鼠径ヘルニアの放置は要注意!“脱腸”の原因から症状、手術について解説

「鼠径ヘルニア(そけいヘルニア)」は、いわゆる“脱腸”とも呼ばれる病気で、大人にも子どもにも起こり得る身近な疾患です。
初期は違和感や軽い膨らみだけで自覚症状が少ないため、つい放置してしまう人も多いですが、悪化すると激しい痛みや命に関わる合併症を引き起こすこともあります。
この記事では、鼠径ヘルニアの原因や症状、放置するリスク、そして手術による治療法まで解説します。
「脱腸かもしれないけど様子を見ている」「手術が怖くて悩んでいる」という方は、早めの受診や正しい情報収集の参考にしてください。

監修医師:
岡村 正之(新橋DAYクリニック)
目次 -INDEX-
鼠径ヘルニア(脱腸)とは

ヘルニアとは、腸管や脂肪が腹壁の弱い部分を通じて体外へ突出する状態を指し、そのなかでも鼠径ヘルニアは足の付け根(鼠径部)部分に発生する病気です。腹壁の筋肉が弱くなり、その隙間から内臓や脂肪が皮膚の下に膨らんで見える状態で、腸が突出することから「脱腸」とも呼ばれます。
また、鼠径ヘルニアには嵌頓(かんとん)というリスクがあります。これは、ヘルニアの内容物が腹壁に挟まり、血流が止まることにより内臓が壊死してしまう状態です。嵌頓は緊急手術を必要とすることが多いため、早期の発見と適切な対応が重要です。
鼠径ヘルニアは特に男性や高齢者に多く見られる病気で、日常生活や外見にも影響を与えます。発症時期や症状によって対処法が変わるため、早期の診断と治療が大切です。
ここでは鼠径ヘルニアの原因や症状を解説します。
鼠径ヘルニアの原因
鼠径ヘルニアの原因は先天性のものと後天性のものがあります。
先天性は、生まれつき筋膜が薄く、腸が突出しやすい状態にあります。ヘルニア嚢があるケースもあり、乳児期から鼠径ヘルニアを発症する可能性があります。
後天性の場合は、生活習慣や慢性的な腹圧の上昇(便秘・咳・重い物の持ち上げなど)、加齢による筋肉や筋膜の緩みが原因で発症します。遺伝や体質が原因となることもあり、若年層でも鼠径ヘルニアを発症する可能性があるため注意が必要です。
鼠径ヘルニアの症状
初期は足の付け根(鼠径部)に膨らみができ、立っているときや腹部に力を入れたときに症状が強く現れます。指で押すと膨らみが引っ込むことが多く痛みを感じないケースもありますが、進行すると痛みや違和感を感じることがあるでしょう。さらに進行して膨らみが硬くなったり押しても引っ込まなくなったりすると、嵌頓の危険性が高まります。嵌頓は強い痛みを伴い、腸閉塞のリスクもあるため、緊急手術が必要となることがあります。
鼠径ヘルニアの診断方法
一般的に鼠径ヘルニアの診断は、問診や患部の視診、触診によって行います。また、鼠径ヘルニアの種類や類似疾患との誤診を防ぐため、必要に応じて超音波検査やCT検査を行うこともあります。受診先は、外科または消化器外科などです。
見た目に現れにくいケースもあるため、違和感がある場合は専門の医師による早めの診察をおすすめします。
鼠径ヘルニアの治療方法

