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生活習慣病の一つである高血圧症や高コレステロール血症(脂質異常症)とは?治療法や放置するリスク

 公開日:2024/08/30
生活習慣病の一つである高血圧や高コレステロール血症(脂質異常症)とは?治療法や放置するリスク

生活習慣病は多くの現代人を悩ませる疾患です。そのなかには、高血圧症高コレステロール血症(脂質異常症)も含まれます。

血圧やコレステロール値に異常をきたす高血圧症や高コレステロール血症(脂質異常症)は、放置していると危険な場合もあります。

この記事では高血圧症・高コレステロール血症(脂質異常症)を中心に、生活習慣病の治療法やリスクを解説します。早期発見のためにお役立てください。

一木 美英

監修医師
一木 美英(春待坂ハートクリニック)

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山梨医科大学 卒業
山梨医科大学医学部附属病院 第2内科にて初期研修
関東を中心に病院にて一般内科・循環器内科診療に従事
山梨大学医学部附属病院 第2内科助教
医療法人社団景翠会 金沢病院医長 兼 感染制御室室長

生活習慣病の原因

生活習慣病の原因
生活習慣病とは、日頃の生活習慣が発症の要因となるさまざまな疾患の総称です。どのような生活習慣によって引き起こされるのか、大きく3つの原因を解説します。

食生活

生命の維持と心身の健康・幸福のために、食生活は重要な役割を果たしています。しかし乱れた食生活により、生活習慣病を患うことも少なくありません。戦後に生活様式が欧米化したことから、高脂肪食を中心とした食生活に変化したことも原因のひとつです。特に飽和脂肪酸を多く含む動物性脂肪の過剰摂取がみられ、穀物や野菜の摂取量が不足しています。
また、コンビニ弁当・レトルト食品・スナック菓子などの高食塩含有食品の普及により、食塩摂取量も多量の傾向にあります。さらに、非習慣的な朝食摂取や朝食欠食も問題です。朝食を欠食した場合、昼食・夕食を欠食する場合よりも栄養バランスが崩れやすくなります。次の食事が多くなり、カロリーの過剰摂取にもつながるでしょう。
このような食生活を続けていると、生活習慣病の発症リスクが高まります。

運動・休養

リモートワーク・デスクワークの増加や交通手段の発達により、日本人の運動習慣は低下傾向にあります。運動不足が続くと摂取エネルギーに対して消費エネルギーが少なく、内臓脂肪型肥満が起きやすくなります。内臓脂肪が増加すると、炎症反応を促進する働きを持つ炎症性サイトカインを放出します。サイトカインとは主に免疫系細胞から分泌されるタンパク質で、細胞間の情報伝達を担っています。炎症性サイトカインが放出されると、白血球などの免疫システムが働き始めます。炎症性サイトカインが必要以上に作られると、免疫システムが正常な細胞や組織まで傷つけ、組織の炎症を引き起こすことがあります。このような炎症反応が全身に影響を与えることで、生活習慣病リスクが高まったり感染症にかかりやすくなったりすることにつながります。
また、運動不足による筋力の低下や関節の拘縮が原因で、運動器疾患を発症する方もいます。生活習慣病が悪化した場合、運動負荷がかけられなくなるためにさらに運動不足が加速し、悪循環に陥ってしまいます。
さらに、夜型生活で睡眠時間が少なく十分な休養を取れていないことも生活習慣病を引き起こす原因です。睡眠不足は、昼間の眠気や集中力の低下など心身に影響を与えることで知られていますが、高血圧や糖尿病とも密接に関わっています。適切な睡眠が取れないと疲れが取れないだけでなく、身体の機能も正常に働きません。ただの疲れや睡眠不足と軽くみるのは危険です。

飲酒・喫煙

飲酒や喫煙は、生活習慣病の重大なリスクファクターです。アルコールは脳の神経細胞に影響を及ぼし、脳を委縮させてしまいます。とはいえ、1日350ml程度の適度な飲酒では大きな害を及ぼしません。しかし、継続的な飲酒により前頭葉が麻痺して飲みすぎを防止する自制心がなくなると、多量摂取してしまう恐れがあるでしょう。長期にわたる多量飲酒は全身に悪影響を及ぼし、あらゆる臓器にダメージが生じます。
たばこの煙には4,000種類以上の化学物質が含まれており、そのうちの200種類以上が有害物質です。そのため、喫煙すると脳の働きや皮膚・胃の血流の流れが変化したり、心臓への負担が大きくなったりします。これにより運動を継続する力が失われ、体力も衰えていきます。
アルコールやたばこには依存性があるため、欲求を抑えられなくなり体調不良を感じてもやめられず、さまざまな生活習慣病にかかりやすくなるでしょう。

