シミの治療法は?シミの種類・原因についても解説
シミが出てくると顔の印象を左右するだけでなく、実際の年齢よりも上に見られてしまうことがあるかもしれません。
人によってはシミができることで肌状態が劣ってしまったと思い込み、シミのことを常に気にしてしまい行動が消極的になることもあります。
シミは些細な症状かもしれません。しかし、気になる方にとっては「シミさえなければ」とメンタルに影響を及ぼすほどの悩みに発展しかねないでしょう。
シミは様々な原因で出きてしまいます。効果的な予防法や治療法があれば、思い悩むことは少なくなるかもしれません。
本記事では、シミの発生原因や治療法とあわせて予防法についても解説していきます。シミ治療の費用相場についても紹介するので、参考にしてみてください。
監修医師:
金 仁星(医師)
化粧品検定2級、英語発音指導士® 所有
目次 -INDEX-
シミの治療法は?
シミはどんなに対策をとっていても気がつかないうちに出来てしまい、シミを目立たなくさせたいと思われる方がほとんどです。
しかし、メイクや髪型で隠そうとするにも限度があります。できることならシミ自体を消したいと思われるでしょう。
シミにはいくつか改善が期待される方法があり、特に美容医療ではシミの改善に効果が期待される治療法が揃っています。主な治療法は次のとおりです。
シミの種類やシミの濃さによって適した治療法は異なってきます。
シミが部分的に出ている場合は、レーザー治療が適しており、そばかすのように顔全体に広がっているシミには光治療やイオン導入が効果を発揮します。
また、肝斑のようにホルモンバランスが乱れなどによって現れるシミにはレーザー治療や内服薬などで治療を受ける方が多いです。
高濃度ビタミンC注射もシミの治療として挙げられる治療法ですが、シミのもとになるメラニン生成を抑える作用があるので、どちらかというとシミの予防に適している治療法ともいえるでしょう。
このように様々な治療法があるので、効果が期待される治療法を選択するには医師の診断を受け、相談することをおすすめします。
シミの種類
シミといっても様々な種類があります。シミの出る場所や出方、また年齢や性別によって、シミの種類が異なってくるのです。
さらにシミの治療法はシミの種類によって適したものが違ってきます。ご自身のシミに効果的な治療を受けるのであれば、まずシミの種類を知っておくと良いでしょう。
ここではシミの種類について解説していきます。
老人性色素斑
シミの中で多いのが老人性色素斑です。一般的に40歳前後で現れてくるシミで、色や濃さは様々ですが、黒褐色・灰色・茶褐色が多いです。
年齢を重ねてから出てくるシミですが、肌のターンオーバーが正常に機能していない若い頃から出てくる場合もあります。
老人性色素斑は部分的に出るシミで、顔だけでなく手・首・腕などにも現れます。
肝斑
肝斑は30代以降の女性の顔に薄茶色で左右対称に現れるシミです。
シミの境目がはっきりとして、顔・手の甲・首に出てきます。特に頬の高い部分やおでこに多く見られるので、目立ちやすいです。
なお肝斑は目の周りにはほとんど出ません。シミが目の周りを避けて現れ、境目がはっきりとした薄茶色の場合は肝斑と診断されることが多いです。
炎症後色素沈着
炎症後色素沈着によるシミは日焼け・やけど・ニキビ・吹き出物・怪我などで発生するため、顔のどこにでも生じてきます。
炎症後色素沈着は、炎症を起こした部分はメラニンが発生することで皮膚表面に色素沈着してしまい、斑点状のシミになってしまいます。
日焼けやニキビ跡といった、どの年代にも出やすい症状のため、年齢を重ねた方だけでなく若い方にも見受けられるシミです。
雀卵斑(そばかす)
雀卵斑(じゃくらんはん)は、そばかすの正式名称です。
直径1〜3mm程の小さく細かい薄茶色の斑点状のシミで、顔の広い範囲に左右対象で散らばっていることが多いようです。
雀卵斑は子どもの頃に出始め、他のシミとは反対に加齢につれて薄くなっていく特徴を持っています。
種類別のシミの原因
シミはなぜできるのでしょうか。
シミの発生原因を知ることは効果的な治療法を見つけることに役立つだけでなく、シミの予防にも繋がるでしょう。シミは種類によって発生の原因が違ってきます。
ここでは、シミの種類別に発生原因を解説していきます。
老人性色素斑の原因
老人性色素斑は、日光にあたって紫外線を浴びてしまい、皮膚細胞の中にあるメラニンが過剰に生成されることが原因です。
