睡眠時無呼吸症候群の症状は?初期症状・予防方法についても解説
「よく眠ったはずなのに、目覚めが悪く、日中眠気がある」と感じたことがある方もいるのではないでしょうか?そのように感じた場合、それは睡眠時無呼吸症候群のサインかもしれません。
睡眠時無呼吸症候群は、眠っているときに呼吸が止まってしまう、恐ろしい病気です。また、さまざまな重大な病気を引き起こす可能性もあります。本記事では、睡眠時無呼吸症候群の症状・初期症状・予防方法について解説します。
早期発見・早期治療が大切になりますので、ぜひ本記事を参考にして、気になる症状がある方は専門の医師に相談してください。
監修医師:
宇土 潤平(うどファミリークリニック)
卒業後は内科の研修、胃粘膜に関する研究を行いながら内視鏡の研鑽を積みました。茨城県、東京都や九州で地域医療に貢献し、2019年より松木内科消化器科クリニックで診療を開始しました。
2020年松木先生の引退に伴いクリニックを継承、6月にうどファミリークリニック としてリニューアルしました。
目次 -INDEX-
睡眠時無呼吸症候群の症状は?
睡眠時無呼吸症候群には、いくつかの特徴的な症状が存在します。睡眠時無呼吸症候群は、放置すると危険な病気です。
どのような症状があるのか理解して、症状がある場合は受診するなど適切に対応しましょう。ここでは代表的な症状を7つ紹介しますので、参考にしてください。
睡眠中に呼吸が止まってしまう
睡眠時無呼吸症候群の最も特徴的な症状は、眠っている最中に呼吸が止まってしまうことです。眠っている時に呼吸が止まり酸素不足を身体が感じると、呼吸をするために目を覚まします。
再び眠りだすと、再度呼吸が止まってしまい、何度も同じ症状が繰り返されます。この症状は主に3つのタイプ、閉塞型・中脳型・混合型に分類され、大部分は閉塞型です。閉塞型の場合、口や鼻から肺への空気の通り道、特に喉の部分が狭くなり症状が発生します。
肥満体型の方は、脂肪が多いため空気の通り道が狭まりやすく、注意が必要です。中脳型では、呼吸をコントロールする脳の働きが低下することで呼吸が止まります。混合型は、名前の通り閉塞型と中脳型の両方が組み合わさり、症状が起こるタイプです。
単なるいびきとは異なり、呼吸が止まってしまうと健康へ大きな影響がでてしまいます。特に肥満体型の方は、注意が必要で、症状がある場合は早めの対応が求められるでしょう。
血液中の酸素濃度が低下
血液中には、ヘモグロビンが存在し、このヘモグロビンは酸素を運搬する働きがあります。睡眠時無呼吸症候群によって、呼吸が止まってしまうと、酸素が取り込めずヘモグロビンが酸素を運搬できません。
その結果、血液中の酸素濃度が低下してしまいます。血液中の酸素濃度の指標としては動脈血酸素飽和度(SpO2)が使用され、パルスオキシメーターという機器で測定可能です。
健康な場合のSpO2の値は96%以上ですが、重度の睡眠時無呼吸症候群の場合、70%を下回ることもあります。健康な方が富士山の山頂まで登った場合のSpO2が約86%なので、70%を下回るということは、非常に血液中の酸素濃度が低下している状態です。
血液中の酸素濃度が低下すると、さまざまな健康リスクが引き起こされる可能性がありますので、注意してください。
日中の強い眠気
睡眠時無呼吸症候群になると、繰り返し呼吸が止まるため、何度も睡眠が中断されます。つまり深く良質な睡眠がとれなくなってしまうのです。そのため、十分に睡眠をとったつもりでも、日中に強い眠気を感じてしまいます。
日中の強い眠気は、日常生活・仕事・勉強に大きな支障をきたす可能性が高いでしょう。特に運転など一瞬の判断を求められる状況での眠気は、重大な事故につながる可能性がありますので、注意してください。
睡眠時無呼吸症候群が原因で、日中に強い眠気を感じる場合は、単純に睡眠時間を確保するだけでは対処ができません。「十分に睡眠時間を確保しているはずなのに、眠気がとれない」と感じる方は、早めに専門の医師に相談することをおすすめします。
高血圧
