性病検査が恥ずかしい方へ | 検査を受けるメリットと対策
性感染症への不安があるけれど性病検査を受けるのは恥ずかしい、という方もいるのではないでしょうか。
性感染症は、性行為の経験がある方であれば誰でも感染する可能性がある病気です。
感染しても自覚症状がないため、知らないうちに症状が悪化してしまう場合もあり、注意が必要です。
性病検査が恥ずかしい方に向けて、検査を受けるメリット・おすすめの検査・検査を受けるべきケースを解説するので、ぜひ参考にしてください。
監修医師:
村上 知彦(薬院ひ尿器科医院)
目次 -INDEX-
性病検査・性感染症を恥ずかしいと感じる理由
性病検査・性感染症に対して、恥ずかしいと感じる方もいるのではないでしょうか。
性感染症とは性行為を通じて感染する病気で、病原体が性器・泌尿器・肛門などに接触することで感染します。
性感染症には、性器クラミジア感染症・梅毒・淋菌感染症・HIV感染症などがあります。
性感染症に感染しているかどうかは性病検査をするとわかりますが、性病検査・性感染症への恥ずかしさから検査や受診をためらう患者さんは少なくありません。
なぜ性病検査・性感染症を恥ずかしいと感じるのか、その理由を解説します。
性感染症への誤解や偏見があるから
性感染症への誤解や偏見から、恥ずかしさを感じて検査・受診をためらう方もいるようです。
性感染症に対して、特殊な病気で普通はかからない・性風俗・遊んでいる人がかかる病気などのイメージを持っている方もいるのではないでしょうか。
性感染症は特殊な病気で自分はかからないと思われがちですが、性生活を営んでいれば誰でもかかる可能性があります。
また、性行為を通じて感染するため、性感染症に対してネガティブなイメージを持っている方も少なくありません。
不特定多数の相手と性行為をする人がかかる病気、という誤解・偏見から、恥ずかしさを感じるケースもあるでしょう。
しかし、性感染症は相手が特定の一人だけでも、相手が病原体を持っていれば感染する可能性があります。
性感染症の情報が少ないから
性感染症の情報を十分に持っていないことから、恥ずかしさを感じる場合があるでしょう。
性感染症を正しく理解するためには、どのような病気なのか、現れる症状・治療の重要性・感染によるリスクなどの正しい知識を持つことが大切です。
性感染症は、たった一回の性行為・オーラルセックス・アナルセックスでも感染する可能性があります。
症状がなければ大丈夫・自然に治ると誤解している方もいますが、性感染症は無症状でも進行し、自然に治癒するケースは多くありません。
コンドームは性感染症の有効な予防法の一つですが、完全に感染を防げるわけではなく、正しく使用しなければ予防効果は期待できません。
コンドームを使用したからといって、感染しないわけではないのです。
性感染症は特殊な病気ではなく誰でもかかる感染症で、恥ずかしさを感じる必要はありません。
恥ずかしさから検査・受診が遅れると、症状が悪化してしまいます。
性感染症にはさまざまな種類がありますが、早期に適切な治療をすれば完治できるものが多いので、性感染症が気になる場合は早めの検査をおすすめします。
性病検査を受けるメリット
性病検査は、性器クラミジア感染症・淋菌感染症・梅毒などの性感染症にかかっているかどうかを調べる検査です。
検査方法は感染が疑われる病気によって異なりますが、おりもの検査・血液検査・尿検査・うがい検査などがあります。
以下では、性病検査を受けるメリットを解説します。
気になる症状があるけれど恥ずかしさから性病検査をためらっている方、症状はないけれど感染の不安がある方は、ぜひ参考にしてください。
無症状でも感染が確認できる
性病検査は症状がなくても感染の有無を確認できるため、症状はないけれど念のために検査しておきたい方にもおすすめです。
性感染症は、感染しても症状が出ないケースが少なくありません。
また、性風俗や不特定多数の相手と性行為をしている方に限った病気ではなく、たった一回の性行為でも感染する可能性があります。
無症状でも感染の不安がある場合は、性病検査を受けるとよいでしょう。
検査で感染がわかれば、悪化する前に早期治療が可能です。
感染の心あたりがあるのであれば、感染しているかもしれないという不安やストレスを抱え続けるよりも、まずは検査を受けてみましょう。
大切なパートナーを感染させないで済む
大切なパートナーがいる方は、相手に感染させないためにも性病検査を受けましょう。
早めに検査を受けることで、パートナーへの感染防止につながります。
性感染症は無症状のケースもあり、気付かないうちにパートナーに感染させてしまうリスクがあります。
パートナーが感染して症状が出ないまま進行し、男女ともに不妊症を引き起こす場合があるため注意が必要です。
妊娠中の女性が梅毒・性器クラミジア感染症に感染すると、母子感染により子どもにもうつり、早産・死産・先天性障害などを引き起こす危険もあります。
大切なパートナーに感染させないためにも、気になる症状があったり感染に不安があったりする場合は、早めに検査を受けてください。
症状の悪化を防げる
性病検査をして早期に治療を始められれば、症状の悪化を防げます。
性感染症にかかっても、自覚症状がないまま病気が進行してしまうケースがあります。
症状がなかったり症状が軽度だったりしても、性感染症は自然に治癒しません。
治療が遅れると症状がどんどん悪化し、精巣や卵管の炎症・腹膜炎などを引き起こす場合があるでしょう。
また、梅毒は治療せずに放置すると、数年~数十年かけて心臓・血管・脳など複数の臓器に異常をきたす可能性もあります。
さらに、感染によって粘膜が傷つき、ほかの感染症にかかりやすくなることも考えられます。
症状が悪化する前に早期治療するためには、検査による早期発見が大切です。