メラニンは紫外線などによる外部刺激が起きると、肌を守るために発生する仕組みになっています。
このメラニンは皮膚のターンオーバーが正常であれば自然と剥がれ落ちていくのですが、皮膚サイクルが乱れると剥がれずに皮膚に残ってしまいます。
皮膚に残ってしまったメラニンが蓄積されてシミの原因となっているのです。
老人性色素斑が40代以降から多く見受けられるようになるのは、紫外線を浴びている時間が長く、皮膚のターンオーバーサイクルが乱れやすくなってくるからです。
肝斑の原因
肝斑は30代以降の女性に見られるシミで、外部からの刺激・紫外線・ホルモンバランスの乱れが原因です。
妊娠中や経口避妊薬の使用中に出やすく、閉経後のホルモン補充療法を受ける際にも発生するケースもあります。
またホルモンの影響以外に、刺激によってシミの原因であるメラニン色素が濃くなっていくタイプのシミです。
他のシミとの区別がつきにくい場合がありますが、ホルモンバランスの影響の他に外部から刺激を強く受けている状態であれば、シミの特徴とあわせて肝斑と診断されることが多いようです。
炎症後色素沈着の原因
炎症後色素沈着も色素沈着したメラニンが皮膚のターンオーバーで剥がれ落ちずに残ってしまうことが原因です。
炎症後色素沈着は様々な原因によって発生してしまいます。
紫外線を浴びたり、怪我のかさぶたがうまく治りきらず跡のようになってしまったり、ニキビ・吹き出物・アトピーの跡が残ってしまったりするのも、炎症後色素沈着によるシミの原因です。
炎症を起こした部分に刺激を与えてしまい、色素沈着してシミになってしまうケースが多いです。
雀卵斑(そばかす)の原因
雀卵斑は遺伝的要因の強いシミで、子どもの頃に発生することがほとんどです。
紫外線を浴びると濃くなってしまいます。また、色白の方に出る傾向が強いとされています。
種類別のシミの対処法
シミの種類は様々なため、対処法もシミごとに違ってきます。
それぞれのシミに適した治療法や対処法を把握しておけば、どのような治療を受ければ良いかの目安にもなるでしょう。
ここからは種類別のシミの対処法について紹介します。
老人性色素斑の対処法
老人性色素斑のような部分的に出ているシミにはレーザー治療がおすすめです。
レーザー治療はメラニン色素のみに反応して、色素へ作用するため、シミが出ていない皮膚の他の部分には影響を及ぼさないからです。
シミとなってしまったメラニン色素は皮膚の表面付近にあり、レーザーに照射されると色素が破壊され次第にかさぶたへ変化して、最終的には皮膚となって剥がれ落ちていきます。
レーザー治療は広範囲のシミではなくピンポイントのシミに効果を発揮するので、老人性色素斑のように部分的なシミの対処法に適しているのです。
レーザー治療は様々な種類の機器が揃っています。
老人性色素斑といっても、シミの大きさや濃さには個人差があります。使用する機器は医師にシミの状態を診てもらい、決定されると良いでしょう。
肝斑の対処法
肝斑の対処法としては、イオン導入・内服薬・継続的なセルフケアが適しています。
レーザー治療は炎症性のシミである肝斑の対処法には適しておらず、レーザーで治療する場合は、炎症を引き起こさないレベルの低出力で治療するケースがあります。
レーザー治療の場合は他のシミと比べて時間がかかること、またレーザー治療だけでなく内服薬や美白効果を促す成分が入っているクリームなどのケアを併用するのが一般的です。
肝斑に効果的な対象法として挙げられるのは、ビタミンCやトラネキサム酸の内服、ハイドロキノンやトレチノインの外用です。
シミだからといって他のシミと同じような対処法にしてしまうと、かえって逆効果になってしまうので注意してください。
炎症後色素沈着の対処法
炎症後色素沈着に有効な対処法は、ビタミンCの内服やハイドロキノン・トレチノインの外用などが挙げられます。
たとえば、外用トレチノインは皮膚の奥にあるメラニン色素を表面まで押し出す作用があります。
1ヶ月程度時間をかけてシミの元であるメラニン色素を排出させ、メラニン色素の生成を抑えるハイドロキノンも併用することで、シミのない新しい皮膚を再生する対処法です。
雀卵斑(そばかす)の対処法
雀卵斑は顔の広範囲に現れる細かいシミです。
レーザー治療で対処する方法もありますが、どちらかというと光治療やイオン導入などで対処するのが一般的とされています。
