まぶたのたるみの原因を解説|解消する方法や手術方法・費用の目安・切らずに解消する方法・予防方法もご紹介
目は顔の印象を大きく左右するパーツです。それ故に、まぶたのたるみに悩まれている方も多くいることでしょう。
たるみの解消方法や手術などを検討している方もいるのではないでしょうか。適切な対処をするためには、原因を把握することも大切です。
そこで本記事では、まぶたのたるみの原因を解説します。解消する方法・手術方法・費用の目安・切らずに解消する方法・予防方法もご紹介するので、参考にしてください。
監修医師:
郷 正憲(徳島赤十字病院)
目次 -INDEX-
まぶたのたるみの原因は?
まぶたのたるみの原因は様々あります。加齢などによる自然の筋肉や皮膚の緊張力の低下が原因で起こる場合が多いです。
しかし、それ以外にも長時間目を酷使することによる疲労や、生まれつきの体質によりたるみが生じることもあります。
まぶたがたるむと、まぶたを上げた状態でも目が完全に開かなくなり、視野が狭くなったり視力が落ちたりするなどの症状を引き起こします。
場合によっては手術による治療なども必要になることもあるため、注意が必要です。
加齢による皮膚のたるみ
加齢はまぶたのたるみを引き起こす主な要因の一つです。
加齢によってコラーゲンやエラスチンの生産量が減少し、皮膚の組織が変性することによって起こります。
また、加齢に伴い肌のバリア機能が低下し、外部からの刺激による肌のダメージが増えてまぶたにたるみを引き起こす可能性があります。
加齢によるまぶたのたるみは、保湿・栄養補給・適度なUVカットなどの対策を行うことが効果的です。スキンケアは肌の老化を防ぎ、たるみの症状を軽減できます。
また、スキンケアの他にも適度な運動や健康的な生活習慣を身につけることで、まぶたのたるみを防げます。
眼瞼挙筋のたるみ
眼瞼挙筋のたるみも原因の一つです。
眼瞼挙筋とは眼球を閉じる際に使用される筋肉であり、長時間目を使用すると、この部分に疲労が溜まります。
眼瞼挙筋に疲労が溜まると筋肉の働きが弱くなり、まぶたのたるみを引き起こします。
例えば、パソコンやスマートフォンを長時間使用すると眼瞼挙筋に疲労が溜まり、まぶたにたるみが生じることがあるのです。
他にも、睡眠不足やストレス、老化などもまぶたのたるみの原因となります。
ただし、まぶたのたるみは眼瞼挙筋だけが原因ではなく、アレルギーや疾患などによって引き起こすこともあります。
そのため、まぶたのたるみを感じたら医師に診察を受けて適切な治療方法を相談しましょう。
生まれつきの体質
まぶたのたるみは、生まれつきの体質によって引き起こされることもあります。遺伝的な要因によりまぶたを上げる筋肉が発達せず、まぶたに異常が出てしまうケースです。
通常、遺伝的な要因によりまぶたがたるんでいる場合は、特殊な場合を除いて手術の必要がないケースが多いです。
しかし、例えば片方のまぶたのみがたるんでいる場合は弱視を生じるリスクがあるため、赤ちゃんのうちに手術をすることもあります。
また、生まれつきの体質によってまぶたに異常が出る場合は、マーカスガンと呼ばれるタイプの眼瞼下垂を発症することがあります。
これは、まぶたを上げ下げする筋肉と口を動かす筋肉の神経が繋がることで、食事の際に口の動きに合わせてまぶたが上下するなどの症状を発症する病気です。
マーカスガンは自然に治ることがほとんどないため、早いうちから手術を行う必要があります。
まぶたのたるみを解消する方法
まぶたのたるみを引き起こす原因についてご紹介しました。これらのたるみを解消するにはどのような方法があるのでしょうか。
ここでは、まぶたのたるみを解消する方法についてご紹介します。
マッサージをする
まぶたのたるみを解消する方法としては、まずマッサージが挙げられます。マッサージの方法は次の通りです。
- まぶたを閉じて、親指と人差し指で左右の目頭を軽く押さえる
- もう片方の手の薬指を目頭に押し当て、目尻の方向にまぶたを軽くマッサージする
- 上記のマッサージを5回ほど繰り返す
- 反対のまぶたも同様に行う
