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訪問診療とは?往診との違い・訪問診療のサービス内容について解説

 更新日:2024/01/09
訪問診療とは?往診との違い・訪問診療のサービス内容について解説

「住み慣れた自宅で療養したい」「高齢で通院が困難になってきた」そのような方に寄り添い、療養に必要な医療サービスを提供するのが訪問診療です。

往診との違いは何か・訪問診療で受けられるサービス内容を知りたいと思っている方も多いのではないでしょうか。

訪問診療と往診は在宅医療であり、医師が自宅や施設に訪問し医療サービスを提供するという行為自体は同じです。

しかし、訪問システムやサービス内容に違いがあるため、利用する際には内容をよく確認する必要があります。

この記事では、訪問診療と往診のそれぞれの特徴に触れ、違いやサービス内容について解説します。

訪問診療の利用を検討している方はぜひ参考にしてください。

倉橋 寛明

監修医師
倉橋 寛明(東ひめじ腎泌尿器科クリニック)

プロフィールをもっと見る
平成11年3月
淳心学院高等学校卒業
平成17年3月
岡山大学医学部卒業
平成17年4月
赤穂中央病院(初期研修医)
平成19年4月
岡山大学病院
平成20年7月
高知医療センター
平成23年4月
岡山大学病院 助教
平成27年4月
ツカザキ病院 部長
令和2年9月
東ひめじ腎泌尿器科クリニック 開院

訪問診療とは?

訪問診療とは?
訪問診療とは、あらかじめ決められた日時に自宅や入居されている施設に医師が訪問し、診療や治療にあたる在宅医療です。
これまでは、患者さんが医療機関を直接受診する外来医療が一般的でした。しかし、高齢化や療養の選択肢の幅が広がってきたことから、自宅や施設で医療サービスが受けられる在宅医療の需要が高まってきているのです。

在宅医療の1つが訪問診療です。自宅や施設に居ながら、医療機関と同じ医療サービスが受けられ、通院の負担がなく精神的な面でもリラックスして医療行為を受けられます。
麻痺がある方・認知症の方・高齢者など、さまざまな理由から病院へ行くのが困難な方にとって、住み慣れた自宅や施設で医療サービスを受けられるという大きなメリットがあります。

訪問診療と往診の違い

訪問診療と往診の違い
訪問診療と往診は同じものだと捉えている方も多いのではないでしょうか。在宅医療という大きなくくりの中に、訪問診療と往診が含まれており、医師が自宅や施設に訪問し医療サービスを提供することには違いはありません。
計画的に決められた日時に訪問するのが在宅医療、急な体調の変化があった場合に臨時的に訪問するのが往診という部分が異なる点です。ここでは、訪問診療と往診のそれぞれの特徴に触れ、その違いについて詳しく解説します。

訪問診療の特徴

訪問診療は、1週間ないし2週間に1回ほどのペースで、 決められた日時に計画的に医師が訪問し医療サービスが受けられる在宅医療のことです。医師の診療や診察はもちろんですが、注射や薬の処方・採血・検査・医療機器の管理・床ずれの処置・療養上の相談や指導など、病院で行う医療サービスのほとんどを受けられます
患者さんの病歴・現在の病状・症状・ご家族がどのくらい介護に介入できるか・経済的な事情などをもとに診療計画や訪問スケジュールを立てて計画的に訪問し、診療や看護を行うのが訪問診療の特徴です。
定期的に医師の診療を受けられるため、患者さんの状態を維持したり病状の悪化を予防したりすることにつながります。

往診の特徴

往診は計画的に行われる訪問診療とは違い、自宅や施設で病状が悪化した場合に応急処置として医師が訪問し診療を行います。急に熱が出た、下痢の症状が続くなど救急車を呼ぶほどでもない状況の場合に、いつものかかりつけの医師(ホームドクター)が訪問し 臨時的に対応するというものです。
訪問診療は月に訪問する回数が原則2回までと決まっているのに対し、往診は患者さんやご家族の要請があれば、必要な時に回数制限なしで利用できます。患者さんの状態により、自宅や施設での療養が困難だと判断された場合には医療機関への入院手配を行うこともあります。
往診を希望する場合は、訪問診療を受けているという条件が必要なため、訪問診療が可能な医療機関に相談しておくようにしましょう。

一般的な訪問診療のサービス内容

一般的な訪問診療のサービス内容
訪問診療では、病院で行われる診療サービスのほとんどを自宅や施設で受けられます。訪問診療を行っている医療機関の設備により、受けられる医療サービスの内容が異なる場合がありますので、事前に受けたいサービスがあるかを確認しておくとよいでしょう。
ここでは、 一般的な訪問診療のサービス内容8つについて解説します。

