レーシックとは視力を矯正する手術！手術の流れ・メリット・デメリット・ICLとの違いについて解説

レーシックとは視力を矯正する手術

レーシックとは、レーザーで角膜の形状を調整して、近視・乱視・遠視を矯正する手術の一つです。
角膜とは目の表面にある組織で、光を屈折させる働きがあります。この屈折させる力が強くなると、焦点の場所が正常よりも手前になってしまい、対象物をぼやけさせてしまうのです。
レーシックの手術では角膜を削ることで、屈折力を正常な状態に治して視力を矯正します。眼球の内部には触れない手術となり、眼科専門医が適切な治療を行えば、低リスクで安全な手術です。
手術後は眼鏡やコンタクトレンズが不要になるので、眼鏡のわずらわしさや毎日コンタクトレンズを装着したり取り外したりする手間が無くなります。

レーシックの手術の流れ

レーシックの手術は、次のような流れで行われます。

• 麻酔
• フラップの作成
• レーザーを照射
• 洗浄

ほとんどの場合が両目を合わせて30分以内に終わるため、日帰り手術になります。手術の翌日から普段通りの生活が送れるので、忙しい方でも手軽に受けられるでしょう。
それでは、手術の内容を詳しく解説していきます。

麻酔

まずは、目をきれいに洗浄してから、点眼で麻酔をします。
点眼の麻酔は針状のものではなく、液体状です。眼球や目の周りに注射針を刺すことはありません。点眼麻酔を行うことで、手術中はレーザーが当たっている感覚がなく、痛みも感じにくいです。
麻酔を含め、手術中に痛みを感じることはほとんどないので安心してください。

フラップの作成

次に、イントラレースレーザーで角膜の表面にフラップを作成します。
フラップとは角膜のフタになるものです。角膜は複数の層からできており、レーザーは中間にある実質層に照射されます。
外側の層をめくって実質層にレーザーを照射するため、あらかじめフタとなるフラップの作成が必要になります。

レーザーを照射

フラップを角膜から完全に切り離さないようにめくり、実質層にエキシマレーザーを照射して、角膜の屈折率を矯正します。
レーザーを照射している時間は数十秒程度で、レーザーは肉眼で見えません。レーザーの照射が終わったらフラップをもとに戻してフタをします。

洗浄

目を洗浄して異物を洗い流します。フラップは自然と接着するので、数分間安静にしてフラップが定着したら手術終了です。
目を強くこするなどして、フラップが定着する前に強い衝撃が加わると、フラップが移動することがあります。
手術後はできるだけ目に触れないように気を付け、アイメイクも控えるようにしましょう。

レーシックのメリット

レーシックのメリットには以下のものがあります。

• 近視・乱視・遠視の矯正ができる
• 手術時間が短い
• 日帰り手術が可能
• 比較的リーズナブルに手術を行える
• 術後の回復が早い

視力を矯正するので、眼鏡やコンタクトレンズが不要になることは大きなメリットといえます。また、手術時間も短く日帰り手術が可能なので、忙しい方でも受けやすい手術です。

近視・乱視・遠視の矯正ができる

レーシックの手術は角膜の形状を調整するので、近視・乱視・遠視の矯正ができます。
裸眼で生活できるようになるので、スポーツをする方や、視力を求められる職業の方には非常におすすめです。
また、眼鏡やコンタクトレンズが不要になるので、お手入れする手間がなくなります。
普段、コンタクトレンズを使用されている方は購入費用だけでなく、保存液や洗浄液も不要になるので、大幅な費用削減につながります。

手術時間が短い

レーシックの手術は片目で約10分、両目を合わせても30分以内で完了します。手術前後の時間を含めても1時間半から2時間となり、非常に短いです。
手術前の検査や、手術後の経過観察などは通院で問題ありません。そのため、午前中に仕事を行って、午後から手術を受けることも可能です。

日帰り手術が可能

レーシックの手術は手術時間が短く、手術直後でも目が見えるので、日帰り手術が可能です。
角膜を削るので目が見えるようになるまで時間がかかると思われるかもしれません。しかし、視力は手術当日に一人で帰宅ができるまでに回復します。
そのため、まとまった時間が取れない方でも受けやすい手術です。

比較的リーズナブルに手術を行える

基本的なレーシックの手術は両目で約20万円（税込）です。レーシックの他に多く知られている視力矯正手術にICLがありますが、ICLは約60万円（税込）かかります。
質の高い見え方を希望する場合は、オーダーメイド式のレーシック手術になるため、40万円（税込）ほどとなります。それでも他の視力矯正手術と比べると、レーシック手術はリーズナブルといえるでしょう。
また、レーシックの手術は保険適用外ですが、手術費用は医療費控除が適用されます。確定申告を行えば還付金がもらえるかもしれません。

術後の回復が早い

レーシックの手術は、ダウンタイムがほとんどなく、術後すぐから問題なく日常生活が送れるほど回復が早いです。
手術後の数時間は視力が安定しないため、運転はできませんが、翌日には1.0〜1.5程度の視力に回復しています。
とはいえ、手術直後に目を酷使するのは安全上おすすめできません。手術の翌日まではできるだけ目を使わないようにするとよいでしょう。

レーシックのデメリット

レーシックのデメリットには以下のものがあります。

• ハロー・グレアが起こる可能性がある
• ドライアイになる可能性がある
• 復元ができない
• まれに再び視力が低下することもある

レーシックの手術は角膜を削るため、さまざまなリスクがあります。100％安全な手術とはいい切れないため、デメリットについてもしっかりと理解しておいてください.

