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顎ニキビの原因は?顎のニキビができやすい食べ物やストレスとの関係・考えられる内臓疾患・受診を検討するべき症状も詳しく解説

 公開日:2024/01/24
口元を指差して鏡を見る女性

思春期では額や鼻の周りにできやすいニキビですが、20歳を過ぎるころから口元や顎に増えてきます。

つい気になって触ってしまい、悪化させてしまうこともあるのではないでしょうか。

そこで今回は顎ニキビの原因について解説しましょう。顎ニキビのもとになりやすい食べ物のこと、またストレスとの関係も紹介しています。

考えられる内臓疾患や受診の目安についても詳しく解説しています。顎ニキビに悩んでいる人は参考にしてください。

竹内 想

監修医師
竹内 想(名古屋大学医学部附属病院)

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名古屋大学医学部附属病院にて勤務。国立大学医学部を卒業後、市中病院にて内科・救急・在宅診療など含めた診療経験を積む。専門領域は専門は皮膚・美容皮膚、一般内科・形成外科・美容外科にも知見。

顎ニキビの原因は?

立って考えている女性
ニキビの原因はさまざまですが、特に大人ニキビとも呼ばれる顎ニキビの主な原因を挙げてみましょう。

  • 皮脂分泌の過剰
  • ストレスや不規則な生活
  • 間違ったスキンケア
  • 肌のターンオーバーの乱れ
  • 皮脂が多くなおかつ乾燥しやすい
  • 刺激を受けやすい

皮脂分泌が過剰にあることで毛穴に皮脂が詰まることでニキビになることが多いです。
また不規則な生活やストレスが原因となる場合もあります。
間違ったスキンケアや化粧品に含まれる成分がニキビの原因になったり、抗生物質やステロイドの長期間使用が原因となったりします。
他に肌のターンオーバーが乱れる・皮脂が多く乾燥しやすい・刺激を受けやすいなどが顎ニキビの主な原因です。それぞれについて詳しく解説しましょう。

肌のターンオーバーの乱れ

肌のターンオーバーとは皮脂や古い細胞が取り除かれ、新しい肌に生まれ変わるサイクルですが、このターンオーバーの乱れが顎ニキビの原因の1つです。
ターンオーバーが乱れると皮脂や古い細胞は毛包内に詰まってしまいます。そして詰まった皮脂は細菌によって増殖しニキビの原因になるのです。
肌の乾燥・ストレス・過剰なメイクなどもニキビの原因となるため、気を付ける必要があります。

皮脂が多く乾燥しやすい

顎は皮脂腺の多い箇所ですが汗腺の少ない箇所でもあり、皮脂が多く分泌されるのに汗で潤いを与えられない、乾燥しやすい環境といえます。
顎などの部分は、その乾燥を補うために皮脂が過剰に分泌されやすい箇所といえるのです。
皮脂腺から分泌される油性物質には、肌を保護して細菌などを防ぐバリア機能がありますが、皮脂が過剰になるとバリア機能の低下を招くことがあります。
このため細菌が繁殖しやすくなるのも、ニキビの原因の1つです。乾燥した肌は潤いを与えようと、ますます皮脂を過剰分泌してニキビを引き起こします。
このように顎の肌環境は、顎ニキビを引き起こす大きな原因となっているのです。

刺激を受けやすい

生活する上で手や指が触れることの多い顎は、常に刺激を受けやすい箇所だといえます。
洋服やマスクなど口元を覆うことが多いと顎はそれだけ刺激を受けやすく、衣服や手指から細菌が侵入する可能性も高くなるのです。
髭剃りのカミソリやメイク落としの強い刺激などが原因でニキビができやすくなることも多いです。
また紫外線などからの防御がしにくいのも顎や口元の部分で、紫外線の刺激もやはりニキビの原因の1つと考えてよいでしょう。

顎のニキビは食べ物が原因?

様々な和食
顎ニキビに限りませんが、ニキビは皮脂を増やす食べ物を多くとることが原因でできやすくなる場合があります。
動物性脂肪の多いもの・糖質の多いもの・塩分の多いもの・過度なアルコールはニキビのもとになる可能性があるので控えましょう。
抗酸化作用の高い食べ物はニキビを予防すると考えられるため、果物・野菜・魚・豆類などをとることもニキビのできにくい肌を作ります。
良質なタンパク質・ビタミン類・食物繊維など肌に良いとされる食べ物をとるなど、バランスの良い食事がニキビを作らないためには大切です。

脂肪分が多い食べ物

ニキビの原因になりやすい食べ物に脂肪分が多いものが挙げられますが、脂肪分の多い食べ物は皮脂の分泌を促進することが理由の1つだからです。
それとは別に脂肪分の多い食べ物が血管を狭める・血流を悪くする・肝臓に負担をかける・代謝を悪くするなどの原因を作る可能性も高いのです。
こういった身体の不具合がニキビの原因となる場合もあります。脂肪分の多い食べ物を過剰にとるのはやめましょう。
バランス良く高脂肪分の多い食べ物を減らして肌に良い果物・野菜・魚・乳製品などをとることが大切です。

