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鼠径ヘルニアの症状は?原因・手術法・種類について解説

 更新日:2023/09/27

鼠径ヘルニアは、鼠径部に膨らみが出てくる病気です。

鼠径部の弱くなった筋肉の隙間から、筋膜と一緒に腸が皮膚の下に出てくることから「脱腸」とも呼ばれています。

鼠径部の膨らみによって腹部の不快感やつっぱり感、痛みを伴うことが多く、横になっているとへこむというのが特徴です。

膨らみを指で押し込むと戻るため、病院を受診することをためらう方も少なくないのではないでしょうか。

鼠径ヘルニアは重症化すると命に関わる可能性もあるため、注意が必要です。

「このような症状は注意が必要」「鼠径ヘルニアの治療方法は?」「どこに受診すればいいの?」そのような鼠径ヘルニアの疑問について解説します。

柳 健

監修医師
柳 健(東京デイサージェリークリニック)

プロフィールをもっと見る
日本医科大学卒業。大学病院の外科助教や外科クリニック院長などを歴任後の2014年、東京都中央区に「東京デイサージェリークリニック」開院。日帰り外科手術に特化した診療を提供している。医学博士。日本医科大学消化器外科講師。日本ヘルニア学会評議員、日本外科学会外科専門医・指導医、日本消化器外科学会専門医・指導医、日本消化器内視鏡学会専門医・指導医ほか。

鼠径ヘルニアの症状は何がある?

鼠径ヘルニア
鼠径ヘルニアは、主に次の3つの症状がみられます。

  • 鼠径部の膨らみや痛みが生じる
  • 腫れが固くなり指で押してもへこまない
  • 立っている時に膨らみや違和感がある

それぞれの症状について解説します。

鼠径部の膨らみや痛みが生じる

鼠径ヘルニアの主な症状は、鼠径部の膨らみです。鼠径部はもともと筋肉が薄い部分ですが、加齢や出産など様々な要因から弱くなります。弱くなっている筋肉の隙間から、筋膜と腸が皮膚の下に出てくるのが鼠径ヘルニアです。
膨らみの大きさには個人差がありますが、ピンポン玉大から鶏卵大くらいになり、初期の段階ではやわらかく痛みを伴わない場合もあります。つっぱったような違和感やお腹が張った感じも出てきます。

腫れが固くなり指で押してもへこまない

鼠径ヘルニアの症状が最も重症な場合、腫れた部分が固くなり、指で押し込んでも膨らんだままになります。腸が筋肉の隙間に入り込み、嵌頓(かんとん・腸が挟まっている状態)している可能性が考えられるでしょう。
腸閉塞(食べ物が腸を通っていかない状態)を起こしたり、腸に血流が通わなくなり壊死(組織が死んでしまうこと)したりすることもあります。このような状態は、早急に手術が必要な場合もあるため、鼠径部の膨らみが固い・押しても戻らないという時は受診するようにしましょう。

立っているときに膨らみや違和感がある

鼠径ヘルニアは、横になっていると膨らみが小さくなりますが、立ち上がって腹圧がかかると膨らみが大きくなります。鼠径ヘルニアの状態が進行してくると、腹部の違和感が生じたり、酷い場合は吐き気が出たりすることもあります。
症状に心当たりがある場合は、早めに受診しましょう。

鼠径ヘルニアの原因は?

原因
鼠径ヘルニアになる原因は、先天性と後天性があります。詳しく見ていきましょう。

筋膜にゆるみが生じるため

筋膜が弱くなると鼠径ヘルニアを発症します。原因として挙げられるのは、加齢・運動不足・下腹部の術後・肥満などです。筋膜の組織が弱くなることで、腸をお腹の中にとどめておけず、筋膜と一緒に腸が皮膚の下に出てきてしまいます。

先天性によるもののため

生まれつき、鼠径部の筋膜に穴が開いていることや筋肉が弱いことも鼠径ヘルニアになる原因と考えられています。小児期に鼠径ヘルニアになる場合は、先天性の場合がほとんどです。
大人になり、腹圧のかかる仕事や加齢により、組織が弱くなることで発症する場合もあります。

腹圧のかかりやすい仕事をしているため

後天性として、下記に挙げるような腹圧のかかりやすい仕事をしている人は、鼠径ヘルニアになりやすい傾向にあります。

  • 立ち仕事が多い方
  • 重いものを持つ機会が多い方
  • 座ったり立ったりすることが多い方

日常的に腹圧がかかり鼠径部へ負担を与えることで、鼠径ヘルニアになりやすくなります。

便秘がちでいきみやすい・咳くしゃみが多いため

便秘や咳くしゃみもヘルニアになる原因の一つです。便秘気味で日常的にいきんだり咳くしゃみをしたりすることが多いと、腹圧がかかり筋膜や筋肉に負担を与えることになります。
普段から便秘にならないよう、そして風邪をひかないように生活習慣を整えることは、鼠径ヘルニアになるリスクを減らすことにつながります。

鼠径ヘルニアの手術法は?