睡眠時無呼吸症候群によって血液中の酸素濃度が低下すると、心臓が身体の酸素不足を補うための働きを強め、血液の循環量を増やそうとします。
心臓の血液を送り出す働きが強まり、血液の循環量が増えると、血管に負荷がかかり高血圧を引き起こす可能性が高まるのです。
高血圧とは、収縮期血圧(上の血圧)が140mmHg以上、または拡張期血圧(下の血圧)が90mmHg以上の状態を指します。高血圧になると、脳卒中や心臓病のリスクが高まります。その他の健康問題を引き起こす可能性もあるので、注意が必要です。
動脈硬化
動脈硬化は睡眠時無呼吸症候群がもたらす恐ろしい症状の一つです。血液中の酸素濃度が低下すると、身体が酸素不足を補うために心臓の働きを強め、血管に持続的に負荷がかかります。
持続的に負荷がかかった血管の壁は硬くなり、動脈硬化が引き起こされるのです。動脈硬化は、心筋梗塞や脳梗塞にもつながるため、非常に危険な状態です。
早期の対策と治療が必要となります。
血糖値やコレステロール値の上昇
血糖値やコレステロール値の上昇も、睡眠時無呼吸症候群の症状です。睡眠時無呼吸症候群になると慢性的な睡眠不足に悩まされることになります。
慢性的な睡眠不足は大きなストレスとなり、ストレスにさらされると交感神経が刺激されます。交感神経が刺激されると、アドレナリンなどのホルモンが放出され、血糖値やコレステロール値が上昇してしまうのです。
糖尿病や動脈硬化などにも関係してくるため、血糖値やコレステロール値が上昇していないか、定期的に確認しましょう。
生活習慣病を引き起こすことも
血糖値やコレステロール値が上昇すると、糖尿病や動脈硬化などのさまざまな生活習慣病や、生活習慣病の前段階であるメタボリックシンドロームが引き起こされる可能性があります。
生活習慣病とは、日常的な生活習慣が原因となり発症する病気のことをいい、がん・脳血管疾患・心疾患・動脈硬化・糖尿病・高血圧症・脂質異常症などが含まれます。いずれも恐ろしい病気なので、予防が大切です。
睡眠時無呼吸症候群の初期症状
睡眠時無呼吸症候群の初期症状は、自覚症状がある場合もありますが、他人から指摘されて初めて気づくことも少なくありません。
症状に気づかないまま進行すると、健康に大きな影響を及ぼす可能性があるので、初期症状での発見・対処が重要になります。代表的な初期症状を紹介しますので、自身や家族に当てはまる症状がないか確認してみてください。
いびきがひどい
睡眠時無呼吸症候群の代表的な初期症状の一つに、いびきがひどいことが挙げられます。いびきは睡眠中に空気の通り道が細くなり、狭くなった部分を空気が通る際に喉が振動し起こります。
いびきをかいている際は、まだ呼吸ができている状態です。しかし空気の通り道がさらに狭くなってしまうと、息が吸えず一時的に無呼吸になります。
この無呼吸状態が頻繁に繰り返される状態が、睡眠時無呼吸症候群です。いびきをかいたあと一時的に止まり、激しい息遣いやいびきを再開して呼吸が始まる場合は無呼吸の可能性が高いでしょう。
肥満体型・扁桃腺が大きい・鼻詰まりが激しいといった特徴を持つ方は、いびきをかきやすく無呼吸になりやすいので、注意が必要です。
夜更かしをしていないのに昼間に眠くなる
「夜はしっかり寝たはずなのに、なぜか日中眠くなってしまう」このように感じている方は、睡眠時無呼吸症候群の可能性が考えられます。
睡眠時無呼吸症候群になると、睡眠中に身体が酸欠状態に陥り、呼吸を行うために睡眠が中断されます。深く良質な睡眠をとれず、慢性的に睡眠不足の状態となり、結果的に日中の眠気として症状があらわれるのです。
慢性的な睡眠不足になると、思うように行動できず、日常生活に大きな支障をきたす可能性があります。自動車の運転など、集中力が必要な作業を行う場合は特に注意が必要です。
集中力がなくなったと感じる
睡眠時無呼吸症候群が進行すると、睡眠が何度も中断され、質の良い深い睡眠をとれなくなります。そのため、朝にすっきりと目覚められなくなり、日中も眠気を感じることが増えるでしょう。
この影響で、日常生活や業務中に集中力がなくなったと感じることがあるのです。集中力の低下は自覚する場合もありますが、周囲からの注意や指摘を受けて気づく場合もあります。
