涙道手術とは?失敗しないために知っておきたい基礎知識と治療の流れ

涙が止まらない、目がいつも潤んでいる、といった症状に悩んでいませんか?涙道の詰まりが原因で起こる流涙症は、日常生活に支障をきたす疾患です。
涙道手術はこの詰まりを解消して涙の流れを正常化する治療法ですが、手術にはリスクや再発の可能性もあり、正しい知識を持つことが重要です。本記事では、涙道手術の基礎知識から具体的な治療の流れなどを詳しく解説します。

監修医師:
荒木 進(モーニングクリニック六本木内科・耳鼻咽喉科OR)
以後、オーストラリア・メルボルン大学助手(難聴の基礎研究)、東京警察病院医員、厚生中央病院医長、東京医科大学霞ヶ浦病院科長を歴任
2008年 東京医科大学准教を退職し、千葉県流山市内で開業
2009年1月 東京医科大学兼任准教授就任
2017年12月 東京医科大学兼任准教授就任を退職し、都内六本木に「モーニングクリニック六本木内科・耳鼻咽喉科OR」開院
目次 -INDEX-
涙道手術とは?まず知っておきたい基礎知識

涙は目の健康を守る大切な存在ですが、その排出経路に問題が生じるとさまざまな症状が現れます。まずは、涙の仕組みと涙道の役割など、涙道手術を検討する前に押さえておきたい基本的な知識をお伝えします。
涙はどこから出て、どこへ流れるのか
涙は目の外側上方にある涙腺から分泌され、まばたきによって目の表面に広がります。そして、目頭にある小さな穴(涙点)から涙道へと流れていきます。涙道は涙点から始まり、涙小管、涙嚢、鼻涙管へと続く細い管です。涙は鼻涙管を通って鼻の奥へと流れ、最終的には喉へと排出されます。泣いたときに鼻水が出るのは、この仕組みによるものです。
この一連の流れがスムーズであれば、涙は目にたまることなく自然に処理されます。しかし、どこかで詰まりや狭窄が生じると涙が正常に排出されず、目から溢れ出てしまうのです。
流涙症とはどんな状態?
流涙症とは、涙が目から溢れ出る症状を指します。風が当たったときや寒いときに一時的に涙が出るのは正常な反応ですが、流涙症では常に涙が溢れている状態が続きます。目が潤んでいる、涙が頬を伝う、目やにが多いといった症状が代表的です。
視界がぼやけて日常生活に支障をきたすほか、目の周りの皮膚が赤くなったり、炎症を起こしたりすることもあります。また、涙嚢に細菌が繁殖すると涙嚢炎を引き起こし、目頭が腫れて痛みを伴う場合もあります。
流涙症は高齢の方に多く見られますが、若い方でも涙道の形態異常や外傷などが原因で発症することがあるため、年齢に関係なく注意が必要です。
涙道が詰まる原因とは
涙道が詰まる原因はさまざまですが、加齢による涙道の狭窄や閉塞が大きな要因であり、特に鼻涙管が細くなったり完全に閉じてしまったりするケースが多く見られます。
慢性的な炎症や感染症も涙道を傷つけ、詰まりを引き起こす原因となります。鼻の病気、例えば慢性副鼻腔炎や鼻茸などがあると、鼻腔の構造に影響を与え、涙道の通りが悪くなることがあるでしょう。
また、外傷や手術の影響で涙道が損傷し、瘢痕化することで詰まりが生じる場合もあります。先天性の涙道閉塞も存在し、生まれつき涙道が開通していない乳幼児に見られます。
こうした原因を的確に特定することが、適切な治療を選択するうえで重要なステップとなります。
涙道手術とはどんな治療?方法の違いと選び方

