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即日でできる性病検査の精度は高いの?医療機関と検査キットにおける精度の違い

 公開日:2024/07/16
即日でできる性病検査の精度は高いの?医療機関と検査キットにおける精度の違い

性病の疑いがあるとき、できるだけ早く検査を受けたいですよね。近年では、即日検査ができる医療機関や、自宅で使える検査キットも増えてきました。
しかし、「即日検査の精度って大丈夫なの?」「医療機関で受ける検査と、市販の検査キットの精度に違いはあるの?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか?

本記事では性病検査の精度について、以下の点を中心にご紹介します。

・即日検査の精度
・医療機関の検査と検査キットの精度
・性病検査の検査方法

性病検査の精度について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。

澤田 樹佳

監修医師
澤田 樹佳(富山県のさわだクリニック)

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経歴
20022金沢大学卒 / 2014年金沢大学大学院卒 / 現在は、富山県のさわだクリニック院長 / 専門は泌尿器科、在宅、緩和医療、東洋医学
保有免許・資格
泌尿器科専門医、指導医
医師へのコミュニケーションスキルトレーナー

性病検査を受けた方が良い理由

性病検査を受けた方が良い理由
性病検査を受けることは、自身の健康を守るだけでなく、パートナーや将来の子どもの健康も守ることにつながります。
以下では、性病検査を受けるべき理由について、早期治療の重要性と性病を放置するリスクの観点から解説します。

性病は早期治療が重要

性病は、早期発見と早期治療が重要な疾患です。
症状が軽度で自覚症状がない場合でも、感染している可能性があります。
性病を放置すると、重篤な合併症を引き起こしたり、パートナーへの感染リスクが高まったりします。
性病に感染した疑いがある場合、恥ずかしがらずに速やかに受診することが大切です。
性病の早期発見・早期治療は、治癒や発症の抑制にもつながります。
例えば、HIVに感染した場合、早期に治療を開始することでエイズの発症を抑制できるとされています。
性病は誰にでも感染する可能性があります。
予防に努めると共に、感染の疑いがある場合は早期の検査と治療を心がけましょう。

性病を放置するリスク

性病を放置すると、自身だけでなく、大切なパートナーや、将来生まれてくる子どもにも深刻な影響を与えてしまう可能性があります。
クラミジア淋病などの性病は、症状が軽かったり、自覚症状がなかったりする場合があるため、放置されてしまうことがあります。
しかし、不妊症や無精子症などの重大な合併症につながる可能性があるのです。
また、性病に感染していると免疫力が下がっているため、ほかの性病にもかかりやすくなってしまいます。
梅毒のように、性器以外にも症状が出る性病もあり、放っておくと心臓や神経、血管などにも重篤なダメージを与える可能性があります。
もし性病に感染している女性が妊娠したら、お腹の中の赤ちゃんにも感染が広がり、生まれてきた時に重い障害が残ったり命に関わる状態になったりするリスクがあるのです。
性病の疑いや心当たりがある場合は、早期に検査を受けるようにしましょう。

性病検査について

性病検査について
性病検査を受ける際には、検査項目や検査方法について理解しておきましょう。

性病検査の主な項目

性病検査では、性行為を通じて感染するさまざまな病原体の有無を調べます。
主な検査項目としては、クラミジア、淋菌、HIV、梅毒などがあります。
性感染症は、同時に複数の病原体に感染することもあるため、リスクがある場合は複数の項目を組み合わせた検査を受けることが賢明です。
症状がなくても定期的な検査が重要ですが、どの項目を選べばよいか迷う方も多いのではないでしょうか。
スクリーニング目的であれば、HIV、B型肝炎、梅毒、性器やのどのクラミジアと淋菌といった7項目を網羅したセットがおすすめです。
オーラルセックスによる感染リスクもカバーできます。

性病検査の方法

性病検査の方法は、感染症の種類や感染部位によって異なります。
クラミジア淋病の検査では、女性は膣分泌液、男性は尿を用いたPCR法などの検査が行われます。
咽頭感染の場合はうがい液を用います。
カンジダは症状がある場合、性器から直接採取して検査します。
ヘルペスや尖圭コンジローマは、症状が出ている病変部位から細胞を採取して検査します。
梅毒、B型肝炎、C型肝炎、HIVは血液検査で調べます。HIVは二段階の検査が必要です。

即日検査の精度

即日検査の精度
性病検査には、結果が数日後にわかる通常検査と、その日のうちに結果がわかる即日検査があります。
即日検査は、クラミジアや淋菌、HIVなどの検査で利用可能ですが、通常検査に比べて精度(感度)が劣る場合があることに注意が必要です。
クラミジアや淋菌の即日検査は、感度が低くなる傾向にあります。
そのため、急ぎでない場合は、精度の高い通常のPCR検査を選ぶのがおすすめです。
また、HIV即日検査では、判定保留となった場合、確認検査を行った後、約1〜2週間後に結果が出ます。

医療機関の検査と検査キットの精度

医療機関の検査と検査キットの精度
性病検査を受ける際、医療機関での検査と検査キットの精度は異なるのか、気になる方もいるのではないでしょうか。
実は、両者の精度はほとんど変わらないといわれています。
医療機関でも検査キットでも、同じような検査機器を使用しているためです。
ただし、検査キットを使用する際は、検査手順を正確に行う必要があります。
医療従事者ではない本人が行うため、手技を間違えると正しい結果が得られない可能性があるのです。
自身で検査を行うのが不安な方は、医療機関での検査がおすすめです。

性病の潜伏期間と検査を受ける時期

性病の潜伏期間と検査を受ける時期
性病にかかっていても、すぐに症状が現れるとは限りません。
ここでは、主な性病の潜伏期間と、それぞれの性病に対して検査を受ける時期について解説します。