例えば、会議中にうっかり眠ってしまった・資料作成中にウトウトしてしまった・仮眠のつもりが寝過ごしたなど経験のある方もいるのではないでしょうか。
周囲から指摘を受ける場合は、職場や人間関係に影響する可能性もあるので、注意が必要です。最近集中力がなくなっていないか・睡眠時無呼吸症候群の兆候はないかを今一度見つめなおしてみましょう。
家族から睡眠中に呼吸が止まっていると指摘された
家族やパートナーから「夜中にいびきをかいていた」や「眠っているときに呼吸が止まっていた」と指摘を受けたことがある方はいるでしょうか。
そのような指摘を受けた場合、睡眠時無呼吸症候群の初期症状があらわれていると考えられます。睡眠中は自分の状態を把握できないため、家族やパートナーの指摘は大切な情報となります。
無呼吸になっていないか・ひどいいびきをかいていないかなど気になることがある際は、積極的に家族やパートナーに聞いてみると良いでしょう。睡眠パターンをチェックできるアプリもありますので、睡眠状態の把握をしたい方は、使用を検討してみてください。
睡眠時無呼吸症候群の予防方法
睡眠時無呼吸症候群は日頃から規則正しい生活を送り、暴飲暴食を避け、肥満体型にならないように気をつけることで予防できる可能性があります。
また、日常生活から気をつけた上で、睡眠中の体勢にも気を配ると良いでしょう。具体的には、仰向けで眠ると重力の影響で空気の通り道がふさがりやすくなるため、横向きで眠ることが推奨されます。
眠る際には、横向きで眠ることを習慣化して、睡眠時無呼吸症候群の予防をしましょう。
睡眠時無呼吸症候群は早期治療が大事
睡眠時無呼吸症候群は、日常生活にも支障をきたす重大な病気のため、早期の治療が大事です。放置してしまうと、動脈硬化・糖尿病などを引き起こす可能性があり、健康に影響を及ぼします。
症状に気づいたら、すぐに治療を開始すべきです。しかし睡眠中の症状であるため、自覚症状がないことも少なくありません。症状の早期発見には、家族や周囲の協力が必要となります。
少しでも気になる症状がある方は、家族や周囲の協力を得ながら、早期に治療を受けることを検討してください。
睡眠時無呼吸症候群にお悩みならうどファミリークリニックにご相談を
「睡眠時無呼吸症候群の症状・予防方法・早期治療の大事さはわかったけれど、どこに相談すれば良いかわからない」このような疑問がある方は、うどファミリークリニックへの相談をおすすめします。
うどファミリークリニックは神奈川県伊勢原市にあるクリニックです。睡眠障害を専門とした睡眠外来があり、専門の医師による治療が受けられます。
事前問診フォームや電話診療にも対応しているので、忙しい方にもおすすめです。
CPAP(持続的自動気道陽圧装置)を用いた治療にも対応
うどファミリークリニックは、CPAP(持続的自動気道陽圧装置)を用いた治療も行っています。CPAPとは機械を用いて圧力をかけ、マスクを介して空気を鼻から気道に送り、空気の通り道を広げて無呼吸を防止する治療法です。
圧力の大きさは、病状に応じて医師が判断します。中度〜重度の睡眠時無呼吸症候群の方に標準的治療法として、数多く採用されています。
機械の装着や圧力に関して不安に思う方もいるかもしれませんが、うどファミリークリニックでは、睡眠障害を専門とした睡眠外来が用意されているため安心です。
決済方法が豊富に用意されており安心
決済方法が自由に選べて豊富な点も、うどファミリークリニックを利用するメリットの一つです。うどファミリークリニックで対応している決済方法を以下に紹介します。
- 現金払い
- クレジットカード決済
- QR決済
- 電子決済
自分に合った決済方法を選択できるので、金銭面の不安が少なく治療に専念できます。ぜひ、うどファミリークリニックでの睡眠時無呼吸症候群治療を検討してください。
うどファミリークリニック基本情報
アクセス・住所・診療時間
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参考文献