訪問診療を受けるには?訪問治療を受けられる条件や利用の流れについて解説
更新日:2024/12/10

身体機能や病状により病院に通うことが難しくなったとき、住んでいる場所に医師が訪問して診療を行う医療サービスを訪問診療といいます。 今回の記事では、訪問診療を受けるための条件や、利用開始の手続きの流れを詳しく解説します。 訪問診療の利用を検討している方のほか、将来的に通院が難しくなったら自宅で診療を受けたいと考えている方も、ぜひ参考にしてください。

監修医師:
麦島 清純(麦島内科クリニック)
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卒業大学
東京医科大学大学院
東京医科大学大学院
目次 -INDEX-
訪問診療を受けられる条件
訪問診療とは、自宅や施設にいながら診療を受けられる医療サービスを指します。
しかし、誰もが通院の代わりに訪問診療を選択できるわけではありません。厚生労働省は訪問診療の対象者を、在宅での療養を行っている方で、疾病や傷病のために通院による療養が困難な者としています。
ただし、病名や傷病など詳細な決まりはなく、対象となる患者さんの条件は訪問診療を行う医療機関が独自に決めています。
まずは、どのような方が訪問診療の対象となりうるのか具体的な例をみてみましょう。
一人での通院が困難
通院の困難さは、患者さん本人の身体機能・認知機能などのほか、生活環境や医療機関までの距離などにも左右される可能性があります。これらの要素を踏まえ、一人で病院まで通うことが困難と判断される患者さんは訪問診療の対象になる可能性が高いでしょう。寝たきり
家族が同居していても、寝たきりの方は移動に伴う介護負担も大きく、一般車両に乗っての通院も困難です。また、通院すれば診療の待ち時間も発生するため、車椅子を使用しても患者さんの体力的な負担は大きいでしょう。そのため、訪問診療を行っている多くの医療機関が、自力で起き上がったり車椅子に移ったりすることが難しい方を対象者としています。自宅療養したい
医療行為のなかにも、大きな機器が必要な検査や手術など病院でなければ受けられないものと、自宅でも行えるものがあります。そのため、医療的な処置や投薬が必要でも、それが自宅でできる内容であれば自宅で過ごすことも選択できます。 このように自宅療養を選択した方も、訪問診療の対象です。自宅療養を検討する疾患には、がん末期のほか、急性期を過ぎた脳血管疾患や認知症などが挙げられます。介護が必要
前述のとおり、寝たきりの方は訪問診療の対象になることが少なくありません。しかし、寝たきりに限らず座位を保ったり短距離の歩行をしたりできる方でも、身体機能・認知機能の面から介護が必要な状況と判断されれば、訪問診療の対象になる場合があります。 介護を必要とする患者さんの通院支援は、家族にとって大きな負担になる可能性があるため、訪問診療を利用すれば患者さんご自身だけではなく家族の介護負担軽減にもつながるでしょう。緩和ケアが必要
緩和ケアとは、病気による身体的・精神的なつらさを和らげるためのものです。 緩和ケアを受けている患者さんのなかには症状のつらさや体力の低下により通院が困難な方もいます。そのため、緩和ケアを受けながら自宅で過ごしている方を訪問診療の対象としている医療機関は少なくありません。 なお、患者さんが自宅での看取りを希望している場合には、急に具合が悪くなった場合の往診や看取りに対応している医療機関かどうかも事前に確認しておくことをおすすめします。訪問診療の利用の流れ
実際に訪問診療を利用する場合には、どこが相談窓口となりどのような流れで利用できるのでしょうか。医療機関により詳細な流れは異なるため、一般的な流れを紹介します。
相談・申し込み
訪問診療を受けるためには、前述のようにいくつかの条件があります。そのため、訪問診療を検討している医療機関の条件に、患者さんの現状が合致しているか相談が必要です。 相談先は以下が挙げられます。- これまで診療を受けていた医療機関
- 担当のケアマネジャー
- 訪問診療を行っている医療機関
訪問内容の調整
患者さんの状態や主に抱えている疾患により、必要な訪問頻度・診療内容は異なります。そのため、実際に訪問診療を始める前に患者さんや家族からの聞き取りのほか、診療内容の調整が必要です。 相談の段階で訪問診療の医療機関に直接相談した場合でも、調整のなかでこれまで受診していた医療機関の主治医やケアマネジャーと連携をとり、診療に必要な情報を集める場合があります。これは、さまざまな情報を知ることで、患者さんの体調や希望に寄り添った診療を提供しやすくなるためです。 調整の際に必要な書類の例は下記になります。- 現在の主治医からの紹介状
