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気持ち悪いのは生理痛の症状?生理の時の不快な症状について解説

 公開日:2024/03/06

生理の時の不快な症状が出た経験はありませんか?本記事では、気持ち悪いのは生理痛の症状なのかについて以下の点を中心にご紹介します!
・そもそも気持ち悪いのは生理痛?
・生理中の気持ち悪さについて
・生理痛を和らげることに期待できる飲み物や食べ物
気持ち悪いのは生理痛の症状なのかについて理解するためにもご参考いただけると幸いです。ぜひ最後までお読みください。

阿部 一也

監修医師
阿部 一也(医師)

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医師、日本産科婦人科学会専門医。東京慈恵会医科大学卒業。都内総合病院産婦人科医長として妊婦健診はもちろん、分娩の対応や新生児の対応、切迫流早産の管理などにも従事。婦人科では子宮筋腫、卵巣嚢腫、内膜症、骨盤内感染症などの良性疾患から、子宮癌や卵巣癌の手術や化学療法(抗癌剤治療)も行っている。PMS(月経前症候群)や更年期障害などのホルモン系の診療なども幅広く診療している。

気持ち悪いのは生理痛?

気持ち悪いのは生理痛?

「気持ち悪いのは生理痛?」という疑問を持つ女性は少なくありません。生理前や生理中に吐き気やむかつきを感じるのは、実は多くの女性の共通の悩みです。生理時の吐き気やむかつきは、さまざまな要因が絡み合って引き起こされることがわかります。生理痛や吐き気に悩む女性は、適切な治療や生活習慣の見直しを通じて、より快適な生理を迎えるための対策を考えることが大切です。

生理中の気持ち悪さについて

生理中の気持ち悪さについて

生理中の気持ち悪さのメカニズムについて知っていますか?以下で解説していきます。

生理中の気持ち悪さの原因

生理中に感じる不快な症状、特に吐き気や下痢、下腹部や腰の痛みは、多くの女性が経験するものです。これらの症状の背後には、「プロスタグランジン」という物質が大きく関与しています。
プロスタグランジンは、子宮の収縮を促進し、経血の排出を助ける役割を持っています。この物質の分泌が多いと、子宮の収縮が強くなり、それが痛みとして感じられるのです。しかし、このプロスタグランジンの作用は子宮だけに留まりません。実は、胃腸にも影響を及ぼし、その収縮を活発にさせる可能性があります。このため、生理中に胃や腸の動きが活発になり、それが吐き気や下痢として現れることがあるのです。
さらに、プロスタグランジンの分泌量が多いと、その影響で吐き気が強くなることも。生理中の不快な症状は、このプロスタグランジンの量や作用によって、個人差が出ることが多いのです。
このように、生理中の吐き気や痛みは、プロスタグランジンという物質の作用によって引き起こされることが多いとされています。生理痛や吐き気に悩む女性は、この背景を理解することで、適切な対処法や治療を選ぶ手助けとなるでしょう。

生理中の気持ち悪さの継続期間

生理中の気持ち悪さや不調を感じる期間は、女性によって異なりますが、一般的には生理前の3〜10日間が特に不快感を感じやすいとされています。この期間は、通常「月経前症候群(PMS)」として知られ、多くの女性がさまざまな症状を経験します。
しかし、全ての女性が同じ症状を感じるわけではありません。体質や生活習慣、ストレスの状況など、個人の状態によって症状の出方や強さが異なるため、自分の体と向き合い、適切なケアや対処法を見つけることが大切です。

生理痛や気持ち悪さがひどい場合

生理痛や気持ち悪さがひどい場合

生理痛や気持ち悪さがひどい場合はどうすればいいのでしょうか?以下で解説していきます。

月経困難症

月経困難症とは、生理期間中に女性が経験するさまざまな不快な症状を指します。この症状は、生活の質を大きく低下させることがあり、日常生活に支障をきたすことも少なくありません。
月経困難症の主な症状として、吐き気はもちろん、下腹部の鈍痛や腰痛、頭痛、下痢、便秘、気分の落ち込みやイライラなどが挙げられます。これらの症状は、生理が始まる前や生理中に特に強くなることが多いとされています。
症状の原因として、プロスタグランジンという物質の過剰な分泌が考えられています。この物質は、子宮の収縮を助ける役割がありますが、分泌量が多いと、子宮の過度な収縮や胃腸の動きの亢進を引き起こし、痛みや吐き気を感じる原因となります。
また、ホルモンのバランスの乱れも月経困難症の原因となることが知られています。特に、エストロゲンとプロゲステロンのバランスが崩れると、月経困難症の症状が強くなることがあります。
月経困難症の症状は、女性によって異なります。一部の女性は軽度の症状しか感じない一方、他の女性は強い痛みや吐き気に悩まされることがあります。症状が強い場合、日常生活が困難になることもあり、適切な治療やケアが必要です。