心疾患予防のために注意したい生活習慣病と治療法

心疾患予防のために注意したい生活習慣病と治療法
死因別割合でがんに続いて多いのが心疾患です。生活習慣病のなかには心疾患を引き起こす病気もあるため、生活習慣病に注意することで心疾患を予防できる可能性があります。
心疾患につながる生活習慣病とそれぞれの治療法を解説します。

高血圧症

高血圧症は、生活習慣病のなかでも特に注意が必要な疾患です。
血圧とは心臓から全身に血液を送り出す際の圧力のことで、心拍出量・末梢血管抵抗・大動脈弾力性・血液粘性・血液循環量によって変化します。この圧力が高くなっている状態が高血圧です。そして、血圧が140/90 mmHg以上の状態が継続する場合に高血圧症と診断されます。
高血圧が続くと血管に炎症が起こり、やがて狭窄病変や拡張病変が生じるようになります。狭窄病変が進行すれば、その血流支配領域は虚血状態に陥るでしょう。さらに、脆弱になった血管に短時間のうちに極端な血圧変動が加わると、血管が破裂するケースもあります。血管は全身に存在するため、このような状況が心臓で起きれば心疾患につながってしまいます。
高血圧症の治療法は、主に食事療法と運動療法です。一日に摂取する塩分とエネルギー量を減らし、週に4〜5日程度30分以上の運動を取り入れます。
これらの治療をきちんと行っても血圧の下がり具合が十分でない場合は、薬物療法も併せて行われます。

高コレステロール血症(脂質異常症)

高コレステロール血症とは、血液中に溶けているLDLコレステロールが140mg/dL以上の状態のことをさします。また高コレステロール血症、トリグリセライドが150mg/dL以上(高トリグリセライド血症)のいずれか両方がある状態を、高脂血症と呼びます。2007年からは高コレステロール血症と高脂血症を総称し、脂肪の代謝に異常をきたしていることを示す脂質異常症と呼ぶようになりました。
血液中の脂質が多い状態が続いた場合、余分なコレステロールが血管壁に沈着していき、血管に負荷をかけてしまいます。高コレステロール血症の場合は明確な治療法がないため、生活習慣の見直しから治療が進められるのが一般的です。脂質が少なく栄養バランスのよい食事と適度な運動を行い、適正体重の維持を長期的に続けます。
それでも症状の改善が認められなかったり、合併症の発症リスクが高いと判断されたりした場合は、薬物療法も併用します。

生活習慣病を放置するリスク

生活習慣病を放置するリスク
長年染み付いた生活習慣を変えるのは簡単ではありません。特に顕著な症状が出ていない場合は、まだ大丈夫だと考えて放置してしまう方もいるでしょう。しかし、生活習慣病は気付かないうちに進行し、ある日突然大きな症状を現す恐ろしい病気です。
具体的にどのような危険があるのか、主な2つのリスクを取り上げます。

動脈硬化の危険性

先述した高血圧症と高コレステロール血症は、どちらも動脈硬化を引き起こす危険性が高い疾患です。動脈硬化とは、簡単にいえば血管が老化した状態のことです。血管は加齢とともに老化し、血管壁が厚くなって柔軟性を失っていきます。
高血圧症や高コレステロール血症を発症していると、老化速度は加速します。余分なコレステロールが血管壁に溜まった後、時間が経過して盛り上がった部分が硬く脆くなっていくのが動脈硬化です。
脆くなった血管が破れると血液中の脂質と血液が混ざって血栓を作り、血管を閉塞させます。心臓の冠動脈が狭くなると狭心症、閉塞すると心筋梗塞を発症するでしょう。さらに、脳卒中や腎硬化症などの疾患を引き起こす可能性も高まります。