特に目元のむくみや張りの低下が気になるようであれば、このマッサージ方法を試してみましょう。
ただし、目元の皮膚は非常に柔らかくデリケートです。そのため、直接ではなくアイクリームなどを使って優しく行いましょう。
クリニックで治療を受ける
クリニックで治療を受けるのも、一つの解消方法です。主な治療内容としては、次のようなものが挙げられます。
- フラクショナルレーザー
- ボトックス注射
- ヒアルロン酸注射
フラクショナルレーザーとは炭酸ガスを照射する方法です。
上まぶたから目の下やこめかみにかけて、炭酸ガスを照射することで、たるみ改善・シワ改善・引き締め効果・弾力や質感の改善に期待できます。
ボトックス注射とは、目尻から眉尻にかけてボツリヌストキシンと呼ばれるものを注射する方法です。
目尻のしわ改善・眉尻のリフトアップ効果・目尻のたるみ軽減などの効果に期待できます。
ヒアルロン酸注射とは、硬めで広がりにくいヒアルロン酸を骨の出ている部分に注入する治療方法です。
目尻や眉尻に少量注入することで、まぶたのリフトアップ効果に期待できます。その他にも治療方法はクリニックによって異なります。
医師に相談の上で、適切な治療方法を教えてもらいながら対処するようにしましょう。
まぶたのたるみを除去する手術
さまざまな治療方法があるとご紹介しました。しかし、まぶたのたるみを治療する方法としては、手術も有効です。
手術といっても、いくつか方法があります。そこで、ここではそれぞれの手術方法について、詳しく解説します.
眼瞼皮膚切除
手術方法の一つが、眼瞼皮膚切除です。まぶたの皮膚が薄い方でも適応できる方法です。
二重のラインをくっきりさせたい時に向いています。大きなメリットとしては、傷跡が二重の線やシワにまぎれて目立ちにくい点です。
一方でまぶたの皮膚が厚い方では、たるみは減らせますが、手術前よりもまぶたが腫れぼったい印象になる可能性があります。
挙筋前転術
挙筋前転術は、二重のラインで皮膚を切開して、挙筋腱膜や眼瞼挙筋を引き出して適切な目の開きが得られる位置で縫合する方法です。
希望の二重の幅で切開でき、厚みのあるまぶたと原因である脂肪組織なども同時に切除できます。ダウンタイムや痛みが少ない点も大きな特徴です。
眉毛下皮膚切除
眉毛下皮膚切除は、まぶたに厚みがある方に適している方法です。眉毛が献上している場合も有効でしょう。
この方法では、まぶたの皮膚の中でも厚い部分を切除するため、一重や二重のラインが美しくすっきりした目元になる点が特徴です。
また、もともと二重の方であれば、この手術方法だけで本来の二重を取り戻せる可能性もあります。しかし、傷跡が目立ちやすいこともあるため、注意が必要です。
手術の費用の目安
手術の費用の目安は、手術の種類や施術を受けるクリニックによって異なります。一般的な施術費用としては、眼瞼皮膚切除の場合は、35万円~40万円程度です。
また、挙筋前転術の場合は4万円~8万円程度です。しかし、この場合、原因によっては筋膜移植などを行う可能性もあります。
その場合は、10万円程度の費用が発生する可能性もあるでしょう。眉毛下皮膚切除の場合は、40万円程度の費用が相場となります。
これらの手術は、美容目的ではなく病気の治療目的であれば保険適用できる内容です。そのため、費用負担を少しでも軽減できるでしょう。
また、手術以外のフラクショナルレーザー・ボトックス注射・ヒアルロン酸注射も、それぞれ施術費用が異なります。
フラクショナルレーザーは、クリニックによっても異なりますが、2万円~3万円程度です。ボトックス注射は、1万円~3万円程度です。
また、ヒアルロン酸注射については、6万円~10万円程度が目安となります。ただし、上記はあくまでも目安の費用です。
施術を受けるクリニックや手術の種類によって異なり、別途診察費などが必要なクリニックもあります。
また、目的次第では自己負担となり、費用の負担が大きくなる場合もあるでしょう。
手術を検討する際は、施術を受けるクリニックに問い合わせ、費用や手術の詳細について確認して治療を受けるようにしましょう。
切らずにまぶたのたるみを解消する方法は?
