生理痛の原因は子宮内膜症?子宮筋腫・生理痛の対処法についても解説
生理痛は、女性にしかありません。そして、生理による痛みや症状は人によって違います。
そのため、男女問わず他人であれば、生理痛の辛さを理解してもらえないこともあるでしょう。
よって、生理痛を理由に仕事や学校を休みづらいという方も多いのではないでしょうか。
生理痛がひどいと子宮内膜症などの女性疾患が原因かも?と不安になる方もいるでしょう。こちらでは、生理痛の原因・子宮筋腫・生理痛の対処法について紹介します。
毎月の生理による諸症状にお悩みの方・男性でも家族の生理痛を理解したい方などは、ぜひこちらを最後までご覧ください。
監修医師:
内出一郎(内出産婦人科)
「平成14年」
医学博士号取得(ラット実験的子宮内膜症における腹膜下結合組織の細胞変化に関する光学・電子顕微鏡的考察)
「平成16年」
カナダ・モントリオールにて開催された第18回世界不妊学会にて「Therapeutic effects of leukotriene receptor antagonist on human endometriosis」で、Best Poster Award 受賞。
子宮内膜症に対するアレルギー療法という非常にオリジナリティのある研究および臨床応用を行い、良い結果を残している。その他、子宮内膜症、腹腔鏡手術に関する論文、学会発表は多数。
「平成25年12月」
先代院長より医院を継承
■資格
医学博士
日本産科婦人科学会専門医
母体保護法指定医
日本産科婦人科内視鏡学会評議員・技術認定医
日本内視鏡外科学会評議員・技術認定医
東邦大学医療センター佐倉病院非常勤講師
大森赤十字病院非常勤医師(腹腔鏡手術執刀および指導)
■経歴
東邦大学医学部卒・東邦大学大学院卒・医学博士
東邦大学医学部附属大森病院産科婦人科学第一講座にて研鑽
大森赤十字病院(出向)
東邦大学医学部附属大森病院産婦人科
大森赤十字病院(再出向)
東邦大学佐倉病院産婦人科講師
東京腎泌尿器センター大和病院産婦人科部長
■ 所属学会
日本産科婦人科学会、日本産科婦人科内視鏡学会、日本内視鏡外科学会、日本生殖医学会、日本女性医学会、日本エンドメトリオーシス学会、日本産婦人科手術学会、アメリカ産婦人科内視鏡学会(AAGL)
目次 -INDEX-
生理痛の原因は子宮内膜症?
生理痛がしんどくて、寝られない・生理になる度に憂鬱という人は、少なくありません。
女性の体だけに毎月訪れるのが生理で、大変なのは出血があるだけではなく、つらい生理痛に悩む人も多いことです。生理痛を経験した女性は、全体の約8割といわれています。
そのほとんどの女性が、「生理痛に苦しんだことがある」と推測されているほど、生理痛は女性にとって身近なものになっています。生理痛がある=子宮内膜症という病気なのでしょうか。詳しくみていきましょう。
生理痛による腹痛・頭痛などの症状が、日常生活に支障をきたすことを月経困難症といい、さらに2つのタイプに分類されます。
1つ目は、機能性月経困難症で、身体に問題となる原因疾患がないのに生理痛による諸症状が現れます。その原因は強い子宮の収縮が起こることで、初潮を迎えた2~3年後から起こることが特徴です。思春期の女性に発症することが多く、月経困難症の大部分がこのタイプに分類されます。
2つ目は、器質性月経困難症で、身体に何らかの原因疾患があって生理痛による諸症状が現れるのです。その原因は、子宮内膜症・子宮筋腫・子宮腺筋症などの疾患が挙げられます。これらの場合、生理中以外にも症状が起こるケースがあり、原因疾患を治療することで症状が改善していくことが特徴です。
生理中でないのに、生理痛の症状がある方は子宮内膜症などの可能性があります。しかし、生理痛の原因=子宮内膜症ではなく、様々な原因の可能性があります。気になる生理痛の症状がある場合は、一度病院を受診することが大切でしょう。
子宮内膜症の症状や治療法
子宮内膜症になるとどのような症状があるのか・その治療法について、詳しくみていきましょう。
子宮内膜症とは子宮内膜・それに似た組織が何かしらの原因によって、本来あるべき子宮の内側以外の場所で発生してしまい、さらに発育する疾患のことです。