鼠径ヘルニアは自然に治ることはなく、根本的な改善には手術が必要です。ただし、症状の程度によっては手術を行わず、経過観察とする場合もあります。ここでは鼠径ヘルニアの治療について解説します。
保存的治療
鼠径ヘルニアは、症状が軽度な場合や、高齢者や基礎疾患のため手術が難しい場合は、保存的治療で経過を観察することがあります。ヘルニアバンドを使用して腸の突出を一時的に抑える方法ですが、一時的な対応であり根本的な治療にはなりません。症状が進行する可能性もあるため、定期的な経過観察が必要です。
また、先天性の鼠径ヘルニアで、成長とともに改善する可能性の高い乳幼児は保存的治療の対象となるでしょう。
手術療法
鼠径ヘルニアの根本治療は手術です。
手術では、筋肉や靭帯の隙間であるヘルニア門から飛び出したヘルニア嚢(腹膜が突出して形成された袋状の構造物)を切除するか、元の位置に戻す処置を行います。さらに、メッシュという人工の補強材を使用する「メッシュ法(鼠径部ヘルニア修復術)」によって再発リスクを抑えます。
ただし手術中に壊死した腸管を切除する必要がある場合、腸液による汚染のリスクを避けるためメッシュは使用せず、組織縫合法を選択することが一般的です。
鼠径ヘルニアで手術が必要なケース
鼠径ヘルニアは多くの場合が進行性の病気であり、症状がある場合は手術が推奨されます。特に、嵌頓を起こすと緊急を要する状態になるため、速やかな手術が必要です。
嵌頓とは、腸が筋肉の隙間から飛び出してしまい戻らなくなることをいいます。飛び出した腸は締めつけられ、放置すると腸閉塞や腸が壊死するケースもあります。
鼠径ヘルニアの手術について

鼠径ヘルニアの根本的な治療には手術が必要です。主に、鼠径部切開手術と腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術があり、患者さんの年齢や症状、ライフスタイルに応じて適切な方法が選ばれます。
ここではそれぞれの手術について解説します。
鼠径部切開手術
鼠径部切開手術は、鼠径部を5~6cm切開し、飛び出した腸を元の位置に戻して、弱くなった筋膜を人工メッシュなどで補強する方法です。
局所麻酔で可能な場合があり、手術時間は30分程度と短時間で終わります。麻酔によるリスクが軽減され、全身麻酔に適さない患者さんにも対応できるのがメリットです。
一方で、切開部が大きいため傷が目立ちやすく、術後の痛みも出やすいというデメリットがあります。
腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術
腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術は、臀部と下腹部数箇所を5~10mm程度切開して腹腔鏡を挿入し、内部から治療する手術法です。手術時間は60分程度になります。傷が小さいため出血も少なく、術後の痛みも少ないのが特徴です。
しかし、全身麻酔が必要なため、持病のある方や高齢者は慎重な判断が求められます。
また、技術的に難しく、執刀する外科医師には高い知識と経験が求められます。
手術費用の目安
鼠径ヘルニアの手術には、健康保険が適用されます。手術費用の目安は、鼠径部切開手術で100,000~200,000円程、腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術で150,000〜300,000円程です。また、高額療養費を利用することで、一定の自己負担額を超えた場合には払い戻しが受けられる場合もあります。
術後の合併症と再発リスク
鼠径ヘルニア手術は比較的安全性の高い治療法ですが、術後に合併症のリスクがあります。
代表的なものには、傷口の感染や出血、陰嚢の腫れ、違和感やしびれなどがあります。メッシュを使用する手術では、異物反応による炎症や痛みが起こることもあります。
また、手術の方法や術後の過ごし方によっては再発するリスクもゼロではありません。術後の再発率は全体としては1〜2%と低いですが、過度な運動や腹圧のかかる動作は一定期間避けることが大切です。
鼠径ヘルニアを放置するリスク

鼠径ヘルニアは、初期段階では違和感や軽度の膨らみのみで強い痛みがないことも多いため、そのまま様子を見る方も少なくありません。しかし、鼠径ヘルニアは自然に治ることはなく、放置すれば進行していく病気です。
特に注意すべきリスクは、嵌頓(かんとん)です。前述したように、嵌頓は飛び出した腸が筋肉に締め付けられて元に戻らなくなり、血流が遮断されることで腸が壊死してしまう恐れがあります。嵌頓が起こると、強い腹痛や吐き気、嘔吐、発熱などの症状が現れ、緊急手術が必要になります。治療が遅れると、命に関わるケースもあります。
また、膨らみが大きくなると、歩行や立ち上がり、日常動作に支障をきたすようになり、生活の質(QOL)も低下します。さらに、鼠径ヘルニアの進行によって周囲の組織が引き伸ばされると、手術が複雑化して回復に時間がかかることがあります。
こうしたリスクを避けるためには、早期の診断と適切な治療が重要です。痛みがなくても、鼠径部に膨らみや違和感を感じたらできるだけ早く医療機関を受診し、必要に応じた治療を検討しましょう。
鼠径ヘルニアの手術は新橋DAYクリニックにご相談を