心不全の危険性

心不全とは何らかの心臓機能障害が起きた結果、呼吸困難・倦怠感・浮腫が出現し、運動耐容能が低下する臨床症候群です。生活習慣病を放置し動脈硬化が進むと、心臓は高い血圧に打ち勝つためにより強い力で血液を送り出す必要があり、心筋が厚くなっていきます。これにより心臓が正常に拡張できず、血液量が減り心不全を起こしてしまいます。
心不全は高齢になればなる程発症リスクが高まり、特に65歳以上から増加する疾患です。2017年に65歳以上の人口が27%を超え超高齢社会に突入した日本では、心不全の患者数は約120万人(2020年現在)といわれています。さらに、2035年には団塊の世代が全員75歳以上となることから、患者数は132万人にまで及ぶと推定されています。
現在の診療体制では、医療従事者や病床数の不足が懸念されるでしょう。この状態は心不全パンデミックと表現され、国を挙げての心不全予防の呼びかけや医療連携の構築が課題となっています。

生活習慣病は早期治療が大事!

生活習慣病は早期治療が大事!
生活習慣病は心疾患をはじめ、全身の重大な疾患を引き起こす恐れがあります。その一方で、症状が出にくいために発症に気付かず放置され、ほかの疾患により重篤な状況になって初めて自覚する方が多いのも現状です。目立った症状がないと病気ではないと過信してしまい、自分自身の生活習慣が乱れていることを自覚しつつも、同じ生活を続けてしまう方もいます。
しかし、自覚症状が現れてからでは手遅れになる可能性もあります。さまざまな疾患を未然に防ぐためには、生活習慣病の早期発見・早期治療が重要となります。多くの場合、生活習慣病は健康診断で見つかっています。定期的に健康診断を受け、身体の健康状態をチェックする習慣を身につけましょう。
そして、健康診断で異常を指摘された方はなるべく早く医療機関を受診してください。

生活習慣病の治療なら春待坂ハートクリニックにご相談を

春待坂ハートクリニック受付
生活習慣病にお困りの方は、神奈川県川崎市宮前区にある春待坂ハートクリニックを受診してみてはいかがでしょうか。春待坂ハートクリニックは、内科や循環器内科を中心に生活習慣病の治療にも幅広く対応しているクリニックです。

ここからは、春待坂ハートクリニックの3つの特徴を紹介します。

日本循環器学会 循環器内科専門医の院長による診療

春待坂ハートクリニックの一木美英院長は、豊富な臨床経験を持つ日本循環器学会 循環器内科専門医で、一般内科と循環器内科を専門として診療されています。
日本人の死亡原因や介護が必要になる原因として多い循環器病は、進行する前にコントロールすることが重要です。春待坂ハートクリニックでは、循環器病のコントロールのためにも生活習慣病を管理していくことが重要だという院長の考えのもと、生活習慣病の治療に力を入れています。

心疾患の予防に着目した高血圧症・高コレステロール血症の治療

春待坂ハートクリニック診察室
春待坂ハートクリニックでは、循環器疾患が命と生活の質に関わる重要な分野であることから、予防を重視した循環器疾患および生活習慣病の治療を行っています。なかでも、心疾患を予防するという点に着目して高血圧症・高コレステロール血症の治療に注力されています。
また、予防だけでなく心不全を含む治療の難しい疾患の慢性期診察など、専門性の高い多岐にわたる治療を提供しています。

24時間予約可能なweb予約・事前問診システムを完備

春待坂ハートクリニックは、スマートフォンやパソコンから24時間予約可能なweb予約と事前問診システムを完備しています。院内での待ち時間を短縮することで、スムーズな診療や院内の混雑緩和につながり、感染対策にも配慮されています。疾患によってはオンライン診療を受けられるため、対面とオンラインを併用したハイブリット診療で生活の質を保ちながら受診ができます。
また、春待坂ハートクリニックでは検査機器も幅広く導入されており、当日対応が可能な場合もあります。川崎市在住の40歳以上の国民健康保険加入の方を対象とした特定健診にも対応しているので、健康診断を検討中の方も利用することができます。
web予約や公式ホームページのAIシステム、オンライン診療など、多くの方が受診しやすい環境が整っているといえるでしょう。

春待坂ハートクリニックの基本情報

アクセス・住所・診療時間

田園都市線 鷺沼駅より徒歩5分

神奈川県川崎市宮前区鷺沼1丁目18−10 フレンドベース3階

診察時間
9:00~13:00
15:00〜19:00

★:14:00〜18:00

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