あざの治し方|あざの種類・治療方法・保険適用について解説
あざには青・茶・赤・黒などがあり、色によって原因が異なります。
機能的には問題がないことが多いですが、目に付く場所にあると気になるものです。お子さんのあざを心配している方も多いでしょう。
レーザー機器の進歩によって、以前よりあざを除去できる可能性が高くなりました。治らないと諦めていた方も、治療を検討してみてはいかがでしょうか。
この記事では、あざの種類や治療方法・健康保険が適用されるレーザー治療について解説します。
監修医師:
小林 正弘(新橋汐留 小林クリニック)
目次 -INDEX-
あざの主な種類
あざは色によって青あざ・茶あざ・赤あざ・黒あざがあり、メラニンが原因のものと血管異常によるものがあります。打撲の後にできる青あざは内出血によるもので、吸収されて消えるので心配はいりません。
青あざ(太田母斑、異所性蒙古斑)
人間の皮膚は、上から表皮・真皮・皮下組織の3つで層をなしています。通常はメラニン色素を作るメラノサイトという色素細胞は表皮の最も下の層である基底層に存在しますが、皮膚の中の一部分にメラノサイトが増殖することがあります。青あざは表皮の下の真皮にメラノサイトが集まり、作られたメラニン色素によって皮膚が青く見える状態です。青あざには生まれつき・生まれてすぐにできるものと、思春期以降にできるものがあります。
- 太田母斑:
女性に多い青あざで、あざができるのは生後まもなくの早発型と思春期からの遅発型の2種類です。額・目の周り・頬にかけてできる点状の青あざで、白目に青い色素班ができることもあります。あざの色は青紫色・灰紫青色・薄い褐色が混ざりあっており、顔の片側に現れることが多いです。自然に消えることはありません。色の濃いあざですが、レーザー治療が効果的です。 - 異所性蒙古斑:
生まれつきのあざで代表的なのが、日本人のほとんどにある蒙古斑です。お尻にできる青いあざで、10歳頃までに消えてしまうのがほとんどといわれています。
お尻以外に蒙古斑ができることがあり、これは異所性蒙古斑と呼ばれます。異所性蒙古斑も通常の蒙古斑と同じように10歳までに消えてしまうことが多いですが、中には青あざが消えずに残ってしまう場合があります。色の濃いものや目立つ場所にあるものは、早期に治療を始める方がよい結果を得られるでしょう。
茶あざ(扁平母斑)
茶あざは、体のいろいろな部分に現れる盛り上がりのない茶色のあざです。盛り上がりのない平たいあざという意味で、扁平母斑と呼ばれます。
薄い褐色のものはカフェオレ班と呼ばれますが、多発している場合はレックリングハウゼン病の疑いがありますので検査が必要です。生まれつきのものが多いですが、思春期以降に発生することもあります。
思春期以降に現れるベッカー母斑は肩から胸にできるあざで、あざの部分に毛が生えることも多いです。皮膚の上の層である表皮でメラニン色素が増殖したことが原因で起こりますが、あざの中では治療が難しく治療直後は効果がみられても、再発する可能性が高いです。幼い頃から治療を始めた方が効果が高まるため、早めに病院で相談してみましょう。
赤あざ(いちご状血管腫、単純性血管腫)
代表的な赤あざに、いちご状血管腫と単純性血管腫があります。
- いちご状血管腫:
乳児血管腫とも呼ばれ、未熟な毛細血管が増えることによって起こる良性の腫瘍です。血管の内皮細胞の増殖がみられるのが特徴で、生まれて1〜4週間後くらいから現れますが、平らな状態から数ヵ月で急に大きく盛り上がっていきます。見た目がいちごに似ているので、この名前が付きました。大きさは小さいものから大きいものまでさまざまで、体のどこにでも発生します。6ヵ月〜1歳頃までは大きくなり続け、5〜7歳までに赤みが抜けて小さくなっていきます。従来は経過観察のみでしたが、盛り上がりがしぼんだ後にたるみや隆起、皮膚の質感の変化が残ることから早期に治療を始めることが重要です。
内服薬としてヘマンジオルシロップといういちご状血管腫治療用の新しい薬があり、高い効果を上げています。しかし心臓への副作用があるため、服用前に心電図検査などを行い注意深く経過観察する必要があります。色素レーザーも有効です。たるみや隆起が残った場合は外科手術で切除することもあるそうです。 - 単純性血管腫:
生まれたときからある平らな赤あざですが、大人になるにつれて盛り上がってくることがあります。毛細血管が増えたり広がったりする血管の異常が原因です。このため、現在では血管腫(腫瘍)ではなく毛細血管奇形と呼ばれています。体中のどこにでもできるあざで、自然に消えることはほとんどありません。特に顔の片側の広範囲にできている場合は注意が必要です。スタージ・ウェーバー症候群という、皮膚以外に頭蓋内等に病変が存在する疾患である可能性があるため、詳しく検査をする必要があります。色素レーザーでの治療が有効で、なるべく早く始めた方が目立たなくなるでしょう。色素レーザーは、重ね打ちをしてしまうと傷あとが残ることがあるので、動かないよう以前はお子さんの場合は全身麻酔をすることが多かったですが、レーザー装置の進歩で、少々動いても問題なくなり、その必要性は少なくなりました。
黒あざ(色素性母斑)
色素性母斑の中でも、小さいものは一般にほくろと呼ばれるものです。生まれつきのものが多いですが、後から発生することもあります。
大きさはさまざまですが、体中に広がるような大きなものもあり、悪性化することもあるので注意が必要です。黒あざの治療は、良性か悪性かを判断することが大切です。
小さいほくろを除去するには、レーザー治療やメスで丸く切り取る方法が一般的ですが、大きいあざは外科手術で切除する方法があります。外科手術は一回で確実に切除できるメリットがありますが、傷あとが残ります。
最近ではレーザー治療機器の進化により黒あざにも効果がみられることがあるので、希望される方は病院で相談してください。
あざの治し方は?
