月経異常があったら子宮がん検診を受けた方が良い?子宮がんの種類・検診を受ける目安を解説
月経は、女性にとって常に意識するものです。そのため、月経異常の症状を確認すると不安になります。月経周期や出血量・出血期間などが通常とは異なる時には、いくつかの考えられる原因がありますが、その中の1つが子宮がんの可能性です。
もちろん、ホルモンの変化・ストレス・体重の変化などが影響を与えることもありますので、一概に子宮がんを疑うわけではありません。しかし、可能性があるのならば、その不安を解消したいと考えるでしょう。
ここでは、子宮がんに関して、種類や検診を受ける目安などを説明します。月経異常が続く場合の目安として参考にしてください。
監修医師:
佐藤 真之介(祐天寺ウィメンズヘルスクリニック)
東京女子医科大学東医療センター 初期臨床研修医
東京女子医科大学東医療センター 産婦人科
日本赤十字社医療センター 産婦人科
目次 -INDEX-
月経異常があったら子宮がん検診を受けた方が良い?
月経異常は、月経周期や出血量などが通常と異なる場合のことです。月経異常がある場合、子宮内膜や子宮頸部に何らかの変化が生じている可能性があり、その中にはがんの兆候も含まれます。
月経異常が一次的ではなく継続する場合は、子宮に関連する疾患のリスクが高まる可能性があるため、早期に医師の診察を受けることが大切です。
まずは婦人科で、月経異常の症状について相談するのがいいでしょう。婦人科は、思春期から老年期における女性特有の病気をすべて対象としている診療科です。
女性がかかりやすい病気の早期発見と治療を専門にしていますので、安心して相談できます。
特に女性が気にするのが子宮がんです。子宮がん検診は、子宮内膜細胞や子宮頸部の変化を検出し、がんの早期発見と治療を支援するために行われます。月経異常が続く場合は、専門の医師に相談し、適切な検査を受けることをおすすめします。
子宮がんの種類は?
子宮は骨盤の中央に位置し、その両側には左右の卵巣があります。
子宮は、子宮の出口にあたる子宮頸部と子宮の袋の部分に相当する子宮体部より構成されています。
そのため、子宮がんもがんが発生した場所によって2つに分類されているのです。
子宮頸部に発生するのが子宮頸がんであり、子宮体部に発生するのが子宮体がんです。子宮体がんは、ほとんど全て内膜腺由来である腺がんと考えられています。
一方子宮頸がんは、扁平上皮がんと腺がんの2つに分類されます。国内の子宮頸がん年間罹患数は、2019年で10,879人となっています。
子宮頸がん
子宮頸がんは、日本で女性がかかるがんの中でも多くの患者さんがいる病気です。
特に20歳代から40歳代の女性で近年増加傾向にあるといわれています。
子宮頚がんは、主に性交渉によって感染するヒトパピローマウイルス(HPV)に関連していますが、ヒトパピローマウイルスにはたくさんの種類があり、がんになるリスクの高いものとそうでないものがあります。
ウイルスに感染したから必ずがんになるというわけではもちろんありませんが、多少なりともがんのリスクを背負うことになります。
早期の子宮頸がんは自覚症状がないことが多く、月経以外での出血・閉経後の出血といった不正出血や不規則な月経などの症状がある場合には、すぐに医療機関を受診することをおすすめします。
子宮体がん
子宮体部に発生するがんを子宮体がんといいます。子宮体がんは、近年日本の成人女性に増えてきているがんの1つです。
子宮体がんは、子宮体部の内側にあって卵巣から分泌される卵胞ホルモンの作用をうけて月経を起こす子宮内膜という組織から発生しています。
そのため、子宮内膜がんとも呼ばれます。自覚症状として1番多いのが不正出血です。
子宮頸がんに比べて子宮体がんになる年代は高齢の方が多く、閉経後や更年期での不正出血がある時には注意が必要です。
子宮頸がん検診を受ける目安は?