症状の悪化を防ぐためにも、性感染症が気になる方は早めに性病検査を受けてください。
性病検査が恥ずかしい方には郵送検査がおすすめ
対面の性病検査が恥ずかしい方は、郵送検査を受けてみてはいかがでしょうか。
性病検査は保健所や性感染症内科・泌尿器科・婦人科・メンズクリニックなどの医療機関で受けられますが、自宅にいながら検査できる郵送検査も利用できます。
郵送検査は、自分で血液や尿などの検体を採取して郵送するだけで、手軽に性病検査が受けられる点が魅力です。
以下では、性病検査が恥ずかしい方に郵送検査がおすすめな理由を解説します。
周囲に知られずに検査が受けられる
性病検査を受けたことを人に知られたくない方は多いでしょう。
郵送検査であれば、周囲に知られることなく検査を受けられます。
郵送検査は検査キットを使用して自分で検体を採取するので、誰にも会わずに検査が可能です。
保健所や医療機関に行く必要がなく、周囲に性病検査を受けたことが知られるリスクが低いでしょう。
検査キットは郵送で届きますが、性病検査キットだとわからないようプライバシーに配慮した梱包がされています。
また、郵便局・クロネコヤマト営業所での受け取りが選択できる場合もあり、家族と同居している方も家族に知られることなく検査可能です。
郵送の性病検査は周囲に知られず気軽に受けやすいので、医療機関での検査・受診に抵抗がある方も利用しやすいのではないでしょうか。
検査結果をネットで確認できる
郵送の性病検査では、ネットで検査結果を確認できます。
検査結果が郵送されてきたら、同居している方に知られてしまうのではと不安を感じている方もいるのではないでしょうか。
郵送検査の多くは、自分のスマートフォンやパソコンから検査結果ページにアクセスし、結果を確認できるようになっています。
検査結果が出次第ネットで確認できるので、郵送よりも早く検査結果がわかる点もメリットです。
匿名で検査できるキットもある
郵送の性病検査を受ける際は、検査申込書や検体に記名する必要があります。
しかし、本名を記入することに抵抗がある方もいることでしょう。
郵送検査のなかには、匿名で検査できるキットもあります。
匿名の検査キットであれば、検査申込書や検体に本名を記入する必要がありません。
本名で性病検査を受けたくない方は、匿名の検査キットを選ぶとよいでしょう。
すぐに性病検査を受けるべきケース
性感染症は感染しても症状が軽度だったり無症状だったりするケースがあり、自分が性病検査を受けるべきなのかわからないこともあるでしょう。
性感染症は、症状が重くなくても治療せずにいると悪化してしまうため、早期発見・早期治療が大切です。
以下では、すぐに性病検査を受けるべきケースを紹介します。
あてはまる項目があった方は検査を受け、感染が判明したら早めに医療機関を受診して適切な治療を受けてください。
性感染症に関連する症状が出ている
性感染症に関連する症状を自覚している場合は感染の可能性があるため、性病検査を受けましょう。
性感染症にかかると、以下のような症状がみられます。
- 尿道や膣の違和感・痛み
- 尿道から膿が出る
- おりものの増加・異常
- 陰部の湿疹・かゆみ・いぼ
- 陰部のしこり・ただれ・水ぶくれ
- 排尿痛
- 性交痛
- のどの違和感・痛み
上記のような症状がある場合は、性感染症の可能性が否定できません。
早期治療のためにも、早めに性病検査を受けてください。
パートナーが性病だと判明したとき
パートナーの感染が判明したときは無症状でも感染している可能性があるため、性病検査を受けてください。
性感染症は症状がなくても進行し、悪化する危険があります。
パートナーが治療しても、自分が感染したままであれば再感染を繰り返してしまいます。
再感染を防ぐためにも、パートナーの性病がわかった場合は自分も検査を受け、一緒に適切な治療を受けることが大切です。
性病感染が不安な性行為をしたとき
自覚症状がなくても、性病感染が不安な性行為をしたときは検査を受けたほうがよいでしょう。
一回でも感染している方と性行為をすると、自分にも感染する可能性があります。
パートナー以外や不特定多数と性行為をした、コンドームを使用せず性行為をしたなど、感染の心配があるときは性病検査を受けてください。
編集部まとめ
本記事では、性病検査が恥ずかしい方に向けて、検査を受けるメリット・おすすめの検査・検査を受けるべきケースを解説しました。
性感染症は、症状が軽いか無症状であることが少なくありません。
気付かないうちに病気が進行する危険があるため、早期発見・早期治療が大切です。
性病検査が恥ずかしい方には、周りに知られずに検査できる郵送検査がおすすめです。
気になる症状がある・パートナーの性病が判明した・感染の不安がある場合は、症状を悪化させないためにも早めに性病検査を受けましょう。
参考文献
- 性感染症とは
- 性感染症について|東京都福祉保健局
- 性感染症対策
- 感染症患者
- HIV感染者の人権 -わたしたち自身の問題として-|三重県
- 知っておきたい 性感染症の正しい知識|厚生労働省
- 性感染症について|公益社団法人 東京都臨床検査技師会
- 性感染症の検査ってどんなことをするのですか?|公益社団法人 日本産婦人科医会
- 感染経路・予防|東京都福祉保健局
- 性感染症|厚生労働省
- 性感染症の検査・治療|公益財団法人 性の健康医学財団
- 郵送検査事業者認定制度 (性感染症分野)|公益財団法人 性の健康医学財団
- HIV/性感染症検査の基礎知識|名古屋市健康福祉局健康部感染症対策課
- 時代と共に変わる性感染症(性病)を知り、早めに受診しましょう|奈良県医師会
- クラミジア感染症と言われたら?|杏林大学医学部付属病院
- その他性感染症(クラミジア、淋病など)|大阪市