涙道手術にはいくつかの方法があり、それぞれに特徴が異なります。症状の程度や詰まりの場所、患者さんの全身状態などによって適した手術法が異なるため、医師と相談しながら選択することが大切です。
ここでは、涙道手術の具体的な内容と、代表的な手術の種類について解説します。
涙道手術とは何をする手術なのか
涙道手術は、詰まったり狭くなったりした涙道を通りやすくするための手術です。涙の流れを正常化し、流涙症の症状を改善することが主な目的となります。
手術では、詰まった部分を開通させたり、バイパスとなる新しい通路を作ったりします。涙道の状態によっては、細い管(チューブ)を挿入して通路を確保する方法も用いられます。手術の規模は、軽度な詰まりに対する日帰り手術(※)から、全身麻酔が必要な本格的な手術まで幅広く存在します。いずれの方法も、涙が正常に鼻へ流れるようにすることで、目から涙が溢れる症状を解消することを目指します。
※術前検査・術後の経過観察が必要です
代表的な涙道手術の種類
涙道手術には主に三つの方法があります。
一つ目は涙管チューブ挿入術です。これは涙道にシリコン製の細いチューブを通して、涙道を開通させる方法です。侵襲が少なく、外来で実施できる場合もあります。チューブは数ヶ月間留置し、涙道が広がったところで抜去します。
二つ目は涙嚢鼻腔吻合術(るいのうびくうふんごうじゅつ・DCR)です。鼻涙管が完全に詰まっている場合に選択される手術で、涙嚢と鼻腔の間に新しい通路を作ります。皮膚を切開する外切開法と、鼻の中から内視鏡を使って行う内視鏡下鼻内法があり、近年は傷跡が目立ちにくい内視鏡下鼻内法が選択されることが増えています。
三つ目は涙点形成術や涙小管形成術で、涙点や涙小管に狭窄がある場合に、その部分を広げる手術です。患者さんの涙道の詰まり具合や原因に応じて、適した方法が選ばれます。
手術が検討されるタイミング
初期の流涙症では、涙道を洗浄して詰まりを解消したり、点眼薬で炎症を抑えたりする治療が行われます。しかし、こうした治療を続けても症状が改善しない場合や、涙嚢炎を繰り返す場合など、保存的治療で効果が得られなかった場合に涙道手術が検討されます。
また、涙道が完全に閉塞している場合や、高度な狭窄がある場合には、早めに手術が検討されることもあります。症状が長引いたり涙嚢炎が悪化したりするリスクがあるので、日常生活に支障が出ている、視界が常にぼやけている、目やにが多くて困っているといった症状がある方は医師に相談しましょう。
涙道手術の流れと失敗しないために知っておきたいリスク