診療方針の相談

自宅や施設でどのような治療を受けたいのか、どのように療養したいのかなどの要望がある場合、医師や看護師に相談できます。患者さんの状況や生活環境などを確認したうえで、希望に添えるような診療計画や訪問スケジュールを個別に作成し、訪問診療は行われます。
ご家族の介護力や経済的な事情によって受けられるサービスの内容が異なるため、申し込みをする際には医療機関の担当者とよく話し合うようにしましょう。

採血や尿検査

訪問診療では、必要に応じて採血や尿検査を受けることができます。医師や看護師が採血を行い、採取した検体を持ち帰り検査機関に提出します。
医療機関を受診せずに採血や尿検査を受けられるのは、大きなメリットでしょう。

心電図検査

大きな機械が必要だと思われがちな心電図検査ですが、自宅や施設などでも検査が可能です。ノートパソコン程の大きさに軽量化されて持ち運びしやすくなっているため、医療機関内だけではなく自宅や施設でも心電図検査を受けられるようになりました。
心電図検査は、患者さんの状態を把握するうえで大切な情報源です。通院が困難な場合でも心電図検査が受けられることは、患者さんやご家族の安心材料にもなり、病気の早期発見にもつながる検査の1つでしょう。

中心静脈栄養法(IVH)や点滴の指導管理

患者さんの状態によっては、中心静脈栄養法(IVH)や点滴治療を自宅や施設で必要な場合があります。中心静脈栄養法(IVH)や点滴は、体内に針を留置し生命維持や治療のために栄養剤や薬を投与するために行われるものです。医師や看護師が訪問する際には、挿入部位の観察や管理を行い、定期的な交換を行います。
自宅や施設で療養するためには日常的に介護を行う家族の協力が必要です。そのため、医師や看護師が不在の期間でも安心して管理が行えるよう、ルートの管理方法・薬の投与方法などについて指導・フォローを行います。

胃瘻の管理

胃瘻とは、胃にチューブを通し体外から直接栄養を取り込めるようにする手術のことです。加齢や脳疾患などが原因で嚥下障害がある場合など、口から食事を摂ることが難しい場合に行われます。
胃瘻がある状態で退院した場合、訪問診療であれば在宅での管理が可能です。医師や看護師の訪問時に、胃瘻が適切に挿入されているか、皮膚のトラブルがないかなどを観察し、胃瘻の交換にも対応します。

尿路カテーテル管理

尿路カテーテルとは、尿道カテーテル・膀胱瘻カテーテル・腎瘻カテーテルのことをいい、尿路機能障害や尿路閉鎖により排尿障害を起こしている場合に留置されます。尿路カテーテルを挿入している場合は、挿入部位の観察や周辺の皮膚トラブルがないか、カテーテルの抜けや破損がないかなどに注意が必要です。
訪問診療では、尿路カテーテルのトラブルに対応したり、定期的に交換を行ったりします。

在宅緩和ケア

緩和ケアとは、病気による痛みや苦痛を和らげ、患者さんがより安楽に過ごすことができるように関わる治療です。在宅緩和ケアは、医師や看護師が訪問し投薬や精神的なサポートを行い、患者さんがより自分らしい生活を維持しながら在宅療養を行えるようにサポートします。
病気の診断を受けた時や治療中など、さまざまな場面で痛みや苦痛を感じることがあります。終末期の患者さんはもちろんですが、病気や治療により痛みや苦痛を感じている場合にも緩和ケアを受けられます。通院する負担がなく、慣れ親しんだ自宅で療養できるため、精神的な安心感も得られるでしょう。

ターミナルケア

ターミナルケアとは終末期医療ともいわれ、余命宣告された方が最期まで身体的・精神的に痛みや苦痛を取り除きながら穏やかに過ごせるように関わるケアのことです。患者さんご本人が安らかな最期を迎えられるように援助することに加え、看取る側のご家族の精神的ケアも行います。
自宅でどのように過ごしたいか・どのような医療を受けたいかといった要望をヒアリングしたうえで、患者さん一人ひとりに合った診療計画を立て、訪問スケジュールに合わせてサポートします。

訪問診療の対象者

訪問診療の対象者
訪問診療の対象となるのは、「居宅(施設)で療養を行っており、疾病、傷病のために通院による療養が困難な方」という原則があります。しかし、明確な基準があるわけではなく、患者さんやご家族の状況を確認したうえで訪問診療の適応であると医師が判断した場合、訪問診療が利用できます。
例えば、以下のような状況にある場合、訪問診療の対象です。

  • 自宅や施設で療養を希望される方
  • 認知症や重度の障害により通院が困難な方
  • 寝たきりの方
  • がんの治療を自宅や施設で行っている方
  • 退院後、自宅や施設での療養を希望される方
  • 自宅や施設で点滴・胃瘻・尿路カテーテルなどの医療管理が必要な方
  • 自宅で緩和ケアやターミナルケアを希望される方