月経困難症のセルフチェック

月経困難症は、生理期間中に女性が経験するさまざまな不快な症状を指す疾患です。
以下は、月経困難症の可能性をセルフチェックするための項目です。
・生理痛が強く、ベッドから起き上がるのが困難
・生理痛のために仕事や学校を休むことが頻繁にある
・生理期間外に突然の出血が見られる
・排尿時や性交時に、子宮や下腹部に痛みを感じる
・以前より、生理痛や関連する症状が増している
・生理中、鎮痛剤なしでは日常生活が困難
・鎮痛剤を使用しても、痛みが和らぐことがない
・生理中に発熱、下痢、嘔吐などの全身症状が出る
これらの項目の中で、複数当てはまるものがある場合、月経困難症の可能性が高まります。
月経困難症は、放置すると日常生活に大きな影響を及ぼすことがあるため、早めの対応が必要です。
もし、上記の項目で心当たりがある場合は、専門のクリニックや婦人科を受診することをおすすめします。

機能性月経困難症

機能性月経困難症とは、子宮内膜症や子宮腺筋症などの器質的な疾患が原因ではない、生理痛や関連する症状を指します。この症状は、特に初経後2〜3年から現れることが多く、15歳から25歳前後の若い女性に多く見られます。年齢とともに症状は軽減することが一般的で、出産を経験するとさらに改善されることが多いとされています。しかし、若い年齢でこの症状が強く出る場合、将来的に子宮内膜症のリスクが高まる可能性があるとされていて、10代の子宮内膜症患者が増加しているとの報告もあります。
機能性月経困難症の主な症状は、月経の1〜2日目、特に経血が多い時期に現れ、4〜48時間続くことが一般的です。この症状の背後には、「プロスタグランジン(PG)」という物質が関与しています。PGは、筋肉を収縮させ、痛みを引き起こす物質で、機能性月経困難症の患者さんでは、このPGの分泌量が多いとされています。また、思春期の女性や、子宮の形状に特定の特徴(前屈・後屈が強い)を持つ女性は、月経痛を経験しやすいとされています。
特に15歳未満の若い女性の場合、月経に対する不安や恐れなどの心理的要因も影響している可能性が指摘されています。そのため、患者本人やその家族には、月経が健康な女性の自然な現象であることを理解してもらうことが大切です。症状が強い場合は、医師の診察を受けることをおすすめします。

器質性月経困難症

器質性月経困難症とは、子宮や卵巣、骨盤内に存在する疾患が原因となる生理痛や関連する症状を指します。具体的には、過多月経(経血量が多いこと)、性交時や排便時の痛みなどが主な症状として現れます。この症状が強く現れる場合、子宮筋腫、子宮腺筋症、子宮内膜症などの疾患の可能性が高まります。
子宮内膜症は、子宮以外の部位、特に卵巣や骨盤内に、本来存在しない子宮内膜が増殖する病気です。この異常に増殖した内膜は、月経時に脱落・出血しますが、排出される場所がないため、局所的な炎症や腫れを引き起こし、強い痛みを生じさせます。
子宮腺筋症は、子宮の筋層内に異常に増殖した子宮内膜が原因となる疾患です。この病変部分も、月経時に脱落・出血するが、排出するルートがないため、子宮筋層内での出血が生じます。結果として、子宮は腫大し、正常な収縮が困難となり、月経痛や過多月経を引き起こします。
子宮筋腫は、子宮筋層に形成される良性の腫瘍で、これが原因で子宮が腫大します。この腫大した子宮は、正常に収縮することが難しくなり、月経量の増加や強い痛みを伴うことが多いとされています。
器質性月経困難症の特徴として、月経の4〜5日前から痛みが始まり、月経終了後も鈍い痛みが続くことが挙げられます。このような症状が続く場合、医師の診察を受けることを強くおすすめします。

生理中の気持ち悪さを和らげる方法

生理中の気持ち悪さを和らげる方法

生理中の気持ち悪さを和らげる方法はあるのでしょうか?以下で解説していきます。

空腹にしない

生理中の気持ち悪さを和らげるための方法として、「空腹を避ける」ことが役立つとされます。生理時には吐き気を感じやすく、食欲が減退することが一般的です。しかし、実は空腹状態が吐き気をさらに悪化させることが知られています。
そのため、食欲がないと感じても、少量でも良いので定期的に食事を摂ることが重要です。特に、消化が良く、胃に負担をかけない食べ物を選ぶことで、吐き気の緩和が期待できます。例えば、おかゆやトーストなどの軽めの食事を心がけると、体調を安定させる手助けとなります。

