発生した部位の動脈にカテーテルで薬剤を注入して、もやもや血管に直接アプローチする治療法です。薬剤により細くいびつな新生血管を塞栓させることで、炎症を抑えたり異常血管を縮小させたりする効果が期待できます。なお、動注治療はもやもや血管ができている場所に局所的に作用するため、全身への副作用が少なく即効性が期待できる治療法とされています。ただし、局所的に内出血が起こったり、爪や皮膚の色調変化などが起こることがありますが、一過性のもので数週間程度で消失します。
その他、もやもや血管の再発や炎症のリスクを下げる運動習慣・生活習慣・食習慣を身に付けることも大切です。症状を改善するための治療や動注療法と並行して理学療法や栄養療法などを受けることで、治療により改善した症状が再び悪化しないよう努めましょう。
手や肘の痛みでお困りならうなやま整形外科にご相談を
今回の記事では、もやもや血管の概要や症状・治療法について解説してきました。指や関節の痛みに悩んでいて「この症状はもやもや血管かもしれない」と考えている方に、神奈川県横浜市保土ヶ谷区にあるうなやま整形外科を紹介します。
うなやま整形外科では、下記のような疾患を中心に幅広い部位の不調や外傷を診察対象としています。
- 肩こり
- 腰痛
- ぎっくり腰
- 椎間板ヘルニア
- リウマチ
- 骨粗鬆症
- 膝関節痛
- 慢性疼痛
- 痛風
また、もやもや血管の治療にも力を入れている整形外科です。
うなやま整形外科で行われている治療内容や特長を紹介します。
日常生活の制限や負担が少なく短時間で受けられる動注治療
動注治療は、痛みの原因となる異常な新生血管に直接アプローチするため、効果が実感しやすい治療方法とされています。
動注治療を受ける際はレントゲンやエコーなどの事前検査が必要になりますが、治療そのものは10分前後で終了します。
症状の強さにもよりますが、動注治療は2~3回の治療を1ヵ月毎に連続して行うとより効果的といわれています。そのため、治療後は経過を見ながら再治療について医師とよく話し合って決めていくとよいでしょう。
治療の当日は運動や入浴ができませんが、それ以外の日常生活の制限はほぼありません。そのため、もやもや血管による痛みの根治を目指している方や、日常生活への影響が不安で治療を検討していなかった方も、安心感を持って治療に望めるでしょう。
栄養療法のカウンセリングや栄養指導
うなやま整形外科では、悩みに合わせた栄養療法のカウンセリングや栄養指導も行っています。
もやもや血管の治療においても、医療的な治療と並行して適切な栄養素を摂ることが炎症を起こりにくくしたり新生血管の増生を抑制したりすることにつながると考えられます。
そのため、薬剤による治療だけでなく自宅での食生活も見直してみたい方は、治療を受けてみてはいかがでしょうか。
再発防止のための理学療法・生活習慣・食生活改善の相談にも対応
今回の記事でも紹介したとおり、もやもや血管の発症・進行には日常的な運動習慣や姿勢の崩れが関わっている可能性があります。また、もやもや血管による痛みは、運動や正しく身体を使うことで軽減が期待できます。
うなやま整形外科では、症状の軽減や動注療法後の再発予防のために理学療法・生活習慣に関する指導も行っています。上記の栄養指導と併せて、自宅でできる対策を続けることで治療の効果を長持ちさせたり、状態のよい期間を延ばせる可能性があります。
うなやま整形外科は、整形外科などの専門的な診療に加え、漢方薬による痛みの治療、慢性的な痛みやしびれの治療など、さまざまな不快な症状に対応しています。手や肘が痛いなどのお悩みがある方は、うなやま整形外科に相談してみてはいかがでしょうか。
うなやま整形外科の基本情報
アクセス・住所・診療時間・費用・治療回数・治療期間
相鉄線 西谷駅徒歩4分
診療時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | 祝 |
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9:00~12:30 | ▲ | ● | ● | ● | ● | ● | - | - |
15:00~18:30 | ● | ● | - | ● | ● | - | - | - |
▲:月曜午前はドクター2人体制です。
※初診及びお久しぶりの診察となる方の受付は、午前は12:00まで、午後は18:00まで
【費用(税込)】
診察料金:7,000円
治療費
手:片側:27,500円 両側:38,500円
肘:片側:33,000円 両側:44,000円
足:片側:33,000円 両側:44,000円
【治療期間・回数】2~3回の治療を1ヶ月毎に連続して行うとより効果的