訪問診療は、年齢や性別・疾患の状況・病状の程度を問わず利用できます。訪問診療の申し込みをしたい場合は、まずはかかりつけの医療機関に相談してみましょう。実際の患者さんやご家族と面談を行い、在宅医療の内容やスケジュールについて情報共有をし、今後の訪問診療の方向性について決めていきます。

訪問診療のことなら東ひめじ腎泌尿器科クリニックにご相談を

東ひめじ腎泌尿器科クリニック
東ひめじ腎泌尿器科クリニックでは、退院後の方や入院せずに住み慣れた自宅で療養したい方などを対象に、訪問診療を行っています。

通院は患者さんだけではなく、ご家族に負担となる場合もあります。訪問診療は、通院受診が困難な高齢の方や寝たきりの方であっても、介助者を伴った通院をする必要がありません。

また、診察や薬の処方の待ち時間がなく医療サービスを受けられるため、身体的・精神的な負担が軽減されるというメリットがあります。

定期的に担当の医師が診察・検査・処置・注射・薬の処方・褥瘡予防・転倒予防・栄養管理などを行い、入院が必要な状況になるのを予防し、在宅での療養をサポートしています。

泌尿器だけでなく内科・がん全般など幅広い診療

「どこの病院に行けばよいのかわからない」「どの診療科で診てもらえばよいのかわからない」と感じることは多いのではないでしょうか。

東ひめじ腎泌尿器科クリニックは、泌尿器科疾患だけではなく、一般的な内科の疾患(高血圧・糖尿病・高脂血症)やがん疾患(消化器がん・胃がん・肺がん・膵臓がん)の診療を行っています。

関連性が高いとされている泌尿器科疾患と内科疾患を、トータルで診察・治療が受けられるため安心でしょう。

予測されるリスクを回避し病気を未然に防ぐ訪問診療

訪問診療は、定期的かつ継続的に医師が訪問し、計画的に治療・健康管理・看護などが行われるため、予測されるリスクを回避するとともに病気を未然に防ぐという役割があります。

病気を治療するという目的だけではなく、床ずれ予防・肺炎の予防・栄養状態の管理・寝たきり予防・転倒の予防などを行い、予測されるリスクに対して介入します。

急激な症状の悪化や状態の変化を起こす可能性を低くし、入院するリスクを回避することにもつながり、より長い期間自宅や施設で日常生活をしながら療養が可能となるのです。

地域に根ざしたやさしい医療を提供

東ひめじ腎泌尿器科クリニック院長
東ひめじ腎泌尿器科クリニックは、JR神戸線「東姫路駅」から徒歩1分、周辺には無料駐車場もあり利用しやすい場所にあります。

一般泌尿器科診療と一般内科診療を主体とし、姫路市やその近郊にお住まいの方・通勤されている方にとってのかかりつけの医師として診療・治療にあたっています。

また、クリニックでの診療の他に、姫路市・太子町・たつの市にお住まいの方を中心に訪問診療も行い、住み慣れた場所で療養できるようサポートを行っているのも特徴です。

患者さんとのコミュニケーションを大切にし、やさしく丁寧な診療を提供している地域密着型のクリニックです。

さまざまな症状や医療機関の選択にお困りの場合は、東ひめじ腎泌尿器科クリニックへご相談してみてはいかがでしょうか。

東ひめじ腎泌尿器科クリニックの基本情報

アクセス・住所・診療時間

JR神戸線 東姫路駅 徒歩1分

兵庫県姫路市日出町3-38-1東姫路駅前メディカルプラザ2F

診療時間
9:00〜12:00
12:00〜16:00
16:00〜18:00

△・・・訪問診療

診療費用について

各種健康保険が適用となり、入院・退院時と同じ負担割合となります。
訪問にかかる交通費は別途請求、インフルエンザなどの予防接種・診断書等の文書作成料は自費扱いとなります。

【患者さん負担】
自己負担額の目安
1割負担 7,000〜8,000円
2割負担 14,000〜16,000円
3割負担 21,000〜24,000円

【費用の内訳】
在宅患者訪問診療料 1回あたり 900〜2,700円
在宅時医学総合管理料 ひと月 4,100〜14,000円
難病や特別な医療管理が必要な場合:5,000〜15,000円
月1回の定期訪問の場合:2,520〜7,560円
居宅療養管理指導費 [介護保険] 約596円(298円×2回)
臨時往診料 1回あたり 850〜12,000円
電話再診料 1回あたり 80〜1,500円

上記に加えて検査や処置などを行った場合は別途費用が加算されます。
また、特別な医療管理が必要になった場合は、別途医学管理費が加算されます。
特定疾患(難病)などの助成や高額療養費等の適応を受けることができますので、証書等の提示をお願いします。
難病医療費助成制度・自立支援医療(精神通院)も対応しております。

この記事の監修医師