発症時期は20~30代が多く、そのピークは30~34歳といわれており、代表的な症状は痛み・不妊です。治療方法は、大きく分けるとホルモン(薬物)療法と手術があります。
強い月経痛
子宮内膜症は、女性ホルモンに影響され、月経周期に合わせて増殖するので注意が必要な病気です。
月経時の血液が体内から排出されずに溜まってしまったり、内臓などの周囲の組織と癒着することで、さまざまな強い痛みを起こします。痛みの中でも月経痛は、子宮内膜症の患者さんの約90%に起こっています。
他には、月経時でないのに腰痛・下腹痛・排便痛・性交痛などがあることが特徴です。こうした症状は20~30歳代で多く発症し、加齢に伴う女性ホルモン分泌の減少を境におさまります。
不妊症
生理痛がひどいことから、「この症状の原因は子宮内膜症で、子供ができにくいのでは?」と不安になる方もいるでしょう。子宮内膜症の場合、不妊症の原因になることがわかっています。
妊娠を希望する子宮内膜症の患者さんの約30%が、不妊であると考えられているのです。生理痛などの気になる症状がある方で妊娠を希望する場合は、早めに病院を受診することをおすすめします。
ホルモン療法による治療
子宮内膜症は、女性ホルモンに影響されるのです。そのため、ホルモン量の少ないピル(低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬/低用量ピル)を用いて治療をします。
視床下部ホルモンであるGnRHの拮抗剤(アゴニスト)・黄体ホルモン剤などが用いられることもあります。これらの治療により、女性ホルモンの分泌を抑制・直接病巣に作用することで痛みなどの症状を緩和することができるのです。
腹腔鏡手術など手術療法による治療
ホルモン治療をしても効果がない場合、症状によっては手術による治療に進むことになります。子宮内膜症では、手術による傷が小さい腹腔鏡手術が用いられることがあるでしょう。
腹腔鏡手術とは、お腹に数カ所の小さな穴をあけ、そこに炭酸ガスを入れてスペースを作ります。そして、そこからスコープ・鉗子を入れて手術を行います。腹腔鏡下手術は開腹術と比較すると、手術の傷が小さく、術後の痛みが軽く体への負担が少ないことが特徴です。
そのため、入院期間が短く、日常生活へ早く復帰することができるのです。また、術後に腹腔内で癒着するリスクが少なく、癒着による痛み・不妊症が少ないこともメリットとされています。
子宮筋腫の症状や治療法
子宮筋腫になるとどのような症状があるのか・その治療法について、詳しくみていきましょう。
子宮筋腫は、がんではありません。小さなものも含めると30歳以上の女性の場合、20~30%にみられるほど珍しくない腫瘍ですが、貧血・痛みなど様々な症状を引き起こします。
筋腫は、卵巣から分泌される女性ホルモンによって成長します。さらに、複数個できることが多く、閉経すると逆に小さくなるのが特徴です。
大きさやできる場所によって症状が異なり、場所によって、子宮の内側(粘膜下筋腫)・子宮の筋肉の中(筋層内筋腫)・子宮の外側(漿膜下筋腫)に分類されます。
月経過多
主な症状は、月経量が多くなることと月経痛とされています。子宮の内側にできた筋腫は、小さくても症状が強く現れ、月経量が多くなるのです。逆に、子宮の外側にできた筋腫は、大きくなっても症状がでない傾向があります。
貧血
過多月経によって、鉄欠乏性貧血となる場合があります。その場合、食事から摂取する鉄分だけで補いきれません。鉄剤を服用することで、足りない鉄分を補給する必要があります。
頻尿
頻尿とは、頻繁にトイレへ行きたくなる症状のことです。頻尿などの排尿障害は、膀胱が大きくなった子宮筋腫によって圧迫されることが原因です。膀胱の圧迫をなくすためには、筋腫を小さくする治療・手術で筋腫を切除します。
便秘
子宮筋腫の患者さんで、便秘に悩む方もいるでしょう。しかし、子宮筋腫が便秘の原因であることは少ないとされています。
便秘症状がある場合、水分を多く摂る・運動をする・食物繊維を意識した食事をしましょう。症状が解消されない場合は、便秘薬を服用します。
手術による治療