レーザーはピンポイントでの治療に適している一方で、光治療は波長の範囲が広いため、雀卵斑のように広がって発生するようなシミにも効果を発揮します。
雀卵斑は加齢とともに薄くなっていく傾向はあるとはいえ、紫外線を浴びると濃くなってしまうので、紫外線対策も有効な対処法です。
シミの予防方法
できてしまったシミの対処法があるとはいえ、やはりシミは作りたくないという方がほとんどでしょう。
中には、シミができるのを過剰に恐れている方がいるかもしれません。なるべくシミが発生しないような予防法があれば、シミに対する不安が軽減されるでしょう。
ここではシミの予防法について紹介していきます。
紫外線を防ぐ
シミが発生するほとんどの原因は紫外線ともいえるでしょう。紫外線を浴びることで、皮膚は光老化という状態に陥ります。
特に紫外線のUVA波は皮膚の表面に影響を及ぼし、色素沈着の元になるでしょう。
若い頃にはシミが現れなくても、長年紫外線を浴びたことで中高年期に入ってから老人性色素斑のようにシミに悩まされるというケースもあります。
またホルモンバランスによって生じる肝斑や、遺伝的要素が強い雀卵斑も、紫外線の影響でシミが濃くなる現象が起こりえます。
メラニン色素の発生を抑えることがシミ予防に繋がるので、日焼け止め・帽子・日傘などを適切に使用して、紫外線を防ぐのが肝心です。
スキンケア時などにこすりすぎない
シミは外部からの刺激で濃くなる傾向があります。それはスキンケアの刺激も含まれます。
特に肝斑や炎症後色素沈着は、外部からの刺激でシミが濃くなりがちです。シミ対策には外部からの刺激を最小限に抑えることがポイントともいえるでしょう。
しかし意外と忘れがちなのが、スキンケアを行う際の力加減です。力を入れずに優しく行うことで余計な刺激を与えず、シミ予防に繋がるでしょう。
またスキンケア以外でも、治療で外用薬を使用している場合は力を入れずに優しく塗ることをおすすめします。
美白効果のあるスキンケアアイテムを使う
シミを薄くしたい一心で、美白効果のあるスキンケアアイテムを取り入れる方もいるでしょう。
美白効果のあるスキンケアアイテムはシミの対処法としても使われています。シミの予防にはメラニン生成を抑えることが不可欠です。
ハイドロキノンのように、メラニンの生成を抑制するものをスキンケアアイテムに取り入れることで、シミの対処だけでなく予防に繋がるものもあります。
注意点としては、美白効果を期待するあまり、濃度の強いアイテムを使用すると皮膚への刺激となってしまいます。
特にハイドロキノンなどを使用する際には、医師の処方に基づいて使用されると良いでしょう。
クリニックでのシミ治療の費用相場は?
できてしまったシミはそれぞれのシミに適した方法で効果的に改善したいと思われる方が多いでしょう。
シミ治療はクリニックで受けるものがほとんどです。しかし、クリニックで治療を受けるとなると費用が気になるかもしれません。
そこで、ここではクリニックでシミ治療を受ける際の費用相場を紹介します。主な治療の費用相場は次のとおりです。
- Qスイッチルビーレーザー(老人性色素斑、雀卵斑など) 2,200円(税込・治療部位1mmあたり)
- ロングパルスYAGレーザー(肝斑など)11,000〜27,500円(税込)
- エリプスI2PL+(雀卵斑など) 55,000円(税込・顔全体)
- イオン導入(肝斑など)5,500円(税込)
- ハイドロキノン(老人性色素斑、炎症後色素沈着、肝斑など)1,700円〜2,800円(税込)
- トレチノイン(老人性色素斑、肝斑など)2,500円(税込)
- トラネキサム酸(炎症後色素沈着、肝斑など)2,400円(税込・30日分)
上記の費用相場はクリニック・使用機器・シミの大きさや濃さによって、違いが生じてきます。
特に、ロングパルスYAGレーザーはシミの大きさや、治療回数によって費用に違いが出てきます。
実際の費用は受診するクリニックで治療方針を相談しながら確認すると良いでしょう。
編集部まとめ
ここまでシミについて、原因や治療法も含めて解説してきました。
シミといっても様々な種類があり、その種類によって適した治療法があります。
シミを改善するにはまずご自身のシミの種類が何であるかを把握したうえで、治療を行わないと逆効果になりかねません。
本記事ではシミ治療の費用相場も紹介したので、治療を検討されている方は参考にしてみてください。
参考文献