涙道手術を安心して受けるためには、手術の流れや術後の経過を理解しておくことが重要です。また、手術にはリスクや合併症が伴う可能性もあるため、事前に知識を持っておくことで、適切な判断と対応ができるようになります。
ここでは、涙道手術の具体的な流れと、知っておくべきリスクについて詳しく解説します。
術前検査で調べること
涙道手術を行う前には、詰まりの場所や程度を的確に把握するための検査が必要です。
涙道通水検査では、涙点から生理食塩水を注入して、涙道の通りを確認します。水が鼻へスムーズに流れれば涙道は開通していますが、水が逆流したり、抵抗を感じたりする場合は詰まりが疑われます。
涙道内視鏡検査では、極細の内視鏡を涙道に挿入して内部の状態を直接観察します。これにより、詰まりの的確な位置や原因を特定できるのです。CT検査やMRI検査を行うこともあり、涙嚢や鼻腔の構造を詳しく調べることで、手術計画を立てる際の情報が得られます。
鼻の病気がある場合には耳鼻咽喉科と連携して鼻腔の評価も行い、術前検査をしっかり行うことが手術の成功率を高める鍵となります。
手術当日の流れ
手術当日の流れは、手術の種類によって異なります。
涙管チューブ挿入術の場合は局所麻酔で行われることが多く、外来で実施される場合もあります。手術時間は30分〜1時間程度で、麻酔が効いた後にチューブを涙道に挿入します。
涙嚢鼻腔吻合術の場合は全身麻酔が選択されることが一般的です。内視鏡下鼻内法では、鼻の中から内視鏡を使って操作するため顔に傷跡が残りません。手術時間は1〜2時間程度です。外切開法では、目頭の近くを小さく切開して涙嚢と鼻腔をつなぎます。手術後は安静にして、医師の指示に従って帰宅するか、入院するかが決まります。
日帰り手術の場合でも、術後数時間は経過観察が行われるため、時間に余裕を持って行動することが大切です。
術後の経過と注意点
涙道手術の後は、術後の経過をしっかり観察することが重要です。手術直後は涙や軽い出血が見られることがありますが、一般的には数日で落ち着くでしょう。ほかに、術後数日間は目の周りに腫れや痛みが生じる場合もあります。涙管チューブを留置した場合は、数ヶ月間チューブが入ったままの状態が続くため、チューブが外れないように注意して定期的に通院して経過を確認します。涙嚢鼻腔吻合術後に鼻の中に止血材が入っている場合は、数日後に除去されるまで鼻をかむことや激しい運動を控える必要があります。
いずれの場合でも、処方された点眼薬や内服薬をきちんと使用して感染予防に努めることが大切です。
考えられる合併症・再閉塞のリスク
涙道手術には、術後の出血や感染、涙道の瘢痕化といった合併症のリスクが伴います。
涙嚢鼻腔吻合術では鼻の中の構造に影響を与えるため、鼻出血や鼻閉感が生じる可能性や、新しく作った通路が再び狭くなったり、閉塞したりする再閉塞のリスクも存在します。また、チューブ留置中にチューブが外れてしまったり、チューブによる刺激で炎症が起きたりすることもあります。
こうしたリスクをできる限り抑えるためには、術前の検査で原因をしっかり特定し、適した手術法を選択することが重要です。
再発を防ぐために重要なポイント
涙道手術の成功率を高め、再発を防ぐためには、いくつかのポイントがあります。
まず、術後の通院や定期的な検査で涙道の状態を確認し、医師の指示に従うことで、異常があれば早期に対処できます。涙管チューブを留置している場合は留置期間をしっかり守り、自己判断でチューブを抜いたりしないようにしましょう。
鼻腔の状態が悪いと涙道手術の効果が十分に得られない可能性があるため、鼻の病気がある場合には、耳鼻咽喉科での治療を併行して行うことが重要です。また、術後に涙道の洗浄を行うことで、通路が狭くなるのを防ぐことができます。
日常生活では、目をこすったり、強く鼻をかんだりしないように注意し、涙道に負担をかけない生活を心がけましょう。
涙道手術で後悔しないために大切なこと

ここでは、涙道手術で後悔しないために押さえておくべきポイントを3つ解説します。
的確な診断が重要
涙道手術の成功には、術前の診断が重要です。流涙症の原因は一つではなく、涙道の詰まり、まぶたの位置異常や涙の分泌過多など、さまざまな要因が関係していることがあります。そのため、詳しい問診と涙道通水検査や内視鏡検査、画像検査などの検査を組み合わせて、詰まりの場所や程度を的確に把握し、涙道手術が必要かどうかを見極める必要があります。
また、鼻の病気が涙道に影響を与えている可能性もあるため、鼻腔の評価も欠かせません。
耳鼻咽喉科との連携が重要な理由
涙道の出口である鼻涙管は鼻腔につながっていて鼻の状態が手術の成否に影響するため、涙道手術のなかでも特に涙嚢鼻腔吻合術では耳鼻咽喉科との連携が重要です。
慢性副鼻腔炎や鼻茸、鼻中隔弯曲症などの鼻の病気があると、涙道手術を行っても涙の流れが改善しないことがあります。手術前に鼻腔の評価を行い、必要であれば鼻の治療を先に行うか、同時に行うことが推奨されるでしょう。
内視鏡下鼻内法による涙嚢鼻腔吻合術は鼻の中から操作を行うため、耳鼻咽喉科の専門知識が手術の精度を高めることにつながります。
手術だけでなく術後管理まで考える
涙道手術は手術を受けたら終わりではなく、術後の管理が適切に行われるかどうかが長期的な成功を左右します。術後は定期的に通院し、涙道の状態を確認しながら、必要に応じて涙道洗浄やチューブの調整を行います。チューブ留置中は感染や炎症のリスクがあるため、点眼薬や内服薬をきちんと使用することが大切です。
また、鼻の治療が必要な場合には耳鼻咽喉科との連携を継続し、鼻腔の状態を良好に保つことが求められます。術後の経過が順調であっても、自己判断で通院をやめたりせず、医師の指示に従って管理を続けることが再閉塞を防ぐために重要です。手術と術後管理を一体として考え、長期的な視点で治療に取り組む姿勢が、良好な結果につながります。
涙道手術はモーニングクリニック六本木内科・耳鼻咽喉科ORにご相談を