手術をする場合は、どのような手術方法があるのでしょうか。子宮を取ってしまう(子宮全摘術)・筋腫だけ取る手術(筋腫核出術)の2種類の方法です。
子供を希望する・子宮を残したい人は、筋腫だけ取る手術を実施します。その場合、手術時に出血が多くなるリスクが残るでしょう。
他には、見えないほど小さな筋腫が取り残される可能性があります。そのため、子宮筋腫を再発する場合があるのです。
腹腔鏡手術など薬物療法による治療
子宮筋腫を切除する方法として、腹腔鏡を使う施設が増えています。しかし、大きさ・できた場所によっては腹腔鏡での手術が難しい場合があります。
子宮筋腫を根本的に治す薬というものは、今のところ存在しません。ですが、薬で子宮筋腫を小さくしたり、出血や痛みなどの症状を軽くすることができます。
生理痛の対処法
辛い生理痛の症状を少しでも和らげたいと思う方は多いのではないでしょうか。生理痛の対処法をみていきましょう。
生理痛にとって、冷えは大敵です。身体が冷えると血流が低下し、生理痛を悪化させるのです。
下腹部・腰の痛みには、お腹・骨盤周辺を温めましょう。低温やけどに注意しながらカイロ・毛布などで温めたり、入浴で全身を温め、強い冷房・冷たい食事・飲み物・薄着を避けたりしましょう。
辛い生理痛や子宮内膜症のお悩みは内出産婦人科に相談を
お風呂や運動をして体を温めていても、毎月の生理痛による諸症状がしんどくて辛いという方は、我慢せずに一度病院を受診するようにしましょう。
子宮内膜症・子宮筋腫などの病気を早期に発見するためには、受診が大切です。気になる症状がある場合は、ためらわずに受診をすることが重要です。
どの病院に行けばいいのかわからない・信頼できる先生に診てもらいたい…と思う方は多いでしょう。そのような時は、海を眺めて心癒やされながらリラックスした治療が行える内出産婦人科がおすすめです。内出産婦人科のおすすめポイントをチェックしていきましょう。
抗アレルギー剤投与による子宮内膜症治療を実施
子宮内膜症発症のメカニズムとは
- 「月経血逆流による子宮内膜の腹腔内散布(子宮内膜逆流説)」
- 「腹膜上皮が何らかの要因で変化する(子宮内膜化性説)」
- 「免疫的な異常によって病気が起こる(免疫異常説)」
などが考えられますが、いずれもすべての子宮内膜症の症状を説明できていません。
内出院長は様々な実験を経て、これらが複合的に起こったことによる「アレルギー説」を唱えています。そして、2000年前後に「子宮内膜症に対する抗アレルギー療法」を学会で発表しています。
つまり、内出院長は子宮内膜症治療のスペシャリストといえるでしょう。
日本産科婦人科内視鏡学会の技術認定医である院長が執刀してくれるので安心
日本産科婦人科内視鏡学会の技術認定医である内出院長は、子宮内膜症・腹腔鏡手術に関する論文を数多く手がけています。もちろん知識だけではなく、非常に多くの腹腔鏡手術の執刀実績の持ち主です。
よって、子宮内膜症・子宮筋腫の手術方法である腹腔鏡手術を安心して任せることができるでしょう。
デリケートな女性の身体を考えた頑張らない治療を実現
女性の体は、非常にデリケートです。少しの緊張・ストレスでさえ、症状が悪化することがあります。不安を一人で抱えず、口に出すことで心に余裕ができます。そうすれば、深刻な症状がすぐに緩和することさえあるといいます。内出産婦人科では、ホルモン療法・漢方など患者さんの気持ちを最優先した治療を提案してくれます。
「頑張らない治療」を推奨し、押し付けるような治療は一切ありません。気になること・誰にも相談できないことなど、気分転換に話してみてください。
ピルの取り扱いを得意としている
内出産婦人科では、初めてピルを使用される方が不安にならないように、ピルの使用方法・副作用・ピルがなぜ避妊に有効かなど、基礎的な知識から丁寧に説明してくれます。
そして、ピルを使用中の方には、肝機能・血液が固まっていないかの検査を定期的に必ず行います。ピルの取扱いを得意としているため、丁寧な説明と定期的な検査をしてくれます。内出産婦人科なら、安心してピルを服用して治療をすることができるでしょう。
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参考文献