目の周囲を切らずにまぶたのたるみを解消する方法はいくつかあります。例えば、先述したようなボトックス注射やヒアルロン酸注射もそのうちの一つです。
それ以外の方法としては、糸によって縫い留める方法も挙げられます。極細の糸で挙筋を縫い止めることで目を開きやすくする方法で、眼瞼下垂の治療でも使われています。
理想的な二重のラインを作ることも可能です。切開しないためダウンタイムも短く、一般的には7日程度で落ち着きます。
ただしこの方法では針を使用するため、周囲が気付くほどではありませんが、若干の内出血などが生じる可能性があります。
内出血などの心配があるようであれば、超音波治療も良いかもしれません。
超音波治療とは、たるみの原因となるSMAS筋に超音波を照射して、たるみの引き上げ効果を狙う方法です。
こちらはメスだけでなく針も使用しません。そのため、腫れや内出血が現れにくい点が特徴です。
また、無痛マスク麻酔などで眠った状態で行うため、治療の痛みや違和感も少ないでしょう。
当日からシャワーなども問題なく行え、ダウンタイムの期間を取れない方には非常に便利な治療方法です。
とはいえ、どの治療方法も自由に選択できるわけではありません。状態によっては適した治療方法を選択する必要があるため、医師としっかり相談して治療方針を決めましょう。
まぶたのたるみを予防するには?
まぶたのたるみの治療方法について、手術や切らない治療方法をご紹介しました。しかし、一番はたるみが現れない状態です。
そのためにも、普段からできる予防に努めることが大切でしょう。そこで、ここではまぶたのたるみを予防するポイントについてご紹介します。
目をこすらない
予防のポイントは、目をこすらないことです。目にとって摩擦は非常にストレスとなり、まぶたのたるみの原因に繋がります。そのため、できる限り目は擦らないようにしましょう。
特にアレルギーで目元がかゆくなってしまう方は、かゆみ止めや目薬などを使って、目をこすらないように対策することも重要です。
また、クレンジングの際には目元専用のリムーバーなどを使うと、無理な力を入れずに目元の摩擦を避けられます。
目をこすると、たるみだけでなく雑菌によって結膜炎などを引き起こす可能性もあります。目をこすらないように対策を講じることが大切です。
アイメイクを控えめにする
アイメイクを控えめにする点も重要です。アイメイクも、実は強い摩擦に繋がる行動であるため注意しなければなりません。
例えばアイシャドウを塗る際には、チップを使用するのではなく、ブラシなどの使用がおすすめです。目に負担が少ない肌触りの良いブラシであれば、肌への負担は軽いです。
また、ブラシで仕上げたアイメイクは自然なグラデーションを作れます。そのため、少し質の良いブラシを一つ持っておくと重宝するでしょう。
また、メイク落としやスキンケアでも注意が必要です。例えばメイク落としの際に、コットンで何度も擦っている方はいないでしょうか。
実はコットンでメイクを落とす際でも、目に負担を与えています。目元の皮膚は体の中でも薄いため、どうしても擦りすぎの状態になってしまうのです。
この状態を避けるためには、コットンで擦るのではなく、クレンジング剤やオイルを染み込ませたコットンで拭うようにして優しく落とすようにしましょう。
すると目の負担を軽減できたるみ防止に繋がります。さらに、メイク落とし後のスキンケアなどでも注意が必要です。
目元は皮膚が薄いだけでなく、乾燥しやすいといった特徴もあります。そのため、トラブルが起こりやすい部分でもあります。