鼠径ヘルニアの手術法は?
鼠径ヘルニアは病気といっても、良性の疾患のため治すことが可能です。経過観察する場合はありますが、自然に治ることはなく根治させるためには手術が第一選択となります。鼠径ヘルニアの手術方法は、主に2種類あります。

どちらの術式も、ヘルニアになっている弱くなった筋膜を、メッシュで補強するメッシュ法と筋膜を縫い合わせて補強する組織縫合法を行います。メッシュとは、ポリエステルやポリプロピレンなどの人工繊維でできた医療用の網です。筋膜の穴が開いている部分を覆うことで、ヘルニアを修復します。
近年では、メッシュを使用した手術の方がヘルニアの再発率が低いため、メッシュ法が多く用いられています。

腹腔鏡下修復術

腹腔鏡下修復術は近年主流になってきており、腹腔鏡(内視鏡の一種)を使用した手術方法です。傷の大きさは小さく、3か所ほど腹部に穴を開けて行います。
カメラ(内視鏡)でお腹の中を見ながらヘルニアになっている部分を観察し、余分な腹膜を切除した後、メッシュをあてがい縫合し補強するという手術です。一般的には全身麻酔で行う手術のため、入院が必要となります。
腹腔鏡手術は、高度な技術と知識が必要な術式です。対応してくれる医療施設や医師を、きちんと選ぶことも大切になります。

鼠径部切開法

鼠径ヘルニアになっている鼠径部を皮膚切開し、修復する術式です。傷の大きさは3~4cm程度。下着のラインに沿って切開することが多いため、術後に傷が目立ちにくいというメリットがあります。
日帰り手術の場合、鼠径部切開法で行うことがほとんどです。局所麻酔や静脈麻酔など体への負担が少ない麻酔方法で行うため、術後すぐに歩けるのが特徴です。

鼠径ヘルニアの種類は?

鼠径ヘルニアの種類は?
鼠径ヘルニアは、鼠径部のどこにできるかにより3種類に分けられます。

  • 外鼠径ヘルニア
  • 内鼠径ヘルニア
  • 大腿ヘルニア

それぞれのヘルニアのタイプについて解説していきます。

外鼠径ヘルニア

外鼠径ヘルニアは、鼠径じん帯の上の外側から筋膜と腸が皮膚の下に出てくるヘルニアです。鼠径ヘルニアの多くは外鼠径ヘルニアです。男性に多く、特に50~60代の方に発症しやすい傾向にあります。
内鼠径輪という筋膜の穴が加齢により弱くなり、その隙間から筋膜と一緒に腸が皮膚の下に出てくることが原因です。陰嚢が膨らんでくることもあるため、最初は泌尿器科の疾患と疑われるのですが、診察をしてみると鼠径ヘルニアであるとわかる場合もあります。陰嚢の膨らみを感じている方は一度受診することをおすすめします。

内鼠径ヘルニア

内鼠径ヘルニアは、鼠径じん帯の上の内側から筋膜と腸が皮膚の下に出てくるヘルニアで、外鼠径ヘルニアよりも内側に膨らみを感じます。中高年の男性に多く、加齢に伴い鼠径部の筋肉が弱くなることで発生します。
鼠径部の膨らみは押すと戻り、腹圧をかけると膨らみが強く出てくるのが特徴です。また嵌頓するケースも多いため、鼠径部の膨らみや腹部の違和感を覚えたら注意が必要です。

大腿ヘルニア

大腿ヘルニアは鼠径部よりも大腿側に腸が出てくるヘルニアで、特に出産後の女性に多く見られるものです。妊娠中から出産までの期間は日常的に腹圧がかかる状態にあります。そのため腹壁に負担がかかり、筋肉が弱くなることで発症してしまうのです。
大腿ヘルニアは嵌頓しやすく、腸閉塞や腸の壊死を起こし、生命を脅かす可能性が高くなります。しばしば、緊急手術で治療することが多い鼠径ヘルニアのタイプです。