ハロー・グレアが起こる可能性がある

レーシックの手術の後遺症のひとつに、ハロー・グレアがあります。
ハロー・グレアとは光が眼内レンズを通る際に乱反射を起こす現象のことで、光が滲んで見えたり、眩しく見えたりします。
夜間や暗い場所では光を多く取り入れるために、瞳孔が大きく開くのでハロー・グレアが発生しやすいです。症状の程度には個人差がありますが、瞳孔が大きい人ほど、発生しやすくなります。
手術前の検査では、暗い場所での瞳孔の開き方を確認するので、ある程度のリスクは予測できます。ハロー・グレアが起こりにくい手術方法もあるので、リスクが気になる方は医師によく相談してください。

ドライアイになる可能性がある

レーシックの手術では、視神経が損傷するので涙が出にくくなり、ドライアイになる可能性があります。
ドライアイは一時的なもので、半年から1年で症状は改善します。症状には個人差がありますが、デスクワークが多い方はドライアイになりやすい傾向があるので、注意が必要です。
手術の前の検査では、涙の質や分泌腺の働きについてしっかりと確認します。ドライアイになりやすい方は、アフターケアが充実している病院を選ぶといいでしょう。

復元ができない

レーシックの手術は角膜を削ることで視力を矯正するので、復元ができません。
もし、手術後の見え方に違和感があっても、一度削ってしまった角膜は厚くできないことを覚えておいてください。
角膜に十分な厚さがあれば、再手術や微調整ができることはありますが、基本的には1回しか手術できません。手術前の検査では角膜の厚さも調べるので、事前に再手術ができるか教えてもらえます。

まれに再び視力が低下することもある

レーシック手術を受けた後でも、まれに近視や遠視になることがあります。特に、強度な近視を持っていた方は、近視が戻る傾向が高いです。
近視戻りは手術後1年以内に発生することが多いですが、1年以上視力が維持できている場合はそのまま安定することがほとんどです。
アメリカの調査では88％の方が、レーシック手術を受けてから10年間、視力が維持できていると報告されています。
レーザーの技術も日々進化しているので、現在ではさらに多くの方が視力の維持ができているでしょう。

ICLとの違い

ICLは眼内にレンズを入れて矯正する手術方法です。レーシックに比べるとデメリットが少なく、ICLを選ぶ方も増加してきました。
レーシックは角膜を削って視力を矯正するので、矯正の範囲に限度があります。しかし、ICLではレンズを使用するので、角膜の厚さに影響されずに矯正が可能です。
例えば、強度な近視の方や角膜が薄い方はレーシックでは完全に矯正することができない場合があります。特に、老眼はレーシックで対応することは難しいですが、ICLでは対応できます。
レンズは取り出すことができるので、手術後に視力が低下しても再手術ができる点もレーシックにはないメリットです。角膜を削らないため、ハロー・グレアも発生しにくく、視界も鮮明でクリアに見えます。
一方で、ICLは費用が高額になるというデメリットがあります。レーシックが約20万円（税込）なのに対して、ICLは約60万円（税込）となり、費用面での負担が大きいです。
また、レーシック手術に比べると合併症を引き起こすリスクは低いですが、まったくないわけではありません。リスクが伴うという点においてはレーシックとICLに違いはないといえます。

レーシックの費用相場はどのくらい？

レーシックの手術は約20万円から受けられます。しかし、レーシックの手術にはいくつかの種類があり、高額なものだと40万円（税込）以上かかることもあります。
レーシックの手術にはオーダーメイド式のものとそうでないものがあり、オーダーメイド式の方が高額です。
軽度から中等度の近視の方は、オーダーメイド式の手術を受ける必要はありませんが、見え方の質にこだわりたい方はオーダーメイド式の手術がおすすめです。
特に、乱視がある方や強度な近視の方はオーダーメイド式の手術がいいでしょう。
オーダーメイド式の手術では角膜の厚みやレンズの収差を考慮してレーザーを照射します。そのため、手術後の視界が非常にクリアになります。
自分に合ったレーシック手術を受けることで、ハロー・グレアも発生しにくくなるので、夜間の運転や作業が多い方にもおすすめです。
レーシック手術は決して安いものではありませんが、長い目で見るとお得な面もあります。コンタクトレンズを使用している場合、購入費用は年間で約3万円（税込）です。
この先何十年も使い続けることを考えると、レーシック手術を受けた方がお得だといえるでしょう。

レーシック手術を受けるクリニックを選ぶポイント

レーシック手術を受けるときは、経験豊富な眼科専門の医師が在籍し、カウンセリングやアフターフォローが充実しているクリニックを選ぶといいでしょう。
眼科専門の医師は眼科治療に必要な知識や経験を十分に持っている医師のことです。眼科専門の医師でなくてもレーシックの手術は可能ですが、より信頼性が高いクリニックを選ぶには眼科専門の医師の在籍が欠かせません。
また、カウンセリングを受けて信頼できるクリニックであるかを判断することも大切です。少しでも疑問や不安な点があれば、必ず質問してください。こちらの質問にも真摯に答えてくれるクリニックであれば安心です。
カウンセリングでは検査の内容・手術の流れ・費用・リスク・アフターフォローなどについて詳しい説明がありますが、アフターフォローが充実しているクリニックがおすすめです。
レーシック手術にはリスクが伴います。ハロー・グレアやドライアイになったときにどのような対応をしてもらえるのか確認してください。
他にも、満足する見え方にならなかった場合や合併症が起きたときに迅速に対処してくれるクリニックが良いでしょう。