顔の他の肌と同じようなスキンケアでは、乾燥を助長してしまって肌トラブルやたるみを招くかもしれません。
そのようなトラブルを引き起こさないためには、他の肌と同様のスキンケアではなく、目元専用の保湿効果のあるアイクリームを重ねるなどしてケアしましょう。
コンタクトレンズを使いすぎない
コンタクトレンズを使いすぎないことも大切なポイントです。コンタクトレンズは、視力を補うための必要不可欠なアイテムのため、使用を避けられない方は多いでしょう。
しかし、実はコンタクトレンズはたるみと非常に大きな関係があります。コンタクトレンズを目の中に入れてまばたきをしていると、目の筋肉に摩擦や伸びが生じます。
すると、収縮力が低下して、まぶたが上がりにくくなってしまうと考えられているのです。
これは、コンタクトレンズの表面や縁部分がまぶたにあたって、刺激を与えてしまうからだと考えられています。
また、コンタクトレンズの付け外しもまぶたへの負担を増やす原因の一つです。コンタクトレンズを付け外しの際に、まぶたを強く引っ張るケースがあるでしょう。
この行動が、まぶたへの負担を増やしています。毎日のようにコンタクトレンズを何度も付け替える方ほど、負担は増えてしまうため注意しなければなりません。
このようなコンタクトレンズによる負担を軽減するには、できるだけコンタクトレンズの使用時間を短くしましょう。
使用するのは外出時だけにして、自宅時間は眼鏡に変えるなどの方法が有効です。また、付け外しの際には、まぶたを強く引っ張りすぎないようにしましょう。
自分に合った治療方法を検討しよう
まぶたのたるみは、目元の印象を大きく変える要素です。そのため、たるみを無くして見た目を良くしたいと考えている方は多いでしょう。
まぶたの治療は、手術も含めてさまざまな方法があります。そのため、ご自身の状態に併せて適切な治療方法を選択して改善を目指しましょう。
また、たるみを消すことだけでなく作らないことも重要です。たるみを作らないように、普段からできる予防方法なども押さえて実践していきましょう。
とはいえ、適切な予防やたるみの治療方法はご自身だけでは分からないと悩まれている方も多いでしょう。
お悩みの際には、専門の医師に相談して、悩みを解決しながら治療を進めてください。
編集部まとめ
まぶたのたるみが気になる方は多いです。化粧や印象にも関わるため、予防や治療方法に悩まれている方も少なくありません。
しかし、適切な予防や治療は個人の状態によっても異なります。そのため、まずはご自身の状態を見極めるためにも、医師に相談して適切なアドバイスを受けましょう。
化粧やコンタクトレンズもたるみを引き起こす原因の一つです。正しく原因を理解して、予防できるようにしましょう。
参考文献
- 保険で行う眼瞼下垂(まぶたのたるみ)の手術|日本医科大学 武蔵小杉病院
- 上まぶたのたるみ ~眼瞼下垂~|独立行政法人 労働者健康安全機構 関東労災病院
- 眼瞼下垂に悩むかたへ|公益社団法人 日本眼科医会
参考サイト
- パッチリ目元は取り戻せる?「まぶたのたるみ」の原因と解消方法|オルト株式会社
- フラクショナルレーザー(マドンナリフト)|医療法人 涼悠会 トメモリ眼科・形成外科
- 切らないまぶたのたるみ治療|顔のクリニック金沢
- 上まぶたのたるみ取り|自由が丘クリニック
- 挙筋前転法(クイックデカ目術)|TCB 東京中央美容外科
- 眼瞼下垂手術(挙筋前転法)|美容外科・美容皮膚科・形成外科 あじまビューティークリニック
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