体を冷やさない

生理中の気持ち悪さや不調を和らげるための方法として、「体を冷やさない」ことがおすすめです。体が冷えると、生理痛が増強することが多く、その結果、気持ち悪さも増してしまいます。そのため、日常生活の中で体温を保つ工夫が必要です。
まず、湯船にゆっくりと浸かることで、全身の血行を良くし、体の中から温められます。また、腹巻きを使用してお腹周りを温めることで、子宮を直接温められます。さらに、冷たい食べ物や飲み物は体を冷やす原因となるため、摂取を控えるよう心がけると良いでしょう。
食事に関しては、生姜やナッツ類など、体を温める食材を積極的に取り入れることで、体の冷えを予防できます。これらの食材は、血行を良くし、体温を上げるよう働きかけます。
生理中の不調を和らげるためには、日常の生活習慣や食事の選び方に気を付けることが大切です。体を冷やさないような生活を心がけることで、生理中の気持ち悪さや痛みを軽減できるでしょう。

心身ともにリラックスする

生理中の気持ち悪さや不調を和らげるための方法として、心身ともにリラックスすることがおすすめです。特に、ストレスや日常の緊張は、生理痛を強く感じる原因となることが多いとされています。
心を落ち着けるために、好きな香りのアロマを使用することで、リラックスできます。特定の香りは、心地よい気分に導き、生理中の不調を和らげる手助けとなります。また、清涼感のあるミント入りのアメやガムを噛むことで、気分転換を図れます。これにより、少しでも気持ちがほぐれ、生理中の気持ち悪さを軽減することが期待できます。
さらに、日常生活の中でのストレスの蓄積や、無理なダイエット、刺激物の過剰摂取などは、胃に負担をかける原因となります。これらの要因が、生理中の気持ち悪さを増長させる可能性があるため、注意が必要です。

無理のないストレッチをする

生理中に感じる気持ち悪さや不調を和らげるための方法として、無理のないストレッチがおすすめです。生理中は、腸の動きが活発になることで、吐き気を軽減することが期待できます。そこで、体を優しく伸ばすストレッチを行うことで、腸の動きを促進できるのです。
ストレッチを行うことで、体全体の血流が良くなります。これにより、生理中の冷えや痛みも改善される可能性が高まります。また、ストレッチを行った後には、気持ち良いくらいの強さで体を軽くマッサージすることもおすすめです。これにより、筋肉の緊張を和らげ、さらにリラックスできます。
生理中の不調を和らげるためには、日常生活の中で少しの時間を取り、無理のないストレッチやマッサージを取り入れることが大切です。これにより、生理中の気持ち悪さや痛みを軽減し、快適な日常を過ごす手助けとなるでしょう

生理痛を和らげることに期待できる飲み物や食べ物

生理痛を和らげることに期待できる飲み物や食べ物

生理痛を和らげることに期待できる飲み物や食べ物にはどのようなものがあるのでしょうか。以下で解説していきます。

ホットココア

生理痛を和らげるための飲み物として、ホットココアが注目されています。その理由は、ココアに含まれる成分に秘密があります。
ココアには「ポリフェノール」という成分が豊富に含まれており、ポリフェノールは血管を拡張させます。血管が拡張されると、血流がスムーズになり、体の冷えが改善されるとされています。
さらに、ココアには鉄分も含まれています。生理中は鉄分が失われやすく、貧血のリスクが高まるため、ココアを摂取することで、鉄分の補給と貧血予防にも繋がります。
また、ココアには「テオブロミン」や「カカオポリフェノール」という成分も含まれており、これらも血管を広げます。これにより、血流がさらに良くなり、冷え防止が期待できます。
ココアにはカフェインも含まれていますが、コーヒーや紅茶よりその量は非常に少ないため、気にする必要は少ないでしょう。ただし、ココアのカロリーはやや高めなので、砂糖の添加や飲みすぎには注意が必要です。
生理痛が気になる方は、冷たいココアよりもホットココアを選ぶことで、身体を温められます。このように、ホットココアは生理痛を和らげるための優れた飲み物と言えるでしょう。

