目次 -INDEX-

  1. Medical DOCTOP
  2. 医科TOP
  3. 医科コンテンツ
  4. 睡眠時無呼吸症候群(SAS)の前兆は?セルフチェックリストや治療法を解説

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の前兆は?セルフチェックリストや治療法を解説

 公開日:2024/12/30
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の前兆は?セルフチェックリストや治療法を解説

睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは、睡眠中に無呼吸状態になったりする病気で、日常生活や健康面でさまざまな問題を引き起こします。

日中に眠くなったりすることがありますが、単なる寝不足と考えて放置していると、突然死を引き起こす危険性もあります。そのため、自分やご家族に前兆がないか注意しておくことは大切です。

この記事では、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の前兆とセルフチェック方法などを解説します。疑いがある方は参考にしてください。

田中 俊彦

監修医師
田中 俊彦(滋賀睡眠クリニック)

プロフィールをもっと見る
【学歴】
平成11年3月:秋田大学医学部 卒業

【職歴】
平成11年4月:秋田大学医学部附属病院耳鼻咽喉科 入職
平成13年4月:秋田組合総合病院耳鼻咽喉科 入職
平成13年10月:秋田大学医学部附属病院耳鼻咽喉科 入職
平成14年4月:雄勝中央病院耳鼻咽喉科 入職
平成17年4月:秋田大学医学部附属病院耳鼻咽喉科 入職
平成17年8月:たなか睡眠クリニック 開院

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の前兆

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の前兆
睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは、寝ている間に無呼吸状態になることです。睡眠中に平均して1時間に5回以上、1回につき10秒以上呼吸が止まる場合には、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の疑いがあります。
無呼吸になる顕著な前兆は、いびきです。症状でも患者さんの多くにいびきが認められ、それ以外に自覚症状が出にくい特徴があります。
睡眠時には気道を構成する筋肉が緩むため、仰向けの状態で眠ると舌や軟口蓋が重力に引かれて沈下し、気道が狭くなります。そのため、健康な方でも軽いいびきをかくのは自然なことです。しかし、肥満や鼻づまり、扁桃肥大、喉頭疾患などの原因から大きないびきを毎日かく方は注意が必要です。近いうちに睡眠時無呼吸症候群(SAS)を発症する可能性があります。
家族やパートナーから寝ているときのいびきを指摘された方は、事態が深刻になる前に医療機関を受診することをおすすめします。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)のセルフチェックリスト

睡眠時無呼吸症候群(SAS)のセルフチェックリスト
睡眠は心身の健康を維持するために大切な時間です。そのため、睡眠時無呼吸症候群(SAS)になると日常生活のあらゆる場面で不調が出てきます。以下のシチュエーションで眠くなることがあるかを思い返し、セルフチェックを行ってみましょう。

  • 眠くならない:0点
  • 稀に眠くなる:2点
  • 眠くなりがち:3点
  • 常に眠くなる:4点

質問に対し4つの回答からいずれかを選択して、合計数値で判定します。

0〜10点:可能性はほとんどありませんが、肥満や生活習慣の悪化により症状が出る場合もあるため、現状維持に努めましょう。
11〜12点:可能性は低いものの、日常生活や肥満に注意し体質の改善に努めるとよいでしょう。
13〜15点:中等症の睡眠時無呼吸症候群(SASの可能性があるため、睡眠検査を受けることをおすすめします。
16〜24点:重症の睡眠時無呼吸症候群(SASの可能性が高いため、なるべく早急に睡眠検査を受けて適切な治療を受けましょう。

座ってじっくりと読書しているときに眠くなる?

座ってじっくりと読書をしているとき、身体はリラックス状態です。座っているため、夜間の睡眠中とは違い気道が狭窄することは少ないでしょう。読書中は動きが少なく誰でも眠くなりやすいものの、読書を始めるといつも眠くなってしまうのであれば、注意が必要かもしれません。

ゆっくりしてテレビを見ているときに眠くなる?

読書の場合と同じように、休息時間にゆっくりとテレビを見ているときに頻繁に眠くなるかどうかも、チェックする必要があります。睡眠時無呼吸症候群(SAS)の影響で日中の眠気が強い場合、テレビの音が大音量で聞こえていても抵抗できず眠くなるでしょう。しっかり眠ったはずなのに、朝座ってテレビを見ながらいつの間にか眠っているケースがよくある方は、睡眠が十分に取れていない可能性が高いです。

順番待ちや会議などで座っているときに眠くなる?