糖分が多い食べ物

チョコシフォンケーキ
糖分のとり過ぎもまた、ニキビの原因となる可能性があります。
糖分が多い食べ物を過剰にとることで血糖値が高まると、インスリンの分泌が多くなる可能性があります。
インスリンが多く分泌されることで皮脂腺の細胞分裂を促進させることがあり、これがニキビを引き起こす原因にもなるのです。
ケーキ類・ジャム・菓子類・ジャンクフードなど甘い物や血糖値を上昇させる可能性のある食べ物を抑えて、バランスのよい食べ物をとりましょう。

辛い食べ物

辛い食べ物・刺激の強い食べ物もニキビを引き起こす原因になることがあります。
辛い食べ物・刺激の強い食べ物は皮脂を刺激し、また消化を促進して代謝を上げる効果もあるため、汗をかきやすくなります。
汗をかいたままにしておくと、細菌が繁殖してニキビの原因になりやすいので注意が必要です。
辛い食べ物は肌にも負担をかけやすいので、できるだけ負担の少ない温かいものにするなどして、気を付けてください。
また辛いものをとった後は汗をかきやすいので、しっかりと顔を洗い清潔にしておくこともニキビを作らないためには必要です。
このように食べ物とニキビには大きな関わりがあります。ニキビの原因は顎ニキビの原因でもあるので、気を付けましょう。

顎のニキビとストレスの関係

頭を抑えてうなだれる女性
顎のニキビはストレスにも大きく関わっています。ストレスは心身にさまざまな不調を引き起こすもととなります。
身体の免疫力を低下させて、肌のバリア機能を低下させることもあるのです。その結果ニキビができやすくなることがあります。
ストレスで肌の調子が悪くなることも多く、肌に対する刺激を受けやすくなることや細菌などに感染しやすいこともニキビができる原因の1つです。
ストレスはまた皮脂分泌を促進して、毛穴を詰まらせるもとにもなります。できるだけ心を穏やかにして、ストレスを溜めないことが大切です。

内臓疾患が原因の可能性も…

聴診器と診断書
顎や口元にできるニキビは、内臓疾患が原因でも発生します。肝臓や腎臓などの機能の低下がニキビの原因となると考えられるからです。
肝臓の機能が低下することで毒素が肌に及び、ニキビや吹き出物を引き起こすことがあります。
腎臓は体内の水分や塩分を調節する役割を持つため、腎臓の機能が低下することで水分や塩分のバランスが崩れてニキビなどの肌トラブルとなりがちです。
他にも内分泌障害などの疾患による肌トラブルも多く、内臓疾患が顎ニキビなど肌疾患の原因となる可能性もまた高いです。
顎ニキビが頻繁にできてなかなか治らない、治ってもすぐにできてしまうなどという場合は内臓疾患から肌トラブルが起きている可能性もあります。
顎ニキビがいつまでも治らない・広がってしまったという場合には、一度受診して医師の診断を仰ぐことをおすすめします。

受診を検討するべきニキビの症状

カルテを持って説明する医者
ニキビは通常は自然治癒する肌疾患ですが、症状によっては受診した方がよい場合もあります。
ニキビがなかなか治らず次々にできてしまう場合、特に次のような症状がある時には受診を検討してください。

  • 重症のニキビ
  • 細菌感染によるニキビ
  • 痛みのひどいニキビ
  • 範囲が広いニキビ
  • ニキビ以外の皮膚異常がある

自然治癒しにくい程重症化してしまったニキビや、ジュクジュクして細菌感染が疑われる場合のニキビは受診して治療を行なう必要があります。
痛みが強くストレスを感じる場合や、眠れない程の痛みが続く場合には受診して医師の診断を仰ぎましょう。
いつまでも治らないニキビで気持ちが塞いでしまうこともあるでしょう。受診することで原因がわかることも多く、適切な治療も受けられます。
また原因がわかれば予防策を立てることもできるので、悩んでいるのなら早めに受診して治療を受けることをおすすめします。

顎のニキビを予防する方法

タオルとスキンケア用品
顎ニキビを予防する方法には次のことが挙げられます。これらの予防方法は顎ニキビだけでなくニキビ全般にもつながります。

  • 手指を洗う
  • 適切なスキンケア
  • バランスの良い食生活
  • ストレス軽減

ニキビはつい肌を触ってしまう手や指から菌や汚れが付着することでできることが多いのです。手指をいつも清潔にしておきましょう。
毛穴に詰まった老廃物や皮脂を取り除くために洗顔したり、適度な水分・油分を補ったり、適切なスキンケアを行なうことも予防につながります。
スキンケアには刺激の少ないスキンケア製品を選び、力を入れすぎないように気を付けることも大切です。
化粧品は敏感肌用のものでアルコールや香料を含まないものを選ぶと良いでしょう。保湿などに効果的な軽めのジェルや乳液を使用してください。

