胃痛の治し方|胃痛の原因や対処法を解説
ストレスが溜まったり乱れた食生活をしたりしているときに、胃痛になった人もいるのではないでしょうか。
胃痛はさまざまな病気のサインの一つでもあります。この記事では、胃痛の原因・対処法・胃痛を伴う病気についてご紹介します。
監修医師:
染谷 秀忍(北越谷そめやクリニック)
目次 -INDEX-
胃痛の原因
胃痛の原因としてストレスと食生活があります。ここでは、どのような影響を与えてしまうのか詳しく見ていきましょう。
ストレス
日々、仕事・学校・家庭などでストレスを感じている方は多いことでしょう。ストレスを感じると自律神経が乱れてしまいます。内臓が正常に機能するためには自律神経が欠かせません。自律神経が乱れた状態は胃酸の過剰分泌が起こり、胃粘膜防御機能が低下します。
胃酸によって胃の粘膜が刺激を受け、傷つくことで痛みを感じます。胃痛を放置していると状態が悪化し、胃潰瘍になったり炎症が起きたりするので早めに医療機関を受診しましょう。
ストレスを感じている人は胃痛以外にも、寝つきが悪かったり気分が憂鬱になったりすることが多いです。ストレスを解消するというよりも、溜めない生活を心がけてください。
食生活
朝食を抜いたり脂っこい食事ばかり摂っていたりと、乱れた食生活は体に悪影響を及ぼします。また、ストレスが溜まると暴飲暴食をしてしまう人もいるでしょう。このような食生活は胃痛を引き起こしてしまいます。
特に、コーヒーやお酒を1日何杯も飲む人は量を控えてください。カフェインやアルコールは胃酸を過剰分泌させてしまいます。カフェインはコーヒーや紅茶のイメージが強いですが、緑茶やココアなどにも含まれるので注意しましょう。
また、脂っこい食事だけでなく辛い食事や炭酸飲料なども胃酸の過剰分泌を引き起こして、胃痛を発生させてしまいます。暴飲暴食を控えることは大切ですが、空腹の状態が長くなると胃が荒れてしまうので3食しっかり食事をしてください。
食事をするときはよく噛むことで食材が細かくなり、消化がしやすくなります。急いで食べるのではなく、時間をかけて食事をしましょう。
胃痛の対処法
胃痛に悩んでいる人は、ストレスフリーの生活・食生活の見直し・医療機関の受診をしましょう。ここでは、なぜこれらが必要なのかご説明します。
ストレスを溜めない生活をする
ストレスを溜めてしまう人は、解消するのではなく溜めない生活を心がけましょう。運動をしたり音楽を聴いたりと、リフレッシュする時間を作ることが大切です。自分が楽しいと思えることで気分転換をしましょう。
仕事や職場の人間関係がストレスになってしまっている方もいるでしょう。すぐには難しくても転職や部署移動など、環境を変えることも一つの手段として覚えておいてください。
また、ストレスを溜めやすい人の中には、考えすぎてしまったり完璧にしようとしたりする人がいます。このようなタイプの人は、計画を立てたり直感的に行動したりと切り替えることが大切です。完璧にすることに固執すると、できなかったときに追い込まれてしまいストレスが溜まるでしょう。そこで、目標を少し低く設定することがおすすめです。
ネガティブ思考だと、まだ起きていないことも悲観的になってしまいます。そこで、ポジティブ思考に切り替えることを意識してください。最初から切り替えることは難しいので、徐々にポジティブになるようにしていきましょう。
胃に負担がかからない食生活
胃に負担がかからない食べ物は消化の良い食べ物です。消化の良い食べ物はお腹での滞在時間が短く済みます。脂っこい食事をすると消化管ホルモンが出ますが、これは胃の働きを休める作用があり胃痛だけでなく胃もたれの原因になるので控えましょう。揚げ物や炒め物よりも、蒸し料理や茹でた料理がおすすめです。
また、ゴボウなどの根菜類や海藻といった食物繊維は、吸収を緩やかにする分消化に時間がかかって胃に負担をかけます。食物繊維が豊富な食材を食べるときは、噛む回数を増やしたり具材を細かくしたりして消化しやすくなるように工夫しましょう。
他にも胃酸を過剰分泌させるため、辛い料理・塩気の強い料理・酸味が強い料理は控えてください。なるべく薄味のものを食べるようにしましょう。
医師の診察を受ける