順番待ちや会議などで座っているときは公の場にいるため、周囲の動きが気になったり緊張感を覚えたりするものです。
本来なら集中しているべきだと理解しているタイミングで眠くなることがよくあるのであれば、睡眠に何かしらの異常をきたしていると考えられます。日常生活の重要な場面で急激な眠気に襲われていると、結果的に他者からの信頼を損なう恐れもあるため、早めに対処が必要です。

1時間以上車に同乗しているときに眠くなる?

自分では運転せず他人の車に同乗しているときは、思わず眠くなってしまう方が少なくありません。特に1時間以上の長い移動中には、車の振動も相まって眠気が生じやすくなります。それだけであれば生理現象ですが、毎回のように耐えられないほど眠くなるのは不調のサインの可能性があります。

午後、横になってくつろいでいるときに眠くなる?

健康な方でも、午後に横になってくつろいでいると眠くなることは多いでしょう。これは体内時計によるもので、14:00~15:00頃は眠気を感じやすくなります。しかし、単にくつろいでいるだけで眠るつもりがないのに眠くなる日が頻繁にある場合には注意しましょう。

座って誰かと話しているときに眠くなる?

座って他人と話しているときには、当然会話に集中しているものです。寝不足の日であっても、起きていようと気を張っている時には眠気に耐えられるのが一般的です。
ところが、会話中に突然眠気に襲われたり居眠りをしたりしてしまう方がいます。この場合、重度の睡眠時無呼吸症候群(SAS)の疑いがあります。この項目の点数が高い方は要注意です。

昼食後、何もせず座っているときに眠くなる?

睡眠と食事には関係があるといわれています。脳内で働くたんぱく質のオレキシンは、睡眠と覚醒の調整や食欲・体内時計の制御に関わる成分です。
食事をした後は血糖値が上昇し、オレキシンを働かせるニューロンがその変化に応じて活動を低下させ、眠気を生じさせます。この反応自体は自然なものですが、昼食後休憩している間に午後の仕事を再開できないほどの眠気が生じるのは異常と考えられます。

運転中、渋滞でとまっているときに眠くなる?

運転しているときには車が動いているので集中できますが、渋滞でとまってしまうと動きが単調になりがちです。誰しも単調な環境下に置かれると、眠気を感じやすくなります。
そのため、居眠り運転をしないようにさまざまな工夫を施すでしょう。それでも、眠気に誘われてうとうとしてしまい運転に集中できなくなる頻度が高い方は、危険度も高くなります。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の治療方法

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の治療方法
睡眠時無呼吸症候群(SAS)は完治が難しい病気です。しかし適切な治療を行うことにより、症状を軽減し心身の健康を取り戻すことはできます。特に有効な2つの治療方法を取り上げます。

経鼻的持続陽圧呼吸療法(鼻CPAP療法)

経鼻的持続陽圧呼吸療法(鼻CPAP療法)は、閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)に対する治療の第一選択肢として、広く普及している対症療法です。
マスクを介し気道内に陽圧をかけて気道の閉塞を防ぎ、睡眠中の無呼吸や低呼吸を抑制します。使用するCPAPにはさまざまな機種があり、固定圧で陽圧をかける場合と、無呼吸のパターンに応じて自動装置で圧を変えるオートの場合があります。
固定圧では一番強い圧に合わせるため、ほとんどの症状を消失させられるといわれています。一方で、圧が強いことにより覚醒を引き起こしやすくなるケースも見られます。
オートでは症状の強さに合わせて強弱がつき、初めて治療を行う方にもやさしく感じられます。ただし症状の変動が大きい場合には自動装置が追いつかず、覚醒を起こすこともあるでしょう。
CPAPはクラスⅢの医療機器に認定されており、慎重な取り扱いが必要な医療機器です。適切に使用すれば高い効果が期待できるため、治療経験の豊富な医療機関で治療を受けることが大切です。

口腔内装置

口腔内装置(OA)は、単純いびき症や中等症の閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)に対し、治療効果が得やすい特徴があります。
上下顎の歯列にマウスピースを装着し、下顎を前方に移動させ誘導・固定することで狭窄した気道を広げる治療法です。
肥満の程度が軽度であり、画像検査で下顎が後退し、上気道が狭いことが判明している患者さんに有効です。鼻呼吸を促す効果もあり、睡眠中の呼吸がしやすくなるでしょう。装置は個々にオーダーメイドで作製され、作製には医療機関からの紹介状が必要です。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)を放置するリスク

