性病検査キットは薬局やドラッグストアで買える?選び方や購入方法
近年、梅毒にかかる患者さんは増加傾向にあります。症状は出ていなくても、感染の心配がある人や心当たりがある人は早めに性感染症の検査を受けましょう。
とはいっても、性病の検査を受けるのは勇気がいります。性感染症の検査は主に保健所やクリニックで実施していますが、自宅で検体が採取できる検査キットもあります。
誰にも知られず検査したい人や時間的に余裕のない人は、インターネット通販やドラッグストア・ディスカウントストアでも購入可能です。
性感染症は自分だけではなくほかの人にまで感染を広げてしまうので、心配な行為があった場合は早めの検査が重要です。
監修医師:
村上 知彦(薬院ひ尿器科医院)
目次 -INDEX-
性病検査キットの特徴
性病検査キットは、手軽に自宅で検体を採取できるので性感染症が蔓延するのを防げます。
なお、検査キットの入手方法は検査機関のオンラインで購入する方法や店舗販売などがあります。検査キットのメリットは以下のとおりです。
- 匿名で検査できる
- 検査結果が出るのが早い
- 人に会わずに済む
- オンライン診療ができるものがある
- 検体の採取方法が簡単
- 近所にクリニックや保健所がなくても検査できる
検査キットにはデメリットもあります。
- 感染症の項目が限定される
- 症状が出ていないと検査キットの種類がわからない
- 信頼できる検査機関であることが重要
- 使用期間や保存方法を守る必要がある
- 検査結果の解釈が必要
検査キットでの検査結果を理解し、適切な治療を受けるためには自己管理が必要です。
好きなタイミングで検査が受けられる
性感染症の検査に行ってほかの患者さんに会いたくないと思う方は少なくないのではないでしょうか。保健所や病院の検査は一般的に1時間程かかります。待ち時間はほかの患者さんと待合室で待つことになり、行くのを躊躇う人もなかにはいるでしょう。
また、忙しくて診察時間内に受診できない人もいます。
一方、郵送型の検査キットは、検査から診療まで自宅でできるので誰にも会わずに好きな時間に検査を行えます。
周りの人にバレずに検査が受けられる
検査キットは自宅以外に郵便局留めまたは宅配センターなどに郵送先を指定できます。そのため家族やパートナーに知られることなく検査を受けることが可能です。
周囲に知られたくない場合は、性感染症の検査キットとはわからないように、検査機関名を無記名で発送するなどの配慮がされている検査機関を選ぶとよいでしょう。
さらにプライバシーにまで配慮している検査機関なら、個人情報や検査結果も漏洩の心配がなく信頼できる検査機関といえます。
なお、Pマークを習得している検査機関は、プライバシーに配慮している検査機関の証明なので検査機関を選択する1つの目安になるでしょう。
検査結果はオンラインで確認できる
検査機関やドラッグストアで検査キットを購入した場合は、オンラインで検査結果を確認できます。検査結果は検体が検査ラボに到着してから、早ければ当日に出る機関もあります。
検査の結果が陰性だった場合にオンラインで診療や薬の処方もできる検査キットを選ぶとよいでしょう。
ただし、オンライン診療で治療できるのは結果が陽性と判明した病気ですが、HIVはオンラインで治療ができないので注意してください。
匿名で検査を受けられる
性感染症の検査を匿名で受けたいと思う人もいるのではないでしょうか。性感染症の検査を実施している機関は、保健所・病院・オンライン診療を実施する検査機関などがあります。
性感染症内科はほとんどの場合自由診療のため匿名で検査や治療を受けることができます。
自由診療の費用は検査項目が単一の場合やセットで実施する場合で変わりますが、おおむね9,000〜80,000円(税込)です。
オンライン診療を実施している検査機関も匿名で検査を受けることができます。IDやニックネームで検査を受け、アプリやオンラインで結果を確認します。
検査キットをドラッグストアで購入したり検査キットを通販で購入したりもできるので、郵送先をコンビニや郵便局留めにすると匿名での検査が可能です。
性病検査キットは薬局やドラッグストアで買える?