胃痛は、人によっては日常的に起きやすい症状の一つでもあります。よく胃痛が起こるからといって放置してはいけません。長期的に何度も胃痛になったり胃痛以外にも何らかの症状があったりする場合は、消化器疾患に何らかのトラブルが起きている可能性があります。
胃痛の他に血便や嘔吐、便の色がおかしいといった症状があればただちに医療機関を受診しましょう。胃痛によって医療機関を受診し、がんや胃炎と診断されたケースもあります。早めに医師の診察を受けることで、早期発見できることもあるでしょう。
胃痛を伴う消化器疾患
胃痛は不調で痛むだけではなく、消化器疾患が起こっていることがあります。ここでは、起こりやすい急性胃炎・慢性胃炎・逆流性食道炎・胃潰瘍・十二指腸潰瘍を詳しく見ていきましょう。
急性胃炎
急性胃炎は胃の粘膜が炎症している状態です。慢性胃炎と比較すると、短期間で治るケースが多いでしょう。急性胃炎になると胃痛以外に、嘔吐・吐血・食欲不振などの症状が出ることもあります。しかし、これらの症状は急性胃炎にだけ起こるものではありません。
胃がんや胃潰瘍とも似た症状のため、自己判断で急性胃炎と決めつけないでください。出血など原因がわかっている場合は、止血処置をするなどの原因に合わせた処置をします。その後、内服薬や点滴によって改善することが多いです。
急性胃炎と胃潰瘍の症状はよく似ているため、胃カメラ検査で判別します。
慢性胃炎
慢性胃炎は胃酸を分泌する腺細胞が萎縮して修復されず、胃酸が減少することで胃の粘膜が弱っている状態が長期的なのが特徴です。症状は、急性胃炎や胃潰瘍と変わりません。違いはほとんどの慢性胃炎の原因が、ピロリ菌感染によるものです。稀にピロリ菌感染以外で起こります。
慢性胃炎を治療せず放置すると、悪化して胃潰瘍になるので早めに治療しましょう。
胃の粘膜が弱ると少量の胃酸でも刺激を受けてしまいます。そのため、慢性胃炎の治療では胃酸から守る薬と胃の粘膜を保護する薬が処方されます。
逆流性食道炎
胃酸が逆流して食道の粘膜を傷つけることで炎症が起こることを逆流性食道炎といいます。胃の粘膜は胃酸に耐性がありますが、食堂の粘膜には耐性がありません。逆流性食道炎は下部食道括約筋が緩む・食道内圧の低下・唾液の減少・胃酸の過剰分泌・胃の働きが弱まっているなどが原因です。
胃炎の症状の他に、胸焼けをしたりゲップが多くなったりすると感じる人が多いでしょう。逆流性食道炎の診断は症状の確認と胃カメラで行います。治療は薬物治療と生活指導をすることで逆流性食道炎を改善します。
胃・十二指腸潰瘍
胃・十二指腸潰瘍は胃酸によって組織が剥がれ落ちてえぐられた状態です。逆流性食道炎や胃炎と同じ症状が出ることが多いです。多い自覚症状はみぞおちの痛みで、慢性胃炎に気づかないまま放置していると胃潰瘍になってしまうことが多いでしょう。
胃・十二指腸潰瘍の状態が悪化していくと血管を傷つけてしまい吐血や貧血が起こりやすく、最悪の場合死に至ることもあります。そのため、痛みを感じたらすぐに医療機関を受診しましょう。胃カメラやX線検査で確認されたら、食事療法・薬物治療・再発予防治療で改善していきます。
胃痛や消化器疾患の検査・治療法
胃痛を伴う消化器疾患の項目でも検査法と治療法に触れましたが、ここではさらに詳しく胃カメラの検査と除菌治療について解説します。
胃カメラの検査
胃カメラは、口もしくは鼻から胃内視鏡と呼ばれる先端にスコープのついた器具を挿入する検査です。TVモニターで体内の状態を確認したり、カメラで状態を撮影したりします。胃カメラ検査では鎮痛剤や麻酔を使用する医療機関も増えているので、痛みに弱い人や不安な人は医師に相談しましょう。
胃カメラ検査で確認した腫瘍やピロリ菌などに感染している可能性がある部分は、生体検査を行わなければなりません。胃カメラ検査自体は10分程度で終了しますが、他の検査が必要になった場合は検査結果が出るのに時間がかかるでしょう。
ピロリ菌の除菌治療
ピロリ菌を除菌するためには、胃酸を抑える薬と2種類の抗生物質を服用する必要があります。この3種類の薬を朝と晩の1日2回を7日連続で服薬しなければなりません。
また、服薬して終わりではなくピロリ菌が再発していないか、再度内視鏡検査を受ける必要があります。この除菌法の成功率は約90%といわれていますが、除菌できなかった場合抗生物質を変更して再服薬をしなければなりません。
ピロリ菌の除菌治療は、条件によって保険適用となる場合とそうでない場合があります。