睡眠時無呼吸症候群(SAS)を放置するリスク
睡眠時無呼吸症候群(SAS)を放置していると、無呼吸に伴い動脈血酸素飽和度が著しく低下し、炭酸ガスが溜まり血液が酸性に傾くことがあります。これにより循環器系が大きな影響を受け、不整脈や狭心症などの病気を引き起こしやすくなるでしょう。
また、夜間も脳波上覚醒を繰り返すため、交感神経の緊張状態が続き自律神経が乱れます。内分泌系にも影響を及ぼし、患者さんの40~50%が高血圧症を併発しています。さらに夜間の血圧上昇により動脈硬化が進行し、虚血性心疾患や脳血管障害へ進行する危険性も高いです。
このような合併症があると、寝ている間に突然死する可能性もあります。加えて、昼間の激しい眠気によって運転中や仕事中に事故に遭う確率も高まるでしょう。
単なる寝不足や不調と軽く見て放置すると、取り返しのつかない事態になりかねません。早めに受診し、正確な診断を受けましょう。

睡眠時無呼吸症候群でお悩みなら滋賀睡眠クリニックにご相談を

滋賀睡眠クリニック
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の疑いがある方は、草津市南草津にある滋賀睡眠クリニックを受診してみてはいかがでしょうか。

滋賀睡眠クリニックは、睡眠でお困りの方に寄り添う睡眠障害治療専門クリニックです。以下に、滋賀睡眠クリニックの特長を紹介します。

睡眠障害治療に特化したクリニック

滋賀睡眠クリニックは日本睡眠学会 総合専門医が在籍しており、睡眠のスペシャリストが睡眠障害の診断・治療にあたっています。
長年の経験と豊富な知識に基づいて患者さんの悩みに応え、良質な睡眠によって人生の充実感を得られるようサポートしています。
睡眠障害治療に特化しているからこそ、睡眠に関する些細な症状も相談しやすいです。ご自身やご家族の気になる症状に関して尋ねてみるとよいでしょう。

丁寧なカウンセリングで症状をしっかり確認

滋賀睡眠クリニック
滋賀睡眠クリニックは、患者さん一人ひとりに対して丁寧なカウンセリングを行い、状態をしっかりと確認する点を大切にしているそうです。不眠の症状が見られる精神科の初診は30~60分、いびきや無呼吸の初診は15~30分程度行われます。

今井眞院長は日本睡眠学会 総合専門医であるだけでなく、精神保健指定医でもあり、精神的な問題から生じる不眠にも適切に対応されています。

いびきや無呼吸が見られる患者さんには、咽頭部の気道の状況を確認するためにファイバー撮影とCT撮影を実施し、ほかの検査も詳しい説明を受けられます。検査は個室で行われるため、ほかの患者さんを意識せずにリラックスして受けられるでしょう。気になる点を質問しやすい環境が整っています。

通いやすい立地と診療時間で患者さんのお悩みをサポート

滋賀睡眠クリニックは、JR琵琶湖線の南草津駅より徒歩1分の立地にあります。13台分の駐車場も完備されており、車での通院も便利です。

また平日・土曜は21:00まで、日曜・祝日も17:00まで診療している日もあるので、日中は忙しい方や仕事帰りの方も通院しやすいでしょう。

また、シャワー設備も整っているので、1泊して行う睡眠検査の後にシャワーを浴びてそのまま出社することも可能です。都合に合わせて検査を受けやすいのではないでしょうか。

滋賀睡眠クリニックは、検査から治療まで細やかなトータルケアを受けられます。睡眠のお悩みがある方は、一度滋賀睡眠クリニックで相談してみてはいかがでしょうか。

滋賀睡眠クリニックの基本情報

アクセス・住所・診療時間

JR琵琶湖線 南草津駅西口より徒歩1分

滋賀県草津市南草津1丁目3−1

” width=”600″ height=”450″ style=”border:0;” allowfullscreen=”” loading=”lazy” referrerpolicy=”no-referrer-when-downgrade”>
診療時間
9:30~12:00
13:30~17:00
18:30~21:30


▲:診察は隔週
※精密検査の際は、20:00までに来院
※完全予約制

この記事の監修医師