子宮頸がん検診の受ける目安はガイドラインが用意されています。
しかし、地域や医療機関によって異なるガイドラインがある可能性があるため、自分自身で、かかりつけ医や専門の医師と相談して受けるようにしましょう。
子宮頸がん検診は、子宮の入り口付近の頸部をブラシなどで擦って細胞を集め、顕微鏡でがん細胞や前がん病変の細胞を見つけるという細胞診検査です。出血などの症状がなくても、20歳を過ぎたら、定期的に受けることが重要です。
HPVワクチンの接種を受けていても検診を受けるのが望ましい
HPVワクチンは、特定のヒトパピローマウイルスに対する保護を提供することが目的です。子宮頸がんに対する保護効果が高いといわれています。
HPVワクチンの接種により、感染を防ぐことで将来的ながんのリスクを軽減できるため、特に性行為を始める前の若い世代に推奨されています。しかし、HPVワクチンは完全な予防ではありません。
一方で、子宮頸がん検診は、がんや前がん病変を早期に発見し、治療するために非常に重要な役割を果たします。そのため、HPVワクチンと子宮頸がん検診の両方を組み合わせることで、より効果的な予防策となるのです。
不正出血がある場合
子宮頸がんは、一般的に早期にはほとんど自覚症状がありません。しかし、症状が進行すると、異常なおりもの・月経以外の出血・性行為の際の出血・下腹部の痛みなどが現れます。
特に、不正出血は何かしらの異常があることが多いので、このような場合は早めに婦人科にかかって相談することが大切です。
ピンクや茶色のおりものが出る・おりものが増えた場合
ピンクや茶色のおりものが出たり、おりものの量が増えたりする場合、それ自体が子宮頸がんと関連しているわけではありません。
しかし、子宮頸がんの早期症状の1つとして、異常なおりものが現れることがあります。そのため、通常とは異なるピンクや茶色のおりものが出たりおりものの量が増えたりした場合は注意が必要です。
子宮体がん検診を受ける目安は?
子宮体がん検診の受診目安は、地域や医療機関によって異なります。子宮頚がん検診と違って定期的な検診の対象にはなっていませんが、不正出血などの症状があるときには受けたほうが良いでしょう。
子宮体がんの検診方法は、子宮内膜細胞診や子宮内膜生検などがあります。
子宮内膜細胞診は、子宮頸がん検診と同じで、外来で行えます。
直接、子宮の内部に細い棒状の器具を挿入して細胞を採取して検査する方法です。この時、疑わしいところがあればさらに組織を採取して診断します。
子宮の中まで器具を挿入することが難しい場合は、超音波検査などを用いて子宮内膜の厚さを測って判断することもあります。
不正出血がある場合
子宮体がんで一番多い自覚症状は不正出血です。
子宮体がんは高齢者がかかる場合が多いので、閉経後や更年期での不正出血がある時には注意が必要です。
月経不順がある場合
月経不順が子宮体がんの兆候となる可能性があります。子宮体がんは、更年期前後から増えてくるがんです。
更年期の月経不順は不正出血と区別がつかないこともあるため、産婦人科に相談すると良いでしょう。
ピンクや茶色のおりものが出る
ピンクや茶色のおりものが出る症状は、さまざまな健康問題の兆候となる可能性があり、その1つが子宮体がんです。
早期の診断と適切な治療が行われれば病気の進行を防げるため、かかりつけ医に相談して、子宮体がん検診を受けることを検討しましょう。
おりものににおいがある場合
おりもののにおいが異常に強い時は、細菌性腟炎やカンジダ感染症などの感染症・クラミジアや淋病などの性感染症が考えられますが、それ以外でもさまざまな原因で炎症が起きていることもあります。
子宮体がんもおりもののにおいが異常になる原因の1つです。おりもののにおいが気になる場合は、早めにかかりつけ医や専門の医師に相談しましょう。
子宮がん検診なら祐天寺ウィメンズヘルスクリニックへ
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何か気になることがある際は、祐天寺ウィメンズヘルスクリニックに相談してみてはいかがでしょうか。
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参考文献