ハーブティー

生理痛を和らげるための飲み物として、ハーブティーが注目されています。ハーブティーは、その名の通り様々なハーブを使用しているため、多種多様な観点から生理痛改善に役立つでしょう。
特に生理痛の際におすすめなのは、体を温められるハーブティーです。ジンジャーティーはその代表格で、生姜の成分が血行を促進し、体を内側から温めてくれます。また、カモミールティーは、生理中のイライラや不安を和らげてくれるでしょう。さらに、サフランティーは女性ホルモンのバランスを整え、生理痛の緩和に役立つとされています。
ハーブティーの香りもまた、心身をリラックスさせます。深呼吸をしながら、お気に入りのハーブティーの香りを楽しむことで、心地よいリラックスタイムを過ごせます。
しかし、ハーブティーを選ぶ際には注意が必要です。中にはカフェインを含むものもあり、過剰摂取は生理痛を悪化させる可能性があるため、成分をよく確認して選ぶことが大切です。
生理痛に悩む女性たちにとって、ハーブティーは心身ともに癒しをもたらす素晴らしい飲み物と言えるでしょう。

温めた豆乳

生理痛の緩和に良い飲み物として、温めた豆乳が注目されています。豆乳は、大豆から作られる植物性の飲み物で、その成分には女性の健康をサポートする要素が多く含まれています。
特に、豆乳に含まれる「大豆イソフラボン」は、女性ホルモンであるエストロゲンと非常に似た化学構造を持っています。このイソフラボンは、体内でエストロゲンと同様の働きをするとされ、生理中のホルモンバランスの乱れを整える役割が期待されています。このため、生理痛の緩和やPMS(月経前症候群)の軽減におすすめであるとされています。
また、生理中は体が冷えやすく、冷たい飲み物はその冷えをさらに悪化させる可能性があります。そのため、豆乳は温めて飲むことで、体を内側から温めます。温かい豆乳は、血行を良くし、冷え性の改善にも寄与するとされています。
さらに、豆乳は低カロリーで栄養価が高く、毎日の食事に取り入れやすい飲み物です。生理痛を和らげるためだけでなく、日常的に摂取することで、女性の健康を総合的にサポートできるでしょう。

生姜が入っているもの

生姜が入ったものも注目されています。特に、生姜を使用したスープやしょうが湯は、生理中の女性にとって多くの恩恵をもたらします。
冷えは生理痛を引き起こす大きな要因の一つです。生姜には、体を内側から温め、これにより血行が促進されるため、冷えによる生理痛を和らげられます。具だくさんのスープに細かく刻んだ生姜を加えて煮込むと、栄養豊富な一杯になります。このスープは、体を温めるだけでなく、生理中に必要な栄養素も補給できるのです。
生姜の辛味成分「ジンゲロール」は、加熱することで「ショウガオール」に変わります。ショウガオールは、ジンゲロールよりも体を温めるとされています。このため、生理痛の緩和を目的とする場合、しょうが湯を飲むことが特におすすめです。
さらに、生姜には吐き気を抑えられるとされています。生理中に吐き気を感じる女性は少なくありませんが、このような時にしょうが湯を飲むことで、吐き気を和らげることが期待できます。

肉類の入った鍋

生理中の体調不良や痛みを和らげるために、食事の選び方も大切です。特に、温かい鍋料理は体を温め、生理痛の緩和に役立ちます。
おすすめの鍋料理は、味噌ベースの出汁に、イソフラボンを豊富に含む豆腐を加えるもの。イソフラボンは女性ホルモンに似た働きを持ち、生理の不調を和らげる可能性があります。さらに、この鍋に鉄分を多く含む肉類を加えることで、生理中に失われがちな鉄分を補給できます。鉄分は貧血予防に欠かせない栄養素であり、特に生理中の女性には必要不可欠です。
このような鍋料理は、生理中の体を温め、必要な栄養をしっかりと摂取できるため、生理痛や体調不良を和らげるサポートとして適切です。美味しく食べながら、体の不調をケアできるのは、まさに一石二鳥と言えるでしょう。

まとめ

まとめ

ここまで気持ち悪いのは生理痛の症状なのかについてお伝えしてきました。気持ち悪いのは生理痛の症状なのかの要点をまとめると以下の通りです。
・生理時の吐き気やむかつきは、さまざまな要因が絡み合って引き起こされる
・プロスタグランジンの分泌量が多いと吐き気が強くなることもあるため、プロスタグランジンの量や作用によって痛みが異なる
・生理痛を和らげるには体を温めるために「ホットココア」「ハーブティー」「豆乳」「しょうが湯」などがおすすめ
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

この記事の監修医師