保湿する

毎日のスキンケアで重要なのは、肌の乾燥を防ぐことです。そのために保湿を行なうことが大切です。
保湿クリームや保湿ジェルでしっかりと保湿してください。また皮脂が多くしかも乾燥しやすい顎への保湿は特に専門家の意見を聞いて選びましょう。
化粧品での保湿のみでなく、水分補給・保湿マスク・部屋の湿度調節などもニキビの予防につながります。

紫外線対策をする

日傘をさす女性
紫外線は肌を乾燥させることからニキビを引き起こす原因の1つです。紫外線対策を行なうことが顎を初めとするニキビ対策になります。
紫外線対策として、どのようなことが有効的な方法なのかを挙げてみましょう。

  • 紫外線の強い時間は外出を避ける
  • 帽子など日差しを避ける対策を行なう
  • 日焼け止めを使う
  • 肌を清潔にしておく

紫外線の強い時間帯は午前10時から午後4時頃なので、この時間帯は特に注意して直射日光を避けることが大切です。
帽子や日傘などで直接日差しを浴びないようにすることも大切です。顎は特に帽子などで避けにくい場所なので日傘を使うのも良いでしょう。
日焼け止めを利用することで、防ぎにくい顎なども紫外線を避けることが可能になります。肌に負担の少ない日焼け止めを使うようにしてください。
紫外線を浴びた時には、特に洗顔を丁寧に行い清潔にしておくことが大切です。洗顔の後は適切なスキンケア製品で保湿を忘れないようにしてください。

栄養バランスの良い食事をする

顎ニキビなどの肌トラブルと食生活は大きな関わりがあります。顎ニキビを初めとするニキビに良くない食べ物を控えることも必要です。
また、肌に良いとされる食べ物を多くとることも、ニキビ予防の1つになるでしょう。多くとりたい食べ物を挙げましょう。

  • 果物
  • 野菜類
  • 魚介類

果物や野菜類はビタミン・ミネラルの補給ができ、野菜類は繊維質も含み肌を美しくする効果も期待できます。
魚介類はオメガ3脂肪酸を含み、肌の保湿やニキビを予防する効果が期待できると考えられます。
反対にとり過ぎない方が良い食べ物には、炭水化物・糖分・アルコールなどがあり、過度に摂取すると過剰な脂肪分泌のもとになる場合があるのです。
肌に良い食べ物を選ぶとともに、油をあまり使わないなど調理方法を工夫することもニキビを作らないための予防につながります。
栄養バランスの良い食べ物を選び、ゆったりとした気持ちで食事をすることが、顎ニキビや肌のトラブルを予防する大切なポイントといえるでしょう。

睡眠をしっかりとる

顎のニキビの予防について解説しましたが、さまざまな予防方法とともに大切なことは、しっかりと身体と心を休養させることです。
それには何よりも睡眠をしっかりととることが大切です。睡眠不足はストレスの最大の原因になります。そしてストレスはニキビの原因にもなるのです。
大人に推奨される睡眠時間は7時間から8時間といわれています。睡眠時間をしっかりとることで肌のトラブルを避ける効果も期待できます。
睡眠をしっかりととることは肌も休めることです。当然ニキビの予防にもつながり、顎ニキビも予防できるでしょう。
なかなか寝付けない・夜更かしをしがちなどという人は睡眠環境を整えて、リラックスした気持ちで眠るようにしてください。
スマホやタブレットを見ず、静かな音楽を聞くことも効果があります。少しの工夫でゆったりした気持ちで睡眠をとれます。

顎のニキビを早く治したいなら皮膚科を受診しよう

男性に向かって口元を指差す女性
顎のニキビは20歳を過ぎてからできることの多いニキビで、肌トラブルの中でも多い肌疾患の1つです。
顎は手や指の触れやすい箇所でもあり、細菌の繁殖しやすい所でもあります。そのためにひどくなり重症化する可能性も大きいのです。
顎のニキビは重症化してしまう前に受診することで早く治せることが多いです。
ニキビが治りにくい・痛みがある・ジュクジュクしてきたなどの症状があれば、できるだけ早めに皮膚科を受診することをおすすめします。
皮膚科では、塗り薬・内服薬・レーザー治療・手術など状態に応じてさまざまな治療が行われます。顎ニキビは繰り返しやすい肌の疾患です。
根気強く治療を受けるとともに日々の生活にも注意をはらうことが大切です。

編集部まとめ

白い背景で指を立てる女性
ニキビの中でも20歳を過ぎてからできることの多い顎ニキビは、治りにくいことや、手指でつい触ってしまい悪化しやすいのが特徴のニキビです。

バランスの良い食事を心がけて肌を清潔に保つなど、日々の生活を見直し顎ニキビのできにくい肌にしていくことが大切です。

特に顎ニキビは広がりやすくひどくなりやすいので、指で触ったり潰したりしないように注意してください。

顎ニキビができてしまった時には、重症化を防ぐためにも早めに皮膚科を受診して治療を行うようにしましょう。

この記事の監修医師