ここからは、主なあざの治し方を紹介します。
皮膚科で治療
肌にできるものなので、まず皮膚科を受診する方が多いでしょう。以前は外科手術で切除する方法をとっていましたが、現在はレーザー治療を選択する場合が多いです。
赤あざには色素レーザー、青あざにはメラニン色素を破壊するレーザーで治療を行います。黒あざは悪性腫瘍でないかの検査の後に、炭酸ガスレーザーで削る方法や色を取るレーザーで治療する方法があります。
レーザー治療を専門とするクリニックで治療
レーザー治療は体への負担が少なく、あざの治療の一部に保険が適用されることからも有効性が認知されてきました。医療のさまざまな分野で活用されていますが、治療には技術と機器に対する知識が必要です。
またレーザー機器は高額のため、全てのクリニックで治療を受けられるとは限りません。レーザー治療を専門とするクリニックならあざ治療の経験も豊富なので、治療が成功する確率が高まるでしょう。
あざの主な治療方法
治療が難しいあざもありますが、効果的なレーザー機器の登場により治療できるあざが増えました。レーザー治療は1回で終わるものではなく、治療回数には個人差があります。
ピコ秒レーザー
ピコ秒レーザーの「ピコ秒」は照射方法を表す名称です。ピコ秒YAGレーザー、ピコ秒アレキサンドライトレーザーなどがあります。青あざ・茶あざ・黒あざの治療に使用される、色素疾患治療用レーザーです。あざの原因であるメラニン色素だけに反応する光をあざに照射することで、メラニン色素を破壊する効果があります。
従来の治療ではナノ秒(10億分の1秒)単位のQスイッチレーザーが主流でしたが、ピコ秒レーザーはピコ秒(1兆分の1秒)という短い時間単位でレーザー照射が可能です。
非常に短い照射時間(パルス幅)で高いエネルギーを照射することにより、痛みが少なく色素沈着などの副作用を減らせるそうです。ピコ秒レーザーでは光の衝撃波で色素を細かく破壊できるので(光音響作用)、今まで難しかったカラータトゥーも除去できるようになりました。
Vビームレーザー
Vビームレーザーは、赤あざの治療に効果を発揮するダイレーザー(色素レーザー)です。血管腫など血管病変の治療専門のレーザーで、ヘモグロビンの赤い色に吸収される光線を照射することで、増えた毛細血管を破壊することができます。
レーザーを照射する直前に冷却ガスが噴射されて、やけどや痛みを抑えられるそうです。従来のダイレーザーには冷却機能が付いていませんでしたが、Vビームレーザーの登場でリスクを抑えた血管腫の治療が期待できます。
あざの治療は保険適用される?