鼠径ヘルニアの症状が現れたら東京デイサージェリークリニックへ

東京デイサージェリークリニック
東京デイサージェリークリニックは、東京駅から徒歩4分・日本橋駅から徒歩1分のところにあり、鼠径ヘルニアの日帰り手術を行っているクリニックです(※術前の検査、術後の経過観察が必要です)。土曜・祝日も診療を行っています。

メールでの相談や予約も24時間受付しているため、忙しい方も受診しやすく、患者さんに合わせたスケジュールで診療を受けることが可能です。診察や検査、手術が完全予約制のため、待ち時間も少なく日常生活に支障をきたすことが少ないのも嬉しいところです。

鼠径ヘルニアの手術にかかる時間は約30分、痛みの少ない麻酔方法を採用し日帰りで治療できます。入院し治療するよりも医療費が3分の1に抑えられることも、日帰り手術のメリットです。

鼠径ヘルニアの以下の症状に心当たりがある方は、東京デイサージェリークリニックに一度ご相談してみませんか。

  • 下腹部の膨らみ
  • 下腹部の痛み
  • 下腹部の違和感
  • 陰嚢の肥大

鼠径ヘルニアである可能性が高いため、専門の医師がいる医療機関で診察してもらうことをおすすめします。

日帰り可能な鼠径ヘルニア手術が受けられる

東京デイサージェリークリニックでは、鼠径ヘルニア手術を日帰りで受けられます。日帰り手術は、なかなか仕事や家事を休めない方にとってぴったりな手術方法です。

鼠径ヘルニアは、自然に治癒することは不可能なため、手術で根治を目指す病気です。入院は医療費もかかるうえ、患者さんの体や生活に負担をかけることにもなります。

日帰り手術は、患者さんの都合のよい時間に適切な治療を受けられ、患者さんの負担を最低限にすることが可能です。すぐに歩いて帰れるというのもメリットの1つです。

東京デイサージェリークリニックは、患者さんの都合に合わせたスケジュールで治療方針を決められるため安心して受診できます。

鼠径ヘルニア専門での豊富な手術実績

東京デイサージェリークリニック診察
東京デイサージェリークリニックでは鼠径ヘルニア専門の医師が手術を行います。手術は約30分で受けられ、日帰りで鼠径ヘルニアの治療ができます。

仕事や家事で忙しく時間がない方にとってぴったりなクリニックです。

日帰り手術件数は8558件(2014年5月~2023年5月)という実績を誇り、鼠径ヘルニア専門のクリニックとして、専門の医師が治療を提供しています。

腹腔鏡下修復術か鼠径部切開法で行うか、患者さん自身が選択できます。オンラインで来院前に相談することも可能です。

鼠径ヘルニア専門のクリニックならではの専門性に特化した治療を受けられるのが、東京デイサージェリークリニックです。

完全予約制で個室完備、新しい医療機器で安全な手術

東京デイサージェリークリニックは、診察・検査・手術全てが完全予約制です。電話やメールで24時間いつでも予約が可能なため、日中、お仕事や家事で忙しい方も受診しやすくなっています。

日帰り手術を行う施設として、院長のこだわりが詰め込まれた施設の構造にも注目です。外来から診察・検査・手術という一連の流れにおいて、他の患者さんと会わない構造になっており、手術前から手術後までプライバシーに配慮されています。

完全予約制のため、待ち時間もありません。人目を気にせずに安心して受診できます。

また、新しい医療機器も導入することで、患者さんの体に負担がかからないように安全な手術を提供しています。

最寄り駅より徒歩4分と、遠方からも来院しやすいクリニックです。鼠径ヘルニアでお困りの方は、鼠径ヘルニア専門の東京デイサージェリークリニックに相談してみてはいかがでしょうか。

東京デイサージェリークリニックの基本情報

アクセス・住所・診療時間

東京メトロ東西線・東京メトロ銀座線・都営地下鉄浅草線 日本橋駅 A7・B5出口 徒歩1分
東京メトロ各線・都営地下鉄三田線 大手町駅 B10出口 徒歩2分
JR各線 東京駅 八重洲北口 徒歩4分
高速バス降車場 徒歩3分

東京都中央区日本橋2-2-2 マルヒロ日本橋ビル2F

診療時間
9:00~13:00
15:00~19:00

※完全予約制

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