涙道の問題は、眼科だけでなく鼻腔との関係も深いため、総合的な診断と治療が求められます。
六本木駅から徒歩1分のところにあるモーニングクリニック六本木内科・耳鼻咽喉科ORは、内科と耳鼻咽喉科の専門性を活かした包括的なアプローチで、患者さん一人ひとりに適した治療を提供しているクリニックです。ここからは、モーニングクリニック六本木内科・耳鼻咽喉科ORの特長を紹介します。
内科・耳鼻咽喉科視点による診断・治療
モーニングクリニック六本木内科・耳鼻咽喉科ORの特長の一つ目は、内科と耳鼻咽喉科の両方の視点から患者さんを診察できることです。
流涙症の原因は涙道の詰まりだけでなく、全身疾患や鼻の病気が関係していることもあります。そのためモーニングクリニック六本木内科・耳鼻咽喉科ORでは、内科的な視点で全身状態を評価し、涙道の問題がほかの病気と関連していないかを確認することを重視されています。また、耳鼻咽喉科の専門性の高さを活かして鼻腔の状態を詳しく評価し、涙道手術の適応の的確な判断に努めているといいます。
眼科だけでなく総合的にアプローチすることで、単に涙道を治療するだけでなく、根本的な原因に対処するよう心がけられています。
内視鏡を活用した精密な鼻腔評価と涙道治療
涙道手術の成功には、鼻腔の精密な評価が欠かせません。モーニングクリニック六本木内科・耳鼻咽喉科ORでは、内視鏡を活用した詳細な鼻腔検査が行われています。内視鏡を活用して鼻の中の構造や炎症の状態を直接観察することで、涙道手術に影響を与える要因を見逃さないよう努めているそうです。
また、内視鏡下鼻内法による涙嚢鼻腔吻合術にも対応されています。鼻腔と涙道を一体として評価し、必要に応じて鼻の治療も同時に行うことで涙道手術の成功率を高められているのは、心強いポイントではないでしょうか。
精密な検査と丁寧な説明を重視した診療

精密な検査を通して患者さんの状態を的確に把握することを重視しているモーニングクリニック六本木内科・耳鼻咽喉科ORでは、涙道通水検査や内視鏡検査、画像検査などを組み合わせた精密な検査が心がけられています。詰まりの場所や原因を詳しく調べて、検査結果をもとに手術の必要性や方法、リスクについて丁寧に説明し、患者さんが理解して治療法を選べるよう配慮されてるそうです。
また、モーニングクリニック六本木内科・耳鼻咽喉科ORには耳鼻咽喉科や眼科、内科、消化器内科などそれぞれの専門性が高い医師が連携して診療する体制が整っています。眼科担当の医師は涙道疾患や鼻涙管閉塞症手術を専門とする医師で、患者さんの不安を和らげ、納得して治療を受けられるようサポートしているそうです。
涙道手術に関する疑問や不安がある方は、専門性の高い医師が協力して総合的な診療でサポートしている、モーニングクリニック六本木内科・耳鼻咽喉科ORに相談してみてはいかがでしょうか。
モーニングクリニック六本木内科・耳鼻咽喉科ORの基本情報
アクセス・住所・診療時間・費用・治療期間・治療回数
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【耳鼻科】
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【眼科】
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