- 使用している薬がわかるもの(おくすり手帳)
- 医療保険・介護保険の被保険者証
- 各種受給者証
- 限度額適用・標準負担額減額認定証
契約・利用開始
診療内容や頻度の調整ができたら、医療機関との契約を行い、患者さんの状態や予定に応じて最初の診療日を決めて利用開始となります。 なお、費用は患者さんの生活している場所が自宅か入所施設か、訪問の頻度や診療内容などによって変わるため注意が必要です。契約する前に、費用についてもしっかり確認しておくことをおすすめします。訪問診療で可能な診療・検査
自宅で診察を受けられるといっても「やはり病院とはできることが違うのではないか」と不安な方もいるのではないでしょうか。ここからは訪問診療で提供できる主な診療・検査内容の例を紹介します。詳細な診療内容や検査内容は、医療機関が持っている機器や専門とする分野によっても変わってきますが、訪問診療の内容をイメージする参考にしてください。
訪問診療の診療内容
訪問診療でできることには、患者さんの様子をみて必要に応じて薬を処方するという一般的な内容のほかに、下記のようなものがあります。- 自己注射や処置の指導・管理
- 在宅酸素療法の指導・管理
- 疼痛や褥瘡の管理
- 予防接種
訪問診療で可能な検査
訪問診療では尿検査・血液検査などの検査のほか、自治体が主体で行う健康診断も受けられます。 一方、CT検査や呼吸機能検査など大きな機器が必要な検査を受けるには、訪問診療では対応できず病院へ行かなければなりません。このような場合でも外来施設を持っている医院で訪問診療を受けていれば、検査のみ外来へ行き、結果説明は自宅で受けられます。そのため、訪問診療を受ける医療機関を選ぶときには、外来施設を併設しているかどうかも1つのポイントになるでしょう。緊急時には往診も可能?
訪問診療と往診は、どちらも医療従事者が患者さんのもとに伺うため混同されるかもしれません。しかし、訪問診療はあらかじめ訪問の頻度や目的を決めて定期的な訪問を行うものです。
一方、往診では急な容態の変化や突発的な症状など、患者さんや家族からの連絡を受けて訪問します。そのため、訪問診療を行っている医療機関でも、往診には対応していない場合があるため注意が必要です。緊急時も訪問診療を受けている医療機関に対応して欲しい場合は、当該医療機関が往診も行っているか事前に確認しておくとよいでしょう。
訪問診療なら麦島内科クリニックにご相談を
ここまで、訪問診療を受けられる条件や訪問診療でできる診療・検査内容について解説してきました。
最後に、往診や看取りにも対応可能で外来施設を併設しているクリニックである、東京都練馬区の医療法人社団清真会 麦島内科クリニックを紹介します。
外来施設も併設されている内科クリニック
前述のとおり、訪問診療でもさまざまな検査が可能ですが、一部の検査は医療機関でしか受けられません。そのため、麦島内科クリニックでは急な体調不良のフォローができるように外来を併設しています。
クリニックまでは移動が必要ですが、この場合も患者さんの負担を減らすため、予約なしでもすぐにCT検査や呼吸機能検査などを受けられる体制を整えています。
また、検査の結果は同日もしくは次回の訪問診療の際に説明を受けられるため、再び受診する必要がなく通院の負担も減らせるでしょう。
終末期の在宅での看取りにも対応
ずっと暮らしてきた場所で最期を迎えたいと考えている患者さんでも、自宅で十分な医療を受けられるか不安な方もいるのではないでしょうか。 麦島内科クリニックでは在宅での看取りにも対応しており、疼痛管理や全身管理を含めた診療が可能です。 訪問診療の経験豊かな医師と訪問看護師がチームとなって訪問診療や往診を行うため、急な体調の変化でもリラックスして診療を受けられるでしょう。患者さんが安心して治療を受けられるよう各分野の医師と連携
麦島内科クリニックには、下記のとおりさまざまな分野を専門とする医師が在籍しています。- 脳神経内科
- 糖尿病内科
- 循環器内科
- 腎臓内科
- 呼吸器内科
- 放射線科
- リハビリテーション科
麦島内科クリニックの基本情報
アクセス・住所・診療時間
東武東上線 上板橋駅より徒歩12分
| 診察時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | 祝 |
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| 9:00~12:00 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | - | - |
| 15:00〜18:00 | ● | ● | ● | ● | ● | - | - | - |
参考文献