気になる症状があるが鼠径ヘルニアかどうかわからない方は、港区新橋にある新橋DAYクリニックに相談してみてはいかがでしょうか。
新橋DAYクリニックは、新橋駅徒歩1分とアクセスが便利です。20時までの診療とオンライン診療により遠方からでも受診しやすいクリニックで、鼠径ヘルニア(脱腸)日帰り手術(※)を専門に行っています。
以下では、新橋DAYクリニックの特徴を紹介します。
鼠径ヘルニアの手術を専門に行う経験豊富なクリニック
新橋DAYクリニックは鼠径ヘルニアの日帰り手術を専門に行うクリニックです。
院長は麻酔の専門の医師であり、安全管理とリスク管理に特化した麻酔科医の視点で徹底した安全体制を整え、執刀は大学病院の准教授や総合病院の外科部長など経験豊富な医師が担当するなど、高水準の外科医療を提供されています。
さらに、欧米型の外来手術室(オフィスサージェリー)を導入し、全身麻酔と区域麻酔を併用することで、手術当日中に帰宅することが可能だといいます。
このように新橋DAYクリニックは、経験豊富なスペシャリストたちによる鼠径ヘルニア手術を提供しており、患者さんが安心して手術を受けられる環境を整えています。
術後の痛みと身体への負担を軽減

新橋DAYクリニックでは術後の痛みと身体への負担を軽減するために、さまざまな取り組みを行っています。
手術には身体の負担を抑える腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術を採用しており、全身麻酔で痛みを遮断し、術後も区域麻酔(神経ブロック)で痛みを軽減するといいます。この徹底した痛みの管理により、早期に日常生活へ復帰することができるそうです。
さらに手術に対する不安や恐怖感を抑えることで、心理的な痛みの増幅を減らすのも重要だと考え、手術の流れや麻酔の効果だけでなく、患者さんの疑問や不安に対して丁寧に対応して解消することを心がけているそうです。
技術的な痛みの解消だけでなく、心理的なサポートも心がけるのが新橋DAYクリニックの特徴です。
丁寧なアフターケアで術後をサポート
新橋DAYクリニックでは、術後も安心して過ごせるように個室回復室を完備し、プライバシーにも配慮された環境で休養が可能です。また、手術後の過ごし方について事前に丁寧に説明を行い、手術の翌日にはお電話にて経過や体調確認を行うなど、患者さんに不安を感じさせないように心がけているそうです。このほかにもWEBやLINEでの無料相談も受け付けており、日曜・祝日を含めた柔軟な相談窓口を設けています。
このように新橋DAYクリニックでは、丁寧な事前説明に加えて術後のアフターケアも充実しているなど、安心感のある医療の提供に努められています。
鼠径ヘルニアの手術を検討する際は、新橋DAYクリニックへ相談してみてはいかがでしょうか。
(※)術前の検査、術後の経過観察が必要です。
新橋DAYクリニックの基本情報
アクセス・住所・診療時間
JR新橋駅 日比谷口 徒歩1分
東京メトロ銀座線 新橋駅 B出口 徒歩0分
都営三田線 内幸町駅 A出口 徒歩2分
都営浅草線 新橋駅 6番出口 徒歩3分
ゆりかもめ 新橋駅 1A出口 徒歩5分
| 診療時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | 祝 |
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| 09:00~15:00 | - | ● | ● | ● | ● | ● | - | - |
| 15:00~18:00 | - | ● | ★ | ● | ★ | ● | - | - |
※★:15:00〜20:00
※完全予約制
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