あざの治療は高額だと思って、治療をためらう方もいるでしょう。あざの治療には保険が適用されるかみていきましょう。
保険適用になるものと自由診療のものがある
レーザー治療に保険が適用されるあざは、以下になります。
- 青あざ(太田母斑・異所性蒙古斑)
- 茶あざ(扁平母斑)
- 赤あざ(いちご状血管腫・単純性血管腫)
あざ以外の疾患のレーザー治療で保険が適用されるのは、毛細血管拡張症と外傷性色素沈着症です。
使用するレーザーの種類によっては自由診療となる
保険が適用されるレーザー治療機器は以下になります。
- ルビーレーザー:太田母斑・異所性蒙古斑の場合、3ヵ月ごとに5回まで。扁平母斑の場合、3ヵ月ごとに2回まで。
- YAGレーザー、アレキサンドライトレーザー:太田母斑・異所性蒙古斑の場合、3 ヵ月ごとに回数制限なし。残念ながら、扁平母斑には保険適用なし。
- ピコ秒レーザー:ピコ秒レーザーには、ピコ秒YAGレーザー、ピコ秒アレキサンドライトレーザーがあり、太田母斑・異所性蒙古斑の場合、3 ヵ月ごとに回数制限なし。扁平母斑に保険適用のあるルビーレーザーにピコ秒レーザーがないため、ピコ秒レーザーは、扁平母斑には、保険適用なし。
- ダイレーザー(色素レーザー):いちご状血管腫・単純性血管腫の場合、3ヵ月ごとに回数制限なし。
あざの種類によっても治療費は異なる
黒あざ(ほくろ)の治療は、手術には保険の適用がありますが、レーザー治療には保険適用がありません。
これまで解説した太田母斑・異所性蒙古斑・いちご状血管腫・単純性血管・扁平母斑以外のあざでのレーザー治療は、全て自由診療です。
あざの治療なら新橋汐留 小林クリニックにご相談を
あざの治療にはレーザー治療が効果的であることは、ご理解いただけたのではないでしょうか。
どこの病院にするか迷っている方へ、あざ・シミのレーザー治療を専門に行う新橋汐留 小林クリニックをご紹介します。
自由診療もリーズナブルな価格設定で治療可能
青あざ(太田母斑・異所性蒙古斑)と赤あざ(いちご状血管腫・単純性血管腫)には健康保険が適用されますが、黒あざやその他のあざは適用外となります。
保険が適用されるあざの治療は、3割負担で6,000〜32,010円(無税)です。乳幼児医療証、子ども医療証も使用できますので、日頃、医療費の負担のない場合は、自己負担はありません。
新橋汐留 小林クリニックは、自由診療でも治療を続けやすいように、リーズナブルな価格を設定しています。
例えば、色素性母斑(黒あざ)や扁平母斑(茶あざ)の場合、ピコ秒YAGレーザーを使用して、1回につき1平方cmのものから64平方cm以上のものまで11,000〜39,500円(税込)で治療が受けられます。
保険適用のないピコ秒YAGレーザーによる扁平母斑の治療を無料で行う治療トライアルも実施しているので、茶あざに悩んでいる方は試してみてはどうでしょうか。2回目以降の治療は、自由診療となります。また、麻酔料は治療費に含まれますが、再診料や投薬料などが必要です。
先進的な機器による治療を提供
新橋汐留 小林クリニックでは、大手レーザー機器メーカー シネロン・キャンデラ社のピコ秒レーザー(キャンデラ PicoWay)や同じくキャンデラ社のVビームレーザーなどの高性能なレーザー装置で治療が行われています。
レーザー装置の進化で、以前には治療が難しかったあざでも除去できる可能性が高まりました。
痛みが少なく、副作用も起こりにくくなっています。
慶應義塾大学教授の経歴がある院長による診療
新橋汐留 小林クリニック院長の小林正弘先生は、形成外科医としての長い経験がある、日本形成外科学会の形成外科専門医です。
2005年から2022年までの17年間にわたり慶應義塾大学教授を務め、レーザー治療にも精通しています。
あざのレーザー治療は簡単なものではなく、良性のものなのか、他の疾患によるものではないかをしっかり見極め、あざの状態によってより適した機器の選択や効果と副作用を考慮した照射条件の設定に知識と経験が必要です。
経験豊富な小林院長が一貫して治療を行うので、安心して治療を受けることができるでしょう。
小林院長は子どものあざの治療に力を入れているので、お子さんのあざ治療を検討している方は相談してみてはいかがでしょうか。
新橋汐留 小林クリニックの基本情報
アクセス・住所・診療時間費用・治療回数・治療期間
JR 山手線 ほか・東京メトロ銀座線・都営地下鉄浅草線 新橋駅 徒歩5分
ゆりかもめ・都営地下鉄大江戸線 汐留駅 徒歩4分
診療時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | 祝 |
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10:00~13:30 | ● | ● | - | ● | ● | ● | - | - |
15:00~18:00 | ● | ● | - | ● | ● | ● | - | - |
夏季休暇(8月13日~16日を含む6日間)
年末年始休暇(12月29日~1月3日の6日間)
【費用】
色素性母斑、扁平母斑
[ピコ秒-YAGレーザー]+[CO2レーザー]
1平方cmまで 11,000円(税込)
4平方cm未満 20,000円(税込)
4平方cm以上、16平方cm未満 23,700円(税込)
16平方cm以上、64平方cm未満 29,000円(税込)
64平方cm以上 39,500円(税込)
【治療期間】1~2ヵ月ごと
【治療回数】5~10回程度
参考文献
- 太田母斑(青あざ)|新橋汐留 小林クリニック
- 異所性蒙古斑(青あざ)|新橋汐留 小林クリニック
- 扁平母斑(茶あざ)|新橋汐留 小林クリニック
- 毛細血管奇形(単純性血管腫)(赤あざ)|新橋汐留 小林クリニック
- 乳児血管腫(いちご状血管腫)(赤あざ)|新橋汐留 小林クリニック
- 色素性母斑(母斑細胞母斑)(黒あざ)|新橋汐留 小林クリニック
- 黒子(ほくろ)|新橋汐留 小林クリニック
- ピコ秒レーザー|新橋汐留 小林クリニック
- ひふの病気|日本臨床皮膚科医会
- Vビームレーザー|新橋汐留 小林クリニック
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