保険対象外の場合は自己負担となり、10,000~20,000円(税込)ほどです。また、医院によっては別途診察料が加算される場合がありますので、前もって確認してみてください。
胃痛を治したい方は北越谷そめやクリニックへ
越谷市の北越谷そめやクリニックは胃痛のご相談に対応しています。ここでは、北越谷そめやクリニックのおすすめポイントを3つご紹介します。
病気の早期発見・予防医療に取り組んでいる
どのような病気でも早期発見をすることで、症状の緩和や治療成功率が高くなります。また、再発予防を行っていないと、病気に悩むことになってしまうでしょう。
北越谷そめやクリニックは、早期発見・予防医療・生活の質向上を行っているクリニックです。
人間ドックを受けられるので、定期的に検査を受けることで早期発見が期待できます。
地域医療機関と連携
北越谷そめやクリニックは、大学病院・総合病院・専門病院と密に連携を取っています。
症状によっては、大きな病院でないと治療ができないこともあるでしょう。
より専門的な検査や治療が必要な患者さんには、ぴったりな医療を提供するために大きな病院を案内することがあります。
一人ひとりに寄り添った医療を提供
北越谷そめやクリニックでは、患者さんとのコミュニケーションを大切にしているので、話しやすい雰囲気のクリニックです。
健康上の不安や些細な相談でも親身になってくれるので安心できるクリニックでしょう。
多くの人のかかりつけ医になって地域貢献を果たすといった思いがあり、信頼できるクリニックを目指しています。
北越谷そめやクリニックの基本情報
アクセス・住所・診療時間
北越谷駅西口駅前
診療時間 (受付時間) |
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | 祝 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
9:00~13:00 (8:45~12:30) |
● | ● | ● | - | ● | ▲ | - | - |
14:00~18:00 (13:45~17:30) |
● | ● | ● | - | ● | - | - | - |
▲ 土曜日:診療時間9:00~12:30 (受付時間8:45~12:00)
休診日:木曜・土曜午後・日曜・祝日
胃カメラは【月、火、水、金:午前】、大腸カメラは【火、水、金:午後】に施行しております。
参考文献
- おしらせ|北越谷そめやクリニック
- ストレス自覚度ならびに社会生活指標が腰痛・関節痛,肩こりに及ぼす影響:都道府県別データの解析
- 自律神経系によるホルモン分泌の調節とその研究の流れ
- 働く女性のキャリア・ストレス関する研究
- 腹痛および低栄養に対して腸瘻を用いた経腸栄養が有用であったアルコール性慢性膵炎の一例
- コーヒー/カフェイン摂取と日常生活-循環器・消化器系機能に及ぼす影響評価-
- 逆流性食道炎の臨床的内視鏡的検討
- ストレスと精神的健康研究における「対処資源」の重要性-文献レビュー―
- 中学生を対象とした講演形式によるストレスマネジメント教育の効果について
- 生体リズムの乱れを調整する3要素(光,食事,メラトニン)
- 食生活指針の解説要領
- ライフスタイルの見直し 生活習慣病回避のための運動・スポーツ活動
- 救急外来受診を契機に診断されたがん症例の検討
- 健診受診者におけるNon-Helicobacter pylori Helicobacter感染胃炎14例の検討
- 心窩部痛の契機に発見された2箇所の胃異所性膵の1例
- 急性胃腸炎に続発して十二指腸潰瘍穿孔を発症した幼児の3例
- 3.急性胃炎の診断と治療
- 慢性胃炎・胃癌とH.pylori
- 慢性胃炎に関する研究
- 19.小児胃食道逆流症による逆流性食道炎の内視鏡所見と臨床像
- 胃十二指腸潰瘍穿孔例の検討-特に予後因子を中心に-
- 高齢者胃十二指腸潰瘍-その特徴と手術成績について-
- 胃潰瘍の胃カメラ診断補遺
- 胃疾患の経過に関する研究-胃カメラを中心とした長期経過観察および補助診断法について-
- 抗ヘリコバクター・ピロリ菌
- ピロリ菌の必須栄養素であるコレステロールに着目したピロリ菌感染制御
- 医師紹介|北越谷そめやクリニック