以前から性病検査キットがインターネット通販で購入ができることは知られていましたが、ドラッグストアやディスカウントストアでも購入できるようになりました。
性病検査キットのバレナイ性病検査は自宅で検体を採取してポストに投函する郵送型検査キットです。
匿名検査が可能でオンライン診療や薬の処方もできる検査キットです。検査結果が出ると無料でオンライン診療を受けることができます。
さらに検査結果が陽性で薬が必要な場合は処方も可能ですが、薬代は有料になります。
性病検査キットの選び方
性病検査キットは種類によって検査方法が異なるので性病の項目別や性別で検査キットを選ぶ必要があります。
性交渉を行った相手の症状がわかっている場合は容易に検査キットを選ぶことができますが、ほとんどの場合特定は難しいのではないでしょうか。
特に症状もない場合は、なるべく多くの性病の種類を確認できる検査キットを選ぶとよいでしょう。
検査したい性感染症に対応しているか
性病検査キットは性病の種類によってタイプが分かれています。尿検査キット・血液検査キット・うがい検査キット・膣検査キットがあります。検査キットでわかる病気は以下のものです。
それぞれのキットの検体採取方法は、尿検査は朝一番の尿を採取します。血液検査は指先から少量採取した血液をろ紙にしみこませます。
うがい検査は水道水でうがいを行い、うがい液を採取する方法です。また、膣分泌液検査では膣の入口の粘膜を綿棒でぬぐいます。
尿検査は尿道にある細菌の特定ができるため男性向けの検査キットです。対して膣分泌液検査キットは女性向けになります。
血液検査キットやうがい検査キットは男女兼用検査キットです。また、検査キットでは、上記以外の性病の確定はできません。
そのため、上記の性病に対して陰性と確定しても何らかの症状がある場合は、専門の医療機関の受診をおすすめします。
検査方法
性病の検査方法にPCR法や抗原抗体検査法を用いる方法があります。PCR法は微量な遺伝子からでもウイルスを発見できるので感度が高く早期に治療が開始できます。
ただし、特殊な機器が必要で検査に時間がかかるのがデメリットです。抗原抗体検査法は、短時間でウイルスの検知が可能で、検査キットのみで検査ができます。
検査を急ぐ場合は抗原抗体検査法は有利ですが、感度が低いため偽陽性や偽陰性のリスクがあります。
検査結果が出るまでの期間
検査結果が出るまでの期間は、受けた検査機関で異なります。
クリニックは受診日に検体を採取し、採取した検体を外部の検査機関で検査する方法が取られている場合も少なくなく、数日から1週間程で結果が出るのが一般的です。
郵送性検査キットの場合は直接検査機関に検体を郵送するため、検査機関に到着した当日または2~3日後にオンラインで結果がわかることがほとんどです。
検査結果の確認方法
検査結果を確認する方法はクリニックや保健所は再来院して結果を聞きます。医師と直接話ができるので病気の症状や不安などを率直に話すことができるメリットがあります。
ただし、自分の性生活を話したくない人にはハードルが高いかもしれません。郵送性検査キットの結果はオンラインで結果の通知があります。
予約時間に再来院する必要がなく見たい時間に確認できるメリットがありますが、専門家の直接的なサポートが受けにくいため結果を自身で把握する必要があります。
郵送型を選択した人は疑問を持ったり理解が不十分だったりした場合には、疑問点を問い合わせましょう。
その他のキットの購入方法・検査方法
性病の検査キットはインターネット通販でも購入できます。公式サイトやアマゾンなどの大手通販サイトで性病検査キットが販売されています。
通販サイトで購入して大丈夫かと心配になる人もいるかもしれませんが、販売先を検索すると検査項目や検査機関を確認することが可能です。
通販サイトで購入する場合は値段だけではなく、販売元の情報を必ず確認してから購入しましょう。
また、保健所やクリニックの検査はより幅広い項目の検査が可能です。
性感染症は初期症状が乏しい病気もありますがすでに症状があるのなら、クリニックを受診して早期に治療を開始すれば完治も早くなります。
インターネットの通販で購入
性病検査キットはインターネット通販で購入ができます。通販で購入できる検査キットは自宅で採取して郵送するタイプのものです。
検査結果は検体郵送後2~3日でインターネットやスマートフォンアプリに送られてきます。匿名で検査ができるので感染の心配があっても受診を躊躇っている人に向いています。
陽性の場合はオンライン診療や薬の処方ができるものもありますが、購入する際は値段ではなく信頼できるサイトで購入しましょう。
保健所に相談
保健所は梅毒やクラミジアの検査・HIV検査を匿名および無料で実施しています。保健所で検査を受けるには事前予約が必要です。
保健所では予約番号で呼ばれるので名前を名乗る必要がないため、未成年や匿名重視の人に向いています。
夜間や休日に実施している保健所もありますが、保健所は定員になり次第終了になったり、曜日が決まっていたりと実施日が特定されているのがデメリットです。
保健所で検査を受けるとHIV即日(迅速)検査の場合は当日結果がわかりますが、通常は結果が出るまでに1~2週間程度かかります。
クリニックを受診
病院で性病検査を行っているのは、泌尿器科・皮膚科・耳鼻咽喉科・婦人科・メンズクリニック・性感染症内科があります。
性感染症内科以外の病院は、性病検査は保険診療が可能なため安価で検査ができるので、費用を抑えたい人や治療を急ぐ人におすすめです。
保健所や郵送型検査キットは検査項目が限定されますが、クリニックの検査は検査項目が豊富で多くの性感染症を特定できるメリットがあります。
すでに症状が出ている場合は、検査後すぐに治療が開始できるのもメリットの1つですが、クリニックを受診する場合は予約が必要な場合があるので注意しましょう。
編集部まとめ
性感染症は初期症状が乏しいものが少なくありません。潜伏期間が短いものや何週間もしてから症状があらわれるものまで多くの種類があります。
症状が出なくても他人に感染します。また、自然治癒はありません。症状が重篤になると入院治療も必要になるのが性感染症の怖いところです。
パートナー以外と性交渉を行った場合に性病検査に行くのは躊躇われると思いますが、郵送型検査キットや保健所または自由診療のクリニックでは匿名検査が可能です。
また、検査キットはインターネットやドラッグストアなどで購入もできます。
感染が疑われるのに放置する方が事態を悪化させることになります。性感染症の疑いがあるのなら早期に検査してしかるべき治療を優先させましょう。