性病の潜伏期間①クラミジア

クラミジアは、感染から症状が出るまでの潜伏期間は約1~3週間と長く、症状も緩やかに現れます。
男性の場合、尿道の痒みや排尿時の軽い痛み、少量の膿などが見られることがあります。
しかし、クラミジアの特徴は、感染者の約8割が無症状であることです。
症状がない場合、感染に気づかないまま過ごしてしまい、知らずにパートナーにうつしてしまうリスクがあります。
また、カップルの片方だけが陽性になった場合、浮気を疑われがちですが、前のパートナーから感染していた可能性も考えられます。

性病の潜伏期間②淋病

淋病は、淋菌による性感染症で、男性の場合、感染から約2~7日後に症状が現れるといわれています。
排尿時の痛みや、尿道からの膿の排出などが特徴的な症状です。
クラミジアと比べると、潜伏期間が短く、症状もより強く現れるため、医療機関を受診するケースが多いでしょう。

性病の潜伏期間③性器ヘルペス

性器ヘルペスは、ヘルペスウイルスによる性感染症です。
感染から約2~10日後に、性器周辺に小さな水疱やぶつぶつができ、痒みを伴うことが特徴です。
初感染時には無症状のことも多く、体調不良などをきっかけに免疫力が低下した際に、ウイルスが活性化し症状が現れることがあります。
性器ヘルペスは再発を繰り返すことがあり、ストレスや疲労などが誘因になるといわれています。

性病の潜伏期間④梅毒

梅毒は、感染から初期症状が現れるまでの潜伏期間は平均で20日ほどといわれていますが、個人差があります。
早い場合は10日後、遅い場合は90日後に症状が出ることもあります。
また、梅毒の症状は一時的に消失することがあり、第1期の症状が自然に治まった後、数ヵ月後に第2期の症状が現れることがよくあります。
第1期の症状は見逃されやすく、第2期で初めて梅毒に気づくケースも少なくありません。

性病の潜伏期間⑤HIV

HIVは、感染から約2週間後に初期症状が現れるとされています。
発熱やインフルエンザに似た症状が代表的ですが、体調不良と混同されやすく、HIVに気づかないケースが多いのが実情です。
初期症状が治まると、数年から10年ほどの無症状期間が続きます。
この間、感染に気づかず検査や治療を受けないと、やがてエイズを発症してしまう危険性があります。

検査を受ける時期

性感染症の検査を受ける時期は、感染の種類や検査方法によって異なります。
クラミジアや淋菌などの抗原検査やPCR検査は、感染から24時間以上経過していれば精度の高い結果が期待できるといわれています。
一方、HIVや梅毒、B型肝炎などの血液検査は、感染後に体内で作られる抗体を調べるため、検査時期が重要です。
抗体ができるまでには個人差がありますが、概ね1ヵ月以上かかるといわれています。
感染リスクがあってすぐに検査を受けても抗体ができていないため、陰性の結果が出ることがあります。
正確な結果を得るには、感染機会から最低1ヵ月後、確実に判断するなら3ヵ月以上経過してから検査を受けることをおすすめします。

性病検査の検査方法は?

性病検査の検査方法は?
性病検査の検査方法には医療機関で受ける検査、保健所で受ける検査、そして自宅で使える検査キットがあります。
ここでは、それぞれの特徴や利用方法などを詳しく解説します。

医療機関

性感染症に特化した性感染症内科では、HIV、梅毒クラミジア淋病など、幅広い性感染症の検査と治療が可能です。
マイコプラズマやウレアプラズマなどにも対応しています。
ただし、多くは自由診療となります。
一方、症状が出ている部位に応じて、泌尿器科、婦人科、耳鼻咽喉科、皮膚科などでも性感染症の検査や治療を受けられます。
男性は泌尿器科やメンズクリニック、女性は婦人科がおすすめです。
これらの科は保険診療が多いのが特徴ですが、症状がある場合に限られます。

保健所

性感染症に関する不安や疑問を抱えている方は、お住まいの地域の保健所を利用してみましょう。
保健所では、専門のスタッフが性感染症に関する相談に乗ってくれます。
匿名での電話相談も可能なので、プライバシーが心配な方にもおすすめです。
性感染症の検査を受けたい場合、全国の保健所でエイズ検査は匿名で受けられます。
ただし、クラミジア梅毒、淋菌感染症などの検査は、保健所によって対応が異なります。
性病検査を希望する保健所に事前に確認を取り、検査日時や検査項目、検査方法を把握しておきましょう。

検査キット

性病検査キットは、尿や血液などの検体を自宅で採取し、郵送することで性病の有無を調べられます。
病院での検査は、恥ずかしさから敬遠する方もいます。
また、クリニックは自由診療であることが多く、費用面での負担もあります。
性病検査キットは、プライバシーを守りながら、手軽に検査を受けられるメリットがあります。
自宅で検体を採取できるため、周囲に検査のことを知られるリスクも少なくなります。
感染の不安があるときに、早期に検査を受けるためのひとつの選択肢として、性病検査キットはおすすめです。

まとめ

まとめ
ここまで性病検査の精度についてお伝えしてきました。
性病検査の精度の要点をまとめると以下の通りです。

・即日検査は通常検査に比べ精度が劣る場合がある
・医療機関の検査と検査キットの精度はほとんど変わらないが、検査キットは手技を誤ると正しい結果が得られない可能性がある
・性病検査の検査方法は感染症の種類や部位により検査方法は異なる。クラミジア淋病はPCR法、梅毒やHIVは血液検査を行う

性病検査は、自分自身だけでなく、大切なパートナーや将来の子どもの健康を守るためにも重要です。
少しでも感染の可能性があれば、早めの検査を検討してみてください。

この記事の監修医師